メモ、LANケーブル修理・自作。(フラットケーブルでより線でも難しくないですね)
追記(2013/11/14):最初に追記と言うのも変ですが、後から追加したので追記としておきます(汗)
長いこと使っていたブロードバンドルーターから配線に使っていた5mのフラットケーブルのツメが折れたので修理しようと思いました。最初、事前に何も調べず秋葉原のヨドバシで、「より線仕様」と書いてあるエレコムの「LD-RJ45TY10」を購入しました。で、やったのですが、上手くいきません。フラットケーブルは基本的により線です。より線だと線も細くてなんともやり辛い。一度は挫折しあきらめました。まあ単線のLANケーブルの修理や製作は出来るので取り敢えず良いかと、。
↓より線用と称するエレコム「LD-RJ45TY10」。後ろで説明するロードバーはないです。
しかし、フラットケーブルは取り回しも楽だし、5mもあるので捨てるのももったいないととっておきました。取っておいたのですが、一度はあきらめたと言うことは、捨ててもいいと言うことであって、捨てるくらいならまたチャレンジしたいと思うのは自然の流れ(汗)今回、あらためて調べなおしてみました。相変わらず「より線LANケーブル修理の話題」は少なくて検索でヒットしません。下記ページを一つだけ見つけました(ただし、写真説明の時のロードバーの向きが逆になってます)↓
フラットケーブルにRJ45コネクタをつける
http://clubaiai.blogspot.jp/2012/07/photo1.html
です。説明中のキーワードは「ADT-RJ45-10F」。早速、秋葉原のヨドバシに行って「SANWA ADT-RJ45-10F
」を購入し、やってみました。
分かったのは、適切な部品を選んでやればそれ程難しくはないと言う事でした。最初に書いた「エレコムのLD-RJ45TY10」は袋に「より線仕様」と書いてあるのですが、フザケルな「何がより線仕様だよ」と言うのが正直な感想。「SANWA ADT-RJ45-10F」を使って修理が出来る様になった今言えるのは、キーワードはロードバーです。
エレコムのより線用と称する「LD-RJ45TY10」にはロードバーはついてないですし、ルーペで拡大して観察すると、そもそも心線間の仕切りに隙間が空いているのは、一緒に購入したエレコムの単線用「LD-RJ45T10A」と同じです。両方とも仕切りのレーンが上下にあって上下の間に隙間があります。単線は一度差し込めば太さがあるので隣には行かないですが、細いより線では隣の心線の所に動いてしまうのでした。見る限りでは同じ構造で、エレコムの「LD-RJ45TY10」が何をもってより線用と称しているのか理解不能。完全に見切って、エレコムのより線用コネクタ「LD-RJ45TY10」は単線用に使ってしまいました。それでも残った2個は話のネタの証拠品として保存しておくつもり。
↓再度、より線用と称するエレコム「LD-RJ45TY10」の写真。斜め横から撮りました。単線用の「LD-RJ45T10A」と見かけ上の作りは同じ。当然細いより線では隣の心線レーンに動いてしまい上手く出来ません。何をもってより線用と称しているのか理解不能。
↓こちらはお勧めの「SANWA ADT-RJ45-10F」です。右側にあるロードバーがより線フラットケーブルでの修理・製作作業を成功させる肝です。この写真のあと、以下見やすいように黒い布を敷き写真を撮りました。
←ロードバーが分かるように横から見た写真。ロードバーはこの向きでコネクタに入れます。
↓作業後のコネクタを横から見たところです。ロードバーを使うと本当に作業が楽です。白く見えるのは、LANケーブル自作用に、秋葉原ガード下、部品ばら売り店で購入した内径6.0φの「難燃熱収縮チューブ スミチューブF(Z)」です。チューブ表面の文字印刷は(VW-1 -F- SUMITOMO-K SUMITUBE F(Z)CAT 939 105℃)となってます。ネットで検索すると⇒「熱収縮チューブ スミチューブ
」が出て来ますが、秋葉原が近い人は秋葉原ガード下、部品ばら売り店に行った方が手っ取り早いかもしれません。ライターやドライヤーなどで加熱するとピッタリケーブルに巻き付き、ケーブルを保護したり、かしめがしっかり固定するように出来ます。下の写真ですが、丸いケーブルと違い、フラットなので今回はかしめで挟まるように置いているだけです。
正面から。1、2、3、そして6番線の4本の心線が見えてます。「橙のペア(白橙・橙)、緑のペア(白緑・緑)」の4本です。かしめると、先端の各心線の金具が上に上がり1、2、3、6の心線をしっかり押さえます。知らない人が結構いますが、普通のLANケーブルでは2ペア、1、2、3、6の4心線しか使いません。8本作業してもよいのですが、面倒なので4本で製作しました(10BASE-Tと100BASE-TXでは、実際使っているのは2ペアの4心線。1000BASE-Tでは4ペア、8本の心線が全て使われる)。
どうもピントが甘いようなので、マニュアルで撮り直しました。4本の心線がしっかり先端に届いているのが分かります。テスターの導通試験もOK、実際にネットを使えることを確認しました。
一度はあきらめていたのが、自分でも出来たので正直とてもうれしい。と言う事で、同じくピントをマニュアルでもう一枚(汗)
今回の反省点。「熱収縮チューブ スミチューブ
」をかしめの補助に使いましたが、単線のLANケーブルの時のようには上手くいきませんでした。隙間があって動いてしまいます。コネクタを無駄にするのはいやなのでそのままにしてますが、次回修理する時にはチューブを二重にするか、下記メーカーの説明頁にあるように、あまったフラットケーブルの切れ端を挟もうと思ってます。
↓SANWAの説明頁です。写真入りで詳細に説明しているので、分かりやすいです。
CAT5eケーブル自作(フラットケーブル)
http://www.sanwa.co.jp/lan/flat.html
→魚拓2
子供の頃、工作が好きだった人なら、LANケーブルくらいは自分で作っちゃた方がいいです。それほど難しくないし、楽しいですよ。僕はLANケーブルテスターはサンワサプライのLAN-TST3N
を使ってますが、値段もそれほど高くないし、長いケーブルの離れた両端でも分離して取りつけ、無線で調べられるので便利です。
まとめ:最近、特に初心者には無線ルーターが流行ってますね。しかし、電波や、ネットについて知識のある人は基本的に無線は使わず、有線を使います。有線なら、無線でよくある電子レンジなど電磁波による通信中断なんてのもないですし(電子レンジはWiFiと同じ周波数帯なので干渉します)、無線ルーターにあるような近隣への電波ダダ漏れなんてのもありません。
ただし、初心者以外でもうっかり見落としがちなのが、あまったLanケーブルを束ねる事による障害です。家電製品説明書の注意書きでは「電力線を束ねると発熱します」と書いてあるので、さすがに電力線を束ねる人はいません。しかし、Lanケーブルだと束ねる人が結構います。その場合、たとえ緊縛していなくても束ねた事によるケーブル間電磁波干渉があり、ネットがつながらなくなります。フラットケーブルは長さがあまる場合があり、つい油断して縛りがちですが、もしバラけて邪魔なら、かりに束ねるにしても緊縛しないでゆるゆるにまとめておけば、通信中断はしません。※
※以下関連:カーナビでの「ケーブル間電磁波干渉」の話しです。最初に買った、取り付け・取り外しが出来る車載ナビでは、アンテナが現在のように内蔵ではなく長いケーブルの先についた2cm四方のアンテナで、下面の磁石がフロントガラス真下あたりの所にペタリとつくタイプでした。ケーブルが長く余るので束ねて縛ったら途端にナビが動かなくなりました。すぐに気がつきゆるめたらナビが動き出しました。念の為にもう一回試して再現性は確認してます。
ここからが、最初に投稿した時のメモです(セロハンテープを使った臨時・応急修理のやり方を最後に追加)
※参考:
LANケーブルの作り方
http://www002.upp.so-net.ne.jp/jsrc/densi/cable.html
(クリックで拡大)
上記図は、ロープワークで言う端(エンド)から元を見て、プラグの爪のある方から見た時の順になっています。しかし、実際の作業では元を持ってエンドをプラグに挿入するので、プラグの爪のないほう、裏側端子が見えている方から見て左から1番(この画像の場合、左回りに90度回した状態)の順で覚えておきます。もう一方の端(エンド)についても同じ。
線は 「橙のペア(白橙・橙)、緑のペア(白緑・緑)、青のペア(青・白青)、茶のペア(白茶・茶)」の4ペア。
10BASE-Tと100BASE-TXでは、実際使っているのは橙のペア(白橙・橙)、緑のペア(白緑・緑)だけで1、2と3、6番だけ。(2ペア使えばいいので色は橙のペア(白橙・橙)と青のペア(白青・青)とかこの図の組み合わせでなくても大丈夫だけど、これで覚えておく)
1000BASE-Tでは4ペア全てが使われる。
クロスケーブルの画像説明で、右側の白地四角枠内では、左側の白地四角枠内表示がそのまま表示されていて実際のペア線色と違っています(最初の一端はストレートのやり方でやっておく)。最初の一端で左側1、2の橙のペア(白橙・橙)がクロスとなる右側の一端では1、2の緑のペア(白緑・緑)になり、最初の一端で3、6の緑のペア(白緑・緑)がクロスとなる右側の一端では3、6の橙のペア(白橙・橙)と入れ替えられている所がポイント。
モジュラープラグに差し込む前、線を並べる手順、
(ストレート)4ペアを別に分けたら、
1、「橙のペア、緑のペア、青のペア、茶のペア」の順に時計回りに配置して花弁のように開く。
2、それぞれのペアをほぐしたら、左から順に4ペア「橙のペア(白橙・橙)、緑のペア(白緑・緑)、青のペア(青・白青)、茶のペア(白茶・茶)」を整列させる。
再度、順を確認しながら、4の所の整列をし直す。
3、橙のペア(白橙・橙)を並べ、緑のペア(白緑・緑)を並べる。
4、3の緑のペア(白緑・緑)の間に、青のペア(青・白青)を置く。
5、最後に茶のペア(白茶・茶)
ケーブル端をゆすりほぐして癖を取ってから、ケーブル先端を切って揃える。ここがポイント、モジュラープラグに差し込む直前に切りそろえないと上手くいかない。この部分さえちゃんとしていれば、穴には正確に挿入される。
ストレートケーブルなら反対の部分も同じくこの(ストレート)のやり方でやる。クロスケーブルならこの(ストレート)のやり方でやった後、反対の部分を下記(クロス)のやり方で作る。
(クロス)4ペアを別に分けたら、
1、「緑のペア、橙のペア、青のペア、茶のペア」の順に時計回りに配置して花弁のように開く。
2、それぞれのペアをほぐしたら、左から順に4ペア「緑のペア(白緑・緑)、橙のペア(白橙・橙)、青のペア(青・白青)、茶のペア(白茶・茶)」を 整列させる。
再度、順を確認しながら、4の所の整列をし直す。
3、緑のペア(白緑・緑)を並べ、橙のペア(白橙・橙)を並べる。
4、3の橙のペア(白橙・橙)の間に、青のペア(青・白青)を置く。
5、最後に茶のペア(白茶・茶)
※LANケーブルの単線とより線
http://www.sanwa.co.jp/lan/lan_qa.html#kb_q4
単線の方が性能面では有利です。LANケーブルにはより線と単線がありますが、これは単純に使用する長さによって使い分けてください。より線・単線共に8芯で構成されています。その1本1本がより線は7本の細い銅線で構成されていますが、単線は1本です。
柔軟性が必要で、5m以下で使用する場合はより線、それ以外で特に基幹配線には単線を使用することが原則です。
ついでながら、プラグにはより線と単線用の区別が原則として存在します。また情報コンセントやローゼットなどはほとんどが単線を対象にしています。
◎◎◎臨時・応急修理の便利なやり方。(阿修羅での紹介投稿、クエスチョンと言うのは僕の旧ハンドルネーム)
臨時・応急と書きましたが、会社でこのやり方で補修したLANケーブルを配置替えするまでズーッと使っていたことがあります。
(↓クリックすると拡大します)スクロールして見るなら。
日経NETWORKを2000年5月の創刊号から暫くとってました。シリーズ物で「達人のツール」と言うのがあり、毎回楽しみな頁でした。2002年10月号で、今月の達人、村山公保(ゆきお)さん(倉敷芸術科学大学助教授)「セロハンテープのとっておきの使い方」の表題で、LANケーブルのコネクタを補修するやり方が紹介されてました。⇒pdfにしました「日経NETWORK 2002年10月号」
使うのは、事務所でも普通においてある住友3Mの「Scotchクリアテープ」12mmX35m、これだけ。やってみるとすこぶる具合がいい。今はコネクタを補修・自作も平気でやれますので、あまりする事はなくなりましたが、旅行でパソコンやipadと無線LANのルータを持って行くときなどは、テープを念の為に持って行ってます。
宿泊したホテルで、時々LANケーブルのコネクタのツメが折れていることがあります。ビジネスホテルの場合、フロントで話せば代わりのケーブルを渡してくれる事が多いですが、温泉街のホテルのような場合にはネットに詳しくなかったりしてすぐ用意出来ない場合もあります。そんな時にはサッサと自分で直した方が手っ取り早いです。やり方は簡単、住友3Mの「Scotchクリアテープ」12mmX35mを6.5cmくらいの長さで切ったら、コネクタを裏返しにして接線に触れないようにその下の縁の所から下の部分に何回か巻くだけです。
試した感じでは、6.5cmくらいの長さが、コネクタを挿入したときの感じがきつ過ぎもせず、緩すぎもせず具合がいいです。
↓住友3Mの「Scotchクリアテープ」12mmX35mと、手前は長いこと使っていたテープで補修したコネクタ(ツメのない裏側)です。少しシワがよっていて分かると思いますが、接線が見える部分の下の縁あたりに巻き付けます。スクロールして見るなら。
(始めに戻る)
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