気になるニュース。「中国人研修生の殺傷事件」「数日前から部屋にこもって働かなくなった、」(18日の数日前と言えば、、)
以下、紙の記事からとWeb版の記事から。どちらも東京新聞です。
気になったのは、Web版にはなくて紙の記事の方にだけあった、表題でも書いたように「数日前から部屋にこもって働かなくなった、」のところです。18日の数日前と言えば15日頃です。
ここで、想像力を働かせて、中国人研修生の気持ちを考えてみる。おそらく26歳と言えば中国で江沢民による愛国主義教育が急速に広められた頃の世代である。愛国主義教育の中では、日本鬼子(リーベンクイツ)の具体的な残虐行為を教えられたことはもちろんとしても、それと併行して、「一般の日本国民は同じく日本軍国主義の被害者であり、連帯すべき同じ人民だ」と教えられていたはずである。
※8月23日上記段落一部訂正、&以下加筆:江沢民の愛国主義教育や二分論についてはとむ丸の夢 の「日中は歴史にどう向き合うか」によくまとめられています。また江沢民の愛国主義教育の行き過ぎた面については矢吹 晋さんの「江沢民の愛国主義教育」が詳しい。なお矢吹 晋さんは元東洋経済新報社記者で、現在横浜市大名誉教授ですが、講演記録 があります。どれもなかなか読み応えがあります。
※――国家教育委員会が「愛国主義教育実施綱要」を各級教育機関に通知したのは1994年9月23日であり、国務院民政部が「愛国主義教育基地」百カ所を指定したのは1995年3月のことであった。
1996年10月10日、江沢民は14期 4中全会で重要講話を行い、「とりわけ青少年の間で愛国主義教育を強化せよとよびかけた。――(矢吹 晋「江沢民の愛国主義教育」より)
もしそうだとするなら、小泉の靖国参拝をTVなどを通してみてどのように感じただろう。TVは小泉の参拝だけでなく、それを無邪気に歓迎する、あるいは歓迎しないまでもタレントでも写すがごときノリでデジカメや携帯をかざしている若者の群れを映していたのである。
もし自分が中国人だと想像してみるなら、なんともやり切れず絶望したに違いない。
※もしその研修生がインターネットをやっていたならと考えずにはいられません。僕のココログに来て、「佐高信氏さんの呆れ果てぶりを漫画にするなら、こんな感じかもね、、。」の漫画を見てくれていたなら、、。少なくとも最後のコマを見ていてくれたなら、、。
④(クリックすると拡大します)
以下、東京新聞。前が紙で、後ろがWeb版。
中国人研修生が3人殺傷 トラブル?直後に「服毒」 木更津の養豚場【東京新聞】8月19日(土)朝刊の12版
18日午後6時ごろ、千葉県木更津市矢那の養豚場「森本畜産」(森本明夫代表)から「人が刺された」と110番があった。木更津署員が駆けつけると、男性二人と女性一人がナイフで刺されていた。3人は病院に運ばれたが、男性1人が死亡、別の男性と女性も重傷を負った。三人を刺したとみられる男は現場で殺虫剤を飲んで、病院に運ばれた。同署は殺人事件として男の回復を待って動機などを追及する。
調べでは、男は中国人の農業研修生(26)。犯行に使われたナイフは全長約20㌢で、死亡した男性は腹部などを刺されており、失血死だった。
死亡したのは社団法人千葉県農業協会職員越川駿さん(62)=同県横芝光町宮川。重傷を負ったのは同県成田市の会社員の男性(53)と千葉市稲毛区の通訳の女性(44)。
男は、越川さんやけがをした男性の紹介により、今春から森本畜産に住み込みで働いていたが、数日前から部屋にこもって働かなくなったという。森本畜産側から「勤務態度が悪い」と苦情が寄せられ、越川さんと男性、通訳の女性が現場に集まって話し合いをしていた際に、男が次々と刺したらしい。
現場は館山自動車道木更津南ジャンクションの東約4㌔の山間部。
男女3人刺し1人を殺害 中国人研修生、帰国促され【東京新聞】8月19日(土)web版
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006081801007550.html
18日午後5時55分ごろ、千葉県木更津市矢那の養豚場「森本畜産」から「男女3人が男にナイフで刺された」と110番があった。3人は病院に運ばれ、男性1人が死亡した。男女2人も重傷だが、命に別条はないという。
男は中国人の農業研修生(26)。勤務態度が悪いとして帰国を促され刺したという。直後に液状の薬品を飲んで自殺を図り、病院で手当てを受けている。木更津署は男の回復を待ち、殺人容疑で取り調べる。
死亡したのは県農業協会職員越川駿さん(62)=同県横芝光町=で、重傷の男女は成田市の男性会社員(53)と千葉市の通訳の女性(44)。
調べでは、男は今春来日し、会社員のあっせんで森本畜産で住み込みで働いていた。会社員らは同畜産の経営者から男の勤務態度が悪いと相談を受けていた。
(共同)
(2006年08月19日 00時56分)
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