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2007年6月25日 (月)

笑わせるな、拘束名簿式より非拘束名簿式の方が優れている。自民が賛成、社民が反対してたから悪いなんて機械的な判断はしない。

※このエントリーは「非拘束名簿式比例代表制への疑問」関連です。やり取りの中で、2001年参院選から導入された非拘束名簿式比例代表性への認識が深まるのでkojitakenさんには感謝してます。

 僕のバナーを使ってらっしゃるのであまりきつい言い方はしたくはないのだが、言うべきことははっきり言っておく。

 導入時に、社民党が反対し、自民党が導入したから悪なんて機械的な思考停止の判断を僕はしない。その本質で見る。

 拘束名簿式の時に、確認団体(党も含む)の中でその順位を決める権限のある者、あるいは機関が絶大な権力を持つようになるのは簡単に分かることだ。

 衆院の小選挙区制の下で、候補者を決める権限のあった小泉が党内で絶大な権力を振るうようになったのと同様な力学である。

 むしろ今回、2001年参院選から導入された非拘束名簿式比例代表性の利点を護憲派の中の、社民や共産が生かせなかった幼稚さを嗤う。

 非拘束名簿式比例代表性は、個人名の得票+確認団体名の得票=確認団体の総得票数とする方式である。(解説サイトでは「政党名か個人名で投票」となっているけれど、「確認団体名か個人名で投票」の方が正確。)

 もし、今回参院選で、9条ネットを確認団体として各政党が結集していれば、護憲派の死に票が激減したことだろう。

 組織力のある党は各候補者に正確に票を割り振り特定のエリアの党員・支持者に個人名で投票することを周知していれば良いだけだからだ。

 以前の拘束式の時には、ある党に比例区で投票しようとしたときに、自分の意中の候補者がいても順位が上位なら別、もし下位にいてもその候補者への思いを反映させることはできなかった。

 現在の非拘束名簿式比例代表性の場合には、順位を決めず単なるあいうえお順のリストなので各有権者が個人名で投票することによって自分の意思を反映させることができるのである。

 むしろ僕は、非拘束名簿式比例代表性でやる選挙が今回の参院選で最後となるのではないかと危惧している。

 9条ネットのような課題限定の確認団体のもと、いくつかの政治勢力が結集する威力に自民党が気がつけば、次回の時までには「1年以上の政党活動の団体に限る」とか「政党の要件はこれこれである、、」と言うようなガチガチのしばりがかけられてしまう気がするのである。

 天木直人さんや、9条ネットに対するマスゴミの奇異に見えるくらいの無視ぶりに考えるヒントが隠されていると思う。

※「非拘束名簿式比例代表性」をさらに民主的に改正するなら、「個人名の得票+確認団体参加政党の得票+確認団体名の得票=確認団体の総得票数」とすべきだと思う。

※下記は「非拘束名簿式比例代表性」を広報するために作ったバナー。

2001年の第19回参院選から導入の比例代表の「非拘束名簿式」、政党名だけでなく、候補者名でもOKだバナー 2001年の第19回参院選から導入の比例代表の「非拘束名簿式」、政党名だけでなく、候補者名でもOKだバナー

※バナーをクリックすると「非拘束名簿式比例代表性」解説サイトに飛びます。

※なお、右のバナーの漫画チック安倍は「今日のねんど ねんどで遊んでみました」のめぐみさん作成の写真を利用させていただきました。

以下、「非拘束名簿式比例代表性」についてもっとも理解していて、そのメリットを最大限に駆使しようとしている9条ネット共同代表 弁護士 前田知克さんのインタビューです。

 全文はこちら。

 以下、肝の部分だけ転載します。


(略)

「9条ネット」設立の背景

2007年の統一地方選挙の結果は「9条ネット」にとってどのようなものでしたか?

 9条ネットに参加している人達から数多くの地方議員を選出しました。既成政党に飽き足らない人達の支援を得ました。

「9条ネット」の目的・趣旨について簡単にご説明ください

 憲法9条を変えさせないために党派のいかんを問わず、9条擁護の市民の平和勢力を結集しようとするもの。

「9条ネット」結成をした理由について4点お伺いしたい

①日本になぜ「9条ネット」が必要なのか?
②必要ならば、何故、必要といえるのか
③社民党など既成の革新勢力で物足りない点は何か

 123を一緒に答えます。

 護憲勢力とされている政党の中で、議席をもっている共産党、社民党は支持率が低く(最近でも、1~2%)、また本当に共同して市民の中に浸透して行こうという気構えが無く、すべて我が党ということが優先して真の統一戦線が組めない。

 これでは、選挙のときにはこれらの政党に投票しても死に票となるので投票に行かない人が多い。

 憲法9条を護ろうという人達でも、共産党や社民党には投票したくないと言う人達も大勢いる。護憲勢力政党といわれる党らは、一緒になって改憲勢力 と戦おうとはせず、ばらばらで、自分の党の勢力拡大だけに熱中している有り様なので、これらを市民の立場から結集させよう、そうして、これまで棄権してい た人達が投票する対象を作り上げようということです。

 前述の通り、既成政党だけでは憲法を護る力が結集できない。政党に対する期待感がなく絶望を感じている人達がたくさんいる。護憲勢力をまとめて、 憲法改悪に危機感をもつ人達を結集し、選挙で護憲勢力を増加させ、改憲勢力(自民、公明)を減らすことが必要である。それには政党に飽き足らない人達の投 票目標を作ろうということです。

④9条ネットと他党との違いは何か

 9条ネットは政党ではない。
 ただ今回の参議院選挙で9条を護ろう、殺されかけている9条を救おうという市民の結集団体です。従って、自分の確認団体だけの当選だけをめざすものではありません。
  そのために、共産党、社民党に対して共同行動、選挙の時だけの共同の確認団体を作ろう、そのために各党は当組織をそのまま維持して、選挙のときだけ共同の 確認団体の候補者として戦い、比例区では、9条と書けばすべての投票がこの確認団体の票となり、それを各党が自分の党の所属者のなかで個人票のおおいもの から議員にすれば良いという構想です。必ずしも9条ネット所属員が議員にならなくても良い、9条擁護派が当選すれば良い、そうして改憲派の自民・公明の議 員を減らせば良いということです。
 従って従来の政党とは異なります。もし9条ネット独自の候補者が当選すれば、共産党、社民党その他の護憲勢力と国会で統一会派を組めば良いということです。
 要するに、既成政党では集められない9条擁護を願う市民を、より多く結集しようということです。

昨今の憲法を巡る動向についてどのように評価されますか

 憲法を巡る動向は、日本軍(現在すでに世界有数の強力な軍隊に成長しているが)をアメリカの戦略に沿って、アメリカの始める勝手な戦争に、日本の防衛とは関係なく、第1戦に送ろうというもくろみの達成のために、憲法を変えようとしていると評価しています。
  ただ、日本国民の中には、まだこれに気が付いていない者が多数いる、自分らが殺されるのだということが分かっていない者が多く居ます。これは戦後60年に 亙って、まともな歴史教育をせず、かつての侵略戦争の罪悪をわざと教えないようにしてきたアメリカと日本政府の教育の成果です。
 これを今回の選挙で少しでもまともな方へもっていかなければならないと考えています。

9条ネット」はどのような社会を目指すのですか

平和憲法の真髄を生かし、世界と共同で平和な世界を作り上げて行くことを目指しています。

今夏の参院選

今夏の参院選では「9条ネット」は比例区に候補を立てるのか、供託金を集めるのも大変だと思うが、比例区で候補を擁立できるのか

 立てます。できます。既に10名の候補者を予定しています。供託金も作っています。全国からカンパも集まっています。これは真摯に平和を願い、9 条を変えさせないという決意をもっている、これまでいろいろな分野で市民のために活動して来た人達ですし、応援者も続々増えています。

地方選挙区ではどのような対応をとるつもりか、「9条ネット」は選挙区で立てる予定はあるのか

 選挙区でも立てられるところは立てます。既に決まっているところもあります。
 但し、選挙区で候補者の無いところは、その選挙区で9条を救おうという志をもつ候補者、これが既成政党の候補者であっても応援することにしています。

「政党要件」を満たさない確認団体が出馬しても、マスコミの協定は「なきもの」として扱われるようになっている.「9条ネット」が候補を擁立できたとして、数々の困難が予想されると思うが、どのようにお考えですか

 マスコミは現在各社から毎日のように頻繁に取材が来ています。今や、既成政党だけではどうにもならないという危機感をマスコミももっているようです。権力におもね、市民の力を軽んずるマスコミは本当のマスコミとは言えません。

「9条ネット」は比例区で何議席獲得することを目標としますか

 少なくとも3名以上は獲得する予定です。
 前回の2004年の参議院選挙でもこの試みを立てましたが、各政党も、緑の会議も我が党が、我が党がというだけで結集しませんのであきらめました。
 今回は9条が瀕死の立場に追いやられようとしています。
  自民・公明の改憲勢力(戦争勢力)は一つになっています。9条をまもろうという勢力はばらばらです。共産党、社民党にも呼びかけましたが、共産党ははじめ から無視し、応じたのは新社会党とその他の革新勢力、労組などです。社民党には「社民党・9条ネット」という確認団体の結成を呼びかけましたが、最後には 断ってきました。
 もはや、これらの既成政党には国民全体、平和国家の建設維持という理想は無く、ただ我が党の勢力拡張だけが目的であることがよく分かりました。

 これでは日本国憲法は殺され、市民は殺されます。 
 今回は平和憲法を生かすか、殺させるかの関が原です。
 9条ネットは力の限り戦います。


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コメント

こんにちは。
批判的な形とはいえ、弊ブログの記事を取り上げていただき、どうもありがとうございます。
一応弁解しておきますと(笑)、いま現に「非拘束名簿式」が導入されている以上、この方式の利点を最大限に活かした選挙活動をすべきであるとは、私も考えています。
現に、私自身、民主党支持者で反安倍の方には、ネオコン議員を落選させるために、政党名ではなく候補者名で投票することを推奨しています。

投稿: kojitaken | 2007年6月26日 (火) 07時45分

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