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2007年7月29日 (日)

7月29日の地方紙:沖縄タイムス、琉球新報、東京新聞、河北新報、京都新聞 主要紙:朝日、毎日、読売、産経、日経の社説&コラムです。

 いよいよ投票日当日となりました。今日はこれからの日本の運命を決定付けてしまう重大な選挙だと思います。

 「日本の9・11」衆院・郵政選挙では、特に朝日新聞(系列TVも含む)に見られた小泉政権へのすり寄りはひどいものでした。まさか産経と朝日が同じ論調になるとは思いもよらない事態でした。

 参院選投票日までに、これからどのようなマスコミをわれわれは目撃することになるのかここに資料として保存します。(資料保存スタート時の考え

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【沖縄タイムス・社説】(2007年7月29日朝刊)

[参院選投票]国政を方向付ける一票だ

 参院選は二十九日、投開票される。安倍晋三首相は昨年九月に就任したが、今回初めて全国規模の国政選挙で国民の審判を受ける。

 参院選では与党の自民、公明両党が計六十四議席を獲得し、非改選議席と合わせて過半数(百二十二議席)を維持できるかどうかが大きな焦点だ。

 安倍政権は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げ、与野党が対立する重要法案を次々と成立させてきた。選挙では有権者が「安倍政治」を信任するのかどうかが問われている。

 全国的には年金問題、「政治とカネ」の問題、格差の問題などが大きな争点となった。国民の関心は高いようだ。

 沖縄選挙区では自民党公認で現職の西銘順志郎氏=公明推薦=と、野党統一候補で無所属の元参院議員、糸数慶子氏=社民、社大、共産、民主、国民新党推薦=の二人が立候補し、街頭や集会などで支持を呼び掛けてきた。

 西銘氏は沖縄経済の自立的発展へ向けた産業振興や雇用の拡大、那覇空港整備などを中心に訴えてきた。年金問題については、社会保険庁の解体など抜本的な年金改革の断行、政府・与党が一体となった国民の不安解消―に取り組む姿勢を強調してきた。

 糸数氏は年金や暮らし、平和の問題をはじめ歴史教科書問題、憲法改正問題などを中心に訴えてきた。年金問題では政府の対応を批判するとともに、「年金通帳方式」への切り替えや、厚生年金と共済年金、国民年金の一元化などを主張してきた。

 県内では、普天間飛行場移設を中心とする在日米軍再編問題は看過できない重要なテーマである。両候補がどのような主張を展開してきたのか、あらためて点検する必要がある。

 昨年十一月の県知事選、今年四月の参院補選(沖縄選挙区)で自民、公明が支援する候補が当選し、節目の重要選挙で与党の連勝が続いた。県政を基軸にしてみると、参院選で野党側が連敗を阻止し、巻き返しを図ることができるかどうかも焦点の一つだ。

 争点は年金だけではない。格差や教育、外交・安全保障などについても問われる。憲法改正論議は盛り上がっていないが、今選挙での選出議員は同問題の審議に関与することが確実視されるだけに軽視することはできない。

 報道各社の世論調査では、与党の過半数割れを予測する結果も出ている。今選挙の結果次第では安倍首相の進退問題に発展する可能性もある。

 参院選は極めて重要な意義があり、その結果が国政の今後の行方を大きく左右するのは間違いない。一人一人が熟慮を重ね、貴重な一票を投じたい。

[教科書検定撤回]知事の真意が計りかねる

 文部科学省の高校教科書検定で「集団自決(強制集団死)」の日本軍関与の記述が削除されたことについて、検定撤回と記述の回復を求める声が高まっている。超党派の県民大会開催に向け、県子ども会育成連絡協議会などでつくる準備実行委員会が発足、全県規模の参加を呼び掛ける。

 歴史を改ざんする動きに県民が怒りと強い危機感を持っていることの現れだ。県内四十一市町村すべての議会が全会一致で意見書を可決、県議会による二度の意見書可決はそうした県民の思いを反映している。

 それにしては県民の総意を代弁すべき県の対応が見えない。とりわけ、仲井真弘多知事の発言は真意がどこにあるのか、はっきりしない。

 知事は二十七日の定例記者会見で、検定撤回をめぐる現状について「かなりの目的(削除撤回)は達成しつつあるのではないかという感じを持っている」と述べた。

 何を指して「かなりの目的は達成しつつある」と見ているのだろうか。今月四日、安里カツ子副知事ら県内の行政・県議会六団体代表の撤回要求に、文科省の布村幸彦審議官は「審議会が決めたことに口出しできない」と述べ、困難との姿勢を堅持。伊吹文明文科相は「日程上の都合」を理由に、面談にすら応じなかった。

 塩崎恭久官房長官は十一日の県議会での異例の再可決を受けても撤回要求に応じる考えはないことを示した。政府が県民の要望に応じる姿勢は見られない。

 知事が県益のため、政府と良好な関係を保つことは重要だろう。ただ、知事のよって立つところは県民の総意だ。やむなく、県民と政府が対峙した場合の対応もおのずとはっきりしている。実際、知事は六月八日には「個人の率直な気持ち」としながらも「当時の社会状況から考えて軍命はあったと思う」と踏み込んでいる。

 「かなりの目的は達成しつつある」と言うなら、何が達成されつつあるのか、県民への説明が必要である。

【沖縄タイムス・大弦小弦】(2007年7月29日 朝刊 1面)

 その人やその物に感じられる気高さや上品さ、品位を「品格」と呼ぶ。腰の疲労骨折で夏巡業の休場届けを出しながら、帰国中のモンゴルでサッカーに興じていた姿が映像で流れた横綱朝青龍。感情をストレートに表現するその態度が以前「品格がない」と問題にされた。

 品格とは何だろう。精神的落ち着き、泰然自若さを指すのだろうか。「品格本」がはやりだ。「女性の品格」(PHP新書)がベストセラーになっている。

 著者の坂東眞理子さんは東京大学卒業後、総理府に入省。埼玉県副知事を経て女性初の総領事、内閣府初代男女共同参画局長も務めた。現在は昭和女子大学学長。

 「ネガティブな言葉を使わない」「姿勢を正しく保つ」など、内容はマナー本に近い。まっとうで、当たり前のことを書き連ねているようにも見えるが、それでも本は売れ続けている。

 「品格のある生き方」の章では「神様や仏様など人間を超越した存在から見て恥ずかしいことをしていないと断言できる行動をするのが、人間の品格の基本です」と書いた。

 不二家やコムスン、ミートホープなど民間企業が当たり前のことを守らず不祥事を起こした。お役所の社会保険庁もガタガタだ。企業やお役所だけでなく、政治の分野でも「品格」を疑われる発言が続出した。奢らず、他人に迷惑をかけない、正しい行動が求められている。品格本のはやりは、まっとうでない社会の裏返しだ。(崎浜秀也)


【琉球新報・社説】

参院選投開票 権利行使で豊かな明日を

 第21回参院選は、いよいよきょう29日、投開票が行われる。年金、憲法、教育など多くの争点について国民の審判が下る。全国的な争点に加え、県民にとっては米軍基地、教科書検定など、身近な問題も山積する。各候補者の公約と人物についていま一度しっかりと見極め、確かな1票を投じたい。
 今選挙には、沖縄選挙区(改選1議席)から前職・西銘順志郎候補=自民公認、公明推薦=と、元職・糸数慶子候補=無所属、社民、社大、共産、民主、国民新党推薦=の2人が立候補。12日の公示以来、一騎打ちの激しい選挙戦を繰り広げてきた。一方、比例代表(同48議席)には、11政党・政治団体から159人(県内は4人)が届け出て、選挙区ともども票の獲得にしのぎを削った。
 この間、選挙区の両候補とも詳細で明確な公約を発表、マスコミをはじめチラシ、ポスターなどを通して、県民に対しその是非を精力的に訴えてきた。さらに、全県下をくまなく遊説、自らの実現したい政策をアピールした。従って有権者が候補者を判断する材料には恐らく、こと欠かない。後はそれらの公約をどう有権者が判断、投票に結び付けるかだ。
 近年、国レベルにとどまらず地方でも、各種選挙で投票率の低下に歯止めがかからない。特に、若い人たちの選挙離れが指摘されて久しい。いわゆる無党派層とか無関心層と呼ばれる人たちだ。無党派の人たちには「投票しても何も変わらない」という意識が強いという。逆に考えれば彼らに「変えたい」という気持ちはあるのだろう。ならば、生活や暮らしを良くするためにも一歩踏み出してほしい。言えるのは「投票しなければ何も変わらない」ということだ。
 むろん、無党派層も含めて無関心層がこれだけ増えたことは、彼らだけに責任を押し付けるわけにはいかない。政治家の相次ぐ不祥事は、若者をして政治離れを引き起こすのに十分な要素だろう。加えて年金問題などに見られるように、政治家が指導しなければならない官僚の無責任さも重大だ。しかも同じことがいくら選挙を経ても、繰り返されてやむことがない。
 これでは、有権者の間で政治離れ、選挙離れが進むのも分からないでもない。しかし、ちょっと待ってほしい。わたしたちの生活や暮らしを守るために、あるいは良くするために、選挙で投票するという行動以上に有効な手だてはあるだろうか。
 幸い、本紙が実施した世論調査によると、今回の選挙には県内有権者の8割強が関心を示している。国政レベルの問題だけでなく、県内の懸案事項も念頭に置いて、ぜひ投票所に足を運んでほしい。

(7/29 10:33)

増える心の病 周囲の気配りが肝要だ

 現代病とも言われるうつ病など、心の病に悩む人が増えている。県立総合精神保健福祉センターが設置している「こころの電話相談」に、2006年には過去最多の1299件の相談があった。5年前に比べ、約2・5倍に増えているという。
 また、同センターによると、1989年から2005年までに精神科や心療内科への通院者は約3倍に増えた。これからすると、相談もできない潜在的な悩みを持つ人が、まだまだ数多くいることが予想される。ほっておくと、自らの命をも奪う病だけに対策は急務だ。本人の自覚はむろん、何より周囲の気配りが重要だろう。
 電話相談で増えているのはそのほか、若年層のリストカット(手首を切る自傷行為)や職場のパワーハラスメント、ギャンブル依存症など。心の病に関してが最も多く466件、次いで人間関係164件、酒やギャンブルなどの依存問題が113件などと続く。
 価値観が多様化し、地域や職場での人間関係がより複雑化しつつあるのが現代。心の病は、そのすきを突く。肉体的な疾病とは違って、なかなか病院の扉もたたきずらい。センターによると「うつ病のデイケアを受けたいが勇気がない」などの相談が増えているという。そうして、ますます一人閉じこもるようになり病を悪化させる。
 こう見てくると、この病には周囲の気配りがいかに大切か、よく分かる。病気への理解はもちろんだが、例えば過重労働の解消や職場環境、人間関係の改善が必要だ。これは、本人の努力だけではなかなか解決は難しい。早期の発見や治療には、周りの人が手を差し伸べることが肝要だ。
 気になるのは、うつと自殺の関係。全国では減っているにもかかわらず、06年の県内の自殺は前年の24・0人から27・3人に増えた(人口10万人当たり)。センターでは「沖縄ではうつ病が慢性化すると失業し、自殺に追い込まれるケースが多い」と分析する。うつは「風邪と一緒」では決してない。より深刻な病ということを、まず認識すべきだ。

(7/29 10:32)

【琉球新報・金口木舌】

 沖縄の人の顔は彫りが浅い。高校時代の同級生からそう聞いて一瞬、意表を突かれた
▼その友人は人の顔の骨格を研究、全国各地で顔の面積に対する鼻の高さなどのデータを集めた上での結論、と話していた
▼意外な話だが、研究者の間では知られた話のようだ。形質人類学の土肥直美さんも「(琉球=沖縄の人は)骨で見る限り非常に平坦な顔立ちという結果になる」と話している(共著『沖縄人はどこから来たか』)。沖縄の人とアイヌの人の近縁説も見直しが必要とのこと
▼従来、日本人は南方系の縄文人と大陸から渡ってきた渡来人の混血という説が一般的だった。1万8千年前の港川人は縄文人の直接の祖先とみられてきた。だが港川人と貝塚時代には1万年以上の空白があり、近年は港川人絶滅論も唱えられている
▼さらに10―12世紀のグスク時代、沖縄の人口は爆発的に増え、顔の特徴も変わる。本土から大量の流入があったという説が有力になりつつある
▼最近の調査では、浦添ようどれの英祖王一族の骨から中国南部のDNAを持つ人も見つかったそうだ(上里隆史著『目からウロコの琉球・沖縄史』)。次から次に新事実が明らかになる起源論の研究から目が離せない。

(7/29 10:30)


【東京新聞・社説】


参院選きょう審判 投票して歴史を刻もう

2007年7月29日

 参院選はきょう投開票される。安倍政治を“信任”するのか、それとも「ノー」を突きつけるのか。有権者が審判を下す時がきた。一人一人が思いを込めた一票を。

 逆風が伝えられる安倍晋三首相は「負けるわけにはいかない」と絶叫した。小沢一郎・民主党代表は「与野党逆転できなければ、日本に政権交代はありえない」と政界引退をかけ戦った。

 緊張感ある選挙戦だった。年金や「政治とカネ」、憲法など判断材料もある。いよいよ有権者の出番だ。
問われる「安倍政治」

 参院選は安倍政権ができて初めての全国規模の国政選挙だ。この十カ月の安倍政治はよかったのか、悪かったのかが問われる。

 首相は自民党の悲願だった教育基本法の改正や防衛庁の省昇格を実現した。続いて、先の通常国会で改憲の手続きや役人の天下り規制を定めた法律を次々と成立させた。首相の掲げる「戦後レジーム(体制)からの脱却」を形にしたものとされる。

 首相は参院選でこうした「実績」をひっさげて、改憲をはじめ安倍色の強い政策で勝負するはずだった。信任を得て、実現へ弾みをつけたいと考えたのだろう。

 ところが、選挙前に火のついた“消えた年金”記録問題で、風向きが変わった。火消しに追われ「改憲を主要争点に」とはいかなかった。

 それでも首相は三年後の改憲発議を目指そうとしている。参院議員の任期は六年あるから、この選挙で選ばれる人たちは改憲作業に手を染める可能性がある。共産、社民両党は改憲阻止を前面に掲げて支持を訴えた。

 米国向けの弾道ミサイルを撃ち落とすことを可能にするような、集団的自衛権の行使をめぐる憲法解釈の変更も、首相の肝いりで議論されている。安倍政治を考える時、憲法は忘れてはならない課題だ。
政権選択の意味合いも

 最大の争点になった「年金」も有権者の関心は記録漏れにとどまらない。政府が選挙期間中、第三者委員会で二十三人の年金記録を回復し、給付を決めても、国民から「選挙目当てでは」と疑う声が漏れる。

 争点は「百年安心」をうたった政府の年金制度を信じるか、民主党などの抜本改革案に乗るか。議論が深まったとはいえないが、各党の公約を読み比べて投票したい。

 「政治とカネ」の問題も見逃せない。閣僚の不透明な事務所費問題は後を絶たず、投票日直前まで赤城徳彦農相から政治活動費の二重計上という新たな問題が出てくる始末だ。

 ほかにも教育や農業、消費税が議論になった。いずれも生活に直結する。すべてをひっくるめて安倍政治への判断が求められる。

 選挙戦終盤になって、自民党の劣勢が伝えられると、首相周辺から「参院選は政権選択の選挙ではない」との大合唱が起こった。参院選で負けても、首相は辞める必要ないと予防線を張ったものだ。

 確かに参院は首相指名選挙のある衆院と違い、与野党が逆転しても直ちに政権交代につながらない。だが、首相は「私と小沢さん、どちらが首相にふさわしいか、国民に聞きたい」と言っていた。首相の言葉は重い。当然、進退が問われよう。

 野党が参院で主導権を握れば、衆院の優位が認められているとはいえ、政府提出の法案は通りにくくなり、政権運営は難しくなる。早期の衆院解散・総選挙や政界再編につながる可能性もあり、民主党は政権交代への足がかりをつかむ。「政権選択」の意味合いもある選挙だと確認しておきたい。

 政治学者の間では、今回の参院選は「クリティカル・エレクション(決定的選挙)」になるかもしれないといわれている。米大統領選で三、四十年に一度起こり、政党の支持基盤が入れ替わるなど政治の流れを大きく変える選挙をいう。

 地方の疲弊が大きな影を落としている。九州地方のある選挙区では、自民党候補が街頭演説で地元への公共事業の誘致を訴えていた。小泉政権からの公共事業削減などで地方経済は冷え込み、改革継続を叫ぶ首相との矛盾など気にしていられない。

 そうした地方の窮状を小沢氏が突き、農業政策などで揺さぶった。自民党の金城湯池だった「一人区」の苦戦はこうした影響もある。「自民は地方、民主は都市」とされてきた支持基盤が崩れ、地殻変動を起こす可能性をはらむ選挙となっている。

 十二年に一度、統一地方選と参院選が同じ年に行われる「亥年(いどし)の選挙」だ。政党や支持団体が地方選疲れで動きが鈍り、参院選は低い投票率になる傾向がある。
よく吟味して「二票」を

 しかし、今回は様子が違う。世論調査で七割が「必ず投票する」と答え、期日前投票は一千万票に乗る勢いだ。無党派層の関心も高い。

 参院選では有権者一人一人が選挙区と比例代表の計二票を持つ。比例代表は政党名を書いても候補者名を書いてもいい。各党の政策と政治姿勢をよく吟味しよう。そして、私たちの「二票」で歴史を刻もう。

【東京新聞・筆洗】2007年7月29日

 映画評論家の佐藤忠男さんはカザフスタンの映画で「これは『七人の侍』の三十六回目のリメークである」という冗談の字幕の出る作品を見たことがあると著書に記している。黒沢明監督の一九五四年の作品『七人の侍』はそれほど世界の映画に大きな影響を与えたのだろう▼戦国時代、農民は野武士の集団による強奪に苦しんでいたが、自分たちに戦う術(すべ)がない。ある村が浪人中の侍を雇うことを決意する。長老は「腹の減っている侍を探せ」と指示するが、弱くては意味がない▼村の代表が旅に出て、苦労の末に窮状を救おうという強い侍を探しだす。侍に米を食べさせるため、自分たちはひもじい思いもするが、竹やりを手に一緒に戦うことで野武士の撃滅に成功した▼ラストでは農民が笛や太鼓を楽しみながら、生き生きと田植えを始める。遠くで見つめる生き残った三人の侍。戦いに勝ったのは侍ではなく、農民である。これが黒沢監督のメッセージになる▼共感したのか、作家の塩野七生さんがかつて、「農民は有権者、七人の侍は政治家」と考えてみてはと提案している。有権者が政治家を過大評価していると、失望して政治不信に陥ってしまう。政治家との関係は困ったときにその都度雇い、用済みとなればお払い箱にする関係で十分という意味に解釈できる▼今日は参議院選挙の投票日。米ではなく一票により、侍を雇う日になる。映画のような侍が見当たらないと嘆いたとしても、現実には誰かが代わりに侍を雇ってしまう。農民が人任せでは自分の村を守れない。


【河北新報・社説】

07参院選を問う 今日投票/選択肢ははっきりしている

 暮らしや国の針路をめぐって有権者に重い問いかけをしてきた参院選が投票日を迎えた。
 与党が非改選を含め議席の過半数を維持できるかどうかが最大の焦点だ。言い換えれば、与党が主張する「政治の安定」と野党が戦略的に目指す「政治の緊張」のいずれを選択するかが問われる政治決戦である。

 「いざなぎ」を抜く戦後最長とされる景気の拡大局面を広げ、個人の消費や所得、家計にまで波及させなければならない。
 過半数の議席獲得が約束する政治の安定はそのために不可欠だと、与党は訴え続けてきた。

 正規社員と非正規社員、大都市と地方、そして新たに生み出される貧困…。政治の安定は、好景気の中の二極分化がもたらしたさまざまな格差を是正するためにも必要だと言う。
 安倍晋三首相は「上げ潮路線」と呼ばれる経済成長戦略を軌道に乗せ、その延長上に、憲法改正や教育再生などを柱とする「戦後レジーム(枠組み)からの脱却」や「主張する外交」の実績を重ねたいところだ。

 与党の過半数割れによる政治の不安定化は、安倍首相が政治・経済の将来像としてもうたう「美しい国」の輪郭を不鮮明にしてしまうことでしかない。
 与党とりわけ自民党のこうしたスタンスは、どこまで有権者の心をとらえただろうか。

 一方、民主党など野党が思い描くのは、参院運営の摩擦係数を一気に高めつつ衆院解散に追い込み、その総選挙で野党が過半数を制して政権交代への道を切り開くという基本戦略だ。
 参院の与党過半数割れに伴う政治の緊張はこうした戦略の実現に不可欠だと訴えてきた。

 参院の与野党逆転は「国対政治」がまかり通っていた1980年代から90年代にかけて例がある。しかし、融通無碍(むげ)な与野党妥協路線の中では野党が首相を窮地に追い込むことなどまれだった。
 「いずれが政権を担うのか」が問われる自民、民主の二大政党化時代での参院の与野党逆転は初めてだ。国対政治は通用しない。初の首相問責決議案可決の可能性さえ出てこよう。

 戦後政治史上まれに見る緊迫した与野党対決の局面では、与野党間調整よりも、民主党を中心とする各野党間の路線協議や政策連携の在り方がより鋭く問われることになるだろう。

 年金の記録不備問題や制度改革、「政治とカネ」の問題、格差、憲法、教育、農政、地方の再生と分権…。各党と各党候補者は選挙期間中、それぞれの立場と公約を示しながら、有権者に支持を呼び掛けてきた。
 党や候補者の訴えに触れる―自分の生活や仕事に照らし合わせる―誰(どの党)を支持するか決める。これが有権者が投票行動を決める際の基本動作だ。

 しかし今回はそれに加え、もう一つの作業が私たちに必要ではないか。一つ一つの争点や課題をじっくりとかみ砕き、それを1枚のモザイク画のように集めて「日本はどこに向かったらいいのか」という自分なりの設計図を心の中に描くことだ。
 私たちの1票はだから重い。
2007年07月29日日曜日

【河北新報・河北春秋】

 中国産の冷凍ホウレンソウから基準を超える残留農薬が検出され、問題となったのは5年前のこと。日本は輸入禁止などの措置を取った。中国が日本からのコメ輸入を禁じたのはその翌年▼カツオブシムシという害虫が見つかったためだという。中国の意趣返しと受け止めた農業関係者は当時、苦笑いしていた。もともと輸出量自体がわずかで、禁輸処分などどこ吹く風だった

 ▼4年ぶりに日本のコメ輸入が解禁され、北京と上海のデパートで売り出された。あっと驚いたのはその価格だ。宮城産ひとめぼれが60キロ9万円。それでも初日から売れている。これまた驚きだ▼好調な売れ行きの背景の一つは中国の広範な土壌汚染と言われる。工場廃水などによる重金属の汚染がひどい。農地の1割が汚染されているというのが政府の発表だ。実態はそれを相当上回るだろう

 ▼従って富裕層を中心に食への危機感は強まる一方。子供に安全な食べ物を与えたいのは当然の心理で、日本の粉ミルクやベビーフードもよく売れる。日本の農産物や食品への潜在的な需要は大きい▼中国が日本のコメの有望な市場になり得るとは、以前ならとても想像できなかったことだ。安全な食の提供という日本農業の基本スタンスがここに来て生きてきた。さあ、この好機、どう攻めるか。

2007年07月29日日曜日


【京都新聞・社説】

きょう投票  国の針路決める選挙だ

第二十一回参院選は、きょう二十九日が投票日だ。
 与野党どちらが過半数を獲得するか。今後の国政の方向や国のあり方にかかわる重要な選挙といえよう。
 各政党や候補者の政策、訴えをいま一度吟味し、将来を託す大事な一票を投じたい。
 有権者の関心が最も高かったのは「年金」だった。記録不備の問題だけでなく、年金制度をどう再構築するのか、財源はどのように確保するのか。各党が提示した政策を見きわめて判断したい。
 それだけではない。地域格差や住民の負担増、中小企業の活性化…。暮らしの足元の問題が選挙を通じて浮かび上がったが、与野党の論戦は十分深まったといえるかどうか。
 昨年九月に誕生した安倍晋三政権にとって初めての大きな国政選挙だ。安倍政権の十カ月が問われる選挙でもある。
 「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げ、改正教育基本法や国民投票法など、国の根幹にかかわる重要法を成立させた。
 だが、憲法問題が、選挙中に熱く論じられることはあまりなかった。
 自民党は選挙公約で「三年後の憲法改正の発議」を明記していただけに、野党との活発な本音の議論が聞けなかったのは残念だ。
 「政治とカネ」の問題や閣僚の失言も含め、安倍政権の政策や政治手法を総点検し、慎重に評価したい。
 参院選は、衆院選のように政権選択の選挙ではないとされるが、しばしば政権を揺さぶる。とくに一九八九年以降は政権交代や政界再編の引き金になったこともあった。
 今選挙も結果次第では政局に発展する可能性もあり得る。
 その行方を占う鍵の一つが投票率だ。過去二回の参院選では投票率が全国平均で選挙区、比例代表とも56%台にとどまっている。
 京都は、二〇〇四年の選挙区が54・60%で、滋賀は58・0%だった。
 今年のように統一地方選と同じ年にある参院選は、極端に投票率が下がる傾向がある。今回はどうか。
 共同通信社の全国世論調査では、81・9%の人が「選挙に関心がある」と答えている。参院選としては過去最高の高さだ。前回〇四年の参院選と比べ、10ポイント以上も上昇した。
 全国の投票率が67・5%に跳ね上がった二年前の「郵政総選挙」の調査(88・0%)にほぼ匹敵する高さだ。
 期日前投票も好調だった。二十七日までの集計では、全国平均で前回の一・五三倍の大幅増となった。京都では一・五倍で、滋賀も一・五六倍だった。投票率アップに期待を抱かせる。
 いうまでもなく、国の針路を決めるのは有権者だ。その意識と一票の重みを大切に投票所に足を運びたい。

[京都新聞 2007年07月29日掲載]

高齢者の安全  日常生活の中の「死角」

 新潟県中越沖地震の犠牲者は多くが七十歳以上のお年寄りだった。古い木造住宅の下敷きになった人が大半で、耐震性に問題があった。地震が起きたとき、自分は大丈夫か、不安に思ったお年寄りは多いだろう。高齢化が進む中、お年寄りの安心・安全をどう確保するのか。社会全体が問われている。
 不安は災害だけではない。日常生活の中にも”死角“がひそんでいることが、国土交通省国土技術政策総合研究所の調査でわかった。街路や商業施設など公共の場での転倒、転落死は、二十年後には年間五千人以上になると予測する。二〇〇四年の倍近い数字で、うち96%は六十五歳以上のお年寄りである。同研究所では今後、公共の場での安全対策が課題になると結論づけている。
 火災の犠牲者も高齢者が急速に増えている。消防庁によると、全国で昨年、住宅火災で亡くなった約千二百人のうち、六割近くが六十五歳以上だった。京都市でも死者二十一人中、十五人が高齢者で、過去最高になった。
 原因は暖房器具やたばこの消し忘れが多く、逃げ遅れのケースが目立つ。消防関係だけではなく、福祉行政担当者も協力して高齢者世帯への巡回訪問などを強化する必要があるし、住宅用火災警報機の設置も急がねばならない。
 交通事故死も同じような傾向を示す。警察庁によると、昨年一年間の全国の交通事故死者数(六千三百五十二人)のうち、六十五歳以上は44%もあった。京都府は36%、滋賀県は41%と全国平均を下回ったが、それでも両府県とも高齢の事故死者は四十人以上となった。多いのは歩行中だった。身のこなし方が遅かったり、とっさの判断力が低下したことなどで、お年寄りが犠牲となるケースが増えている。歩行マナーの再学習や安全運転の技術向上などが欠かせない。
 厚生労働省が公表した二〇〇七年版「高齢社会白書」では、昨秋で日本の六十五歳以上の高齢者人口は過去最高の二千六百六十万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は20・8%にのぼった。五年後には三千万人を突破し、二〇五五年には国民の二・五人に一人は高齢者という、前例のない高齢社会が現出することになる。労働力や社会保障などに目が向けられがちだが、何をおいてもお年寄りの安全対策を考えなくてはなるまい。
 国は厚生労働省を中心に、地域では自治体を中心に消防、警察、住宅、街路担当なども交えて、高齢者に的を絞った総合的な安全対策を進めねばならないと思う。横断的な組織を作り、現実にどんな危険や被害が想定されるのかを調査する必要がある。
 個別の施策だけではなく、高齢者の命を守る施策大綱的なものも必要になってくるのかもしれない。早期の取り組みによって、高齢者の災禍を着実に防止する責務が社会にある。

[京都新聞 2007年07月29日掲載]

【京都新聞・凡語】

参院選

 「予想」するという行為は難しい。「いかがわしさ」も少々つきまとう。選挙予想や天気予報も例外でない。時には、まゆにつばをつける必要がある▼きょうは参院選の投開票日。舌戦が終わったといっても、候補者にとって頭痛のたねが残る。投票日の空模様である。天気が有権者の投票行動を左右するからだ。刻々と変わる雲行きと移り気な有権者の心。この二つを予想しなければならない。イライラが募るのも無理はない▼投票日が晴れると行楽に出かけ、雨なら家に閉じこもりがちとなる。投票率が高まるのは曇りというのが選挙通の見立て。だが、今回は統一地方選と参院選が重なり、投票率が下がるという「亥年ジンクス」が絡み、予想がつかない▼投票率の鍵を握るのが無党派層だ。しかしこの無党派層の予想が一番難しい。ある時には強力な味方になってくれるが意に沿わなければそっぽをむく。付き合い方は雲をつかむより難しい▼今回の参院選は厳しい逆風が吹く中、与党が過半数を守りきれるかが最大の焦点だ。天気予報では、京滋のきょうの空模様は「曇り、午後は雨で雷を伴う」という。勝利の女神は、与野党のどちらにほほえむ?▼とはいっても、予想はあくまで予想である。外れることもよくある。「予想」を後ろから読めば「うそよ」になる。選挙は投票箱のふたが閉まるまで分からない。

[京都新聞 2007年07月29日掲載]


【朝日・社説】2007年07月29日(日曜日)付

若者たちへ―その1票に未来がかかる

 国会に用意された121の議席。そこに、どんな政治家を送り込むのか。

 参院選の投票日がやってきた。

 夏休みのまっただ中に投票日がずれ込み、投票率が下がるのではないかと一時は心配された。でも、選挙戦が始まると、有権者の関心は高かった。期日前投票にもたくさんの人が足を運んだ。

 とはいえ、気がかりなのは、若い人たちだ。

 残念ながら、若者の投票率はいつも総じて低い。総務省の抽出調査を見ても、前回の参院選で60代後半の投票率が75%を超えたのに対し、20代前半は32%、20代後半でも37%にとどまった。

 遊びの予定や用事もあるだろう。わざわざ投票所へ出向いても、結果は変わらない。そんな思いがあるかもしれない。

 だが、選挙の結果は間違いなく、これからの暮らしに跳ね返ってくる。

 投票の意味を見いだせないという若者には、二つの視点から考えてほしい。

 一つは、世の中に広がる格差社会の波を、若い世代こそが大きくかぶっているということだ。

 規制緩和が進んだこの10年で、働く現場はすっかり変わった。かつては専門的な分野に限られていた派遣の仕事が、一気に広がった。正社員が減った代わりにパートや派遣の人たちが増えた。

 とりわけ、学校を卒業したときに不況だった20~30代には、正社員の職を得られなかった人が少なくない。景気が回復したいまも、正社員に転じることはむずかしい。

 なかでも厳しいのは、フリーターだ。多くは、技術が身につくような仕事ではなく、食べるのもやっとだ。

 こんな現状を変えたいと思うなら、声を上げることだ。仲間同士で愚痴を言い合っても、世の中は動かせない。

 集会などには参加しにくくても、投票はできるはずだ。将来を見通しながら働ける世の中に、どの政党や政治家なら変えてくれるのか。それを見極めて投票することが現状を変えることにつながる。

 二つ目は年金問題だ。

 「年金が争点では、選挙への興味がわかない」「そもそも金がなくて、保険料も払っていない」。そんな声が若い世代から聞こえてくる。

 だが、蓄えを持ちにくい世代だからこそ、年金はいずれ切実な問題となる。

 収入が少なくて保険料を払えない若い人たちがいるなら、どんな工夫が必要なのか。その手立てを考えてくれそうな政治家を探してはどうか。

 これまで政党や政治家の目は、若い世代を素通りしがちだった。その責任は若者にもある。数が少ない上に、投票率が低ければ、政治家の目に「票にならない人たち」と映ってもしかたない。

 自分たちの抱えている問題を後回しにさせないためには、若者たちの存在を示すしかない。それにはまず、投票所に足を運ぶことだ。

紛争後の支援―「平和構築隊」をつくろう

 早稲田大学大学院で国際関係論を学ぶ井上浩子さんは、国連ボランティアとして、先月の東ティモール総選挙で現地の支援活動に参加した。

 インドネシアからの独立闘争を経て02年に建国された東ティモールには、いまも国連平和維持活動(PKO)が展開する。独り立ちに向けての大事なステップである選挙に、国連の主導で約380人のボランティアが派遣された。

 競争率10倍の難関を突破して、日本からも9人が参加した。うち5人は修士号を持ち、地元のテトゥン語、ポルトガル語を話せる人もいる。「選挙支援を通じて、民主的な国づくりに取り組んでいるという実感が持てた」。現地で会った井上さんは日焼けした顔をほころばせた。

 選挙支援をはじめ、司法制度づくり、元兵士の武装解除、警察や軍の改革などの仕事は「平和構築」と呼ばれる。紛争解決の段階から復興が軌道に乗るまで対象国の国づくりを支え、紛争へ逆戻りしないようにするのだ。

 人口約100万の東ティモールは、この平和構築に一度つまずいた。独立を果たしたものの、国軍と警察の対立をきっかけに昨年5月、大規模な騒乱が起こり、国連はいったん任務を終えたPKOを再派遣せざるをえなくなった。

 PKOと言えば、日本では自衛隊派遣に目が向きがちだ。だが近年は、治安回復と平和の定着を非軍事面で担う文民の専門家へのニーズが高まっている。

 東ティモールでも、総選挙を踏まえて新政権ができれば、警察官や法律家、行政官などの人材育成が急務となる。議会政治を機能させるために政治家同士の対話を促したり、法律や司法制度を整えたりする必要もある。

 こうした平和構築の分野で日本はもっと存在感を発揮すべきだ。開発支援ではすでに実績を積んでいるが、平和構築で要請に応えられる人材の層は薄い。東ティモールはアジアなのに欧州からの派遣要員が目立ち、日本人の専門家は国連ボランティアを含め、十数人しかいない。

 最近、広島大学が平和構築のための人材育成センターを発足させた。日本とアジアから計30人の若者が参加し、9月から1カ月余りの座学の後、東ティモールなどで約5カ月間、研修する予定だ。

 まだ短期間のプログラムだが、一歩前進だ。卒業した若者が確実にこの分野の仕事につけるよう、外務省などが支援してほしい。

 旧ユーゴやアフリカなど、国際社会による紛争後支援が長期化する傾向は強まっている。欧米諸国は平和構築の人材育成と登録に力を入れ始めている。

 政府もそんな前例を参考に、文民の専門家を登録し、必要に応じて迅速に派遣できる「平和構築隊」を構想すべきだ。私たちは、ここにこそ日本が果たすべき大きな役割があると考える。

 平和構築を通じて、平和国家・日本の新しい姿を示していきたい。

【朝日・天声人語】2007年07月29日(日曜日)付

 効き目のほどは知らないが、落雷を避ける呪文を「くわばら、くわばら」と言う。由来は諸説あって、菅原道真の領地だった桑原には雷が落ちなかったから、などと伝わっている。

 「気象庁」を三度唱えるまじないも、昔あった。夏場、生ものを食べる前に唱えると「食あたりしない」と言われた。天気予報が「当たらない」ことに掛けた、きつい冗談だった。

 いまは随分正確になったが、外れることもある。「8月は猛暑」としていた長期予報を、先ごろ「平年並み」に修正した。夏の主役の太平洋高気圧が勢いに欠けるためらしい。梅雨明けも早いはずだったのに、東日本では明けないままに8月も近い。

 短期の予報では、「降水」が当たり外れの基準になる。近年の的中率は、翌日の天気の予報だと8割を超えている。だが気象庁によれば、人々の満足度は数字通りにはいかないらしい。

 明日が遠足の子、慈雨を待つ農家……日々、だれもが、それぞれの「好天」を望んでいる。予報が外れて、前夜の期待感が、朝には落胆に変わる。やり場のない悔しさを味わったことのない人はまれだろう。かくて2割弱の不首尾は、数字以上に人々の不評を買うことになる。

 きょうは参院選投票日である。投票率への影響をにらみつつ、それぞれの候補者の望む「好天」がある。ゆうべの天気予報を見て「当たり」を願った人も、「外れ」を祈った人もいただろう。明けての結果はさておいて、一有権者としては、晴雨に左右されない投票で「天下分け目」に参加したい。


【毎日・社説】

社説:温暖化技術協力 京都後につながる成果示せ

 日本、米国、オーストラリア、中国、インド、韓国の6カ国で構成する「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)」が、プロジェクトを具体化する金融支援の検討に入った。行動計画に盛り込まれるプロジェクトを実施した場合の省エネルギー効果や二酸化炭素削減効果の算出も始めた。

 地球温暖化対策を巡っては、国連の気候変動枠組み条約に基づいた京都議定書が国際的な行動の柱になっている。ただ、京都議定書体制の難点は最初から中国、インドなど途上国が削減義務を負っていない上、米国やオーストラリアが批准しなかったことだ。これらの国も、枠組み条約は批准しており、温暖化対策の実施の必要性は認めている。

 京都議定書の対象期間は08年から12年までだ。今年の主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)では50年までに温室効果ガスの半減を検討することが合意された。その実現には、13年以降、世界最大の排出国である米国や第2位の中国、第5位のインドを含む枠組みが不可欠だ。APPは主に技術面からクリーンエネルギー開発や温暖化防止に貢献することが狙いだ。日本を除き京都議定書の枠外の国であるところが特徴だ。6カ国で世界全体の二酸化炭素排出量の約半分を占めている。

 京都議定書後については、現在、削減義務を負っていない国をどう取り込んでいくのか、京都議定書の国別目標を踏襲するのか、別の目標を設定するのかなど、難問が横たわっている。

 では、APPはこの課題にどのように貢献できるのだろうか。

 第一は、先端技術も含めた協力関係を進めることで、省エネや二酸化炭素排出削減への寄与が期待できることだ。日本が議長を務めている鉄鋼タスクフォースでは、先端の省エネ技術を各国が採用した場合、6カ国合計で二酸化炭素排出を年間1億2700万トン削減できると試算している。これは日本の1年間の二酸化炭素排出量の1割近くに匹敵する。

 セメントや発電、アルミなどでも各種のプロジェクトが計画されており、これらが成果を上げれば削減可能性は大幅に高まる。

 第二は、こうした産業ごとのアプローチを推進していくことで、各国が国全体の二酸化炭素削減量の把握をしやすくなることだ。ひいては、国としての削減目標も立てやすくなる。

 中国、インドも米国と同様に13年以降も国別の削減目標設定に反対だ。しかし、APPによる技術協力が効果を上げれば、経済発展段階を考慮した柔軟な目標の受け入れも可能になるだろう。エネルギーが成長を制約していることは両国とも認識している。エネルギー消費を増やすことなく経済成長できることは望ましいからだ。

 APPは京都議定書を補完する取り組みと位置付けられている。それならば、なおさら、京都議定書後の枠組みを円滑に動き出させるための、技術的成果を出していくことが求められている。

毎日新聞 2007年7月29日 東京朝刊

社説:’07参院選 きょう投票 緊張感増す選挙の重い一票

 参院選はきょう29日投開票される。昨年9月に発足した安倍晋三政権には初の本格的国政選挙だけに、「安倍政治」が問われるのは当然だ。第2院の参院だが、政党化も進み、参院選は次期総選挙までの中間選挙と位置づけられてきた。しかし、今回は新たな対立構図も浮き彫りになっている。

 自民、民主両党を柱とする2大政党化が進み、政権選択が一大テーマになった。民主党の小沢一郎代表が「今回は与野党逆転をはかれる最後のチャンス」と仕掛けた。安倍首相も当初は、「私と小沢さん、どっちが首相にふさわしいか問うことになる」と応酬した。だが、「安倍退陣」を招きかねないとの懸念が広がり、政府、与党内での政権選択論は急速に後退した。

 前国会での論点、年金制度や格差問題も争点として浮上した。毎日新聞の直近の調査では有権者の関心は年金が1番だが、次いで格差、「政治とカネ」が続いた。

 記録漏れ問題で最大の争点になった年金制度では、基礎年金部分の財源は保険料プラス税金の与党案に対し、民主党は制度を一本化し、基礎年金部分は税金でまかなう案をマニフェストに盛り込んだ。財源では互いにあいまいさが残るが、政策論争は評価したい。

 安倍首相は「構造改革」の推進を約束、失業率の低下など経済成長の実績を強調した。「景気回復の明るい兆しを地方に、地域に拡大したい」と、地域間格差の解消策を訴えた。さらに、民主党の解消策を「彼らは経済成長、景気回復策を一言もいっていない」と、財源が不明確と指弾した。

 一方、小沢代表は過疎地が多い「1人区」を早くから重視し、選挙行脚を続けた。大半は自民党の金城湯池だった。「自民党の多数を許せば、国民一人一人の生活よりも、トータルとしての国家、効率だけを求める政治が続く」と、格差をテコに切り込もうとした。

 公明党は「未来に責任を持つ政治」と連立与党の立場を一段と鮮明にした。対する共産党は「『たしかな野党』として、くらしと平和をまもりぬきます」、社民党は「9条と年金があぶない」、国民新党は「日本を変えよう!」、新党日本は「おかしいことは、変えていこう」を、メーンスローガンにそれぞれ論陣を張った。

 民主党は参院で与野党逆転を図り、衆院を早期解散に追い込み、政権交代を目指す構えだ。一方、与党は「政治が混乱した90年代に戻っては、経済は低迷してしまう」(安倍首相)と、政権の安定が経済復調のカギと力説した。

 衆院に小選挙区比例代表制が導入されて以来、紆余(うよ)曲折はあったものの、2大政党化は進んだ。政権の安定か、政権交代への道筋作りかは、今後しばらくは、国政選挙では一大テーマになるだろう。それに飽き足らない有権者には独自路線の選択もある。緊張感を増す参院選に、有権者はこぞって参加しよう。

毎日新聞 2007年7月29日 東京朝刊

【毎日・余禄】

余録:「だあれが風を見たでしょう」という童謡がある…

 「だあれが風を見たでしょう」という童謡がある。「ぼくもあなたも見やしない」と続くように風の正体はどこにも見えない。台風の目のようなものもあるが、風がそもそもどこから吹き始めているのかその起点はわからない▲気象学にはバタフライ効果という言葉がある。「ブラジルで一匹のチョウがはばたくと、米国テキサスで大竜巻が起こる」とよくいわれる波及理論だ。カオス(混とん)の中で、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大し、結果に大きな違いをもたらすことを表している▲多様で複雑な要素がからみあって風の流れは変わる。政治の世界でそれを操るのに小泉純一郎前首相は天才的だった。そのあとを受け、順風満帆に走り出したはずの安倍政権はいま、逆風にさらされている。閣僚の失言やカネをめぐる醜態でお粗末な内閣の姿が明らかになり、足元が揺さぶられている▲きょうは参院選の投票日。その安倍政権は国民から初の審判を受ける。第1回参院選から60年、統一地方選と重なる「選挙の年」の今回は期せずして「天下分け目」の様相を呈してきた。その結果次第では、衆院解散から政界再編につながるとの見方も広がっている▲今回の最大の争点は「年金」とされ、政権の危機管理や問題解決の能力が問われている。だが、新しく選ばれる参院議員は任期6年のうちに憲法改正に直接かかわる可能性もある。外交、教育、地域再生をめぐる大所高所からの冷静な国民の判断が求められる▲社会もシステムも臨界状態になるほど小さな羽ばたきが大きな威力を発揮する。特に政治の世界ではそうだ。バタフライ効果を自覚して投票する人が増えると、社会は変わる。どんな風が巻き起こるのか、しかと目を凝らしたい。

毎日新聞 2007年7月29日 東京朝刊


【読売・社説】

参院選投票日 日本の将来見すえた選択を(7月29日付・読売社説)

 第21回参院選は、きょう29日、投票日を迎えた。

 我が国は、内外ともに大きな変化の渦中にある。激動する世界で確かな地歩を占めるため、国力をどう維持・発展させていくのか。少子高齢化、人口減社会にあって国民生活の安定をどう図るのか。

 国家運営の基本方針の策定や国民生活にかかわる難問の解決に挑む、「国民の代表者」としてふさわしい人物を選び出さなければならない。責任ある選挙公約を掲げている政党はどこか。もう一度、公約の中身を吟味したい。

 安倍首相は、中韓両国との関係改善や、教育の憲法とも言われてきた教育基本法の制定以来初めての改正、憲法改正手続きを定めた国民投票法の成立などの実績を訴えた。これらをどう評価するかも、一つの判断材料だろう。

 選挙後は、結果のいかんを問わず、与野党ともに、重要な政策課題に取り組まなければならないことになる。

 経済の安定成長のための基盤構築、巨額の長期債務を抱える財政の再建、年金や医療、介護など社会保障システムの再構築、それを支えるための消費税率引き上げを含む税制改革、国家公務員制度の改革、憲法改正の論点整理にあたる憲法審査会での論議などである。

 北朝鮮の「核」の廃棄と拉致問題の解決、テロ対策特別措置法の延長をはじめ国際テロ対策なども喫緊の課題だ。

 選ばれる参院議員らは、直ちにこうした問題に対処する責務を負う。課題の解決にあたる能力や資質の持ち主なのかどうか、見極める必要がある。

 選挙結果が、今後の政治動向や国会のあり方に重大な影響を及ぼす可能性があることも、留意しておきたい。

 参院は、1989年参院選で自民党が単独過半数割れしてから、政局を混迷させる火種ともなってきた。

 今回、仮に参院の与野党勢力が逆転すれば、参院での法案処理の主導権は、与党から野党側に移る。

 もちろん、首相指名や予算の議決、条約の承認は衆院が優越する。法案が参院で否決されても、与党は、衆院で3分の2以上の多数で再可決して、成立させることができる。

 だが、現実にはそう簡単なことではあるまい。野党の出方次第では、迅速を要する内外の重要政策の遂行に支障が出たり、国民生活関連の法案すら成立せず、政治の無用の混乱や停滞、空白を招いたりすることもありうる。

 日本の政治は、重大な岐路に直面している。日本の将来を選択する貴重な一票の権利をしっかり行使しよう。
(2007年7月29日1時51分  読売新聞)

消費者金融 規模拡大だけでは描けぬ将来像(7月29日付・読売社説)

 規制強化に苦しむ消費者金融業界が、再編に動き出した。生き残りには、規模拡大だけでなく、新たなビジネスモデルへの転換が求められよう。

 消費者金融3位のプロミスと5位の三洋信販が、経営統合することで合意した。プロミスが株式公開買い付け(TOB)で三洋信販を完全子会社化する。実現すれば、貸付金残高2兆円規模の業界首位グループが誕生する。

 両社に統合を決断させたのは、昨年末に成立した改正貸金業法による、業界の経営環境の深刻化だ。

 改正貸金業法には、貸し付け上限金利の引き下げや、融資額の総量規制などが盛り込まれた。2009年末をめどに実施される。従来のような高金利での融資ができなくなるため、業界各社は融資の申し込みに対する審査を厳しくし、貸付残高は急減している。

 顧客がこれまでに払い過ぎた利息の返還請求も、膨らんでいる。引当金の積み増しを迫られ、大手5社は07年3月期にそろって大幅な赤字決算に転落した。

 市場縮小と利益率低下への対応には、店舗や人員の削減では足りず、統合による経営基盤の強化が必要になった。

 プロミスの神内博喜社長は、記者会見で「規模の確保が急務だ」と危機感を示した。今後も、他の大手や中小業者の間で、再編が続く可能性が大きい。

 だが、規模拡大を競うだけでは、業界の将来展望は開けないだろう。

 低金利で調達した資金を、高金利で貸し付け、大幅な利ざやを稼ぐ。無人契約機などで借り入れを容易にし、融資量を拡大する。そんな消費者金融のビジネスモデルは、もはや成り立たない。

 低金利でも融資できる優良顧客は、銀行など他の業態とも奪い合いになる。その中で、どんな商品やサービスの提供で活路を見いだしていくのか。各社は知恵を絞らねばならない。

 改正貸金業法の成立を受け、テレビCMの放送時間の制限など、新たな自主規制ルールの検討も始まっている。「融資さえすればいい」という従来の業界の姿勢を改めるうえで、実効性のあるものにする必要がある。

 消費者金融業者が融資先を絞れば、借りたくても借りられない人が増える。ヤミ金融などに走らぬように対策を講じるのは、行政の責任だ。

 政府は、4月に多重債務問題改善プログラムを策定し、全国500超の市町村への相談窓口設置などを打ち出した。自治体が円滑に体制を整えられるように、国は、必要なら予算措置を含め、しっかりと後押しするべきだ。
(2007年7月29日1時52分  読売新聞)

【読売・編集手帳】7月29日付 編集手帳

 故郷柴又に帰ってきた車寅次郎は、実らぬ恋でひと騒動を起こしては家族と口論し、トランクを手にまた旅に出る。映画「男はつらいよ」である◆寅さんはよく旅先で詫(わ)びの葉書(はがき)を出した。「思い起こせば恥ずかしきことの数々、今はただ後悔と反省の日々を過ごしおりますれば、お忘れくだされたく…」。金釘(かなくぎ)流の筆跡をご記憶の方も多かろう◆寅さんほどは恋も口論もしないので詫び状はないが、毎年この季節、1枚、2枚と絵葉書が届く。絵を眺め、旅先でも心にかけてくれた人に感謝し、手紙に縁のある文字を含んだ「文月」から「葉月」に移る夏の愉(たの)しみでもある◆きょうは参院選の投票を済ませて旅行に出るという方もおられよう。投票所入場券、財布、カメラ…と出がけに確認する持ち物に、住所録を加えてみるのもいいかも知れない◆ 書いたからとて心が伝わるとは限らないが、伝わると信じて書かなければ始まらない。思えば選挙の一票も手紙だろう。投票箱を前にした心境には、恋文を郵便ポストに投じる瞬間と相通じるものがある◆夜が更ければ、遊説に東奔西走した「旅人」たちから有権者のもとに、テレビの速報番組を通じて返信が届くだろう。喜色満面の礼状であったり、「今はただ後悔と反省の…」寅さん流詫び状であったり、ともあれ手紙の一日である。
(2007年7月29日1時51分  読売新聞)


【産経・社説】

【主張】混乱と停滞に戻すのか 将来見据えた投票行動を

 この日本をどうするのか。真の改革の担い手にふさわしいのはだれか。安倍内閣10カ月の実績とビジョンに、有権者の審判が下される。

 任期が6年と長く、解散による失職がない議員の選挙でもある。ここ数カ月、世の中を騒がせたテーマに目を奪われ、怒りにまかせて貴重な投票権を行使するわけにはいかない。

 与野党の勢力が激変することも予想されているが、その結果もたらされる政治構造の変化は、日本が向き合う諸課題の解決にとって、ふさわしいものとなるのだろうか。

 ≪「年金」では選べない≫

 改革の立ち遅れは、転換期に立つ日本に重い後遺症をもたらしかねない。長期的視野が必要だ。判断の誤りは重大な結果を有権者に突き付ける選挙であることを、いま一度考えたい。

 今回の参院選への国民の関心が高いことは期日前投票の増加にも表れている。「年金選挙」として醸し出されたムードの影響は大きい。

 年金記録紛失問題は、社会保険庁を舞台に、官僚のずさんな管理と、職員労組の過剰な権利意識の所産であったことを浮き彫りにした。

 それを見過ごしてきた責任は、政治全体にあった。それでも、早急に対応策が整えられ、年金記録問題はひとまず片付いた。この問題だけで与野党の勝ち負けを決めようというのは、どうみても無理がある。

 選挙結果に伴う安倍晋三首相の進退にも関心が向けられている。

 たしかに、平成元年には宇野宗佑首相、10年には橋本龍太郎首相が、それぞれ参院選敗北の責任をとって内閣総辞職した経緯もあった。

 しかし、参院の本来の趣旨は衆院に対する抑制機能にあるはずだ。その選挙が、またもや政局を大きく左右する様相を呈している。政局本位の選挙であってはならない。

 戦後60年を経て、さまざまなシステムにひずみが出てきた。

 安倍首相が目指す憲法改正や教育再生は、新しい国を形作るうえで不可欠だ。公務員制度改革への着手は、官僚主導政治に本格的にメスを入れる試みとなる。税財政のあり方を含む構造改革の推進、少子高齢化対策、地方の再興といった内政課題も急務である。

 核の脅威を振りかざす北朝鮮に、安倍首相は毅然(きぜん)とした姿勢を示し、拉致問題解決を最優先課題としてきた。それだけに、北朝鮮は最近、ことさら安倍首相を批判し、その退陣を心待ちにしているようだ。

 ≪改革の必要性は不変≫

 原則を曲げない対北外交方針は、日米同盟の維持、強化とともに不変でなければならず、いずれも死活的に重要なものである。いまは政治の混乱や停滞が許される状況にはない。

 平成元年の参院選で、自民党の参院過半数割れが生じた後、自民党の下野と細川連立政権の誕生、新進党結成や自社さ政権、自自連立といった政界再編、混乱の時代が続いた。

 首相や政権の枠組みが次々と代わるだけで政治は安定せず、「政界の失われた10年」とも呼ばれた。

 自公連立体制が確立することによって、自民党は参院の過半数割れを意識せずにすんでいた。しかし、この選挙を経て、自公連立でも数が足りない事態が予想されている。

 衆院で与党が圧倒的多数を持っていても、参院で過半数割れすれば、野党が反対する法案はいずれも参院で否決されてしまう。衆院と同様に参院も政党化している現実から、与野党対立の状況は、参院の抑制機能を超えて、法案の成否を決めてしまうのだ。

 野党の賛成も得て成立させようとすれば、政府・与党が思い切った政策を打ち出すことは難しくなる。

 小沢一郎代表が率いる民主党のねらいは、参院を与党過半数割れにしたうえで、安倍首相を衆院解散・総選挙に追い込むことにある。

 その後の政権奪取や政界再編も視野に入れたものだが、日本がどのように改革の道を進んでいくのかについて、シナリオは見えてこない。

 ふさわしい改革とそれを実現できる候補者、政党を見いだすことが、有権者に求められている。

(2007/07/29 05:01)

【産経抄】

 参院選での不毛ななじり合いなど殺伐とした社会の中で、心が温まるようなニュースにめぐり合った。それも大阪発行夕刊の小さな記事である。イラクの駐日大使が中越沖地震の被災地を見舞い、復興支援中の自衛隊を慰問したというのだった。

 ▼ガーニム・ジュマイリ大使である。大使は25日に新潟の柏崎市を訪ね、市長に「イラク国民を代表して」見舞いの言葉を述べた。さらに、陸上自衛隊がサマワから撤退してこの日で1年に当たるとして「友人たちの仕事を見て励ましたい」とも話したのだという。

 ▼夕刊の記事はここまでだった。自衛隊に聞いてみると大使はその後、柏崎市の海浜公園に設けられた陸自の復興支援基地をはじめ、陸海空3自衛隊の支援部隊を律義にもすべて訪問して回った。その間に、住民の避難所も訪ねる。何とも精力的な動きだったようだ。

 ▼震災など大きな災害が起きた場合、現地を訪れる政治家は多い。自分だけ目立とうという「オジャマ虫」さえいる。だが復興のため汗を流している自衛隊員を激励しようという人はあまり見かけない。それだけに、異国の大使の行脚ぶりには、頭が下がる思いがした。

 ▼むろん自衛隊のイラクでの活動への「お礼」の意味もあったのだろう。昨年まで2年半、厳しい風土と危険な環境の中で、自衛隊が果たした人道復興支援は国際的にも高い評価を受けている。大使の精力的で律義な動きは、そのことを雄弁に物語っていたのである。

 ▼しかし日本人はといえば、イラク支援のことなどとっくに忘れてしまったようにさえ思える。日本のための支援活動でもあったのに、参院選で国際貢献はほとんど議論にならなかった。いったい大使の目にはどのように映っていることだろう。

(2007/07/29 05:00)


【日経・社説】

社説 低炭素社会に向け都市構造を集約型に(7/29)

 「地球温暖化対策で政府が動かないなら、我々が挑戦しなければならない」――ニューヨークのブルームバーグ市長は5月に同市で開いた世界大都市気候変動サミットで、主体的な取り組みの重要性を訴えた。温暖化対策は今や世界の都市の主要な政策課題になり、石原慎太郎東京都知事は「大量のエネルギー消費地である都市のあり方が、地球の命運をも左右する」と語っている。

排出権取引に動く東京

 東京都は都内の大規模事業所に二酸化炭素(CO2)の排出削減を義務づけ、独自に排出権取引制度を創設する方針を打ち出した。政府が導入に消極的な排出上限の設定によるキャップ&トレード型の市場活用策を、都が率先して導入する考えだ。削減義務を負わない中小企業には省エネ対策を金融面から支援し、大規模事業所が中小企業の削減分を購入できる仕組みもつくる。

 2020年までに都内の温暖化ガス排出量を2000年比で25%減らす目標を掲げ、08年度にも条例を整える。大規模新築ビルには一定の水準以上の省エネ性能を要求し、企業や家庭の省エネを促すために減免と課税の両面で独自の税制導入も検討する方針だ。なおあいまいな部分もあるが、日本の総排出量の5%を占める東京都が意欲的な方針を打ち出したことは評価できる。

 都の推計では都内の総排出量の3分の1以上をオフィスなどの業務部門が占め、業務部門の05年度の排出量は1990年度比で3割強増えている。日本全体でも業務分野の排出は増えており、オフィスビルや大型商業施設などのCO2抑制は東京、大阪、名古屋をはじめ、すべての大都市に共通する課題だ。

 欧米の州政府や大都市はすでに独自の温暖化対策に着手している。米国では京都議定書から離脱したブッシュ政権を尻目に、カリフォルニア州、ニュージャージー州などが続々と温暖化ガスの削減を義務づける州法を制定している。カリフォルニアなど西部5州は共同で排出権取引市場を創設する計画だ。欧州ではロンドン、パリ、ベルリンなど大都市がそれぞれ独自の削減目標を設けて対策を強力に推し進めている。

 安倍晋三首相は2050年までに世界の温暖化ガスを半減する構想を掲げたが、政府は日本自体の中長期の削減目標を明示できず、思い切った対策を打ち出せない状態だ。

 日本でも各地域の独自の取り組みが注目されるが、地域間の連携を進めるのも有益だろう。都は03年に神奈川、埼玉、千葉の各県と共同でディーゼル車の排ガス規制を国に先駆けて導入した。温暖化対策でも、オフィスビルや大規模マンションの省エネ基準導入や再生可能エネルギーの普及などで、より広範な地域の連携を進めることは可能である。

 CO2の排出量は都市構造との相関性が高く、中心地区の人口密度が低い地域ほど、住民1人当たりの排出量が増える傾向がある。住宅や商業施設が分散していると自動車の利用が増える。就業者1人当たりでみた事務所の床面積も広くなり、業務部門の排出量をその分押し上げる。

 日本の都市構造は戦後しばらくまで、おおむね集約型だった。だが、高度成長期以降、車の利用を前提とする無秩序な郊外の開発が急速に進み、拡散型に変わった。徒歩や自転車で行ける範囲に諸機能を配置するコンパクトな街を歴史をかけてつくり上げ、それを維持してきたドイツや英国などの都市とは対照的だ。

公共交通網の再整備を

 この構造を変えるためには都市計画による誘導と交通政策をうまく組み合わせる必要がある。公共施設や商業施設、住宅をなるべく集約し、次世代型路面電車(LRT)やコミュニティーバスなどの公共交通網で結ぶ。最寄りの駅の駐車場まで車で来てその先は鉄道を使うパークアンドライドの普及や、自転車専用レーンや駐輪場の整備も有効だろう。

 県庁所在市のうち岡山市や長崎市など路面電車が残っている都市は、車を優先して電車を廃止した都市と比べ人口当たりの運輸旅客部門の排出量が1割強少ない。富山市は路面電車の整備をてこに街を集約型に変える試みを始めた。福井市や堺市などもLRT導入を検討中だ。生活関連機能が中心部に集まれば行政サービスの費用を抑えられ、車を運転できない高齢者の利便性も高まる。

 国連人口基金によると08年には世界の人口の半分は都市居住者になる。日本でも都市化の流れは止まらないだろう。長期にわたる継続的な取り組みが必要な温暖化ガスの抑制は、都市の持続可能性にもかかわる命題だ。高齢化の進展に対応すると同時に低炭素社会の構築を強く意識した都市づくりが問われている。

【日経・春秋】春秋(7/29)

 3年に1度で21回目だから、第1回はちょうど60年前になる。参議院は団塊世代の最年長組と同じ1947(昭和22)年に誕生した。投票は4月20日。下位の半数は任期も半分の3年とされ、以後3年ごとに半数を改選しつつ今日に至っている。

▼不正が起こらぬよう占領軍が投票所を監視する中、この月は4つの選挙が立て続いた。5日が知事と市区町村長、20日が参院全国区と地方区、25日が衆院、30日が都道府県・市区町村議会議員。参院全国区トップは星製薬(現テーオーシー)や星薬科大の創始者である星一氏。作家星新一氏のお父さんだ。

▼紙不足の中、投票用紙の調達も簡単ではない。有権者も頭の切り替えが大変で、内務省は記入する名を間違えないよう繰り返し呼びかけた。翌月には現憲法が施行され、貴族院は58年の歴史を閉じた。第1回国会で衆院の第1党、参院でも緑風会に次ぐ第2会派となった社会党首班の片山内閣が発足。まさに激動の時代だった。

▼内外の環境に違いはあれ、自由に「1票」を行使できることの大切さは今も同じ。国民が選んだ代表が、国民のための政治を行う。歴史をひもといても、あるいは世界の国々を見回しても、これが決して当たり前のことではないとわかる。ぜひ投票所に足を運びたい。


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