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2007年7月 7日 (土)

7月7日の地方紙:沖縄タイムス、琉球新報、東京新聞、河北新報、京都新聞 主要紙:朝日、毎日、読売、産経、日経の社説&コラムです。

 来る参院選は、これからの日本の運命を決定付けてしまう重大な選挙だと思います。

 「日本の9・11」衆院・郵政選挙では、特に朝日新聞(系列TVも含む)に見られた小泉政権へのすり寄りはひどいものでした。まさか産経と朝日が同じ論調になるとは思いもよらない事態でした。

 参院選投票日までに、これからどのようなマスコミをわれわれは目撃することになるのかここに資料として保存します。(資料保存スタート時の考え

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【沖縄タイムス・社説】(2007年7月7日朝刊)

[貨物基地構想]「国際物流」への呼び水に

 全日本空輸(ANA)が、那覇空港にアジア主要都市を結ぶ航空貨物輸送のハブ基地を設置する。同社と県は、国際物流拠点形成へ向けて相互に協力していくことで合意した。

 同社はアジア向け国際航空貨物を各地から那覇に集約し、北京や上海、香港、ソウル、台湾などに配送する。

 深夜便を活用し、各地からの貨物を那覇で仕分けして積み替え、早朝までに目的地に配送する。航空輸送体制の効率化につなげたいとしている。

 県は、アジアにおける沖縄の地理的優位性を踏まえ、沖縄を国際物流拠点にする構想を描いてきた。これまでさまざまな試みがあったが、県内の国際貨物取扱量は現在、年間約二千四百トン(二〇〇五年)にとどまっている。

 山元峯生社長は記者会見で「県の雇用促進や産業活性化に貢献したい。貨物事業の成長を加速させ、アジアでナンバーワンを目指したい」と語った。

 貨物基地構想は国際物流拠点形成の大きな呼び水になる可能性があり、同社の新たな取り組みを歓迎したい。

 同社によると、〇九年度以降に航空貨物基地を立ち上げ、ボーイング767型貨物専用機を約十機導入する。週に国際線で百便程度、国内線五十便程度の運航を見込んでおり、年間貨物取扱量は約四十万トンを予定している。

 政府は五月、アジアの成長と活力を取り込み、新たな「創造と成長」を実現することなどを目的とした「アジア・ゲートウェイ構想」をまとめた。

 航空自由化(アジア・オープンスカイ)に向けた航空政策の転換や、貿易手続き改革プログラムの着実な推進―など十項目を最重要ポイントとして挙げ、人材・物流ビッグバン、アジアの活力を取り込む地域戦略―などを重点七分野として掲げている。

 一方、沖縄振興計画が残り五年となったことを受け、県は計画終了を視野に、新たな県の基本構想となる「沖縄二十一世紀ビジョン(仮称)」の策定作業に着手している。政府の構想に反映させるため、那覇空港の拡張整備や貨物ターミナル機能強化、国際物流企業誘致などにも力を入れる構えだ。

 国土交通省の交通政策審議会航空分科会は、那覇空港について「二〇一〇―一五年度ごろには夏季の旅客需要の増加に対応できなくなる」と指摘し、滑走路の増設を含む施設整備の必要性を指摘している。

 ANAの構想はこうした動きの中で浮上してきた。県経済にとって物流面でアジア経済のネットワークに関与していく好機になるのは間違いない。県を挙げ構想が実を結ぶよう側面から支援し、関連産業の誘致につなげたい。

[看護師調査]過重労働の解決に本腰を

 「看護師が疲れ果てている」。県立病院でこんな悲鳴が挙がっている。中部病院では恒常的な看護師不足が続き、一部病床が使えない事態にまで追い込まれた。過酷な労働環境が要因で、辞めていく看護師が多いためだ。

 このままの現状が続けば、安心した地域医療を確保することが難しい。

 県病院事業局の労使でつくる看護業務改善委員会が県立六病院すべての看護師(臨任職員を含む)約千五百人を対象に、労働実態調査を始めた。今月中に調査を終え、十月には調査結果を基に行動計画を策定し、年内には過重労働の解消を目指したい考えだ。

 委員会は「労使双方の立場から実効性のある業務改善策を提案したい」という。過重な労働は身も心もむしばむ。何とか改善したいという労使の取り組みは十分、評価できる。

 深刻な看護師不足は、昨春の診療改定で「患者七人に看護師一人」という新しい看護基準が導入されたことが背景にある。看護が手厚いほど、診療報酬が高くなるため、病院間で看護師争奪戦が起きている。

 四日発表された日本医師会の調査によると、「患者七人に看護師一人」の基準を満たす病院に勤務する看護師の比率は看護師全体の26・6%で、昨年十二月の21・5%に比べ5・1ポイント増加している。都市部の大病院に看護師が吸収され、地域の小規模病院の看護師不足につながっていると問題視している。

 二十四時間の救急診療を担っているため、業務が過酷とされる県立病院の看護師は中途退職が多く、希望者は少ないという悪循環が続く。また患者が集中しているため、慢性的な医師不足となっており、それが看護師の勤務に影響していると指摘されている。

 医療現場の最先端で働く看護師が疲弊すれば、きめ細かい看護ができるかどうか、患者に不安を与えかねない。

 看護師の調査で、医師を含めた医療現場の業務が明らかになる。それを踏まえ、労使は過重労働を解消できる抜本的な対策に本腰を入れるべきだ。

【沖縄タイムス・大弦小弦】(2007年7月7日 朝刊 1面)

 水平線までぎっしり星が詰まった夜空を眺めるのは、この上ないぜいたくだ。以前はよくキャンプに出掛け、人工の光が届かない砂浜を選んでテントを張った。

 ところが先日、作家の椎名誠さんが国頭村で講演し、こんな話をしている。「ネパールでは、地元の人たちは満天の星空に興味がない。生まれた時からずっと銀天の星空を見ているから」と。身近にある「島の宝」には気づきにくい。

 梅雨明けから猛暑が続いている。さて今夜はビール片手に屋上かベランダに出て、夜空でも眺めてみようか。街の光に負けて「満天」とはいかなくても、意外と多くの星座が見つかるかも。

 天の川あたりに目をこらすと、ちょうど織姫が彦星に会うために、川を渡っているところかもしれない。きょうは七夕。このところの晴天で、あちらの川も穏やかになっているだろう。無事に渡り切ってほしい。

 明けて翌日からのことを考えるのも興ざめで申し訳ないが、現実問題として、やっぱり猛暑は続きそうだ。これに参院選に向けた街宣車が輪をかける。二十九日の投票日まで、向こう三週間の日本列島は政治の“熱波”が吹き抜ける。

 こんどの参院選は、野党が過半数をとれば即「政局」につながる緊迫感をはらんでいる。生活に直結する年金や国の将来を決める憲法改正が争点だ。子どもたちは短冊に夢を書いた。大人は未来を託せる候補者の名前を、投票用紙にしっかり書こう。(山城興朝)


【琉球新報・社説】

「集団自決」再可決 それでも国は拒否なのか

 県議会文教厚生委員会が間髪を入れず新たに動いた。
 文部科学省による教科書検定で沖縄戦の「集団自決」に関する日本軍の強制をめぐる記述が修正・削除された問題で、同委員会は5日、検定意見の撤回と記述回復を求める意見書案を再度、本会議に提出することを全会一致で可決した。6日には委員会のメンバー全員が渡嘉敷、座間味両島に渡り、集団自決の生存者らから当時の様子などを聞き取り調査した。
 県議会の迅速な対応は多くの県民から共感され、支持を集めるだろう。
 議会が同一定例会中に同じ趣旨の意見書をあらためて可決するのは初めてである。2日前、県や県議会を含む県内6団体の代表らが文科省を訪れ、検定撤回を要請した際の対応は「門前払い」同様だった。煮え切らない文科省の態度に、不満や憤りが一気に沸騰した形だ。
 新たな意見書案は、文科省の姿勢について「あらかじめ合否の方針や検定意見の内容を取りまとめた上で(教科用図書検定調査)審議会に諮問している」と検定手続きの在り方を厳しく批判、記述復活を再度求める内容だ。
 係争中の裁判を検定意見の参考資料としたことには「一方の当事者の主張のみを取り上げている」と指摘。「沖縄戦における『集団自決』が日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実」とした。当然の結論である。
 それにしても、要請団への文科省の回答は私たちの認識とは懸け離れすぎている。撤回要求の拒否理由は「審議会の決定事項」とのほぼ一点張りだ。県民を納得させられるはずがない。
 「審議会を隠れみのにしているにすぎない」(平良宗潤・県歴史教育者協議会委員長)といった批判に対し、文科省はどう答えるのだろうか。
 解せないのは審議会の態度も同様だ。検定意見を承認した論拠や審議の過程などは不透明なままで、弁明も一切ない。
 そもそも審議会のメンバーすら分かっていない。文科省を含め説明責任を放棄していると批判されても仕方がない。
 安倍晋三首相の見解もぜひ聞いてみたい。
 軍命否定論は、従軍慰安婦問題をめぐる安倍首相の「官憲が人さらいのように連れて行く強制性はなかった」との論法と根底で重なり合っている。そんな批判にどう反論するのだろう。
 県議会の意見書案は11日の本会議で全会一致で可決される。政府は今度こそ、県民の撤回要求に誠実に向き合い、納得いく回答を示さねばならない。

(7/7 9:56)

国際貨物拠点 「空の万国津梁」時代築こう

 那覇空港がアジアの国際物流拠点になる。そんなビッグニュースが5日、飛び込んできた。全日本空輸(ANA)と県が記者会見で発表した。計画では2010年には国際線が週100便、国内線が週50便運航され、現在の約2倍の貨物量となる。沖縄が「空の万国津梁(しんりょう)」時代を迎える。計画の実現を期待したい。
 県民が長年描いてきた夢の「国際ハブ空港」構想が、いよいよ現実となる。
 県と全日空が交わした基本合意によれば、来年秋にも新貨物ターミナルの建設が始まる。県は、国際航空貨物の物流拠点とするために必要な24時間の通関体制、手続きの簡素化など「経済特区制度」の充実を求められている。
 全日空は、那覇を中心に描く半径2千キロの同心円内に、日本や東アジアの主要都市をすっぽりと包む「要衝の地」という利便性、地理的優位性を評価したという。
 王朝時代、琉球は地理的優位性を生かし東アジアを駆け巡り、大いに栄えた大交易時代の歴史を持つ。
 残念ながら、その優位性を最も活用しているのが米軍だ。「太平洋の要石」はいま、ようやく軍事基地から経済基地としても再評価され、経済発展に向け離陸する。
 しかし、課題は少なくない。まず那覇空港の離着陸能力。昼間はすでに340回を超え、限界の1日380回に近づいている。
 貨物は現在使用していない深夜帯が中心とはいえ、3年後には150便が運航予定である。
 那覇空港は24時間運航可能な空港である。その利点が今回の計画で生かされる。だが、成長著しいアジアの物流拠点化を狙うのであれば、滑走路の沖合展開による複数化は急がねばならない。
 国際物流拠点化は、県内企業にとってもビジネス拡大のチャンスだ。雇用創出にも期待が膨らむ。
 海空ともに海外航路のネットワークが弱く、保税機能の使い手も悪いと酷評される「特別自由貿易地域」もこの際、抜本的に見直すチャンスだ。先を読む知恵と発想で「空の万国津梁」時代を、存分に活用したい。

(7/7 9:54)

【琉球新報・金口木舌】

 シベリアの永久凍土から発掘された推定1万8千年前のそれは、皮膚や体毛も残り、何よりも3・2メートルもの牙が印象的だった。2年前、愛知で開かれた「愛・地球博」で冷凍マンモスを見た
▼新たにロシア・西シベリアで生後約半年の雌とみられる凍結マンモスが見つかった(6日付夕刊)。専門家は「最高の保存状態」といい、日本で組織分析を行う
▼マンモスの冷凍標本が見つかるのは、地球温暖化とも無縁ではないとされる。温暖化が進み、永久凍土が溶けたためマンモスが姿を見せる。このまま、凍土が溶け続ければ、長年の時を超えて残されてきた貴重な資料を失うことにもなるだろう
▼凍土からではないが、糸満市の摩文仁ハンタ原遺跡から約3千年前の縄文時代晩期のほぼ全身の化石人骨が見つかった。この時期の人骨がまとまって見つかるのは珍しいという
▼1968年に那覇市で見つかった「山下町洞人」は過去最古のホモ・サピエンス(新人)だという。新人が3万7千年前に日本に来ていたことがあらためて確認され、大陸を隔てた日本列島に船で来た、というロマンもあふれる
▼マンモスも人骨も、われわれ人類がこれからも生き永らえるための知恵を、土中から教えてくれる。

(7/7 10:01)


【東京新聞・社説】

年金工程表 不安一掃へ詰めを急げ

2007年7月7日

 政府が年金記録不備を是正する工程表をまとめた。作業をできるだけ前倒しする方針は評価できる。だが、「五千万件の名寄せ」だけでは作業が終わらない。全力で取り組まなければならない。

 工程表によると、社会保険庁のコンピューターオンラインシステムに入力されたまま該当者不明の約五千万件の加入記録について、当初は来年五月までに名寄せを終了するとしていたのを遅くとも来年三月までに前倒しする。

 加入記録が正しいかどうかを加入者・受給者本人に確認してもらうために加入履歴を全員に送付する作業も、当初予定の二〇〇八年九月以降を、同年四月以降に繰り上げる。

 作業のスピードアップ自体は当然である。少しでも早く年金受給権の回復を急ぐ必要があるからだ。

 忘れてならないのは、五千万件の名寄せは年金番号の統合ではなく同一の加入・受給者のものと思われる記録を拾い出す作業にすぎないということだ。通知を受け取り、確認後、申請して初めて統合される。

 しかも工程表によると、名前の濁点・半濁点の有無、生年月日の一日違い程度ならば名寄せできるが、入力された名前や生年月日の間違いがひどいと、名寄せができない。過去の杜撰(ずさん)な作業で記録自体の入力漏れも少なくないといわれている。

 安倍晋三首相が言うように「最後の一人まで年金を支払う」には、社保庁や市町村が保有する紙台帳との照合が欠かせない。だが、どのような方法でいつまでに終了させるかについては見通しが立っていない。

 社保庁改革関連法の成立で、社保庁は二〇一〇年一月に解体され、年金業務は非公務員型の「日本年金機構」に引き継がれる。その際、職員の削減が計画されている。

 工程表の実施状況などのチェックは、総務省にあらたに設ける「監理委員会」が担うが、委員会の設置は「日本年金機構」に移行するまでの期間と決められている。

 機構では作業を極力民間委託する方針とはいえ、通常の年金業務に加えて紙台帳との照合作業を最後まできちんと行えるのかどうか疑問が残る。この点についても政府は明確に説明すべきだ。

 政府が「社会保障カード」の導入を打ち出したのは唐突である。

 年金、医療、介護の保険料の納付記録を確認するのに便利になるとしても、個人の詳しい医療情報まで盛り込まれたりすると、漏洩(ろうえい)した場合、取り返しのつかないことになりかねない。どのように漏洩を防ぐのか、導入するとしても、国会で慎重に議論する必要がある。

『盧溝橋』70年 『歴史』のとげ克服を

2007年7月7日

 七日は日中戦争が本格化した盧溝橋事件から七十年。両国は歴史が残したとげを克服していない。しかし、歴史認識問題を政治の場に持ち出し、いがみ合った過去を教訓に知恵を出し合うときだ。

 歴史認識が日中外交の中心問題になったのは戦争の過酷さを考えると意外に遅く、実は一九九〇年代に入ってからだった。

 盧溝橋事件は三七年七月七日夜、日本軍が北京郊外の同橋近くで演習中に銃撃されたとして中国軍を攻撃。戦火は北京や天津から上海に及び日中の全面戦争に拡大した。

 中国側は国民党と共産党による第二次「国共合作」を成立させ戦況は行き詰まった。日本は局面打開を図ろうと戦線を東南アジアや太平洋に広げる。しかし、米、英などとの戦争を招き、四五年降伏した。

 長年、戦場となった中国は日本の侵略により多大な被害と筆舌に尽くしがたい苦難を被り、反日感情が渦巻いた。共産党は抗日戦争の勝利を政権の正統性の証しとした。

 しかし、共産党政権は戦後長く歴史認識を外交問題にしなかった。米国との対決を強めた時代、中国は「日本人民」の支持を必要とした。旧ソ連との関係が悪化すると、日米を引き付けるのに必死で、過去など問題にする余裕はなかったろう。

 民主化運動を武力で鎮圧した天安門事件(八九年)で社会主義の輝きは色あせた。中国が愛国主義を鼓舞し求心力を取り戻そうとしたとき、反日感情は息を吹き返し「歴史」が外交問題になったのではないか。

 急速な経済成長で国力を充実させ、中国の人々が自尊心を高めたことも背景にあったろう。

 当時、日本でも戦後長い時間を経て過去の問題で、いつまでも後ろ指をさされたくないという欲求が強まっていた。中国の変化に人々は反発し嫌中感が強まったといえる。

 「日本には永久に歴史問題を言い続けよ」と強調する江沢民政権に対し、小泉純一郎前首相は靖国参拝で対抗。靖国をめぐる、いがみ合いは国民感情の悪化につながり激しい反日デモを招いた。

 歴史認識をめぐり政治の場で応酬する危険を両国とも痛感させられた。安倍晋三首相と胡錦濤主席が靖国問題を「棚上げ」し歴史論議を学者の共同研究に委ねる決断をしたのは、その反省が背景にあったろう。

 両国の各界がこうした反省を共有する必要があるのではないか。日本側は歴史を直視し、中国は歴史を政治問題化しない思慮深い態度こそ、日中戦争以来の禍根を乗り越えることにつながるだろう。

【東京新聞・筆洗】2007年7月7日

 今夜は七夕。子どもたちが願いごとを短冊に書き込んで笹(ささ)の葉につるすこの習俗は、いつ見ても心和む。旧暦だと今の八月中旬だから、天の川や、牽牛(けんぎゅう)、織女も夜空にくっきり輝いてくれるが、新暦の今は梅雨真っ盛りで、天気予報もあいにく曇りとは残念▼神奈川県平塚市で始まった「湘南ひらつか七夕まつり」のスターは人気の“ハンカチ王子”、早大・斎藤佑樹投手だそうな。その斎藤君は日米大学野球で米国遠征中。米国勢のパワーに圧倒されて苦戦中のチームの立て直しに、不敗神話で立ち向かう▼十日にサンフランシスコで開かれる米大リーグのオールスター戦にレッドソックスの岡島秀樹投手が最後の三十二番目で出場が決まった。現在打率2位で、七年連続出場のイチロー選手は別格として、僚友・松坂大輔投手を差し置いての出場は、本人も予想だにしなかったろう▼せっかくのカーブや直球の球威も、制球難から崩れてしまうことが多かった岡島だが、日ハム時代に覚えたチェンジアップが冴(さ)え、今やリーグ屈指の中継ぎだ。もう一人、マイナーからはい上がって、ドジャースの抑えになった三十七歳、斎藤隆投手の出場も喜ばしい▼先日、横浜時代の最高を5キロ上回る159キロ(99マイル)を出し、伊良部秀輝投手に並ぶ日本人メジャー投手最速記録をつくった。昨年からの通算50回のセーブ機会で47回の成功率はメジャー新記録だ▼「星に願いを」は、ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌だが、願えばおじさんたちの夢だってかなう。子どもたちもお願いしてごらん。


【河北新報・社説】

宮城県の新税構想/導入は次の知事選で問え

 宮城県は慢性的な財源不足を補うため、新税を導入する方向で検討を進めている。

 国・地方財政の三位一体改革による地方交付税の大幅削減などで、宮城県も深刻な財政危機に直面しており、確実な増収効果が見込める新税は、県の財政当局にとって魅力的だろう。

 だが、新税の使途についてはこれといった具体的な方向性が県内部でも定まっておらず、「なぜいま新税なのか」と強い疑問を抱かざるを得ない。

 新税については、県庁内の税制研究会が1年近くをかけて検討を重ね、3月に報告書をまとめた。それによると、(1)個人と法人から徴収し環境保全に充てる「みやぎ環境税」(2)地震対策や産業競争力の強化を目的に法人から集める「みやぎ発展税」―の二つの新税について、導入が妥当と結論付けた。

 宮城県が現在実施している独自の税制度は、1973年に導入した法定外普通税の「核燃料税」と、2005年に導入した法定外目的税の「産業廃棄物税」の二つある。

 地方税法に定めがないこれらの法定外税に対し、浮上している新税は現行の税金に上乗せして徴収する「超過課税」。法定外税とは異なり、厳密な意味では「新税」でないが、県民に新たな負担を求めるという点では新たな税制度導入と同様、県民の十分な理解が不可欠だ。

 報告書によると、みやぎ環境税は個人県民税と法人県民税に、みやぎ発展税は法人事業税にそれぞれ上乗せする。

 このうち個人県民税は現行税額の年額1000円に300―1000円を上乗せする案が検討されており、この場合の年間の増収額は約3億円から10億円が見込まれている。法人県民税と法人事業税に超過課税した場合の増収見込額はそれぞれ最大で3億4000万円、30億円と試算される。

 宮城県は06年度から4年間で2260億円の財源不足が見込まれ、現在、徹底した歳出カットなどを目的とした新・財政再建推進プログラムに取り組んでいる。たとえ数億円であれ、自主財源はのどから手が出るほど欲しいところだろう。

 地震対策や産業競争力の強化にしろ、自然環境の保全にしろ、新税構想が掲げる政策目標は極めて重要であり、否定のしようがない。だが、では具体的にどういう事業に財源を投入するのか、といった目に見える形での新税の使途は、研究会も十分に説明し切れていない。

 地元経済界は「歳出削減を一層図るべきで、増税という手法は問題だ」(東北経済連合会)「税収の使途が明確にされなければ、県民や事業所の理解は得られない」(仙台商工会議所)と早くも反対姿勢だ。

 最終決断を委ねられる村井嘉浩知事は記者団に4日、「まだ何も決まっていない」と述べたが、過去の発言などから導入に前向きとの見方が強い。その村井氏は、初当選した2005年の知事選で新税導入を公約していなかった。もし本気で導入を目指すのなら、2年後の知事選で有権者の判断をあおいでからにするのが筋だろう。
2007年07月07日土曜日

【河北新報・河北春秋】

 法律の専門家の胸には、バッジがきらめいている。検察官はご存じ、「秋霜烈日」。弁護士はヒマワリに秤(はかり)。それぞれ自由や公平さを表している▼ 裁判官は鏡の中に「裁」の字のデザイン。鏡は曇りなく真実を映し、公正な裁判をもたらす。もっとも法廷では背広やシャツの上に黒い法服を着るので、めったに見えない

 ▼ 最近の裁判官らはもう一つ「裁判員制度」のバッジも着けている。普通の人が刑事裁判に加わり、裁判官とともに判決を言い渡す新制度PRのため。法律の世界の人たちも結構バッジが好きらしい▼まさか裁判員のバッジまで作らないだろうが、裁判官と同じ法服の着用は検討されている。裁判員に選ばれたら法廷で被告や証人と向き合う。どこの誰なのかを分からないようにして、逆恨みを防ぐのが目的だ

 ▼それならもっと優れ物がある。かつらだ。イギリスの裁判官は今も馬の毛で作ったかつらを着ける。威厳を保つとともに人物特定を難しくさせるためだという。法服にかつらなら、かなりの変装効果が期待できる ▼外見はまあ何でもいい。大切なのは心に何をまとうか。古代ローマの政治家キケロは「知恵を伴わなくても正義は大いに強力なものだ」と語った(岩波文庫『ギリシア・ローマ名言集』)。その心意気こそ裁判員にふさわしい。

2007年07月07日土曜日


【京都新聞・社説】

水俣病救済策  認定基準をまず見直せ

 これで水俣病の最終解決が図れるとでも言うのか。
 与党の水俣病問題プロジェクトチームが、手足の感覚障害などの症状がある未認定患者に一時金を支払う新たな救済方針を決めた。
 一九九五年に次ぐ政治解決を目指したものである。しかし新救済策には疑問点や課題が多く、患者にいらぬ混乱を招きかねない。再考すべきだ。
 というのも、感覚障害の症状が九五年以前にあった人と、それ以降の人とに区別し、一時金に差を設けるという内容だからだ。しかも九五年時の一時金二百六十万円より減額するというのである。
 与党は、九五年の被害者の救済漏れが最優先と説明する。だが患者にとって、いつ症状を自覚したか、はっきり分からないのが実情であろう。
 そもそも発症時期で患者を区別すること自体がおかしい。同じ症状なら同一に救済するのが本来の筋である。一時金で格差をつければ、混乱を助長するようなものだ。
 「灰色決着」とされる九五年の救済策も問題が多かった。政府は責任をあいまいにしたまま、訴訟や水俣病認定申請の取り下げを条件に約一万人に一時金などを支払った。患者らは、高齢化や病状の悪化などもあって、苦渋の選択として和解を受け入れたのである。
 この救済策に納得しなかったのが、関西水俣病訴訟を起こした未認定患者である。最高裁は二〇〇四年、被害を拡大させた国と県を断罪し、国の患者認定基準よりも緩やかな基準を示した。これを機に、認定申請者が五千人を超した。
 一方、国は「混乱を招く」として基準の見直しを拒否。それ以降、国と司法の「二重基準」が続くことになり、熊本や鹿児島、新潟三県で認定審査の作業がストップするなどした。
 今回の救済策は、この混乱を収拾するのが大きな狙いだ。確かに、複数の症状がなくても、手足の感覚障害だけでも救済対象にした点は評価できよう。
 とはいえ、未認定患者の悲願である国の認定基準の見直しはせずに、一時金で幕引きを図ろうというのなら、その場しのぎの救済策と言わざるをえない。
 未認定患者を対象に環境省が今春実施したサンプル調査では、手足の感覚障害があった人は四割にも上っていることが分かった。しかし、国の現行の認定基準は厳しすぎ、認定申請の多くは却下されかねない。
 潜在的な患者も含め被害者は数万人ともいわれるが、認定患者はわずか約三千人だけだ。「最終解決を目指す」というのなら、患者泣かせの国の認定基準をまずは見直すべきだ。できるだけ多くの患者を救済するのが国の責務だろう。
 「公害の原点」といわれる水俣病の公式認定から五十一年である。水俣病患者を全面救済してこそ、本当の「戦後体制からの脱却」といえる。

[京都新聞 2007年07月07日掲載]

年金対策  「安心」か、見極めたい

 守勢に回ってばかりはいられないということだろう。年金記録不備問題で政府・与党が新たな対応策を決めた。
 基礎年金番号に統合されず「宙に浮く」五千万件の年金記録の照合・本人への通知を前倒しして本年度末に完了させるほか、年金手帳だけでなく健康保険証や介護保険証の役割も果たす「社会保障カード」(仮称)の導入などを盛り込んでいる。
 国民の「年金不安」が一向に収まらないなか、参院選に向け、総合的な対応策を打ち出すことで不安の解消を図り、逆に攻勢に出ようというわけだ。
 安倍晋三首相は「最後の一人にいたるまで」と、年金記録のチェックと支払いを約束するが、これで本当に安心か。冷静に見極める必要がある。
 力説する年金記録の照合、通知の前倒しにしても、照合に必要なプログラムが予定より早く開発できる見通しになったからで、当然の対応といえよう。
 コンピューター上の記録を名前、生年月日、住所で照合するが、五千万件すべてが可能というわけではない。名前が未記入などの場合は不明のままだ。
 入力ミスの修正には、社会保険事務所や市町村が保管する台帳との照合が必要になる。それに要する時間や手間は想像もつかないうえ、宇治市や滋賀県内の八町村をはじめ全国百九十八市町村では、台帳が破棄され、追跡は難しい。
 さらに、照合だけでは年金の支給漏れは解消できないのだ。
 通知を受けた本人が申し出て、基礎年金番号へ統合する必要があるが、いつ統合が完了するのかは示されていない。作業全体の経費も明らかではない。
 「安心して」というのなら、こうした点についても、政府・与党はきちんと説明するべきだ。
 社会保障カードも、パソコンで自分の納付記録を確認できるようになる、と国民の利便性を強調をするが、一方で、職歴や健康状態、病歴などの個人情報を国が一元的に管理することを意味する。
 導入にあたっては、個人情報保護の観点からの国民的な議論や同意が欠かせまい。民主党などが主張する「年金通帳」に対抗する狙いだろうが、少し性急すぎないか。
 対応策には社会保険庁の業務を監視する第三者機関の新設や全受給者・加入者への納付履歴の送付の前倒しなど、官邸主導で打ち出したものも確かに多い。
 要は実施できるかどうかだ。看板倒れに終わらせてはなるまい。
 参院選の公示まであと五日。「年金問題」が争点になることは間違いない。
 宙に浮く年金記録の対応だけでなく、社会保障カード導入の是非や年金の財源など、年金制度はどうあるべきなのか、各党の主張をじっくり聞き比べよう。
 一人一人の「老後の安心」がかかっているのだから。

[京都新聞 2007年07月07日掲載]

【京都新聞・凡語】

日本・NGOの支援活動

 人々が忘れかけたころに、その悲劇は世界に伝わってくる。アフガニスタンは、そんな国に例えられてきた。昨今の情勢は、その言葉を思い起こさせるほど、治安状態は悪化しつつある▼驚かされるのはそんな状況にあって、日本の非政府組織(NGO)が、支援活動を絶やさずに続けていることだ。その数は十を下らないという。医療や保健、農業など分野も幅広い▼どうやら日本は屈指の民間支援国といえそうだ。先月、東京から訪れた活動メンバーが、自爆テロに遭遇し、負傷する事態に見舞われた。だが、現地に滞在するNGOに、ひるむ気配は見られない▼「ペシャワール会」の中村哲医師は「今度こそ、この国のことを忘れてはいけない」と呼びかける。内戦の中で鍛え上げたメンバーの忍耐力は強い▼いま対テロ戦争の出口は見えず、だれもが答えに窮している。あるNGOスタッフはいう。「十年、二十年単位で、粘り強く住民とともに身近な生活の復興をめざすしかない。どこまで住民に希望を与えられるか、私たちも問われている」▼意外にも、と言っては失礼だが、日本政府は、現地でのNGO活動の支援に積極的な姿勢を見せる。飲料水供給事業として、NPO法人ジェン(JEN)には無償資金五千万円を支援している。武力による「劇薬」よりじわりと効く「漢方薬」。その力も忘れたくない。

[京都新聞 2007年07月07日掲載]


【朝日・社説】


2007年07月07日(土曜日)付

盧溝橋事件70年―もう一歩、踏み出す勇気を

 ちょうど70年前の1937年7月7日、北京郊外の川にかかる橋の近くで発砲事件が起きた。盧溝橋事件である。この争いをきっかけに日中戦争は拡大の一途をたどり、太平洋戦争を経て、日本は敗戦を迎える。

 いまも盧溝橋は健在だ。建造されたのは12世紀と言われる。当時のものがどこまで残っているのかは分からないが、重厚な石造りや欄干に並ぶ獅子像は長い歴史を思わせる。

 そのほとりの村に、抗日戦争記念館がある。事件をはじめ日中戦争の歴史についての展示が並んでいる。先生に連れられた子どもたちや人民解放軍の兵士たちが学習に訪れる。時折、日本からの観光客も足を延ばす。

■日中戦争の「起点」

 「七七事変」。盧溝橋事件を中国ではこう呼ぶ。満州事変が起きた9月18日と並んで、7月7日は民族屈辱の日として記憶されている。その後、45年まで続く悲惨な日中戦争の起点との認識だ。

 いま多くの日本人が戦争を振り返る時、思い浮かべるのは真珠湾攻撃の12月8日であり、敗戦の8月15日だろう。中国人にとって今日という日は、それに匹敵する記憶を呼び起こす。七夕を祝う日本とは大違いだ。

 その日に、私たちがこの社説を掲げるのは、この1年が日中両国にとって特別の意味を持つと考えたからだ。

 盧溝橋事件から70年、そして12月の南京大虐殺からも70年。中国や米国で最近、南京大虐殺などの映画がいくつも作られている。米議会では、旧日本軍の慰安婦問題をめぐる決議案が本会議でも可決されようとしている。好むと好まざるとにかかわらず、今年は歴史と向き合わざるを得ない年なのだ。

■記憶にずれがある

 少し、歴史をおさらいしておこう。

 日本の中国侵略は、盧溝橋事件の6年前、1931年の満州事変が一つの起点だった。翌年、満州国が建国され、それらが原因となって国際連盟からの脱退につながる。日本は国際的な孤立への道を突き進む。

 戦争が本格化したのは、盧溝橋事件の後からだった。日本軍は戦闘を中国各地に拡大していった。さらに日独伊三国同盟を結び、インドシナ半島を南下するなどして、英米などとの対立は極まった。その結果、太平洋戦争に突入し、最後の破局に至る。

 日中戦争の歴史は、そのまま中国の近代史に重なる。国家存亡の危機であったのだから当然のことなのだが、一方、日本にとっては米国との戦争、とりわけ広島と長崎への原爆投下といった被害の方が深く記憶に刻まれがちだ。

 この記憶のずれが、友好をうたいつつも、ぎくしゃくしてきた日中関係の根底に影響しているのは間違いない。

 抗日戦勝利と言っても、被害の大きさは日本とくらべものにならないし、中国が日本を屈服させたわけでもない。戦後、賠償を放棄して「ゆるした」のに、日本はその重みを受け止めていないのではないか。中国は軽んじられている。そんな屈辱感も重なっているのを見逃してはならないだろう。

 反日デモの嵐が吹き荒れた一昨年春。デモ参加者の怒りには、さまざまな要因が絡まっていたことだろう。その一つに、江沢民時代に強化された「愛国教育」の影響があると言われた。

 揺らぎだした共産党支配の正統性を立て直すために、抗日戦争を学習させ、結果として日本への怒りを再生産することになった、という見方だ。

 その面があるのは確かだろう。中国の歴史研究にしても、政治権力から独立して自由に行われているとは言い難い。しかし、だからといって、日本による侵略を自らの近代史の中心テーマと受け止め、記憶し、世代を超えてそれを受け継ごうという中国人の心情を批判することはできない。

 いまの中国では、知日派の人々でさえ、戦争の歴史の話になると表情を変えることが少なくない。民族感情の渦が代々受け継がれていることを、私たちは意識しておかねばならない。

■首相の南京訪問を

 残念な世論調査結果がある。米国のピュー・リサーチセンターの今春の調査によると、中国を「かなり嫌い」「どちらかと言えば嫌い」とする人が日本では67%にのぼった。調査の対象となった47カ国・地域で最も高かった。同じように中国人にも日本を嫌う傾向が強い。

 今年は、日本と中国が国交を正常化して35周年にもあたる。盧溝橋事件からの70年間の半分は、関係正常化の年月でもあったのだ。それなのに、こんな数字が出てしまうことを私たちは深刻に受け止めなければなるまい。

 政治の役割は大きい。安倍首相になって、両国関係が修復の方向に動き出したのは歓迎すべき動きだが、もう一歩、勇気を持って踏み出せないものか。

 例えば、南京大虐殺をめぐる論争を建設的な方向へ押し出す。犠牲者数について中国は30万人と主張するが、いくら何でも多すぎないか。一方、あれは虚構だと言われれば、中国側が反発するのは当然だ。両国の歴史共同研究で冷静に検討が進むことを期待したい。

 そうした中で、日本の首相が南京を訪れてはどうだろう。小泉前首相や村山元首相は在職中、盧溝橋の抗日戦争記念館を訪れた。論争は専門家に任せ、現地を訪ねて慰霊する。中国の人びとからも、国際社会からも歓迎されるはずだ。

 この年を、感情と怒りがぶつかり合う年にしてはならない。

【朝日・天声人語】2007年07月07日(土曜日)付

 「大人になったらなりたいもの調査」(第一生命)で、女子の首位は10年続けて食べ物屋さんだという。保育士や看護師の人気も根強い。幼い頃、あこがれの職業を、着せ替え人形と相談した人もいるだろう。

 タカラトミーの「リカちゃん」が、発売40周年を迎えた。累計5300万体。日本の少女文化を担い続ける。50歳前後までの女性なら、多くが一度は彼女と遊んだはずだ。

 開発者の小島康宏さん(66)にお会いした。かつてのタカラはビニール用品専門で、業界の空気は「膨らませ屋が何を」だったという。社長は「3年は売る」と意気込み、3年後には「あと10年」に。小島さんは腹を据え、長女の名前を里香とつけた。

 少女漫画の悲話をまね、リカの父は行方不明という設定。子供が遊ぶ時は、これが地域により「出漁中」や「東京へ出稼ぎ」になった。後に、父親はフランス人の音楽家と「発表」された。その種のあこがれは、双子の妹や白い家具など、膨大な商品群を生んだ。

 この40年で日本女性の寿命は11歳延び、産む子供の数は2.2人から1.3人に減った。自由時間や選択肢は増えたが、幸福感はどうだろう。リカちゃんの購入層は約5歳若返り、幼稚園児が主となっている。おとぎ話で遊べる時期が、昔より早めに終わってしまうのだろう。

 夢がより現実的になっても、「なりたいもの」が社会に優しく役立つ仕事なのには救われる。その情操を育むのに、リカちゃんも一役買ったのか。「永遠の11歳」は目に星を浮かべ静かにほほ笑むだけだ。


【毎日・社説】

社説:防衛白書 信頼回復に緊張感を持て

 省に昇格し最初の防衛白書が6日公表された。

 国際情勢では中国に対する分析に力点を置き、防衛費の増額など軍事力の拡大を警戒している。特に台湾との軍事バランスについては、「中国に有利な状態に向かって変化しつつある」と初めて指摘した。北朝鮮の核・ミサイル問題では「より深刻なものになっている」とし日本の安全保障への影響を懸念している。

 このように日本周辺の情勢は不安定で防衛省の責任はますます重くなっている。しかし久間章生前防衛相の辞任で同省への信頼は大きく揺らぎ、情報漏れや汚職事件の不祥事も後をたたない。

 いかに組織を強化し、国民の信頼を回復しようとしているのだろうか。

 白書では防衛省は単なる「自衛隊を管理する」役所から、「政策・戦略を立案」する政策官庁に脱皮すべきだという点が繰り返されている。「企画立案能力を一層強化し政策オプションを提示する」とも強調した。

 同省には自衛隊の海外派遣などで、対米関係を重視する外務省主導で政策が策定されてきたことに「危険にさらされるのは我々なのに」という不満があった。

 政策官庁を強調するのはその裏返しでもあり、白書からは省になり外務省と対等になったという「気負い」も読み取れる。

 白書は省昇格に伴い国際平和協力活動が、自衛隊法上「付随的な任務」から「本来任務」に位置付けが変わったことも強調した。「防衛力を国際平和協力活動のために活用して世界貢献する」ともうたっている。

 企画立案能力を強化することは悪いことではない。安全保障上のアプローチも必要だろう。本来任務化を受けて、海外派遣に関する恒久法や具体的な海外派遣先の研究や検討も求められる。

 しかし50年余にわたって庁だったのは戦前、軍部の独走を許した反省から内閣府の外局として首相の目の行き届く組織にしておこうという歴史があったことも忘れてはならない。

 防衛省はできるだけ透明性を保ち、シビリアンコントロールの観点からも「防衛省が独走している」などの疑念を国民に持たれないようにすべきだ。

 それにつけても不祥事が相次ぎ省になり、かえって緊張感が緩んだと言いたくなるほどだ。

 白書の巻頭は久間前防衛相の文章で飾られた。辞任が公表直前だったためそのまま掲載せざるを得なかったのだが、何とも締まらない話だ。

 白書では再発防止について特別にページを割いている。特にイージス艦のハイテク情報漏れに関しては、警察当局がまだ捜査中にもかかわらず言及している。

 これに関して自衛隊員全員に面接をして、再発防止を徹底することも明記した。

 小池百合子防衛相の下で緊張感を持って信頼回復に全力をあげるべきだ。来年の白書では「効果が上がった」との報告を読みたい。

毎日新聞 2007年7月7日 東京朝刊

社説:’07参院選 年金問題 本質から逃げずしっかり語れ

 年金選挙と言われる。もちろん国政選挙は一つのテーマだけを問うものではないが、最大の争点には違いない。参院選では、年金の何が問われるのか。

 年金記録漏れの発覚後、政権を取り巻く環境は一変した。攻める野党、守る政府・与党の構図となった。いったん持ち直した内閣支持率は急降下、自民党の苦戦が伝えられている。安倍晋三首相は急ごしらえの対策を矢継ぎ早に繰り出し、反転攻勢に出ている。

 宙に浮いた記録の名寄せを来年3月までに終わらせるほか、受給者・加入者への履歴通知の前倒しなどを公表した。一連の行程表の中には、個人情報とのかかわりで多様な議論が求められる新年金管理システムも含まれている。肝心なことを国会が閉会してから発表するのは、3年前、年金改革審議での出生率低下「後出しジャンケン」と似ている。

 照合作業と並行して社会保険庁を解体し、非公務員型の組織に衣替えすることも決まった。年金騒動の原因と責任を究明する検証委員会、さらには保険料を納めたはずなのに記録がなく、本人も領収書を持っていない人を救済する第三者委員会も設立した。投票日前に「何人もの支給漏れが救われた」と発表できるような日程で作業を急がせているそうだ。

 参院選では、政府・与党の対応が果たして国民の年金不信・不安の解消につながったか、とりあえず問われることになる。

 一方の民主党は敵の失策にほくそえんでいるだけで、自民党に勝る対応策を出しているわけでない。勝利が転がり込むのをじっと待っているようでもある。

 でたらめな作業を続けてきた社保庁とそれを見て見ぬふりをしてきた幹部の責任を追及するのはどの政党も変わらないはずだ。その後始末は、どこの政党が政権に就いてもやらなければならない。民主党も政権を目指す以上、独自の作業行程表を示してもいいのではないか。

 不明記録の処理のみならず、年金制度の本質部分にかかわる不作為もまた審判を受けなければならない。年金不信がこれほど高まったのは、国の取り組みにおかしいところがあったからだ。歴代政府は制度論だけに軸足を置き、現場の運用や監視を軽視してきた。これは年金に限ったことでなく、医療現場での医師不足、介護でのコムスン不祥事など社会保障全般に共通する。

 社会保障の土台が崩れると、国の形を成さない。「百年安心」の年金制度改革の論議も財政上の持続可能性だけに特化し、それを運用する現場をないがしろにした。年金一元化の与野党協議もすぐ開店休業状態となった。仮に一元化したとき、基礎年金部分の財源をどうひねり出すのかは避けて通れない課題である。

 年金選挙と言うからにはこういう本質問題とも正面から向き合い、逃げずに議論する責務がある。

毎日新聞 2007年7月7日 東京朝刊

【毎日・余禄】

余録:「七夕の七姫」という言葉がある…

 「七夕の七姫」という言葉がある。織り姫の別名を七つ集めたもので、諸説あるうちの一つは「朝顔姫、梶葉(かじのは)姫、糸織(いとおり)姫、蜘蛛(ささがに)姫、秋去(あきさり)姫、薫物(たきもの)姫、百子(ももこ)姫」という組み合わせだ。梶葉は今の短冊の原形、蜘蛛はクモで機織りのたとえ、秋去は姫が織る秋の衣を指す▲薫物は七夕の行事で物をたいたからで、百子は天の川の異名が百子池だったためだ(「日本国語大辞典」)。で、朝顔姫だが、アサガオの別名が「牽牛花(けんぎゅうか)」なので牽牛の妻をこう呼んだという。アサガオは大陸から渡来した時は牽牛(けんご)と呼ばれていた▲きのうから始まった東京・入谷の朝顔市(8日まで)が、牽牛花にちなんで七夕にあわせた日程になったのは戦後、市が再興されてからだ。花の時期にはちょっと早く、最初は開花させるのが大変だったそうだが、今は40万人が集まる市となった▲江戸の昔は町々を歩く鉢植えの行商もさかんだったようで、「売れ残る花より葉より商人の/昼はしおれてもどる朝顔」は当時の狂歌だ。当初は薬用に持ち込まれたアサガオだが、この時代には観賞花として爆発的ブームが起こり、庶民も気軽にアサガオ売りから小鉢を買って楽しんだ▲もっとも、江戸の好事家が目の色を変えて熱中したのは、花や葉の色や形の奇抜さを競う変化アサガオの育種だった。こちらは江戸園芸の一つの極致をなしたが、今に残る変化アサガオの諸系統は、九州大学大学院染色体機能学研究室のアサガオホームページなどで見ることができる▲鬼子母神で有名な入谷の朝顔市では、子供の幸せへの願いを込めてアサガオを買う人も多いという。東京まで足を延ばせないお父さんやお母さんも、近づく本格的な夏に子供と楽しむ一鉢をこの七夕に仕入れてはいかがだろう。

毎日新聞 2007年7月7日 東京朝刊


【読売・社説】

防衛白書 中国との安保対話を深めよ(7月7日付・読売社説)

 2007年版防衛白書は、例年以上に中国の軍事力増強への警戒感を強くにじませている。中国軍の動向には今後、より細心の注意を払う必要がある。

 中国の07年の国防費は、19年連続で2けたの伸び率を示した。この急速な軍事力近代化の目標は何か。

 白書は、「台湾問題への対応などを超えるものではないか」との議論が米国で起きていると指摘した。海軍戦力は「より遠方の海域」で、航空戦力は「より前方」での作戦遂行能力などの構築を目指している、とも分析した。

 いずれも前年の白書にはない記述だ。中国軍が国土防衛、台湾有事への対応から、さらに外洋へ、と行動範囲を拡大することに懸念を示したものと言える。

 「中国は(軍事的に)以前に比べて自信に満ちた積極的な態勢を取るようになった」。米高官も、今年1月の弾道ミサイルによる人工衛星破壊実験などを踏まえ、連邦議会で証言している。

 日本としては、中国に対し、安全保障上の懸念はきちんと伝えるべきだ。

 国際社会の一員として責任ある行動を取る。軍事分野の透明性を高める――。こうした点を中国に粘り強く求めることが、地域の平和と安定につながる。

 日中関係は、首脳の相互訪問が軌道に乗り、改善している。外務次官級の戦略対話や安保対話を深め、防衛交流を拡充する好機である。率直な意見交換を通じて信頼醸成を図ることが大切だ。

 日本に照準を合わせているとの見方もある「相当数」の中距離弾道ミサイルの情報公開などを提起してはどうか。

 白書が指摘するように、北朝鮮の核・ミサイルは、「わが国のみならず国際社会に対する重大な脅威」だ。1年前の弾道ミサイル連射を踏まえ、スカッドやノドンの長射程化などの能力向上も警戒しなければならない。

 ただ、昨年10月の核実験に関する記述は質量ともに物足りない。自らの手の内を明かす必要はないが、国民が厳しい現状を理解できるように、もっと詳細な分析や解説をするべきではなかったか。

 北朝鮮の核によって最も深刻な影響を受けるのは日本だ。寧辺の核施設の停止・封印など6か国協議の合意の履行を迫るのは当然だ。昨年の国連決議をてこに、大量破壊兵器関連物資の禁輸を関係国に徹底する外交努力も重要となる。

 白書は、今年1月の防衛庁の省昇格について、防衛政策の企画立案機能の強化などの意義を強調した。中国や北朝鮮に対し、それぞれどんな政策、戦略で向き合うのか。これこそが、防衛省が今、最優先で取り組むべき課題である。
(2007年7月7日1時30分  読売新聞)

独禁法改正 罰則強化が談合包囲網を狭める(7月7日付・読売社説)

 談合やカルテルへのにらみがさらに利くことになろう。

 独占禁止法の見直しを検討していた官房長官の私的懇談会が、最終報告書をまとめた。

 昨年1月施行の改正独禁法が打ち出した厳罰化を引き継ぎ、きめ細かく罰則の強化を求めている。

 自民党や経済界には抵抗感があるようだが、談合の完全追放には、罰則強化が効果的なことは既に明らかだ。

 今後の独禁法再改正作業に当たって、政府・与党はこの報告書を基軸にして取り組むべきである。

 ここ1年余の間に、大型談合の摘発が相次いだ。緑資源機構の林道整備、名古屋市の地下鉄工事や国土交通省発注の水門工事などを巡る談合だ。いずれも改正独禁法がもたらした成果とされる。

 課徴金の額を大幅に引き上げる一方、談合を自主的に申告した企業には、課徴金が減免される制度を導入した。捜査令状に基づく強制調査権限も公取委に与えた。このおかげで、以前ならば摘発が難しかった事件にメスが入った。

 今回の報告書の内容は、前回の大改正に比べればかなり小粒だ。だが、談合などを続けている企業が、足を洗いたくなるような厳しい点を含んでいる。

 例えば、違反企業に対する課徴金を割り増すケースの拡大だ。従来は違反を繰り返した場合だけだったが、新たに違反を主導した場合も加える。

 違反行為の時効は現在3年だが、米国の5年、欧州連合(EU)の最大10年などを参考に、国際的な水準まで期間を拡大することも提案している。

 不当な安売りで新規参入を妨げるといった「排除型の私的独占」は、これまで課徴金の対象外だったが、対象に加えることも盛り込んだ。

 消費者にとって短期的にはマイナスになっても、健全な競争を促すことで長期的には利益になる、との判断からだ。

 課徴金の額について報告書は、EUに比べてまだ低いと指摘したが、さらに引き上げるかどうかについては、明確な判断を避けた。前回の大幅引き上げで、違反の抑止効果はかなり高まっている。当面は、様子を見てはどうか。

 行政処分への不服申し立てを、地裁に代わってまず公取委が裁く審判制度の在り方については、現状に注文を付けた。審判制度そのものは公取委内に残すものの、審判官に外部からの人材を増やすなどの工夫が必要だとしている。

 現在7人の審判官のうち、4人が法曹資格者で、3人は公取委の職員だ。この際、全員を法曹資格者とすることを検討してもいいのではないか。
(2007年7月7日1時31分  読売新聞)

【読売・編集手帳】7月7日付 編集手帳

 佐々木味津三(みつぞう)の小説「南蛮(なんばん)幽霊」では主人公の“むっつり右門”、南町奉行所同心の近藤右門は着任から半年以上も言葉を発しなかった◆こういう人は極端な部類としても、世間には「男性よりも女性はおしゃべり」という俗説がある。真理なりや。米国アリゾナ大学などの研究チームが実際に調べ、科学誌に報告した◆大学生の男女約400人に数日間、小型録音機を装着してもらったところ、1日に話した平均単語数は男性が1万5669語、女性が1万6215語で、目立った差は認められなかったという◆右門の子分“おしゃべり伝六”のような男もいるから、なるほど俗説かも知れない。キャッチボールの基本は球を相手の胸に投げることだという。言葉も相手の胸にしっかり届きさえすれば口数談議などは無用で、饒舌(じょうぜつ)でも、寡黙でもいい◆列島はまもなく政治の言葉に染まる。開票の夜、どの党首、どの候補が口を「へ」の字に結んだ右門になり、舌の回転もなめらかな伝六になるかは分からない。胸から胸に――有権者と基本に忠実なキャッチボールができるかどうかが分かれ目だろう◆話を蒸し返すようですが、測定結果の平均値なるもの…どうなんでしょう。わが身辺を顧みて、内緒(ないしょ)で異議を申し立ててみる。どこかよそに、寡黙な女性がかたまっているのかしら。
(2007年7月7日1時33分  読売新聞)


【産経・社説】

【主張】防衛白書 情報収集力をもっと磨け

 きのうの閣議で了承された平成19年版の防衛白書は、経済成長をバックに軍の近代化を急ピッチで進めている中国について15ページをあてて特集、軍事力近代化の行方に懸念を表明した。妥当な分析として評価できる。

 特に中国と台湾の軍事バランスについて、「中国側に有利な状態へと向かって変化しつつあり、近い将来にも台湾の質的優位に大きな変化を生じさせる可能性もある」と踏み込んでいる点は注目に値する。

 白書も指摘するように、中国の国防費は公表ベースで過去19年間で16倍の規模となった。しかし、公表された国防費の中には核・ミサイルの戦略部隊や海外からの兵器調達費は含まれておらず、実際の国防費は闇の中だ。

 今年1月に中国が実施した弾道ミサイルを使った対衛星兵器の実験についても白書は「中国政府からわが国の懸念を払拭(ふっしょく)するに足る十分な説明がなされなかった」と批判した。「中国が国防政策や軍事力の透明性を向上させていくことがますます重要になっている」との指摘は、その通りである。

 その一方、北朝鮮が昨秋、強行した核実験に関する記述は1ページ余りしかなく、まったく物足りない。

 北朝鮮が本当に核実験をしたかどうかについては、北朝鮮が実験を発表した昨年10月9日から現在に至るまで正確な情報が少ないのも確かだ。日本政府の公式見解も「核実験を行った蓋然(がいぜん)性が極めて高い」と奥歯にモノのはさまった判断のままである。

 だからといって「一連の北朝鮮の言動を考えれば、北朝鮮の核兵器計画が相当に進んでいる可能性も排除できない」という程度の分析しかできないのでは、心もとない。日本のインテリジェンス(諜報(ちょうほう))能力は、戦後、旧陸海軍の解体によって極めて脆弱(ぜいじゃく)になったといわれている。防衛省も情報本部を新設し、情報力の充実を図っているが、道半ばと言わざるを得ない。

 白書には、原爆投下について「しょうがない」発言で辞任に追い込まれた久間章生前防衛相の巻頭言が載っている。小池百合子防衛相に顔が変わった防衛省には、日本の安全保障に直結する東アジアの軍事情勢の激変に対応できるようインテリジェンス能力の向上に本腰を入れてもらいたい。

(2007/07/07 05:03)

【主張】いじめ見舞金 隠蔽体質の改善こそ重

 学校生活で子供が事故で死亡した場合の「災害共済給付制度」について文部科学省が省令を改正し、学校でのいじめが原因なら校外で自殺した場合も見舞金が支払われることになった。

 自殺した場所によって見舞金が支給されない場合があるこの制度に対して、遺族から強い疑問がでていた。改正は当然だが、いじめを隠そうとする学校や教育委員会の体質が変わらなければ、改正しても効果をもたない。

 この制度は、教育委員会や学校法人、保護者が掛け金を負担し、子供が学校内や通学路、修学旅行など「学校の管理下」で死亡したりけがをしたりした場合、死亡見舞金や医療費が保護者に支払われる。

 しかし、学校でのいじめが原因と判明しても、福岡県筑前町で昨年10月に中学2年生が自宅で自殺したケースや、愛媛県今治市で昨年8月に中学1年生が通学路から離れた所で自殺したケースは支給が認められなかった。

 制度改正について遺族は「広く救済されることになる」など一定の評価をしている。しかし遺族らが本当に望むのは、いじめの真相解明やいじめをとめる学校側の責任ある態度だ。

 北海道滝川市で小学6年の女子児童が自殺したケースでは、いじめを示す遺書が残されていたが学校や市教委は1年間公表しなかった。文科省の統計でもいじめ自殺が「7年連続ゼロ」とされるなど、ずさんな実態把握に不信感が広がった。

 学校側の責任を明らかにするために損害賠償訴訟に踏み切る遺族もいる。講演会などでいじめ撲滅を訴える遺族らの取り組みは真剣だ。

 国会閉幕後の記者会見で安倍晋三首相は「いじめに対しクラス、学校、教育委員会が見て見ぬふりをしてきた」といじめ問題で明らかになった教育界の体質を厳しく指摘し、教師の資質向上や教委改革など教育再生の重要性を改めて訴えた。

 愛媛県今治市で自殺した生徒の祖父は今回の制度改正を歓迎する一方で「孫が戻ってくるわけではない」と語り、相談をしても対策をとらなかった学校などへの苦渋の気持ちを口にした。こうした遺族の気持ちを重く受け止め、いじめをなくす取り組みを続けなければならない。

(2007/07/07 05:02)

【産経抄】

 まるで花火のようにと言っては語弊があるが、北朝鮮が7発ものミサイルを日本海にうち込んだのは、昨年7月5日のことである。日本列島は今年と同じように梅雨空におおわれていた。ドイツでのサッカーW杯がそろそろ大詰めというころだった。

 ▼早朝に飛び込んできたニュースに、日本中は蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。さらに安倍内閣誕生をはさみ10月に核実験を強行すると、ほとんどパニック状態に陥った。くり返すようだが、ミサイル発射はほんの1年前に起きたできごとだったのである。

 ▼ところが1年後の5日、国会閉幕で事実上スタートを切った参院選で北朝鮮のことはほとんど論じられない。ミサイルや核だけでなく、多くの日本人が連れ去られたままの拉致問題についても同じだ。いずれも国民の生命や国の主権にかかわる重要な問題である。

 ▼核実験の後、政治家の事務所費問題や宙に浮く年金、閣僚の相次ぐ問題発言で、国民やメディアの関心が次々と移っていく。そのことは仕方ないかもしれない。だが国政を担おうという人たちまで、移ろいやすい世論を追いかけるだけというのは、いかがだろう。

 ▼与野党が「外交や国防は票にならない」として、選挙での議論をサボタージュしてきた。それは戦後日本の政治の最たる悪弊である。特に北朝鮮のような独裁国家相手では、選挙で国民の意思をアピールすることが、核や拉致問題での「力」となることに気づくべきだ。

 ▼その北朝鮮の金正日総書記が久しぶりに公の席に姿を見せた。元気そうだが「病み上がり」説も根強いらしい。安倍政権の命運を握る日本の参院選の行方を、世界中で最も注視しているのは多分この人だろう。その理由は言うまでもあるまい。

(2007/07/07 05:00)


【日経・社説】

社説 制度改革の責任ある道筋を示せ(7/7)

 年金加入記録問題で与野党が応酬を続けるなかで制度そのものをどのように再構築するかという具体的な論議が聞こえてこない。記録漏れ、あるいは宙に浮いた5000万件への早急な対応はもちろん重要だが、国民が求めているのはそれとともに制度の持続的安定であるはずだ。記録問題でさらに増幅した不信を少しでも解消するためにも、具体的な制度の青写真を示さなければならない。

 見えぬ与野党の改革案

 やはり「年金選挙」と呼ばれた3年前の参院選挙。その直前の通常国会で自民、公明の与党は単独で年金改革法を成立させた。厚生年金の保険料負担を引き上げ続けるのは困難との判断から最終的に18.3%(現在は14.642%)にとどめ(2017年に到達)、年金額は今よりは下がるものの、平均的サラリーマンの従前所得の50%は維持するとした。

 与党はこれを「100年安心プラン」と銘打ったが、国民はそこに疑念を抱き、年金不信はさらに加速する結果となった。保険料を一定水準で固定すれば、少子高齢化が進む中で年金額は下がらざるを得ない。この方式を採用したスウェーデンでは「保険料を18.5%で固定し、給付は経済成長による自動調整」とした。つまり経済や雇用の動向によっては年金額は下がることも国民に示したのである。

 与党案のように保険料を固定し、給付も50%以上を約束することには無理がある。国民はばらまき的な甘い公約を敏感に見抜いたともいえる。こうして自民党は参院選で民主党に敗れ、当時の小泉純一郎首相も選挙後に「国民の7割が年金改革法に反対だった」と認めざるを得なかった。

 一方、勝った民主党は大胆ともいえる改革案を公約に掲げた。サラリーマン、自営業などの区別なく、全国民が所得に応じた保険料を納める「全制度の一元化」である。この所得に応じた年金の保険料は当時の厚生年金の保険料13.58%に据え置く。そして所得がない、あるいは低い人には最低保障年金を支給し、そのために消費税を3%程度引き上げて財源とする。保険料徴収のために国税庁と社会保険庁を統合する、というのが骨子だ。

 実現できるのかという疑問がないわけではない。自営業などから所得の13.58%を徴収するとなると所得30万円としても月4万円、夫婦では8万円を超える負担となる。労使折半のサラリーマンとの「格差」が生じる。そうした問題点はあるものの、現行の基礎年金の未納、専業主婦の年金の問題点解消にもつながる。選挙前に消費税引き上げも打ち出し検討に値する案といえた。

 3年後の参議院選を迎えようとしている今、与野党から明確な制度改革案は示されていない。与党はこの間、パート労働者への厚生年金適用拡大や、厚生年金と公務員などの共済年金の一元化という改革を進めている。しかし給付と負担のあり方の見直しという根本的な点での案は出していない。3年前に「100年安心」といった以上、それをすぐに変えることはできない、という事情もあるのだろう。

 もっと驚かされるのは民主党である。基本的には3年前と同じ、全制度の一元化、最低保障年金の創設という案ではあるが、最低保障のための財源については「3%の消費税引き上げ」を引っ込めてしまった。「今は引き上げの環境にはない」と説明しているが、これで納得しろというのは無理がある。また所得比例年金の保険料率をどの程度にするのか、年金額はいくらになるのかも見えてこない。無責任なその場しのぎととられてもやむを得ない。

 人気取りは通用しない

 日本の公的年金制度にとってバラ色の改革案は存在しない。過去30年間以上にわたって、与野党とも常に選挙を意識し「負担はできるだけ低く、年金額は高く」という無責任な人気取り政策を続けてきた。その結果、今では厚生年金だけで450兆円にも上る積み立て不足が生じている。付けを後へ後へと回してきたのである。これからも年金をきちんと支払っていくには、負担を重くするか給付を下げるしかない。どの世代にとっても痛みを伴う改革に手をつけなければ、国民はもらえるはずの年金を受け取ることはできない。

 安倍晋三首相は5日、今秋の税制改正論議で、消費税の引き上げを検討する考えを示した。2009年度に基礎年金の国庫負担率(現在36.5%)を2分の 1に引き上げるための財源を確保する必要があるとの考えだろう。この選挙戦を通じて、どの政党も年金の財源についての踏み込んだ議論もする必要がある。

【日経・春秋】(7/7)

 掃晴娘は「そうせいじょう」と読み、軒先につるし「雨よ降るな」と願を懸ける紙人形だ。頭を白紙で作り、体は赤と緑の服を着た格好にして小さい箒(ほうき)に結べば掃晴娘が出来上がる。これが中国から日本に入って照る照る坊主になった。

▼今日の七夕、夜の開館時間に「織り姫星、彦星を見る会」を催す岡山県井原市の美星(びせい)天文台ロビーには大きな“日本式掃晴娘”が下がっている。旧暦の七夕を新暦に換算すると、大体梅雨明け後の8月になる。それが太陽暦にかわり梅雨時に移動したため、七夕と掃晴娘がいつしか付き物のようになってしまった。

▼安倍政権が看板にする「美しい国、日本」政策について意見を聞いた、政府の世論調査の結果が発表された。首相が示した「美しい国の形」4条件のどれが最も重要か、との問いには回答の半分弱が「文化、自然を大切にする」に集中し、後の「規律を知る」「成長を続ける」など3条件は1―2割の支持だった。

▼逆風吹く参院選を前に「目指すべき日本の形を訴えれば勝てる」と力説する首相にとって、この調査結果は、また一つ気掛かりな情報だろう。掃晴娘は手にした箒で雲を掃き雨を止めてくれるそうだ。年金問題、放言大臣の辞職……垂れこめた暗雲の一掃を願って、掃晴娘が首相官邸の軒先に下がるかもしれない。


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