あらためて、産経の判決要旨を読みビックリしたこと。こんな弁護方法では勝てる訳はないし、真実も追究なんてできるわけがない。
この産経の判決要旨が正確であると言う前提で話しを進めるとして、
1(事実認定の補足説明)
1 弁護人は、判示記載の被害者が同記載の日時に同記載の電車(京浜急行品川駅午後10時8分発快速特急京急久里浜行き電車)の前から3両目の車両(以下、「本件車両」という。)内において痴漢の被害にあったことおよび被告人がそのころに本件車両内にいたことは争わないものの、被告人は、本件の犯人ではなく、別人が犯人であるから、無罪である旨主張し、被告人も、本件については身に覚えがないことであるとして、これに沿う供述をする。
問題点その1:女子高生が痴漢被害にあったことを認めていること。
弁護は事実だけを前提に進めれば良い事で、「痴漢被害を言い立てている女子高生がいた」と認めるとしても、それが真正の痴漢被害事件などと植草氏が踏み込んで認める必要などない。一義的な挙証責任は検察側にあるのであり、植草氏の側でやることではない。
「痴漢被害を言い立てている女子高生がいた」と言うことがイコール実際の痴漢事件があったということにはならない。実際に痴漢事件があった可能性もあるし、それが狂言だった可能性、両方がある。実際の痴漢事件だと挙証するのは検察側の仕事である。
問題点その2:問題点その1とも関連するが、本件犯人がいるかどうかも挙証するのは検察側であって、植草氏側が言うことではない。誤認逮捕の論陣などナンセンスであり、植草氏側がやるべきことは、検察側が主張する植草氏犯人説の矛盾点をもっぱら突いていけばよいのである。
「「民主的」と自称する日共系ブロガーの人権感覚。『彼の「痴漢ごっこ」の性癖もかなり広く知られているようです』の伝聞無神経。」で書いたように、僕自身は下記のように考えている。
「事件の有無」と無実は直接の関係はない。実際の事件そのものがなくても事件があったとして無実の犯人をでっち上げるのも論理的にはあり得るだろう。しかしと言うか、しかもと言うか、普通冤罪事件と言うのは事件が実際にあって無実の場合がほとんどだろう。最近では「富山冤罪事件」などがある。長期不当勾留・人質司法の犠牲になって、最後の心のよりどころ、親族との心のきずなさえ嘘を吹きこまれて絶たれ絶望し、刑務所に下獄、刑期を終えた後に真犯人が現れて、最近無罪を言い渡された事件である。
訴訟技術的に言って、( simanto114氏が言うような)「事件の有無」自体を争えと言うのは、頓珍漢である。確実な証拠があるなら「事件の有無」自体を争うのも良いが、冤罪を主張する者にとって「事件の有無」自体を争う必要は必ずしもない。
自分自身が植草氏の立場に立って考えれば簡単に分かることである。要点をまとめれば、「痴漢を言い立てている女子高生がいたようだ。その騒ぎの現
場に自分もいた。しかし、その痴漢事件と自分は関係がない。」これが植草氏側の事実のすべてである。論理はこれらの事実の上に組み立てればよい。もし俺自
身でも、無実なら、自分は無関係であると言うことを証明するために全力を注ぐだろう。
※若干の説明:「自分は無関係であると言うことを証明するために全力を注ぐだろう。」のところを具体的に言うなら、痴漢事件の挙証責任は第一に検察側にある。植草さんはその矛盾点を突くだけでいい。
そもそも痴漢事件があったのかどうか。あるいは、痴漢を言い立てている女子高生が演技かそうでないかは一切あずかり知らぬことであり、「それが演 技の嘘か事実だったのか」なんてのも証明する義務などは一切こちら側にはない。(ただし、証明できる証拠があるなら証明してしまうことはかまわない。それ は「権利」である。やらなければならないと言う「義務」ではない。)
最後に、こんな弁護方法が痴漢事件弁護のモデルケースとなるなら、それこそヤクザが痴漢冤罪をビジネスとしてやり始める可能性もある。充分やるに見合う効果があるからである。現在でも、不良女子高生によるオヤジ狩り痴漢強請(ゆすり)があると聞く。相場は前は5万くらいだったが、現在では30万前後らしい。ほとんどのサラリーマンは、警察で「認めなければ23日間の勾留だよ」と言われると、長期欠勤もできないのでやっていなくても認めて示談に持ち込むようだ。本物の痴漢は強引に逃げてしまうケースが多く、実際にやっていない糞まじめなサラリーマンほど「自分はやってないから話せば分かってもらえるだろう」と駅長室までついていったり、名刺まで渡したりとかするらしい。最初に示談で金を強請れなくても、最終的に裁判で絶対に負けないとなれば、ヤクザにとってこんなに美味しい、確実に儲かるビジネスもない。手先で働く不良女子高生など掃いて捨てるほどいる。
以下、参考資料として採録。
「真後ろに立ち、臀部をなでまわす」植草被告への判決要旨(1) (1/4ページ)【産経】
2007.10.16 11:29
このニュースのトピックス:植草被告公判
植草一秀被告植草一秀被告
電車内の痴漢事件で、東京地裁が植草一秀被告に言い渡した懲役4月の実刑判決の要旨は次の通り。
◇
【主文】
1 被告人を懲役4月に処する。
2 未決拘置日数中60日をその刑に算入する。
3 訴訟費用は被告人の負担とする。
【理由】(罪となるべき事実)
被告人は、平成18年9月13日午後10時8分ごろから同日午後10時10分ごろまでの間、東京都港区高輪3丁目26番26号所在の京浜急行電鉄株式会社品川駅から大田区蒲田4丁目50番10号所在の同社京急蒲田駅に至る間を進行中の京浜急行本線電車内において、乗っていた被害者に対し、スカートの上からその臀部付近を両手でなで、さらに、そのスカートを右手でたくし上げ、パンティーの上からその臀部付近を右手でなでるなどし、もって、公共の乗物において、人を著しく羞恥(しゅうち)させ、かつ、人に不安を覚えさせるような卑わいな行為をした。
1(事実認定の補足説明)
1 弁護人は、判示記載の被害者が同記載の日時に同記載の電車(京浜急行品川駅午後10時8分発快速特急京急久里浜行き電車)の前から3両目の車両(以下、「本件車両」という。)内において痴漢の被害にあったことおよび被告人がそのころに本件車両内にいたことは争わないものの、被告人は、本件の犯人ではなく、別人が犯人であるから、無罪である旨主張し、被告人も、本件については身に覚えがないことであるとして、これに沿う供述をする。
したがって、本件の争点は、被告人が本件犯人であるか否か、すなわち、被告人と犯人との同一性いかんということになる。
以下、女性の立場から見た痴漢被害を言い立てている女子高生の『痴漢事件そのもの』があったのかどうかへの疑念。参考になるので全文転載させていただきます。植草さんのバナーにも賛同していただいている漫画家の牧村しのぶさんです。
痴漢事件が話題ですが、痴漢嫌いの私でも嘘だと思う文章が流れています
問題のニュースを(ログはすぐ消えてしまうので転載、紹介文を拝借)
いくつか拾ってみます
この三つの記事は内容が違いますが、同じ事件のことを書いています
午後10時10分ごろスカートの上から触る
http://www.asyura2.com/0601/nihon20/msg/668.html
スカートの中へ手を入れ下半身を触る
http://www.asyura2.com/0601/nihon20/msg/669.html
乗客の肌が触れ合うほど混んでいない車両で
スカートの外から中へ手を入れ、1分以上撫で回す
http://www.asyura2.com/0601/nihon20/msg/675.html
痴漢被害経験者ですから言いますが、よく電車に痴漢が出るのは
逃げられないほど混雑しているラッシュ時です
混んでいますから、偶然触れただけ、間違いかもしれないと思います
明らかに掌が狙うように吸い付いてきたら、痴漢だなと思いますが、
それでも、肘鉄くらわすなり体をかわすなりバッグを後ろに回すなりすれば
避けられます
一度だけうかつにも混雑したバスの中で速攻でジッパーを
下げられたこともありますが、それは一瞬のことで、即気づいて上げました
AVでもあるまいし長時間触らせたりしません
まして「やめて下さい」と声を出せる勇気のある女子高生が、
黙って1分以上触らせるなど絶対ありえません
1分は、長いですよ
混んでいないのですから、触られたとしてもすぐ逃げられます
この文章は嘘です
最初外から触っていたのが、スカートをたくし上げて中に手を入れ、
というのも怪しいです
その前に肘鉄くらわせれば終わりです
混んでいない車両でありうるのは、スカートの上から触るくらいです
そうだとしても、おかしい記事はまだあります
痴漢を捕まえた男性の同僚と称する女性が、その武勇談をMIXiで公開しています
その中で「ネクタイをぐいっと摑んで」と書いています
これは、嘘か間違いです
痴漢はノーネクタイでした
そのまま信用できない文章だ、とわかります
MIXiの記事
http://blog.mag2.com/m/log/0000154606/107738479.html
http://www.asyura2.com/0601/senkyo26/msg/994.html
事実はまだわかりません
信用を失墜させて仕事の妨害を謀っているという推測もあります
そちらも見逃せません
参照
http://blog.mag2.com/m/log/0000154606/107723716.html
http://blog.mag2.com/m/log/0000154606/107734416.html
痴漢は嫌いですが、嘘も煽りも弾圧も嫌いです
生温かく見守っていきましょう
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