« 2003年平成15年06月03日、例外扱いで禁止だった製造業への派遣を解禁し派遣法を改悪した時の参議院厚生労働委員会、国会会議録。 | トップページ | おおっ、これは素晴らしい、豆長者さんのところの栢木國廣警視庁公安部公安第二課長フラッシュ映像、このしつこさがいい。(笑) »

2009年1月 7日 (水)

2003年平成15年06月05日、例外扱いで禁止だった製造業への派遣を解禁し派遣法を改悪した時の参議院厚生労働委員会、国会会議録。

 国会会議録をの採録をやろうと思いついたのは、お登紀さんのYouTube映像で「えっ、派遣社員の割合、日本が30%以上に対して米国でさえまだ10%以下なんだ。加藤登紀子の派遣村速報YouTubeで。」と知ったから。

 使ったのは「国会会議録検索システム」。ハッキリ言ってこのシステム慣れない人には使い辛いです。今回の作業は、パソコンがあまり得意でない人のための作業です。自信のある方はこれからも探す時があるでしょうから直接リンク先に言って使うことをお勧めします。

 検索キーワードは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」です。

 どんな国会議員の仕事ぶりの中でこんなひどい改悪がされたのか雰囲気も含めて感じとるために同時併行して審議された他の議題を含めその日の各委員会の国会会議録を全文資料として採録します。急いで探したい人は各ブラウザの検索機能を使って該当箇所に飛んで下さい。

関連(↓このエントリーに各国会会議録をアップするごとにすべてのリンクをはっていきます。記事中平成11年02月03日と平成11年04月16日の衆議院労働委員会の会議録を採録しています。全部で24回の会議録。)
どんな仕事ぶりの中で労働者派遣法を改悪したのか1999年と製造業にも解禁した2003年の国会会議録を全部採録しようと思う


156-参-厚生労働委員会-19号 平成15年06月05日

平成十五年六月五日(木曜日)
   午前十時九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任   
     角田 義一君     朝日 俊弘君
 六月五日
    辞任         補欠選任   
     鴻池 祥肇君     段本 幸男君
     伊達 忠一君     小斉平敏文君
     藤井 基之君     後藤 博子君
     宮崎 秀樹君     斉藤 滋宣君
     浅尾慶一郎君     山根 隆治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                小斉平敏文君
                後藤 博子君
                斉藤 滋宣君
                斎藤 十朗君
                段本 幸男君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                山根 隆治君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       池坊 保子君
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       社会保険庁運営
       部長       磯部 文雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の
 確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────

○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 昨四日、角田義一君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。
    ─────────────

○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長戸苅利和君外三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

○委員長(金田勝年君) 次に、職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

○山本孝史君 おはようございます。民主党・新緑風会の山本でございます。よろしくお願いをします。
 まず冒頭、心身障害者の、いわゆる触法障害者とこういうふうに言われ、精神障害者と言われておりましたけれども、医療観察法案が法務委員会で強行採決をされました。私たち厚生労働委員会として、連合審査を一緒にやってまいりました。
 連合審査の場でも、法務大臣の御答弁、あるいは上田障害保健福祉部長の御答弁を聞いておりましても、非常に分かりづらい、とりわけ精神障害者の保健福祉がこれから先どうなっていくのかという大変重要な点について明確な御答弁がなかったと思っています。ないままに、法務委員会の方で連合審査もこれにて打ち切りということも強行採決でお決めになって、なおかつ法案も強行で決められるということで、私、大変議会制民主主義というものをないがしろにする行為である、暴挙であるということをまず御指摘をしていかなければいけないと思っています。
 精神障害者のこれから先、皆さん方の処遇という問題どうなるのか、とりわけああやってたくさんの精神障害者、当事者の方がおられる前で強行採決をされて、来られていた皆さんの中にはその場でショックで倒れ込んでしまわれるような方もおられて、そういう状況の中で、非常に心優しい皆さん方が、ひょっとすると自分も場合によってはそうした刑事事件にかかわってしまうかもしれない、そういうお気持ちも一方である中で、一方的にこういった法律が決められるということは決していいことではなかったと思います。
 そのことをまず冒頭申し上げて、引き続き精神障害者の福祉の問題、保健医療の問題について十分にこの委員会として審議をしていかなければいけない。とりわけ、日精協の会長さんも是非当事者の一人として委員会に御出席をいただいて御発言をしていただきたい、そのことをまずお願いをしておきたいと思います。
 冒頭、これは大臣への御質問ではなくて、指摘あるいはお願い事項としてお聞きをいただければと思います。
 本会議で、私、大臣に、非正規労働者が増えているけれども、どのように受け止めておられますかとお伺いをしました。平沼経済産業大臣にもお伺いをしました。平沼大臣は、就業形態の多様化の流れを受けてパート労働者や派遣労働者といった非正規労働者が増加をしている、これは良い悪いということよりも一つの流れである、その流れの中でのこういった一つの就業形態、これにも柔軟に対応していくことが現実必要なことだと、流れという言葉を何回かお使いになってそうおっしゃいました。そのような流れがあることは私も理解をいたしますけれども、では厚労省はその流れにさお差すだけなんですかというのが私の率直な、あるいは素朴な疑問なんです。
 坂口大臣は前回の審議で、今泉委員が、いずれ正規従業員を軸とした我が国の雇用制度は生き残っていくと考えているのかと尋ねたのに対して、経済が回復したときに長期雇用が再び採用されるのではないかと答えられて、その理由として、労働力人口が減少する、経済が上向くと労働力が不足をする、また長く経験を積んだ人間も必要で、すなわち今のような買手市場ではなくて売手市場になれば企業が労働者を抱え込むはずだというような見通しをお示しになりました。そして最後に、十年たって間違っていたではないかというおしかりを受けることもあるかもしれませんが、私はそう思っている次第でありますと、こうおっしゃったんですね。
 これは率直なお気持ち、そうかもしれないけれども、私が本会議で聞いたのも、今泉議員がここで聞いたのも、厚生労働省としてこれから先の労働ビジョン、労働政策、どう展開していくのかというときに、どのような見通しを持って取組をしておられるのか、そのことをお聞きをしたいわけですね。
 ところが、そこのところが出てこない。本会議、この法案の審議を通じて委員会でも明らかになってきていることは、将来の日本社会では、企業の中枢は正規従業員であっても、製造とか営業とか販売とかといったかなり多くの職場の大半以上が派遣労働者やあるいはパート労働者で占められるのではないかという思いなんです。
 厚生労働省の白書を見てみましても、長期雇用に及ぼす影響ということについては、企業における人件費の抑制指向は今後も強いだろう、即戦力の人材ニードが高まっていくだろう、サービス化等の進展に伴って、営業、販売、管理、企画などの部門を中心に個人の自律性がより重視される職務の比重が高まることによって長期雇用や年功賃金に影響を及ぼすだろう、こう言っているわけで、私はやはり長期雇用というものはこれから先はなくなっていくんじゃないだろうかと思っています。そう思うか思わないかによって均等待遇ということに関しての姿勢も全く違ってくると思うんですね。
 本会議の最後のところで私、大臣に、議場におられる議員の皆さん方を高校生とか大学生だと思って、これから先、二十一世紀の日本社会では働く姿はこうなっていきますよ、それに対して厚生労働省はこういう雇用政策を展開していますよということを、是非ビジョンをお聞かせくださいと、こう申し上げたんだけれども、大臣の御答弁は、若年者の失業率が高いということが頭の中に占めておられるのか、そういう意味では若年者雇用の問題に矮小化してしまわれたように思っています。
 やっぱり、民主党が常日ごろ主張申し上げているように、派遣とかパートによる正社員の代替雇用がこれ以上進むというのではなくて、均等待遇の原則を是非打ち立てて、正社員の就業形態を多様化する中で多様な働き方を実現すべきであるというふうに考えておりまして、参考人からも同様の御意見が出ましたけれども、是非この点についてもう少し考えを深めていただきたい。そして、今度お聞きするときはきっちり、二十一世紀の雇用政策は、ビジョンはこうなっていますと、私の言うことは外れるかもしれませんがと、そういう前置きはやめにして、こうなっているのでそれを前提に厚生労働省としては雇用政策を展開していますという御答弁、是非次回はお聞かせをいただきたいというふうに思います。これがまず指摘とお願いです。
 さて、本論に入らせていただきますけれども、この派遣労働に関して、法令あるいは指針というものできっちり守るべきだと、こう示されていることがたくさんありますけれども、実際に法令やあるいは指針が遵守されているのかというところがやはり問題だと思っております。
 この点に関して、総務省の行政評価局の北海道、東北、広島、香川、愛媛、それから徳島、福岡の各地方管区の行政評価局が平成十三年から十四年にかけて、労働者の派遣元事業者やあるいは派遣先事業者がこの法令や指針を遵守しているのかということについて、派遣労働者本人からの聞き取り調査も含めて行政評価あるいは監察を行っております。その結果、多くの事業所で法令や指針の遵守に問題があるという指摘がなされております。
 どういうことが指摘をされたかということを、少し長くなりますけれども、御紹介をしておきたいと思います。
 派遣元の事業所で指摘された事項。一つ、派遣先が合意した特定の労働者を派遣する契約となっている。二つ目、三年を超えて派遣してはいけないとされている二十三業務において三年を超えて派遣をしている。三つ、労働者派遣契約書が作成されていない、あるいは作成されていても適正でない。四番目、就業条件を書面交付により明示していない。五つ、平成十一年十二月に施行された改正法案で新たに加えられました個人情報の適正管理に関して、派遣先に派遣労働者の本籍地、居住地、生年月日、学歴、職歴などの業務遂行に関係のない個人情報を書面により提供している。六つ目、労働者を特定することを目的とする行為に協力をしている。七つ、社会保険に加入させないで労働者を派遣している、また、社会保険加入の有無について派遣元事業者から派遣先に通知義務があるが、これを行っていない。八つ、派遣元管理台帳を作成していない、また派遣労働者の苦情を記載できるようになっていない。九つ、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものではないのに、二百人を超える派遣労働者をすべて親会社に派遣しており、許可基準に抵触をしている。
 これは、今申し上げました、各地方管区行政評価局が指摘をしました事項を整理をして並び替え、ほとんど同じところで同じことを言われておりますが、整理をしてお話をさせていただきました。
 派遣先の方ではどうなっているかということですが、これは三項目あったというふうに理解しておりますが、一つは、事前に派遣労働者を特定することを目的とする行為を行っている、二つ目、派遣契約以外の業務を行わせている、三つ目、派遣先管理台帳が整備されていない、こういうふうに多くの指針あるいは法令を遵守していないという事例を指摘をしております。
 実は、こうした指針、法令を守らせるのはだれの役割かというと、これは職業安定所の役割なわけですね。しかし、そこの公共職業安定所によって定期指導が行われております。この定期指導がどうなのかということについても行監は触れておりまして、職安が適切である、あるいは特に指導事項なしとしている事業所でも行政評価局は不備を指摘をしております。さらに、職安が定期指導で駄目だよと言って指導した事項が改善をされていないということも指摘をしております。
 公共職業安定所のこの定期指導、どういう形でやっているかというと、実は口頭で聞き取り調査をやっているだけで、関係帳簿類の点検はやっておりません。口頭での事業者とのやり取りだけで派遣労働は適正に行われているかどうかをチェックしているにすぎない。したがって、そういう状況ですから、行政評価局としての改善所見は、指導は文書で的確に行うこと、改善状況を派遣元事業者に報告をさせること、単に指導するだけじゃなくて、その後の状況が改善されたかどうかもきっちりフォローをしなさいと、こういう指摘をしているわけでございます。
 今回、改正法案が提出されて、このままこの法案が成立をするということになりますと、派遣労働に関する規制が大幅に緩和をされることになりまして、今申し上げました指針に違反しているよという事項も違反でなくなる事項が随分たくさんございます。
 しかしながら、本当にこの派遣労働者の実態を厚生労働省が把握をして、あるいは公共職業安定所がちゃんと定期指導で把握をして、そして適正な派遣労働が行われているかどうかをやっているのかというと、やっぱりそうでないと思うんですね。
 前回改正で、法令、指針を遵守させるために勧告をする、あるいは公表をするといった措置が設けられましたけれども、実際には一件も行われていない。行政評価局が立入検査をしてこれほど多くの法令違反あるいは指針遵守違反が指摘されているにもかかわらず、その実態は全く表に出てこなくて、公共職業安定所は何ら問題がないと言っている。この実態、私は非常に不思議でならないわけであります。
 実は、人材派遣協会から総会の御案内をいただきまして、どういうわけか知らないんだけれども、私、別に献金も何ももらっているわけではありませんが、理事をしているからか、委員だからということでしょうか、いただきましたので、これは一遍行ってみる価値はあるということで、総会に寄せていただきました。そのときの会長さんのごあいさつは極めて簡単でございまして、集まっておられる事業者の皆さん方に、法令を守ってください、法令を守らないとこの業界はもちません、法令を守らないと厚生労働省がどんどん入ってきますので、皆さん、お互いに法令は守り合いましょうというのが会長さんのごあいさつでございました。
 その後、長勢甚遠さんが来賓代表としてごあいさつをしておられましたけれども、たまさか、人材派遣協会の専務理事さんだと私は理解しておりますが、交代をされることになりまして、前任者もそれから新任者も、長勢甚遠さんは、私が一緒に労働省の中で机を並べて働いてきた仲でございますのでよろしくお願い申し上げますと、こういうごあいさつをされておられまして、派遣業界のトップは、言ってみれば労働省が治めておるんじゃないかと、こう思うわけですけれども、であるならば、余計にきっちりと守らせなさいと。そして、自分たちの下でその派遣労働者を守っている公共職業安定所がしっかりとした立入検査をやっていないということについて、私は、厚生労働省は非常に大きな責任を感じるべきではないかと、こう思うわけであります。
 これは今まで私が見聞きしてきたことの指摘事項でございますが、そこで、御質問というか要求をさせていただきたいわけですけれども、やっぱり派遣元並びに派遣先の事業者に立入調査を実施をして、きっちりとした調査を実施して、指針あるいは法令が守られているのかどうか、まず今の現状を調査をしていただきたい、その結果をこの委員会に報告をしていただきたいというふうに思います。
 あわせて、申し上げましたように、改正法案が成立をいたしますとかなりの事項が指針違反ではなくなりますけれども、今度、指針をどういう形でお書きになるかですが、法律が改正されて一年後、改正一年後まで待たなくてもいいのかもしれませんが、改正された後にもう一度立入検査をしっかりとやっていただいて、状況がどう変わったのかということを調査をして、委員会に是非報告をしていただきたいと、このように思うわけであります。要は、厚生労働省はちゃんと仕事をしてその仕事の内容を国会に報告をしなさいと、こういうことを申し上げているわけですが、この点についてまず御確約をいただきたいと思います。

○政府参考人(戸苅利和君) 労働者派遣事業の調査については、毎年毎年計画的に約四千件の定期指導をし、さらに、労働者から申告等があった場合は、立入調査という格好で大体百件ぐらいやっているところであります。
 確かに、文書指導というのがそのうちで占めています割合が五%、大体百三十三件、派遣先は五件と、こういうことでありますが、違法状況について、文書指導したものについてはきちんと是正されているんだろうと思いますが、確かに、おっしゃるように、口頭での指摘ということになると、今、行政評価局の指摘のとおりの状況にあるということは否定できないんじゃないかと思います。
 そういった意味で、法令ももとよりなんですけれども、指針についてもちゃんと守ってもらうということが重要でありますので、その辺りの指導監督はきちんとやるように努力をしたいと思います。
 それから、今お話しの点でありますけれども、これにつきましては、改正法の施行一年ぐらいが適当かなと思いますが、いずれにいたしましても、事業所の方に赴きまして指導いたしまして、法令及び指針の遵守状況を把握したいというふうに思っています。
 それから、取りまとめ結果について当委員会への結果御報告をと、こういうことでありますが、これにつきましては、委員会の先生方並びに委員長の御指示に従いたいというふうに思います。

○山本孝史君 改正法の施行は恐らく来年の四月以降になるんだろうと思うんですけれども、したがって、これからまだ来年三月ぐらいまでの間は今の現状が続いてしまいますので、やっぱり、改正された後、緩くなったから何でもやっていいということにならないように、そのためにも、今、一度定期検査をというか、公共職業安定所によるところの立入り指導をやっていただいて、それでそこを是正していただいて、是正した上でないと、規制緩和をしたらえらいことになりますからこう申し上げているわけで、是非、是正をするためにもちゃんとした指導の状況、入っていただいて、その結果として、行監が言ったようなことはなくなっていますよということをまず私たちにお示しをいただけないと、我々は安心してそんなふうになっていくのかなというふうに思えないということを申し上げているわけであって、指導しなきゃいけないということは局長もお認めになりましたけれども、是非、早急にこの立入り指導をやって、それでその結果を私たちに教えてくれるということを、この点をまずやっていただきたいんです、私。

○政府参考人(戸苅利和君) 今、仮に法案成立させていただいて、法改正ということで施行日が決まったといたしましても、それまでの間は、今御指摘のとおり、現行の法令の下で制度運営ということでありますから、現行の法令それから指針をきちんと守ってもらうということが重要でありますので、そこも踏まえまして、本年度においてもきちんと調査をしたい、調査というか、指導監督をしたいというふうに思います。

○山本孝史君 じゃ、今年度においてのその指導監督を早急にやっていただいて、その結果を早急に教えていただきたいということを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 大臣、今の御答弁でございますので、大臣からも御確約、よろしくお願いします。

○国務大臣(坂口力君) KSD事件のときにも、文書として調査したことが残っていないということが問題になりまして、是非、調査に入る以上はきちっと文書にして残すようにということにそのときにもなったはずでございます。それ以来、いわゆる調査というものに対しましては、省内に少し、これは特殊法人等に対してでございますけれども、チームを作ったりもいたしましてやっております。
 関係の派遣等につきましては、今後はこれひとつ、それぞれの都道府県におきます労働局が中心になってやることになりますけれども、現在それぞれのハローワークでその人たちいるわけでございますから、その人たちにしっかりと見させる、そしてそれを文書でちゃんと残すという習慣をちゃんと付けさせておかないといけないというふうに思っております。KSD以来の一つの懸案でございましたので、そういうふうにしたいと思っております。

○山本孝史君 ありがとうございます。
 それで、もう一つ職安のことについてお願いなんですが、まさかと思うんですけれども、職安の職員の方とそれから派遣元事業者との間でなれ合いになっている、あるいは癒着があるということがないと私は信じておりますが、それを裏付けるためにも、この三年間ぐらいで結構ですので、職安を退職された方が派遣元事業者に再就職をしておられるのかおられないのか、その状況を是非調査をして教えていただきたいというふうに思います。

○政府参考人(戸苅利和君) 公共職業安定所長で退職した職員、これにつきましては、国家公務員法の百三条というのがありまして、私企業からの隔離ということで、二年間は、原則として離職後二年間は離職前五年間に在職していた機関、あるいは関係の企業、そういったところに就職しないようにと、こういうふうなことになっていまして、その部分は私ども把握はしております。
 私どもで把握している限りでは、所長で退職して派遣事業所に就職した者というのはいないというふうに思っていますが、ただ、所長を経験した後に労働局の課長をやってその後退職したりと、こういったケースもありますので、全職員調べるというのはちょっと大変だろうと思いますが、今申し上げた国家公務員法の百三条と関連の深い職員についてどういう状況なのかということはこれは調査をしてみたいと思いますし、結果はまた先生に御報告に伺うということにしたいと思います。

○山本孝史君 よろしくお願いします。
 今申し上げているのは、派遣元事業者あるいは派遣先事業者の問題として御指摘をしているんですが、実態をちゃんとつかんでくれと言っているわけですけれども。
 今回、参考人を通じて、派遣労働者の非常に劣悪な労働条件、労働環境というものが示されたと思っております。新聞にもいろいろ派遣労働者の声が一杯出ているわけですけれども、私が目に留まりましたのを見ておりましても、例えばこんな声があったんですね。いつでも契約更新を拒否できるよう契約期間は半年ごとから三か月、更に一か月ごとに短縮をされた、後から来る人の時給は自分の八割しかない、契約期間を短縮、より低賃金化にというのが派遣労働の実態で、きつい仕事を要求されてもそれに対しての不満も言えないとか、三年間にわたって一か月間の契約更新を繰り返して働いていると、ノルマ達成のために一日十三時間労働や十二日間連続出勤と正社員以上の働きをしているけれども賃金は三年間据え置いたままになっている、こういった声があって、参考人の中からも同じように派遣労働者の声を代弁するような御発言があったと理解をしております。
 それで、本当に派遣労働者の実態はどうなっているんですかと厚生労働省にお伺いをしましたら、昨年、労働者派遣事業の実態調査をされて、派遣労働者用の調査をしたんだと、こういうことでございました。
 調査票を見せていただきました。全部で百問を超えるという郵送法調査としては異例に多い調査票だと私は思います。こんなものを郵送で送られてきてだれが答えるかという感じがするような、私はちょっと郵送法調査としては回答率を期待しないような調査じゃないかと思ったんですけれども。
 内容の方も大変に異例になっていると思いましたのは、反復雇用が大変問題になっているのに、派遣で働いている期間と今行っておられる業務との間のクロス集計とかがありませんので、実際にどのような雇用期間になっているのか、雇用期間全体は聞いておられるんだけれども、それは一体どのぐらい反復されているのかがつかみ切れない。
 代替雇用が問題になっているということを御指摘しました。私も引用しました東京都の産業労働局の調査で、七割の派遣労働者が、今までその仕事は正社員がやっていた仕事ですと、こう答えておられるわけですけれども、この質問、厚生労働省が行われた質問の中ではそうした代替雇用を把握しようという意図が見えるような質問項目はありません。そういう意味では、私はやっぱり派遣労働者の実態をもっと正確に把握できる調査を実施をして、それに基づいて議論をすべきだと思います。
 こういったアンケート調査にしろ、いろんな実態調査にしろ、調査はある一定の意図とか目的を持って行われますので、出てくる答えがそれに沿ったものになるように質問が設定されているのが普通ですけれども、その部分を割り引いても、ちょっとこの派遣労働者調査は信頼性に私は欠けると思っています。
 その意味で、先ほど御紹介をしました総務省の地方の行政評価局は、派遣元事業者だけじゃなくてちゃんと派遣労働者からの聞き取り調査もしておられるんですね。今回、皆さんにお聞きしたら、皆さんも派遣労働者から、あるいはその代表者から聞き取り調査をしたとおっしゃっているんだけれども、そのときに聞いている言葉がもし耳の中に残っていれば、代替雇用は進んでいないんだとか、あるいは臨時的な一時的な雇用であってという紋切り型の答弁には私はならないんじゃないかと不思議でならないわけですけれども。
 したがって、調査をやれと言うと、その目的はなんですかとこうおっしゃったので、それは正確に今の実態を把握するための調査ですと申し上げた。予算が付かないからとおっしゃるので、そんなの日本労働研究機構に行きゃ幾らでも予算あるじゃないかと言ったら、あれは独法になりましたのでそんな勝手なことはできませんとおっしゃったけれども。
 しかし、私は、全国調査だとか悉皆調査をやれと言っているんじゃない。きっちりとした、一部地域でもいいからそこで働いている労働者のことも含めたしっかりとした声を、こういう声でしたというものをまとめて本当のところを報告するような調査をしていただきたい、それでそれを報告をしていただきたい、このように思っているわけであります。局長の御答弁、お願いします。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣法の見直しをする際には、これまでも、派遣元の事業主、それから派遣先だけではなくて派遣労働者からも直接ヒアリングをするということで実情の把握に努めてきたところでありますし、それから今、これで本当に調べられたのかというふうなお話でありますが、我々としては、例えば派遣先の調査において、現在、調査時点で派遣労働者が行っている業務の前任者は一体だれだったんだというふうな調査も行っていますし、派遣労働者についての調査で、派遣期間が長くなっているのか短くなっているのか、あるいは変わらないのかということも調査をしたところでありまして、ただ、クロス集計と言われると、時間の制約等々もあってちょっとそこまで手が回らなかったという面はありますが、我々は、そういう意味では実情を把握して行ったということだと思っています。
 ただ、今回の法改正も制度的にはかなり大きな法改正になっておりますので、委員御指摘のとおり、これが派遣労働者あるいは派遣先の労働者、それから派遣元の事業の状況、そういったものにどういった影響を与えるのかということをやはりきちんとフォローするということもやはり重要なことだろうというふうに思います。法改正したら後はそれでいいんだということではなくて、その効果等をきちんと把握するという意味でそれは必要だろうと思いますので。
 確かに予算の制約というのはありまして、一般的には法改正やるということでないと全体の予算の枠の中でその予算が取りにくいということはありますが、何とか工夫をして可能な限りの調査をしたいというふうに思いますし、その際は、今お話しのように、派遣労働者からの生の声が把握できるような調査の仕方も工夫してみたいというふうに思います。

○山本孝史君 行政評価を役所自らがやらなきゃいけなくなっているんで、法律を改正した後どうなっているかは、予算が付くし、それはやらなきゃいけない仕事だからやると、これは理解するんです。しかしながら、その前提になっている、今この委員会審議を通じて出てくる皆さん方の御答弁の中での派遣労働者はこういう実態で働いていますという姿と我々が世間から聞く話とはえらい乖離しているなと、これは何回も申し上げていることなんですね。
 したがって、今少なくとも例えば公共職業安定所に派遣労働者からこういう苦情が寄せられているんですという部分はあるはずであって、そういった声ですとか、あるいは例えば東京でしたら飯田橋のところで東京二十三区の人材派遣をやっておられるわけですから、そうしたところの方が実際に派遣労働者に面接をされて、あなた本当に満足していますか、どんな問題がありますかという声を調査というか、とにかく聞き取り調査、ケーススタディーでもいいからやって、そしてこういう声がありましたというその事例をまずはちゃんと出していただきたいと。私は、全国悉皆調査をやれと言っているんじゃない、全数調査をやれと言っているんじゃない。そういう声を、上がってきていますよということを整理してこの委員会に、私たちに示してくれということでないと、この改正法がどういう影響を及ぼすかということについての判断がしかねると、こう申し上げているわけです。
 今、声を一々述べるということをしてくださらなくて結構です。こんな声があります云々というのは、後で文書で結構ですから下さい、私の質問時間が切れてきているんで。それは是非お願いして、是非ともに厚生労働省はちゃんと派遣労働者の声を聞いてやっているということを示していただきたいというふうに思います。後でその文書を下さい。
 質問時間が切れちゃって、指摘と、もう一問質問だけ。
 規制の強化を私はやっぱりやるべきだと思っています。ここに来られた参考人の連合の中村局長も、名古屋大学の和田教授も、中野弁護士も、大阪経済大の大橋教授も、派遣事業者が違法なことをしていればその派遣免許は取消しになるんだと、そして派遣先の企業も違法な派遣労働者を受け入れているということを知りながらやっていればそれは正規に雇用しているとみなすんだと、これがドイツの方式ですと、こういう御指摘をされたわけで、私はやっぱりそれぐらいの厳しい規制があってしかるべきじゃないだろうかと。指針すら守らせられないような公共職業安定所に期待はできないけれども、しかし、ないんならば私はやはり法律の中にそういうものを書き込みをしていくということが必要だと思います。
 みなし規定については本会議でも御指摘をしましたけれども、それは反復雇用されているときのみなし規定云々の話だったけれども、そうじゃなくて、派遣事業者が違法なことをしている場合は免許を取り消すとか、あるいは派遣労働者が違法な状態で来ているんだということを知りつつ受け入れた企業はそれは正規雇用とみなすんだというぐらいの対応があっていいのではないかと思いますけれども、そういう意味で御質問を申し上げているわけで、戸苅局長、御意見があればお聞かせください。

○政府参考人(戸苅利和君) みなし雇用はドイツ等でも行われているわけでありますが、日本の場合にみなし雇用を行うといったときの問題点というのは、一つは、派遣労働者自身がその企業に雇用されることを望んでいないというケースもかなり見られるということが一つであろうと思います。それからもう一つは、ドイツとかフランスと違って、産業別あるいは職種別の労働条件というのが労使協定で一律に決まっていないということがありまして、そういった中でみなし雇用をしたときに労働条件等でいろんな問題が出てしまうというふうなこともあって、どうも日本の現状からいうとそぐわないんじゃないか、あるいはコンセンサスを得るということが難しいんじゃないかというふうに思っています。
 そういった意味で、今回の法案で派遣期間の制限を超えている場合、あるいは専門的な職種について三年を超えている場合、そのときに新たに労働者を雇おうとするようなとき、あるいは派遣期間を超えてもその労働者に働いてもらいたいと思うときはその雇入れの申入れをすると、こういうふうなことで日本的な対応方法ではないかと私どもは考えています。
 それからもう一つは、違法な事業者というのはやっぱり直ちにその当該派遣行為をやめさせるということが重要でありまして、その辺りきちんと指導して対応していくということだろうと思います。言うことを聞かなければ罰則を適用するというぐらいの心積もりで厳正に対応するように努力したいと思います。

○山本孝史君 時間になっていますので、最後に、厚生労働省を代表される坂口大臣に御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
 それは、この法案審議に直接かかわっておりませんけれども、坂井隆憲代議士の問題であります。
 職業安定法の改正案に関連して、坂井元自民党代議士が大手の職業訓練人材派遣事業者から多額の裏献金をもらっていたということで逮捕されたわけであります。坂井代議士が労働政務次官を退任した直後の平成九年の四月、御退任はその前ですけれども、平成九年の四月に職業安定法の施行規則が改正をされまして、有料職業紹介を原則自由化するとともに、紹介手数料について新しい基準が示されまして、職業紹介事業者が大きな利益を得ることができるようになりました。それは、この「人材ビジネス会社情報」という本の中に、座長を務めておられた高梨さんが、これは長年の懸案であって、改正をされて非常にビジネスチャンスが拡大をしたんだということで指摘をされておられるわけですけれども。
 この職業紹介の手数料の新しい基準が示されたというこの改正に、まさかと思いますけれども、坂井元労働政務次官がどのようにかかわっておられたのか。かかわっておられたとすれば、あるいはかかわっておられなかったのか、かかわっておられたとすればどのようにかかわっておられたのか、確認のために御答弁をいただいておきたいと思います。

○政府参考人(戸苅利和君) ちょっと事実関係だけ申し上げますと、確かに御質問のとおり、坂井……

○山本孝史君 かかわっていたか、かかわっていなかったかだけで結構です。

○政府参考人(戸苅利和君) はい、分かりました。
 我々としては、かかわっていないというふうに思っています、いろいろ調べてみましたけれども。

○山本孝史君 思っているんじゃなくて、かかわっていないんですね。

○政府参考人(戸苅利和君) はい、かかわっていません。

○山本孝史君 質問を終わります。

○今泉昭君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の今泉でございます。
 今日は、大変恐縮でございますけれども、大変細かい法文につきまして、法の施行の現場で監督を、指導をされております行政当局に法の解釈につきまして、少し数が多くなりますけれども、お伺いをしていきたいというふうに思っております。
 まず第一点は、一年を超え三年までの間で臨時的・一時的というふうに定められておる期間についてでございますけれども、今回の改正は、専門業務等二十六業務以外の派遣労働は臨時的・一時的に限定するという、実は前回改正以降の位置付けを変えるものではないと、こういうことが確認できるかどうか。
 そしてまた、派遣先の業務の実態により派遣先が一年を超え三年までの間で派遣可能期間を定める場合にはあくまで当該事業が職場の実情に照らして臨時的・一時的なものであると判断される場合に限られて、事業所における業務一般について三年まで可能であるということではないというふうに理解しておりますが、それでよろしゅうございますか。

○政府参考人(戸苅利和君) 今回の派遣制度の見直しにつきましても、前回の改正の考えをそのまま受け継いでおりまして、臨時的・一時的な労働力需給調整のための制度として位置付けているということでありまして、そういった意味で一年から三年といった派遣が行われる場合でもあくまでも臨時的・一時的な業務について派遣を受け入れるという場合についてだけ許されるということであります。

○今泉昭君 次に、事業所における過半数労働組合等への通知及び意見聴取義務について幾つかの点についてお伺いをしたいというふうに思います。
 この場合は、派遣労働を導入しようとする業務が臨時的・一時的なものであるということが明確になっていることが重要なわけでございまして、過半数代表労働組合からの意見聴取の在り方がこの問題のポイントになるというふうに考えているわけでございますが、まず第一に、通知内容は派遣先において派遣労働を導入しようとする業務、その業務にかかわる派遣労働の使用期間、その期間が職場の実情に照らして臨時的・一時的なものであるという事業主が判断をしていることを最低限含んでいるものと理解していいかどうか。
 また、業務を受け入れる派遣労働者の数も職場の実情に照らして判断する場合の重要な判断基準であると考えるわけですが、その場合、その最低限示すべき事項となるのではないかというふうに考えるわけですけれども、この点についていかがでしょう。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣先が派遣労働者、労働者派遣を受け入れるという場合の通知の内容としては、一つは業務でございます。これは当然通知する必要があると思います。
 それから、業務ごとに期間を通知するということになると思います。
 それから、臨時的・一時的である旨というのは、これは当然、過半数代表に聴く際には、臨時的・一時的であるということとして、この業務、この期間が適当かという意見の聴き方でありますので、これは言うまでもないことだろうと思います。
 それから、受入れ人数でありますが、これについては、業務が限定されるという中でどういう形で派遣を受け入れるかということになりますので、派遣の受入れ方がまちまちになるということがあるので、これを必ず通知しろというのはちょっと無理ではないかというふうに思っています。

○今泉昭君 過半数労働組合からの意見聴取の内容についてでございますけれども、派遣を受け入れようとする業務は、その受入れ期間からして臨時的・一時的なものであると考えられるかどうかということがその基本にあるというふうに考えておりますが、これでよろしいですか。

○政府参考人(戸苅利和君) おっしゃるとおりでありまして、その派遣を受け入れようとする業務について、一年を超える場合、三年までの間で臨時的・一時的な業務としてその業務を処理する期間はどの程度が適当だと事業主が判断しているのかということを通知して、それについての意見を聴くと、こういうことであります。

○今泉昭君 通知、意見聴取は、基本的に一年を超えて派遣労働をしようとする業務が発生する都度なされるべきであるというふうに考えられますが、それでよろしゅうございますね。
 そして、その場合に、同一業務に複数の労働者を派遣しようとする場合、いわゆる当該業務に派遣を導入することが合意されている場合にありましても、例えば人数が変更する場合においても改めて手続が必要になると考えられますけれども、これもこれでよろしいですね。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣を当初受け入れる際に一定の期間を示して意見を聴くということであります。その期間が過ぎて更に、それが三年以内であることは必要でありますけれども、例えば一年半ということで始めた、その後、一年半たってまだその業務の処理が終わらないといったときに、引き続き三年の、通算三年の範囲内でやりたいといった場合は、当然、過半数代表にその旨を通知して意見を聴くと、こういうことになると思います。
 それから、人数を増やすということについては、これは先ほども申し上げましたけれども、業務の処理の仕方の範囲内に入るということでありますので、ここまでは対象にならないのではないかと思っています。

○今泉昭君 通知して意見を聴くということは、当然、新規に派遣を導入して派遣元との間で労働者の契約を締結する場合は、その派遣契約締結前、さらにまた派遣契約の更新又は派遣元を変えることで既に受け入れられていた派遣業務期間が一年を超える場合等になるわけですけれども、その場合に、派遣元との派遣契約の締結を行う際には事前通知、いわゆる事前の意見聴取ということをしなければならないと、こういうふうに理解していていいですね。

○政府参考人(戸苅利和君) これは当然、一年を超え三年以内の期間労働者派遣を受け入れようということの場合に意見を聴くということでありますから、受け入れようと思う場合、思ったときにその意見を聴くということで、当然その労働者派遣契約の締結よりも前あるいは更新よりも前ということになると思います。

○今泉昭君 それでは、そのような事前通知、事前聴取がなされなかった場合の取扱いというのはどういうふうになるんでしょう。これは契約、派遣契約等が無効になるというふうに解釈をしていいのかどうか。また、仮にこれが有効という形で解釈されるとするならば、行政は派遣先に対しましてどのような指導をなさるのかどうか、それをお聞きします。

○政府参考人(戸苅利和君) 労働者代表からの意見の聴取、これは派遣を受け入れる、労働者派遣を受け入れる場合に、臨時的・一時的な業務の処理に要する期間としてどの程度の期間かという事業主の判断が現場の状況に照らして適切かどうかということについて、現場の状況に詳しい労働者の意見を集約する能力のある過半数代表の意見を聴こうと、こういう手続でやっておるわけでありまして、したがって、民事法上の問題として申し上げれば、手続が適正に行われなかったとしても、派遣先と派遣元との派遣契約自身は民事上無効ということまでは無理、とするところまでは無理ではないかというふうに思います。
 ただ、我々としては、当該労働者派遣が臨時的・一時的であるということを担保する上で意見を聴くというのは、これは非常にその根幹にかかわることでありますし、法律違反、意見を聴かなければ、意見聴取を行わずに派遣可能期間を定めるのは違法でありますので、こういった事例については厳正に指導して、その後そういったことがなされないように徹底をしたいというふうに考えています。

○今泉昭君 派遣先の過半数労働組合の代表の意見が必ずしも通るとは限らない場合がある、要するに意見が対立する場合があると思いますけれども、その際の取扱いというのは一体どういうふうになってくるんでしょうか。例えば当該労働組合が地方の労働局等に指導を仰ぐという場合や、あるいはまたその地方の労働行政が何らかの形でこれに介入をして助けていく、指導をしていく、そういうことになるんでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 私どもとしては、臨時的・一時的な派遣の受入れが適切な期間行われるということが今回の法律の眼目でありますので、それが確実に行われるということが何といっても一番重要だろうと思います。
 それから、その労働組合の意見が尊重されるようなことにするということが必要だろうと思いまして、この点につきましては、衆議院の附帯決議におきましても、過半数組合からの意見聴取が確実に行われ、意見が尊重されるよう派遣先に対する指導に努めることと、こう書いてありますので、我々としては、その意見聴取が確実に行われるようにということについて、例えばその派遣先、派遣元の指針に明記するとか、あるいはその尊重されるようということについて必要な措置を取るとか、こういったようなことでやりたいというふうに思っていますけれども、労使間で今お話しのように対立が先鋭化してしまったときに、そこにハローワークが行って指導をしてくださいというふうな性格のものでは本来ないんではないかなと、こう思っています。
 ただ、我々としては、そういった事態に至る前に、至らないようにきちんとした指導をしたいというふうに思いますし、もし労使紛争が起きているということであれば、労使紛争中のところに派遣をするというのは、これも派遣法上禁止されていますので、そういった事態は余り起きないと思いますし、そういった事態が起きないために事前の指導等に努めたいと思っています。

○今泉昭君 実際の企業の状況を見てみますと、従業員の過半数を代表する労働組合というものの存在を考えてみますと、組織率が全体の労働者の二割程度、大手の場合は五割近くあるんでしょうけれども、中小企業の場合は二%とか三%とかというような組織率でありますから、意見を聴くとしても実質的にはなかなか難しいというのが現実の姿ではないかと思うわけでございますけれども、仮にそのような形でありながらも、派遣先での意見の違いによりましてトラブルが発生している場合、当該派遣労働者にとりましてはいわゆる働く環境が好ましいものには決してなっていないことが事実でございますから、派遣労働者の雇用や就業条件の安定を図る義務のある派遣元の責務といたしましても、派遣先における意見聴取結果については十分な把握をしていく必要があるんじゃないか、こういうふうに私どもは考えるわけでございますが、この点についてどういうふうに考えていらっしゃるか。
 また、派遣先に対して行われる場合の行政のいろいろな指導ということに考えておきますと、行政の方としても派遣元に対してそれらの事実を知ったならば通知をするという責任があるんじゃないかと思うんですが、この点についてはいかが考えていらっしゃいますか。

○政府参考人(戸苅利和君) 意見聴取自身が、派遣先の労働者派遣を受け入れる際の派遣期間が妥当かどうかということの判断材料として聴くということになっていまして、派遣先はそれをきちんとやるということが基本なんではないかと、こういうふうに思っています。
 派遣元は、やはり派遣先がきちんと決めた派遣の制限期間の中で派遣契約を派遣先と結んでと、これが基本なんだろうと思いまして、そういった意味で、今おっしゃいましたように、派遣先から派遣元に必ずその状況を把握できるような仕組みを、派遣元が把握できるような仕組みを作るというのはちょっと今の制度の仕組みからするとやややり過ぎということで、なかなか行政的に強制するのは困難ではないかなと、こう思います。
 ただ、おっしゃるように、派遣労働者がそういったもめているところに出掛けていって本当に安心して働けるのかということは確かにあるわけで、そういった意味で、もめているところの対応ということについては、個別に必要な対応をその都度ケース・バイ・ケースで図っていくということはきちんとやらぬといかぬというふうに思いますけれども、労使紛争ということになってしまうと、あるいは裁判ということになれば、それはそれぞれのところで調整していただくということですし、労使紛争でもめていればそういったところに派遣は行われないようになると、こういうことだろうと思います。

○今泉昭君 次に、派遣受入れ可能期間を超える場合の派遣先の雇用申込義務について何点か確認をさせていただきたいというふうに思います。
 派遣元が派遣停止通知を行った場合の派遣元の責任については一体どのようになるんでしょうか。また、派遣先の雇用申込義務については、申込みの義務の発生する日は当然派遣先が熟知していることでありますから、派遣停止通知の有無にかかわらず雇用申込義務が掛かるものと理解しておりますけれども、そういうような理解でよろしいかどうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 一つは、事前の通知がなされずにそのまま期間制限に違反して労働者派遣が続けられるというふうなことでありますけれども、通知を行わない派遣元事業主については、法第四十九条第一項によりまして指導改善命令を出す、さらにそれに従わない場合は、十四条第二項で事業の全部又は一部の停止命令、さらにそれに従わなければ、悪質であるということであれば、十四条第一項で許可の取消しと、こういうことになります。
 それから、派遣停止の通知がなされずに派遣期間の制限を超えて労働者派遣が行われた場合の雇入れの問題でありますけれども、我々としては、もはやもうその段階で派遣法違反ということでありますので、派遣元事業主自身が期間制限違反ということで、そこでその派遣をやめない限り事業停止命令等を出すということでありますので、そこで派遣が行われなくなってしまうというふうなことになるということで、雇入れの申入れの問題以前に派遣が終わってしまうと、こういうことではないかと思います。

○今泉昭君 雇用契約の申込みにおきまして、雇用期間、雇用形態、労働条件についての特段の規定はありませんけれども、派遣先において同様の業務に従事する雇用者、労働者という者がいる場合があるわけであります。もちろん正規従業員もいますし、パートという形で直接その企業が雇用している労働者も当然いると思うんでございますけれども、その場合に、直接同じような条件で働いている人たちとのいわゆる労働条件の仮に差があった場合に、それはいわゆる差別ではないだろうか、均等待遇にはなっていないんじゃないかと、こういうふうにも考えられるんですが、その場合はどういうふうに考えられますか。
 また、同様な業務に従事をする直接雇用労働者が存在しない場合におきましても、それまでそこで働いておりました同様な派遣労働者と同じような労働条件とか、あるいは世間一般の条件に均衡した条件が当然示されてしかるべきだというふうに考えるわけですけれども、この点についてどのように考えられるか。
 また、雇用申込義務の形式だけを整えるために、当該労働者にとって到底受け入れられないような雇用の労働条件が提示をされた場合に、果たして義務が果たされたというふうに考えられるかどうか、また、労働条件が全く提示されなかったような場合にはどのように考えられるか、見解を聞かせてください。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣として受け入れていた労働者を自分のところの雇用労働者として雇い入れるといった場合の労働条件でありますけれども、これは、同じ業務に就いているといった場合でも、日本の賃金制度あるいは賃金水準、これの実態からいいますと、業務給あるいは業績給といいますか職務給といいますか、そういった部分だけでない年功給、勤続給的な部分があって、例えば、将来への期待とか、それからこれまでの企業に対する貢献度とか、そういったことを背景に決まっている給与があるわけであります。その辺りは就業規則で賃金規定が定まっておりまして、それに沿って判断するというのが一般的だろうと思いますが、ただ、派遣労働者を常用労働者に雇うといったときにうまく当てはまる規定があるかどうかということになろうかと思います。
 その場合は、我々としては、これまでの派遣の実績をどう評価するのか、それから派遣就業中の労働条件がどうだったのか、それから今後どのぐらい期待をその派遣労働者にできるのかという辺りについて当該派遣労働者と事業主でよく話し合っていただくというふうなことが基本だろうと思いまして、今の日本の賃金制度の下で国が一律にこういう条件でということをやるということについてはちょっと国民的なコンセンサスも得られないし、法律でやったとしてもかなり無理があるのではないかというふうに思います。
 それから、到底受け入れ難い労働条件を示す、あるいは労働条件を全く示さないということであります。
 これについては、本来、今回の規定というのは、今まで現に派遣労働者として受け入れた人を常用労働者としてというか、更に使い続けたいと、こう思う場合にこの申入れをするわけでありまして、一般的に考えれば、使い続けたくないというのであれば、これはそこで派遣が終わるわけですから、そういった無理をした嫌がらせ的なことをして雇用の申入れをしなくても、そこで派遣を終わらせればいいと、こういうことではないかというふうに思っていまして、この仕組みからいって、そういったことを意図してやるということによって脱法的なことが行われるという余地はないんじゃないかと、こう思っています。

○今泉昭君 それでは次に、期間制限が適用されない二十六業務等の三年を超えた場合の当該業務に新たに雇用する場合の当該派遣労働者への雇用申込義務について、これもまた何点かにわたってお尋ねをしたいと思います。
 この規定は努力義務ではなくして強制規定であるというふうに理解してよろしいですか。

○政府参考人(戸苅利和君) おっしゃるとおり、強制規定であります。

○今泉昭君 施行日との関係で、施行以前に派遣労働に従事した場合に、施行以降に当該派遣期間が三年を超えた日から義務が掛かると理解をしてよろしいですね。

○政府参考人(戸苅利和君) おっしゃるとおりであります。

○今泉昭君 それでは、同一の業務で新たに雇用しようとする場合の同一の業務の考え方、これはこれまでの派遣法の解釈、つまり前回改正で論議した課あるいは係単位の業務で判断するということでよろしいですね。

○政府参考人(戸苅利和君) 今回の四十条の五におきます同一の業務についても、現在一年の範囲内で継続して同一の業務について派遣労働者を受け入れることができるという規定での同一の業務というのと同じ定義、同じ扱いということにいたしたいと思っています。

○今泉昭君 雇用申込みにおける労働条件の提示等の扱いにつきましては、期間制限の掛かる業務の場合と同様であるというふうに考えてよろしいですね。

○政府参考人(戸苅利和君) これにつきましては、先ほど来議論になっていますけれども、四十条の四であろうと四十条の五であろうと同じ扱いになると思います。

○今泉昭君 雇用の申込義務というのは、派遣先が同様の業務で新たに雇用しようとする場合にその都度発生するものと私は考えておりますが、例えば、一度当該申込みをして派遣労働者が断った場合でも、次に雇用しようとするとき改めて申込みをする必要があるかどうか。通常の常識では、断った直後の追加的な雇用、追加的に雇用する場合までは求めないにしても、少なくとも半年経過すれば当該労働者の考え方も以前のときと全く変わらないとは言えないわけでありまして、新たに意思を確認する必要があると考えられますが、どのように考えていらっしゃるかどうか。
 また、あらかじめ派遣契約において直接雇用の申込みはしないと定めることは、期間が三年を超えるような派遣においては拘束力はない、そして無効であるという法の趣旨と合致すると考えますけれども、この点についてはどのように考えられますか。

○政府参考人(戸苅利和君) 雇入れの申入れをした後、本人が、派遣労働者の方が、いや、まだ派遣で働きたいというふうなことがあった場合の御質問だと思いますが、また別の事由というか、そのときと状況が変わって、またその労働者を雇おうというふうなことを事業主が思って、その労働者が更にずっと引き続き働いていて三年を超えているといった場合には、その派遣労働者に雇入れの申入れをするというのは御質問のとおりだと思います。
 ただ、その間の期間がどのくらいの期間がいいのかという辺りはいろいろ議論になると思いますので、この辺りは、その運用をどうするか、解釈をどうするかということについては施行までに検討してまいりたいと思います。
 それから、もう一点でありますけれども、今回の法案におきます雇用契約の申込義務でございますけれども、これは派遣先につきまして、派遣労働者への雇用契約の申込みを義務付けるという法的な規定でありますので、今御質問のように、私人間でこの法律の規定と異なる定めをいたしましても、法律的には法律が優先するということだと思っていまして、派遣先は当然、そういった派遣元と派遣先あるいは派遣先と派遣労働者の間での私的な雇用契約にかかわらず、派遣先としては申込義務の履行を求められるということになると思います。

○今泉昭君 雇用申込みが行われず、新たに採用が行われた場合、事後的にこれを知った当該の派遣労働者は、派遣先に対して直接雇用を請求することができるのかどうか、その場合の取扱いはどんなものでしょう。
 当然、直接雇用するよう派遣先に対して指導されていると、指導されるものというふうに考えますけれども、直接雇用されたときに採用された労働者は一体どのようになるのか。義務を怠ったことは不注意も含めて使用者の責任でありますから、仮に解雇に至る場合は、当然使用者の責による解雇として取り扱われることになると考えますけれども、いかがでしょう。

○政府参考人(戸苅利和君) 雇用契約の申込みを受けるべき派遣労働者が派遣先の義務違反によりまして申込みをされなかったという場合でありますけれども、これにつきましては、その派遣先については当然申込み義務を免れることはできないわけでありまして、派遣先は申込みの履行を求められるということになります。
 それから、その場合に、派遣労働者を雇い入れるという、派遣労働者がじゃ雇ってくださいと言って派遣先がその派遣労働者を雇い入れることになったといった場合に、その前に雇っていた労働者が、二人は雇い切れぬということで先に雇った労働者を解雇というふうな事案が仮にあったといたしますと、この解雇は、一般的に考えると、やはり派遣先の法違反を原因として生じた解雇でありますから、使用者の使用者たる派遣先の責めによる解雇ということになるというふうに思います。

○今泉昭君 次に、いわゆる月初、土日のみに必要となる業務等の就業日数が限られた期間制限が行われない業務の乱用防止という意味から二点ほどお聞きをしたいと思うんですが、今回期間制限を適用しないことといたしました就業日数が限られている業務については、労働政策審議会の建議及び審議過程におきまして、月初、土日のみに必要となる等業務の発生そのものが限られた日しか発生しないものに限定をし、繁忙対策として特定日に業務量が多くマンパワーが必要だという理由での派遣には適用しないとされていますが、そのように理解をしていいのかどうか、法律条文上にこの点は大変不明確でありますけれども、このことを省令や派遣元、派遣先の指針等で明記をしまして、繁忙対策として使われることのないように周知徹底する必要があるのではないかというふうに考えますけれども、この点はいかがでしょう。
 また派遣契約において、就業する日数を記載することになっていますけれども、当該日以外に発生しない業務であることについても明らかに記載させるべきではないかというふうに考えております。また、このことは、当該派遣労働者にも派遣元から徹底して、脱法的に行われ、期間制限に抵触した場合には直接雇用の請求ができることを周知する必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、この点はいかがでしょう。

○政府参考人(戸苅利和君) 今御質問の規定につきましては、月初、土日等、一か月間に行われる日数が通常労働者の所定労働日数に比べて相当程度少ないという場合であれば常用労働者との代替という可能性は極めて低い、したがって期間制限を設けないと、こういう考え方に立って今回新たに設けようというものであります。
 したがって、御質問のとおり、法が成立いたしましたら、厚生労働大臣が日数を定めるということになりますので、その日数以外では発生し得ない業務ということが基本というふうになります。したがって、単に通常の労働者の業務が忙しいから、通常の労働者が忙しいからといって、今ある業務を細分化して、それを十日以内に収めて、それで今回の規定に適用するというふうなことは、これは許されないというふうになると思います。
 ただ、これをどう周知するかということでありますけれども、これは言ってみれば解釈の問題ということだろうと思いますので、その辺りについて、その解釈を対外的に明確にお示しするということで法違反が起きたりあるいは混乱が起きたりということのないようにいたしたいというふうに思っています。
 それから、労働者派遣契約の定め方でありますけれども、これについても、おっしゃるとおり、我々としては、やはり月初、土日等、通常の労働者の所定労働時間に比べて相当程度少ない業務としての派遣であるという旨を派遣契約に記載させるということは必要なのではないかと思いますので、ただいまの御意見も踏まえて検討をしてまいりたいというふうに思います。

○今泉昭君 特定日にしか発生しない業務なんですけれども、その業務に従事している通常労働者の業務日数自体が限られている場合があります。例えば競馬とか競輪などがそれに当たるわけでございますけれども、常用労働者の代替とならないよう、通常労働者に比して相当程度短い日数であることがこの場合には必要だと考えますけれども、この点はいかがでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 今回の改正法案におきます規定におきましては、一か月間に行われるその業務の日数が派遣先の通常の労働者の所定労働日数に比べて相当程度少ない、こういうふうになっています。通常労働者というのは、我々一般的には、これパートタイム労働者というか短時間労働者の規定も同じような規定になっていますけれども、当該企業、派遣先企業の正規の常用労働者ということでありますけれども、今お話しのように常用労働者が全くいないような業務について通常労働者はどうなのかと、こういうふうになりますと、これは現在常用労働者でない形で業務を、当該業務を行っている方が通常労働者ということになりますので、これについては、そういった常用労働者でない方でその業務を行っておる方の就業日数、それに比べて相当程度少ないと、こういうふうなことになると思います。

○今泉昭君 それでは次に、危険有害業務に従事させる場合の安全衛生の徹底と当該派遣労働者に対する周知について何点かお伺いをしたいと思います。
 いわゆる物の業務に派遣労働が導入されることに対して、基本的に私どもは好ましくないというふうに考えているわけでございますが、仮に導入された場合、実態からしますと安全衛生体制の確保というものが非常に重要であるということは当然のことでございまして、改正案では、派遣元、派遣先に安全衛生にかかわる連絡担当者を置いて派遣元、派遣先の安全管理が徹底されるようにしておりますが、どのようなことを行うのか、これが明確ではございません。大変重要なポイントでございますから、省令あるいは指針等で具体的に定めていくことが大変重要だと考えておりますけれども、この点についてはいかがでしょう。

○政府参考人(戸苅利和君) 製造業に派遣を適用するということになりますと、安全衛生、非常に重要な問題になるということであります。そういった意味で、その派遣元責任者、派遣先責任者の行う連絡調整の具体的な内容、これについては派遣元、派遣先それぞれに、派遣元責任者、派遣先責任者一人一人に徹底する必要がありますので、この点について我々としては通達に明記する、明確にするということでやりたいと思っています。この通達は、当然のことながら公開をいたしておりまして、ホームページでも見られますし、求めがあれば逐一出すということであります。
 製造業派遣を行う事業所に通達の内容をきちんと徹底するという手だてを講じたいと思っています。

○今泉昭君 特に危険有害業務におきましては、当該労働者が十分その適格性を持ち、更に使用者の安全衛生が徹底されるということが大変重要なのでありますけれども、そもそも派遣労働者自身が危険有害業務に従事することを十分自覚をして、そして了解をしていることが不可欠ではないかと、十分それが説明されているかということが不可欠じゃないかと思うんですが、まずこの点はどういうふうに考えていらっしゃるか。
 仮に派遣労働者を危険有害業務に従事させようとする場合は、派遣契約自身にこのことを明記して、講じられる安全措置また安全体制への協力義務等について派遣元からも徹底した上で、そのことを了解した上で派遣されるという、いわゆる危険リスクの当該労働者への事前告知を明記する必要があると考えておりますけれども、この点についてはいかがですか。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣元事業主はその労働者派遣を行おうというときは、あらかじめ労働者派遣にかかわります当該労働者に対しまして、従事する業務の内容ですとかあるいは安全衛生に関する事項等々就業条件を書面で明示しなければならないということになっています。この規定によりまして、危険を伴う業務についてもその業務の内容等が派遣労働者に事前に明示され、派遣労働者はそれを知った上で労働者派遣に行くということを同意して派遣が行われるということになると思いますので、この規定がきちんと機能するように周知等に努めてまいりたいと思います。

○今泉昭君 危険業務に対するそのような告知の徹底は大変重要なことなんですが、しかしながら、じん肺であるとか被曝危険性のあるもの、そしてまた一定期間経過後に発症するおそれのあるようなものにつきましては、基本的に派遣労働者を使用することは禁止すべきではないかというふうに考えます。安全管理の状況、記録等について長期間の管理を徹底をいたしまして、労働者自身もそのことを認識しておりませんと大変なことに後々なるのではないかというふうに考えているわけですが、この問題についての対応はどのように考えていらっしゃいますか。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣法上では安全衛生あるいは労働条件の確保、こういったことについて労働者の保護に欠けることのないように、派遣先あるいは派遣元それぞれに責任がどこにあるのかということを明確に定めているところであります。具体的には、例えばじん肺法あるいは労働安全衛生法の規定につきましては、その法の適用の特例ということで、派遣先に対しましてじん肺にかかわる予防教育あるいは健康診断等の措置を講じさせるということにしていますし、それから今回の改正で派遣元責任者それから派遣先責任者の職務に派遣労働者の安全衛生に関する、これは先ほど御質問ございましたが、連絡調整を追加したということでございます。
 それから、労働者派遣契約の内容として定めるべき事項になっております安全及び衛生に関する事項でございますが、これにつきまして、例えばその内容をより具体的に記載するようにさせようということで、パンフレット等でこういうふうに書くようにと、こういうふうに事項を規定するようにというふうなことで、必ず実行されるようにというふうなことを目指して周知を図っていきたいというふうに考えております。

○今泉昭君 先ほど派遣先の現場におきまして労働条件の差別があるんじゃないか、それは問題じゃないかということを申し上げましたけれども、同じようにこの労災の問題に関しましてもこういう問題が出てくるわけであります。
 特に、労働災害が発生をする場合には少なくとも派遣先にいろいろ大きな問題が、責任があるわけでございますが、大体労災保険は公的に給付されますけれども、現在の一般的な常識として、労災保険に付加給付というものがそれぞれの企業別に付いているわけでございますが、しかしながら派遣労働者に対しましては派遣元でそのような付加給付を付けていなければ当然これは付かないわけでございまして、労働条件の一種かもしれませんけれども、これは明らかに派遣先の責任において起こった災害でありますから、その場合の対応を派遣労働者にも当然付加給付というものが対応されてしかるべきではないかというふうに考えるんですが、その点はいかがでしょう。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣先の労働協約ですとかあるいは就業規則ですとか、それによって定められております労災補償の付加給付につきましては、これはあくまでも派遣先の労働者に適用される労働条件であるということだろうというふうに思いますし、
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
それから労災補償については、これも何度も衆議院でも御議論があったわけでありますけれども、派遣元が責任を負っているということでございまして、製造業派遣が行われたときにその派遣元事業主がこういった労働条件をどういうふうに考えていくのか、そのときにその派遣先から徴収する労働者派遣の対価、これをどう設定するのか、こういったことでないと基本的な解決は図られないんじゃないかというふうに思っていまして、御指摘のように、その派遣先に適用するということについては、これは今の派遣法の法体系では無理だろうと、こう思います。

○今泉昭君 今回の派遣法の最大のやっぱり欠点は、この派遣法を作るときの範としたと言われる西ドイツと比較いたしましても、やはり均等な待遇がされなきゃならないという、その視点が全く欠けるという点が私はもう最大の欠陥ではないだろうかなというふうに思っているんですが。
 次に、派遣先における最低賃金の問題について、これについても二、三お聞きをしてみたいというふうに思います。
 御存じのように、我が国は地域別最賃と産業別最賃、二段構えの最賃制度になっているわけであります。地域別最賃は御存じのように低く、その上にプラスアルファするような形で業種別、産業別最賃ができ上がっているわけでありますが、その最賃も派遣される方々は派遣元の最賃に縛られるでしょう。しかしながら、行っている先の派遣先というのは、業種によりまして、一般的な地域別最賃に比べましてプラスアルファの最低賃金が決められているわけでございますが、そういうことを考えてみますと、この最低賃金の適用という面につきまして、雇用者の違いという立場から、業種的には明らかに同じ現場で働いていながら産業別最賃の対象になっていないと、保護される対象にならないということは明らかにこれは最賃の精神に反することではないだろうか、最賃法自身を実は否定するようなことになるんじゃないだろうかなというふうに私自身は考えざるを得ないわけでございます。
 もちろん、現在、産業別最賃の在り方についてのいろんな論議がされているということも私自身十分承知をしているつもりでございます。そういう意味で、派遣先の最低賃金を下回るような形でのダンピング派遣というものが行われるということは、派遣のイメージも低下することでございますし、また公正な競争条件の確保という点でも決して先進国として望ましいことではないわけでございまして、このような最賃の問題に絡めましてどのように考えていらっしゃるかどうか、この点についてお聞きをしたいと思います。これは大変重要な問題でもございますので、できましたならば大臣の方から、最賃との絡みについて、この派遣労働者の取扱いについて考えることがございましたらお聞きしたいと思います。

○政府参考人(松崎朗君) この派遣労働につきましては、もう御案内のように、労働契約関係と指揮命令関係は分かれているということで、通常の労働とは違った形態になっております。そういったことで、こういった労働者保護を図るという面からこういった派遣法ができているわけでございますけれども、そのときの考え方といいますのは、やはり今申し上げました労働契約関係と指揮命令関係が分かれていることによりまして、今度、使用者等の責任、労働者保護という観点からの使用者等の責任が不明確になりかねないというところを明確にするというところが非常に一番の観点であったわけでございます。
 そうした場合に、従来、二十年前にこういった議論をしたときに、やはり当時は、もう御案内のように、いい加減なといいますか、非常に、本当に派遣しっ切りで後は知らないといったような派遣事業者が出てきておりまして、やはりこれは労働者保護という観点から見過ごしておくことはできないと、あったわけでございまして、やはり労働契約を結んでといいますか、労働者を雇う以上、基本的にはその雇った方がまず第一の全面的な、原則としての、使用者としての責任を負っていただくと。どうしても、安全性といったようにどうしても派遣先でなければできないこと、そういったものについては例外的に派遣先に使用者としての責任を負っていただくということで整理いたしまして、欠けることのないようにしたわけでございます。
 したがいまして、賃金の支払といったこの労働契約から出てまいります基本的な使用者としての責任、こういったものについては、当然のことながらこれは原則どおり派遣元となるわけでございまして、最低賃金の適用につきましても、具体的なその賃金額の適用というものをこれを罰則でもって強制するという、基本的な使用者の責務でございますので当然これは派遣元というふうにしておるわけでございます。
 確かに、実際の就労という現場、そういう場面を切り取ってみた場合に、今、委員がおっしゃいますようなそういった疑問というのもあり得るわけでございますけれども、これは現に派遣労働に限らず、例えば出向とかいった場合でも同じようなことがあり得るわけでございまして、こういった点から見て、やはり現行制度、派遣も含めまして使用者の基本的な責任をきちんと果たしていただくといったこの労働者保護ということをきちんと確保する観点からは、現時点におきましては、この最賃法の適用というような考え方、こういったものを変更することについては慎重な検討が要るんではないかというふうに考えています。

○今泉昭君 これはひとつ労働大臣にもちょっとお答え願いたいと思うんですけれども、我が国の派遣法自体が検討される際に、西ドイツの、今はドイツですね、ドイツの派遣法が一応参考例としていろいろ研究をされて適用されたと思うんですが、私、両方の、我が国とドイツとの比較をしてみますと、我が国の派遣法に欠けるものの最大の欠陥は、今言いましたように、労働者の処遇に対する取扱い方の差別を放置をしているということではないかと思うわけです。
 恐らく回答としては、ドイツの場合は組織労働者がしっかりとした産業別労使協定に基づきまして労働条件が同一になっている、だからドイツの場合は労働者の差別待遇というものができないような社会環境ができているという言葉になるかもしれませんけれども、確かに我が国の場合は企業別に労働条件が皆違う、産業別にも一つになっていないということがありますから大変厳しいことは事実であります。しかし、少なくとも今後派遣労働者を受け入れていくことが必要であるという認識に立っているならば、最大のやはり課題というのは均等待遇ということではないかと思うわけであります。
 もちろん、この問題は、ただ単に派遣労働者だけではなくして、パート労働者等も含めました大変多くの広がりを持つ検討課題でございますから、すぐにできるという問題ではないと思うんですけれども、少なくとも今後改正に当たりましてはその点を是非ひとつ重要な課題として取り入れられるように考えていく気持ちはないかどうか、この点について労働大臣の見解をお伺いしたいと思うんですが。

○国務大臣(坂口力君) 先ほどからずっと委員の御議論を聞いておりまして、一つは派遣元に対する問題であり、一つは派遣先に対する問題。派遣元に対しましては、この労働条件というものをしっかりこれをやらさないといけない、やはりここがちゃんとしているかどうかということでありますし、派遣先にとりましては、これは安全管理、健康管理というものがこれはしっかりここができるかどうかということ、ここに尽きてくるなというふうに思いながら今聞かせていただいていたところでございます。
 今お話のございましたこの賃金の問題にいたしましても、確かにいわゆる地域別の最低賃金がかぶっていることだけは間違いがないわけでございまして、これよりも低いというのではこれはもう話にならないわけでございまして、それは許されないことでございますが、先ほどからお話ございますように、いわゆるそれぞれの先によりまして業種別の最低賃金あるわけでございまして、そことの絡みを一体どうするかというところがこの日本の制度の中における最大の課題だと思うんですね。
 これは今、局長からも答弁ありましたように、今ここを同じにするというわけには、これなかなかそこまでは言い切れないんだろうというふうに思いますが、例えば一年以上同じ場所に勤めると、勤務をするという、これから一年でなくて二年、三年というふうに長くなっていくというような人と例えば半年とかでもう辞めてしまうという人と同じになるのかどうか。
 私は、少し長期にそこに働いていくということになれば、やはりその派遣先の状況というものもある程度これは勘案することもあり得るのではないかという気もするわけでございまして、それらのところを審議会でこれからも御議論をいただくようでございますから、しっかりここは議論をしていただいて、そしてできるだけ派遣だから低賃金というレッテルが張られてしまって、そして働く意欲をなくしてしまうというようなことのないように、やはり喜びを持ってこの人たちに働いていただけるような体制を作るという意味ではそういう努力も必要ではないかというふうに考える次第でございます。よく検討をさせていただきたいと思います。

○今泉昭君 大臣のこれからの努力に期待をしたいというふうに思います。
 次に、製造業における偽装請負への対応など指導体制の強化と適正派遣協力員制度の運用改善について何点かお聞きをしたいというふうに思います。
 物の製造の業務等への労働者派遣事業の拡大に当たりましては、請負等を偽装した労働者派遣事業に対しまして、その解消に向けた労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準等の周知徹底、そしてまた厳正な指導監督等により適切に対処していくことが非常に重要と考えております。
 もちろん、その請負業の監督庁が労働省ではなくして経済産業省でございますから大変難しい一面はあると思うのでございますけれども、この点についての監督指導責任のやはり違いというものが、製造業において請負が偽装に派遣業者のような形を取りながら不当な利益を得ているというような実態があるんですが、このことにつきましてどのように一つは考えていらっしゃるか。
 また同時に、請負にかかわる労働者の保護のために、請負自体は監督庁は経済産業省かもしれませんけれども、そこに働く労働者の保護というのはやっぱり厚生労働省のこれは当然責任の範疇でございますから、請負によって行われる事業に対しましてのこの取組と併せまして、労働基準法等労働諸法令が遵守されますように強力に厳しい指導を進めていくことが大変重要だと思っているんですが、この点につきましての考え方をお聞かせください。

○政府参考人(戸苅利和君) 物の製造の業務に労働者派遣事業を適用するということを行った場合に、やはり何といっても重要な問題は先ほど来議論になっています安全衛生の確保の問題とそれから、今御質問のありましたとおり、偽装請負をいかに解消をしていくかということだろうというふうに思います。そういった意味で、これは衆議院の附帯決議でもうたわれておるところでありますけれども、請負と派遣との区分基準、これの周知徹底、それから厳正な指導監督ということを行っていきたいというふうに思っているところであります。
 今御質問の請負でありますけれども、請負が適正に行われている限りは、これは厚生労働省の所管でないと、こういう議論になるわけですけれども、請負が適正に行われていないということになると、一つは労働者派遣法違反、それからもう一つは職業安定法に言う労働者供給事業違反、いずれかの違反事案なんだろうと思います。そういった意味で、労働行政としてそこはきちんと対応すべき分野でありますので、その辺りについて更に徹底をしていきたいというふうに思っています。これまでも、例えば平成十三年度でも請負ということで事業を行っていますと称している事業主についても七、八百件の指導監督はしています。
 そういった意味で、今回の製造業の派遣の適用ということを機に、更にその偽装請負の解消、それから適正な派遣請負になるような指導というものに一層の努力をしていきたいと思います。

○今泉昭君 物の製造の業務への労働者派遣事業の拡大等に伴いまして、もう前回も最後にちょっとばかり私質問をしたんですけれども、労働者派遣事業の適正な運営を保護するために、各都道府県労働局を中心として一応配置をされております労働者派遣事業適正運営協力員制度、こういうものがあるわけですけれども、この実は運営というものが果たして今までのような運営のやり方で、私どもが一番危惧をしております最大の産業と言われる製造業へ派遣労働者を拡大をしていく、そして恐らく相当数の数が増えるんでしょうけれども、それらに関連をして起こるいろいろな不適切な事態に対する指導、相談というものが重要になってくるんですけれども、この運営協力員制度というものをこれらに対応して十分に実が上げられるような制度として改変をする気持ちがあるのかどうか、そうしていただかなければならないというふうに考えておるんですけれども、この点についてもし具体的な考え方でも当面お持ちだったらお聞かせ願いたいと思います。

○政府参考人(戸苅利和君) 労働者派遣事業適正運営協力員の件については前回も御指摘をいただいたところであります。なかなか、派遣労働者が悩みがあり、あるいはトラブルがあったときに相談する先ということになりますと、派遣元ですとか、派遣元の事業主あるいは派遣先と、そのほかに役所でありますハローワーク、労働局と、こういうことでありますけれども、いろいろな形で相談に乗り、あるいは解決についての支援をいただくというシステムを広く準備しておくということは大変重要なことで、そういった観点から適正運営協力員制度が設けられているわけでありますけれども。
 御指摘のとおり、確かに活動状況は低調ですし、それから派遣労働者はもとより派遣元、派遣先にも余り制度が知られていないと、こういうことでありまして、今回の改正を機に、派遣労働者の就業の適正化のためにあるいは労働者の保護のために適正運営協力員の方にもっと御活躍いただけるようにする必要があるというのは、我々も全く同じ思いでおります。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 具体的にどうするのかということでありますけれども、一つはやはり適正運営協力員の制度があるということをいかに周知するか、それから個々具体的な適正運営協力員、こういった方がなっていると、どこへ連絡すれば相談ができるんだという辺りについての周知をきめ細かくするということが重要だろうと思っていまして、例えばホームページに掲載するとか、あるいは派遣元、派遣先の事業所に指導監督に行った際にそういった名簿を配る、あるいは制度のパンフレットを作るとか、配って歩くとか、そういったことはやろうと、やる必要があると思っていますし、それからもう一つはやはり、実態を見ていますと、適正運営協力員の方がいろいろ活動しようと思っても、一人一人独立してやっているということなものですから、なかなか、何というか、いろいろな対応をするにしても負担が大変だという面は確かにあるんじゃないかと思います。
 そういった意味で、適正運営協力員の方の会議を開いたりはしているんですけれども、もう少し、適正運営協力員の方が具体的にいろんな活動をするときに、より活動しやすいように何らかのバックアップ体制といったものも講じないと、なかなか、せっかく適正運営協力員をお願いしながら、思うような活動をするのが難しいというふうな結果になってしまっているのではないかと思いますので、適正運営協力員の方に対する労働局なりハローワークなりのバックアップ体制というか、そういったこともちょっと実態を更に調べて対応を検討してみたいと思っています。

○今泉昭君 ありがとうございました。
 以上をもちまして細かい条文に関する確認の意味での質問を終わらせていただきまして、残りました時間をいただきまして、少し細かい問題とは違います大きな問題等につきましての見解をいろいろお聞きをしてみたいというふうに思います。多少質問通告していないものも含まれるかもしれませんけれども、その点はひとつ勘弁をしていただきたいというふうに思います。
 まず第一に、これまでの報告等を見ましても、また御答弁の中でも示された日本の派遣労働者の実態、百七十万近くいるんですが、その中心は実は女性労働者が大変大多数を占めて多いという一つの特色を持っております。日本の場合はいろんな意味でこれまで業種的な制限をされてきたという背景があるわけでございますが、一方、派遣大国というんでしょうか、派遣の先進国というんでしょうか、制限を全く設けないで派遣制度をやっているアメリカの実態と比較をしてみますと、何とアメリカの場合は半分が、ちょうど男女構成と同じような形で四十数%が男性で五十ちょっとが女性だと、半々のような状態があるわけですね。
 こういうものと比較をしてみますと、仮に今度、日本のこの状況が、今までは最も多くの雇用労働者を持っていた製造業を制限をしていたというところから男の労働者が派遣労働者として登場してきていないのかどうか。製造業は御存じのように八割が男性の職場、大体その構成は二割が女性だというふうに言われている産業でございますけれども、そういう意味で考えてみますと、派遣労働に製造業を解禁をしたということは日本でも多くの男性労働者が派遣業という中にウエートを占めていくような形を想定されているのかどうか、これをちょっとお伺いをしてみたいと思うんです。
 これは働き方の価値観との違いもあると思うんでありますが、物の資料によりますと、例えば派遣労働者のタイプとして三つに分けられるそうでございまして、その一つのタイプというのは、フルタイムで働くということを重荷に感じたり、あるいは、とにかく短期間に働いて臨時的な収入を得たいと、自分の都合のいい時間に働きたいというタイプの派遣労働者、これが一の労働者のタイプといたしましょう。二番目のタイプの派遣労働者のタイプというのは、次の仕事がとにかく見付かるまで、実際は正規労働者として働くのを目指しているんだけれども、とにかくレイオフをされたり、あるいはなかなか仕事が見付からないで、パーマネントな職場を求めている、次の仕事が見付かるまで派遣労働者になっているんだという方々、これを二のパターンといたしましょう。三番目のパターンといたしましては、とにかく派遣労働というものを自分のフルタイムにしていくんだという気持ちでフルタイムにどっぷりつかっていらっしゃる方々。
 こういうタイプ分けをして調査資料を見てみますと、例えば、派遣先進国であるアメリカなどは二のタイプの労働者というのが五五%だそうでございます。三のタイプが次のグループでありまして、二五%だそうでございます。一のタイプは二〇%、そのほか集計ができなかったのが、それでちょうど一〇〇%ですね、そのような形で派遣労働者というものが存在をしているようでございますけれども、労働行政として、厚生労働省としてはこれからの派遣労働というものの日本における位置付けをどのように考えていらっしゃるのか。
 この分類でいくならば、恐らく日本の場合は統計が、この種の統計が見付からないもので私は数字は分かりませんけれども、違った現実の姿があると思うんですが、製造業の解禁とともに恐らく違った形の派遣労働者の割合というものが出てくると思うんですけれども、一応厚生労働省としては、今後我が国の派遣労働者のカテゴリー分けというものはどういうふうになっていくのか、こういうことについてちょっと考えをお持ちでありましたならば、今後の雇用対策という面で大変重要な現状分析でございますから、その点につきましてちょっと御意見をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(戸苅利和君) 実は、派遣労働者のうちの男女別の構成ですとか、あるいは年齢別の構成というのを正確に把握している調査というのはないんじゃないかと、こう思います。
 それで、私どもが手に持っている範囲で申し上げますと、一つはこれは平成十三年の二月、大分古い資料ですけれども、労働力の特別調査があります。それで、これはその調査時点で派遣労働者として働いていたかどうかということなんで、登録していて次の仕事待ちの人が入っていないという制限はあります、制約はありますけれども、それで見ますと、男女計で四十五万人、平成十三年の二月で派遣の業務に就いていたと、こういうふうになっていまして、そのうち女が三十四万人、男が十一万人ということですから、一対三ぐらいの割合のようであります。それから、年齢別に見ますと、やはり若い人が多くて、大体二十歳から四十歳ぐらいまでの人が六割ぐらいと、こういう状況であります。
 それからもう一つ、昨年の六月に、これはアンケート調査なものですからサンプルに偏りがあるということがありますけれども、これで見ますと、男と女の比率が六十五対三十五と、こういうふうな状況で、確かにおっしゃるように日本の場合は女の方が多いと、かなり多いと、こういうことだろうと思います。年齢別に見ましても、やはり二十代、三十代といった辺りがこれはかなり多くて、七五%ぐらいということでございます。
 労働者派遣、国によって様々でありまして、アメリカは何らの法規制、公的な規制なしに行っているわけですけれども、それでも労働市場のメカニズムというか企業行動の原理というか、そういったものでやはり企業の中核的な労働者というのは正規の常用労働者ということになっているんだろうと思います。ただ、アメリカの労働市場というのは離職しやすくかつ再就職しやすいというか、入職しやすいと、こういう特徴があるという中で派遣が、今、先生おっしゃったような形で労使からいろんな形で活用されて広がっていると、こういうことだろうと思います。
 フランスは、私が聞いている範囲では、フランスというのは元々民間の労働力需給調整について世界じゅうでも非常に厳格な規制を行っている国でありますけれども、いろいろ聞きますと、製造業、これはフランスから帰ってきたばかりの人間に聞いたんですけれども、製造業は有期雇用者というのはほとんどいなくてみんな労働者派遣でやっていると、こういうふうな話を聞いています。一方で、ホワイトカラーの派遣というのはフランスは余り行われていないと、こういうことのようであります。
 日本の場合はどうかということになりますと、日本の場合は、アメリカ型の派遣会社が日本にそのノウハウを持ち込んでスタートしたと、こういうこともあって、コンピューターの操作でありますとか、あるいは財務処理でありますとか、そういった専門的な分野、それからビルの清掃ですとか、ビルメンテナンス関係の、朝早く働いたり夜遅く働いたりという日本の常用労働者とは違う働き方をする特殊な雇用管理の分野、こういったことでスタートしたわけですが、それを引きずってきているということもあって製造業の派遣を認めていないという中では、今申し上げたように、比較的若い、四十歳以下の女性を中心として事務の関係の派遣が行われてきていると、こういうことだろうというふうに思います。
 これから先どうなるかということでありますけれども、これから先はなかなか読みづらいわけですが、私ども考えていますのは、その製造業の派遣を導入するということによって、これまで請負の形で行っていた分野、これが派遣にどれだけ転換するかということと、それから、請負ではなかなか処理し切れない、同じ製造ラインの中に有期の労働者、季節工として働いている労働者、これを派遣労働者に切り替わっていくと、両方の動きがあるんじゃないかと、こう思っています。
 我々としては、やはり日本の企業行動、それから労働者の常用雇用志向の強さ、そういったところから考えますと、やはり派遣が拡大するといっても一定のところで多分収まるんだろうと。それから、大臣はその後また派遣は減るんだと、こういうお話でありますけれども、やっぱり一定のところで収まるんじゃないかと思っていまして。
 ただ、派遣のメリットというのはいろいろあるわけで、労働者自身が自分で一生懸命職探ししなくても、派遣元がその派遣労働者の能力、知識に見合ったところを迅速に見付けてくれるという意味で、仕事を求めれば、失業期間が非常に短く、いろんな派遣先を移動することによって全部合わせると常用労働者並みの雇用機会が得られると、こういったメリットもあるわけで、今回の派遣期間の制限を三年を上限にした、それから製造業の派遣を導入したということによって今申し上げたようなメリットは出てくるんじゃないかなと、こう思っています。
 我々としては、どういう方向へ雇用を持っていくんだということよりは、むしろ派遣というのは、さっき申し上げたように、一定のところまで、どう考えても常用労働者が全部派遣労働者に替わってしまうということじゃなくて、一定のところまでのものであるということではないかと、これはそう思っていまして、そういった意味で、職業紹介、労働者派遣、その他求人情報の提供事業、いろいろな求人と求職のマッチングをするシステムというものをきちんと整備をしていく、それによって失業期間が短くなる、再就職がしやすくなる、こういうふうなシステムを作っていこう、あわせて、それによって弊害が生じないように労働者の保護をきちんと図っていこうということで、そういう意味では雇用対策の中心に派遣があるということではないと、こう思っています。

○今泉昭君 製造業が今回解禁になるということになるんですが、御存じのように、製造業の解禁の場合には、もう既に事務職に関しましてはこれはもう派遣がされているわけでございますが、言わば現場に労働者派遣を許すと、こういうことになると思うんですね。最近は現場と事務職の距離が非常に区別がなくなりまして、ブルーカラーとホワイトカラーの間にグレーカラーと言われる方々がいらっしゃるわけですから区別が大変しにくくなっている。
 我々が一般的に理解するのは、製造業の労働者というのは三種類おりまして、ちょうどピラミッドを構成するような形になっているわけです。それが、一番上のピラミッドの頂上にいるのがいわゆる高度先端技術者という方々であります。それから、その次のグループとして存在するのがいわゆる中堅技能労働者と言われる方であります。そして、一番最後の、底辺に一番多くいらっしゃる人たちが基盤技術労働者と言われる方々でございます。日本の特色は、この基盤技術労働者の豊かさというものが日本のものづくりを実は支えてきたわけであります。
 恐らく、この製造業における派遣の開放によりまして、この一番、どちらかといえば、ランクで言うならば基盤技術労働者群の中に開放していこうというふうに考えておられると思うんでございますけれども、特にその中でも最近問題になっているのは、いわゆる基盤技術労働者の中に混在をしてきて増えてまいりますいわゆる不法入国者によるところの潜り込み、さらには、教育目的でもって不法に発展途上国から人を呼んできて、名目だけに教育とは称しているけれども、実際は単純作業と言われるものに就かせているという状態があるわけであります。
 そうすると、考えてみますと、日本の伝統的な基盤技術労働者というのは、一定の現場における教育訓練を置いてスキルアップができるようなシステムがあるわけでございますけれども、そういうものの中に入ってくる、期間を区切って入ってくる労働者というのは、先ほど申し上げましたように、発展途上国から教育目的で、実質的には教育はしていないんだけれども低賃金ということでそこで働かせる、あるいはまた法の目をくぐって不法滞在外国人が働くというような形のものの代替をするという形でしか存在しないのが製造業におけるところの現場の派遣労働者じゃないかと思うわけであります。
 果たして、そういう状況におきまして開放するとするならば、わざわざ雇用者を二つに複雑にして雇うよりもパートタイマーを雇った方がよっぽど労働者にとりましては、単純に、そして自分の雇用も、現場におけるところのいろいろな保護も一人の労働者で、一人の、一つの雇用者でもってこれ保護されるわけですから、ふくそうする必要はないと思うわけでございます。
 そういうことから考えますと、何で製造業にそこまで大きく門戸を開放する必要があるのか、むしろいろんな意味で、危険の問題もあるし、マイナスの面が多いのではないかなというふうに思うわけでございますが、この点については、大臣、どのように考えていらっしゃるか、もし見解があったらお聞きしたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 難しいお話でございますから十分にお答えできるかどうか分かりませんが、最初の山本先生のお話にもこれ結び付くわけでございます。
 結局、これから先の日本の製造業というのは、いわゆる新しい、何と申しますか、新しく高い技術が求められて、それで、それの機械化とそれに対応できる技術者というものがだんだんだんだんこれから求められていくんだろうというふうに思います。したがいまして、その範疇に入ってくる人については現在でも足りないぐらいだというふうに言われておりまして、そういう人たちは、常用雇用、これはもう必ず私はそうなっていくんだろうというふうに思っておりますが、その周辺の皆さんと申しますか、先ほどおっしゃった、基盤技術労働者とおっしゃいましたか、その辺のところが一体どうなるのかということ、日本の製造業そのものが、そうしたところはもう余り要らなくなっていくのか、それともこれからそこもやはり必要なのかどうかということが私は製造業にとりましては非常に大きなこれから分かれ目になるんではないかというふうに思っております。
 昨日でございましたか、一昨日でございましたか、テレビを拝見をしておりまして、薄いテレビができますときの最後のところをやっておりまして、拝見をしておりましたら、最後は女性が、千分の一ミリと言いましたかね、そこをやるのは機械ではなくて、女性がしなやかにすっと引いてその高さを整える、それできれいな画面ができるという、やっておりまして、最後はやっぱりその技術力というのはすごいんだなと思って、私、それ拝見をしていたわけでございますが、やっぱりそういう意味で、機械化だけではなくてそうした技術もやはり必要なんだということであれば、私は、そうした人も含めて、企業は無視することができないというふうに私は理解をいたしております。甘いと言われるかもしれませんけれども、私はそのように理解をしているところでございます。

○今泉昭君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので。

○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩といたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会

○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 時間が限られておりますので、私の方は職業安定法の改正に関連する問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 まず、今回の職業安定法の改正により、地方自治体が届出で営業紹介を行えるようになりますが、この改正の趣旨についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 まず第一に、地方事務官制が廃止になり、都道府県の労働行政が労働局として分離された後も地方自治体に職業紹介をこれまでは認めてこなかったわけでありますけれども、その理由はどういうところにあるでしょうか。

○副大臣(鴨下一郎君) 職業安定行政におきまして、地方事務官制の廃止やその後における国と地方の役割分担につきましては、これは地方分権推進委員会におきまして十分に議論がなされたわけでありますけれども、同委員会の勧告及び地方分権推進計画を受けまして、雇用対策法におきましては、国は職業紹介事業、そして雇用保険事業等の施策を実施して、地方公共団体は国の施策と相まって地域の実情に応じた施策を実施すると、こういうようなところで整理されたわけでありますけれども、これに基づきまして、公共職業安定所が無料職業紹介事業を実施する中で、地方公共団体も同様の事業を実施する、こういうふうになりますとある意味で国と地方の二重行政、こういうようなことで非効率になるのではないかと、こういうような考えの下から地方公共団体は無料職業紹介事業を行えないと、こういうふうにしていたわけでございます。

○浅尾慶一郎君 そこで、今回は、改正によって地方自治体が届出によりまして職業紹介ができることとした理由ということをお伺いしたいわけでありますが、今、副大臣が御発言の中でありましたように、地方分権推進会議等の提言も一つの理由かと思いますが、そのほかどのような状況の変化があったんでしょうか。

○副大臣(鴨下一郎君) 言うまでもなく、厳しい雇用失業情勢がございます。そして、地方公共団体においても、それぞれが実施している雇用対策の取組に加えて、地域の実情を踏まえた形で職業紹介を行えるようにしてほしいと、こういうような要請が厚生労働省に寄せられていたところであります。
 そうした中、先生御指摘の地方分権改革推進会議が、これは平成十四年の十月三十日に取りまとめた最終報告におきましては、高齢者、障害者などを対象とした地域性の強い施策を展開する上で必要な職業紹介については、これは、国と地方の二重行政になることのないように配慮をしながら、都道府県も一定の役割を担うことができる方向で検討を行い、十四年度中に結論を得ると、こういうような指摘があったわけでありまして、これを改正法案におきましては、同会議の最終報告、そして地域における厳しい雇用失業情勢を踏まえまして、地方公共団体に対し、地域住民の福祉の増進、そして地域産業の振興等を図るための施策に附帯して無料職業紹介事業を行えると、こういうようなことを認めるというようなことにしてあるものであります。

○浅尾慶一郎君 そこで、今、これまで国、あるいは地方公共団体と国とで二重行政になってはいけないということで地方自治体にはその職業紹介を認めてこなかったと。今度は、今の雇用情勢等々かんがみてこれを認めていくということでありますが、利用者にとってはこれは非常にいい前進だと思いますが、同時に、利用者の立場に立つと、国であっても地方公共団体であっても、これは同じ職業紹介の場であるという観点から、二重投資、二重行政にならないように幾つか質問をさせていただきたいと思いますが。
 まず第一に、求人求職情報の共有化ということがこれ急務なんではないかなというふうに思います。そこで、厚生労働省と県や市はどのように連携をしていくのでしょうか。例えば、共通のコンピューターネットワークの構築などは考えておられますでしょうか。

○副大臣(鴨下一郎君) 今回の改正法案におきましては、これは地方公共団体が届出により自ら行政施策に附帯して無料の職業紹介を行うことができる、こういうようなことにしているわけでありますが、これ、法案が成立をしていただいた暁には、地方公共団体の行う無料職業紹介事業が円滑に行われるよう、厚生労働省としても積極的に協力、連携することが必要であると、こういうふうに考えております。
 このために、例えば地方公共団体とハローワークが求人求職情報を共有化するというようなことによりまして、例えば地域の労働力需給調整機能が高まるような場合には、これは求人者、求職者の意向を踏まえた上で、地方公共団体とハローワークが相互に求人求職情報を交換してそれぞれの利用者に提供するなどの連携についても、これから十分に検討をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 検討する中に、今申し上げました共通のコンピューターネットワークといったようなものは含まれるんでしょうか。

○副大臣(鴨下一郎君) そういうことも含めてということなんですが、これは地域の実情にもよりますので、その都度その地域に応じて検討させていただきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 共通のコンピューターネットワークが余り要らない地域というのは、コンピューターネットワークそのものについては僕は特にないんだと思うんですね。セキュリティーの問題等々あると思いますが、それは技術的な問題でしょうから、その点については是非含めて考えていただければと、こんなふうに思います。
 そこで、もう一点、次の質問に移りますが、有効求人倍率等、今後の労働統計に地方自治体の行う職業紹介に係る統計というのは加味されますか。

○副大臣(鴨下一郎君) 有効求人倍率等の一般職業紹介状況に関する統計は、これは全国の公共職業安定所に申込みのなされた求人数、そして求職者数及び公共職業安定所紹介による就職件数等、言ってみれば公共職業安定所で取り扱った求人、そして求職及び就職等の状況を取りまとめたと、こういうようなことでございますけれども、このため、公共職業安定所以外の、例えば地方公共団体が行う職業紹介に係る統計、それから公共職業紹介所の業務統計である有効求人倍率等の、言ってみれば一般職業紹介状況に関する統計にこれを足し上げて加味するということは現状では考えていないというところでございます。

○浅尾慶一郎君 現状では考えていないということでありますけれども、それが加えられないとすると、今の公共職業紹介所、ハローワークの求人情報だけでは労働市場の状況を正確に反映した統計とならないというおそれがあるんではないかなというふうに思います。
 特に、これから県や市、地方自治体の職業紹介の比重も高めていく必要性があるということで今回の法改正をされたということだと思いますから、そうだとすると、是非ともそれが加味されるようにしていただきたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

○副大臣(鴨下一郎君) 雇用情勢の変化に対応した、これはある意味で機動的かつ効果的な対策を展開すると、こういうようなためには、労働市場の状況等につきましてはこれは総合的に把握するというようなことは、もう先生おっしゃるとおり、言うまでもないわけであります。
 それで、有効求人倍率等の一般職業紹介状況に関する統計は、これは全国のネットワークである公共職業安定所で取り扱ったすべての求人求職及び就職等の状況をまとめた、これは業務統計として、その状況を的確に把握するために有益な一つの指標であるということは間違いないんだろうと思います。
 ただ、地方公共団体が行う職業紹介に係る統計を、各地方公共団体がある意味でそれを加味して職業紹介を行い、またさらに、地方公共団体独自の把握の仕方というものもあるんだろうというふうに思っておりまして、そのため、地方公共団体が行う職業紹介に係る統計の公表については、これは各地方公共団体におけるこれらの状況を踏まえながら検討しなければいけない点があるんだろうと思います。
 ただ、地方公共団体が行う無料職業紹介事業について、あるいは民間の職業紹介事業者と同様に、その状況について報告を求めることができるわけでありますので、それを、状況をその都度といいますか、把握してまいりたいというふうには考えております。

○浅尾慶一郎君 今の経済、あるいは社会全体と言ってもいいかもしれません、一番重要な問題の一つはこの雇用の問題でありますから、その問題を議論するときにやはり正確な統計というものは必要だと思いますので、是非とも労働市場の実態把握、特に地方公共団体の行う無料職業紹介にかかわるものについても把握に努めていただいて、正確な情報発信をお願いしたいと思います。
 次に、今後、地方自治体の職員が無料職業紹介を行うようになってくるということからすると、その研修あるいは人事交流ということも含めて、厚生労働省と県や市がどのように連携していくかということが重要な問題になってくるわけであります。
 地方自治体の職業紹介もハローワークと同じ水準を確保しないといけないということも当然のことでありますから、そうすると、厚生労働省から積極的に地方自治体職員の研修に協力していただきたいと思いますが、どのような方針で臨まれますか。

○副大臣(鴨下一郎君) 極めて重要な御指摘だろうと思います。
 これまでにも、職業安定事業の効果的なあるいは的確な運営に当たりまして、これは都道府県との密接な連携確保が重要であると、こういうようなことは従前から考えているわけでありますけれども、都道府県の労働局等とそれから都道府県との人事交流というのは行われていることは行われているわけでありますが、それに加えまして、今回、改正法案が成立していただいた後は地方公共団体に無料職業紹介事業の実施が認められると、こういうようなことに相なるわけでありますので、地方公共団体においてその円滑な実施、事業が実施できるように、これは必要な情報提供、ノウハウの伝達、そして連携というようなことの中に人事交流というのも非常に大きな要素になるんだろうというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 次に、現在、様々な賃金に係る経費の助成等、特定求職者雇用開発助成金という制度がありますが、これは事業主向けの助成金でありますけれども、ハローワークを通して紹介した求職者を雇い入れることがその利用の条件になっております。
 今後、地方自治体が職業紹介を行うということを考えると、こうした助成金も自治体経由の職業紹介であっても使えるようにしていった方がいいんではないかなというふうに考えますが、そうした点についてはどのように考えておられますか。

○副大臣(鴨下一郎君) 特開金についての御質問でありますけれども、多少はしょって答弁させていただきますが、今回の改正法案が成立をさせていただいた場合には、これは地方公共団体も住民の福祉の増進、そして産業経済の発展等に資する施策に関する業務に附帯して、届出により無料職業紹介が行うことができる、こういうわけでありますので、地方公共団体の行う無料職業紹介についても、その適正な運営、運用を期すことができ、職業紹介事業により労働力需給調整を担う点で公共職業安定所や民営紹介機関と同様の役割を果たすものであるという、こういうような観点から、その行う無料職業紹介により労働者を雇い入れる事業主に対しても、当該雇入れに係る助成金を支給する方向で今後検討をさせていただきたいと、こういうふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 是非、地方公共団体についてもそうした助成金を使えるように確定をしていただきたいというふうに思います。
 時間の関係で、この点については最後、大臣にちょっと伺いたいと思いますが、今回の改正ですね、政府の地方分権改革推進会議等で実現を推進した法改正でもあり、たまたま私の神奈川県の前岡崎知事もその点に大変期待をしていたものだと思いますが、今回の改正を受けて大臣にその決意を伺って、この点についての質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話ございましたとおり、岡崎前神奈川県知事さんもお入りをいただいておりましたが、この地方分権改革推進会議、この中で御指摘もいただいていたところでございます。
 今までの様々な国と地方との仕事の整理の仕方の中で、国がハローワークの関係のことはすべてやるというようなことになっていたわけでございますが、最近のようなこういう状況を踏まえまして、やはり地方におきましても地方に見合った雇用対策というのをお願いをしなければ全体として雇用対策が前進しないという状況になってまいりましたし、ここでお願いを申し上げるということになったわけでございます。
 先ほどから御指摘をいただいておりますように、全体の雇用の問題が国と地方とがやはり一体となって進んでいくようにしなければならないというふうに思っております。したがいまして、現在まで国だけがやっておりましたために、国だけが行うというようなケースのものも今まだ残っておりますけれども、これからひとつ、国も県もあるいは市もというふうに、それぞれのところでおやりをいただきますことが、一体的に把握ができて、国民の皆さん方からもどこで利用しても同じように利用できると思っていただけるようにやはりしなければならないと思っているところでございます。

○浅尾慶一郎君 次に、フリーターの、いわゆるフリーターの増加の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 先日も当委員会で、現役の高校の先生、進路指導の先生もお招きして高校生の就職の状況等についてもいろいろとお話を伺ってまいりました。また、先般発表されました国民生活白書でも、高校生がきちんと就職ができない、できない中でフリーターが増えているということについての懸念が示されております。
 高校生の就職については、大学生と異なって、職業安定法の運用の中で従来かなり厳重な行政、学校の管理下にあったんではないかなというふうに思いますが、今どんどん、生活環境の変化もあると思いますし、あるいは親御さんの金銭的な事情というのもあるのかもしれませんが、高校生でもどんどんアルバイトに出掛けるようになったというのが現実だと思います。そうした現実を踏まえますと、この高校生保護のための規制が場合によってはかえって高校生の職業選択の自由を妨げているんではないかというふうに思いますし、そのことがある面フリーターの増加につながっているんではないかという問題意識から幾つか伺ってまいります。
 まず、高校生が自分で就職活動ができるように就職について学ぶことを学校、特に高校の教科の中で何らかの形で位置付けることができないかどうか、その点を伺いたいと思います。

○大臣政務官(池坊保子君) 今、委員が御指摘になりましたように、今フリーターが大変増えております。学校教育の中でしっかりとした職業観を身に付けさせ、自らが選択できるようにすることは極めて重要だというふうに考えております。
 私どもは、それを踏まえまして、組織的、計画的に学校の教育活動全般を通じてそのような指導をいたしております。例えば、ホームルーム活動などにおいては、助言したり、あるいは勤労観を身に付けさせるような話合いの場、あるいは指導の場を設けております。また、今年度から高等学校新学習指導要領になってまいりましたけれども、その中で、地域や学校の実態に応じて、就業にかかわる体験的な学習の指導を適切に行うよう、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観、職業観の育成に資することといたしておりまして、特別活動とか総合的な学習の時間を利用いたしまして、就業体験、自らが体験するというようなことも積極的にいたしております。
 また、産業社会と人間という、これは教科を設けることもできるようになりました。これは何を教えるかと申しますと、職業と生活、あるいは我が国の産業と社会の変化、あるいはまた進路と自己実現などを学習する内容でございます。学校教育の中で全般にわたって教育させているのが現状でございます。

○浅尾慶一郎君 高校には進路指導の、進路指導主事と言うんですか、進路指導に当たる教師を置くことになっておりますけれども、先般の当委員会の質疑の中でも、その進路指導主事の方と、それから教務指導、そして生活指導という三つの指導担当の主事の方がいられるんだと思いますが、どうしても教務、生徒指導の方が重点が置かれているというようなことも率直に言っておられました。
 そこで、進路指導に当たる教師を増やすことを考えられたらどうかということと、併せて、時間の関係で併せて質問させていただきますが、現在、進路指導に当たっている先生は、多くの先生の場合は民間企業での経験がない先生が多いわけだと思いますが、そうした先生方がしっかりと進路指導に当たれるように具体的に文部科学省としてどういったことをやっておられるか、併せて質問をしたいと思います。

○大臣政務官(池坊保子君) 今おっしゃいましたように、学校の中には学校教育法施行規則によりまして進路指導主事を置くこととなっております。これは一人でございましても、一人の人間がすべてをやるわけではございませんで、学校の規模によって異なりますけれども、十人ぐらいが組織いたしまして進路指導部というのを作っておりまして、これは担任の先生だとかあるいはほかの人間たちも協力しながら指導し、調整し、そして情報を提供したりしております。主事はそれをまとめるということでございます。
 それからまた、それだけではなくて、今、高校生は大変就職が厳しい状況にございますので、平成十四年度から就職指導を専門的に行う高等学校就職支援教員の配置というのを行っております。まだまだ数が少なくて、平成十四年度は三十三都道府県で八十一名、平成十五年度では三十六都道府県、九十四名となっておりますけれども、こういう方々にもお力添え願っております。
 また、キャリアアドバイザーというのがございまして、これは、地元産業界などの外部の人間を高等学校に来ていただいて、職業観だとか就職相談に現場で働いている方々のアドバイスというのをいただいて、様々な角度から学校教育の中では就職指導に当たっております。

○浅尾慶一郎君 学校教育の中で就職指導の比重が前にも増して高まっているということだと思いますが、そうだとすると、例えば高校の先生にもハローワークなどで研修をしていただくということも一つ重要なことなのではないかなというふうに思いますが、厚生労働省はその点についてはどのように考えておりますか。

○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のように、高校の先生がハローワーク等で勉強していただいて、実際に就職状況どうなっているか、こういうことをより深く理解していただくことは非常に重要だと思います。
 厚生労働省としては、これは本年度からでありますけれども、各都道府県の労働局におきまして、高等学校の進路指導担当者に対して、地域の労働市場の現状や職業カウンセリングの基礎知識等についてセミナーを実施すると、こういうようなことを始める予定でございます。また、ハローワークに進路指導担当者を受け入れまして、職業相談や事業所訪問への同行等の実務経験機会を提供すると、こういうようなことで、高校における就職指導の向上に役立てていただきたいと、こういうふうに考えているところであります。

○浅尾慶一郎君 文部科学省も、こうした取組、厚生労働省の取組について、それを今現状は各学校の先生に任せているというふうに聞いていますが、そうではなくて、責任ある官庁として、教育行政を所管する官庁として積極的に学校の先生がこうした取組に参加するように指導されたらいかがかと思いますが、その点について伺いたいと思います。

○大臣政務官(池坊保子君) 委員がおっしゃいますように、ハローワーク等を通じまして厚生労働省との連携というのは大変深いものがございます。各都道府県教育委員会の高校生の就職指導担当指導主事を対象といたしまして連絡協議会というのを開催いたしております。高校生が様々な問題を抱えておりますので、それに当たるだけでなくて、やはり情報提供というのが大切かと思っておりますので、その辺も留意しているところでございます。
 平成十五年度では、厚生労働省が実施いたします高等学校の進路指導担当者を対象としたハローワークにおける実地研修やセミナーについても情報提供を行うようにいたしております。先月も厚生労働省とともに具体的な就職指導担当主事との研修会を持ったところでございまして、積極的に今行っているところでございます。

○浅尾慶一郎君 是非、各地の教育委員会等を通じてこうした厚生労働省の取組をアピール、PRしていただいて、なおかつそれに参加するように呼び掛けていただきたいと思います。
 時間の関係で最後の質問になってしまうかもしれませんが、高校生の職業紹介についてお伺いいたしますが、原則として現状では採用面接が一社と、一社しか受けられないという現行制度があるわけでありますけれども、これは改めた方がいいんではないかなと、こういうふうに思います。様々な職業観もあると思いますし、なおかつ高校生という年齢を考えた場合には、幾つかそういう経験ができるような採用面接が受けられるように改めた方がいいんではないかと思いますが、厚生労働省はどのような対応をしているんですか。

○国務大臣(坂口力君) おっしゃいますように、高等学校の就職につきまして、先生方これ中心になっておやりをいただいているわけでございますが、一人一社ということで割り振りをしていくという、これは習慣でございますけれども、ずっと続いてまいりまして、そういう習慣が続いているものですから、なかなかそこは崩せないというふうにおっしゃる都道府県もあるわけでございますが、最近、いろいろお話合いをさせていただきまして、もう半分以上のところがもう一社以上になってきております。間もなく来年辺りのところはもう三分の二ぐらいには、全体の中で平成十四年は三十五が現行どおりでございましたけれども、十五年におきましては現行どおりはもう十県になっておりますので、かなりここは変わってきているというふうに思っております。
 これから高校生の就職の問題、文部科学省とそれから経済産業省と、三省でよく連携密にいたしまして、これから進めていきたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 時間が参りましたんで質問終わりますけれども、是非、学校、大分変わってきたということでありますけれども、まだまだ学校現場、あるいは都道府県によっては一社しか受けられないというところも残っていると。そのことが初めて、当然初めての就職なんですが、に当たって、高校生にとって貴重な人生の最初の第一歩の選択肢の幅がないということは私は大きな問題になるんではないかなと思いますので、今、大臣が発言された方向で改めていただきたいと思います。
 質問を終わります。

○井上美代君 日本共産党の井上美代です。
 私は、まず最初に、今日は傍聴席にもたくさんおいでくださっているんですけれども、日本中央競馬会の従事員の問題について質問をしたいと思います。
 この法案と日本中央競馬会で働いている従事員の人たちについて、この法案が皆様方のところに影響があるのではないかということで大変心配されております。
 日本中央競馬会の話によりますと、昨年の有馬記念、これは去年の十二月の二十二日に開かれておりますが、中山だとか、そして阪神だとか、中京の競馬会の三つを取ってみましても、その時点で日本中央競馬会の職員というのは定数で約一千九百人おられます。従事員は約一万八千三百人であったとのことです。
 この従事員というのは、競馬の馬券を売ったり、そしてまた販売代金を管理している労働者なのです。日本中央競馬会の従事員の、馬券を売ったり、管理をしたりという、その従事員の方たちの仕事、これは雇用されれば六十五歳の定年退職まで働けることになっております。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 今回のこの法案の改正で、派遣期間に制限がない業務の追加があり、条文で、派遣先の通常の労働者の所定労働日数を、日数に比し相当程度少なくという、この規定がありますけれども、例えば日本中央競馬会で馬券を売っている職場では従事員しかいないわけですね。このようなことから、日本中央競馬会では従事員が通常の労働者であるわけなんですね。
 質問として、私は、そういうことでよいのですねということをまずお聞きしたいと思います。
 そして、もう一つお聞きしたいんですけれども、それは、今回の改正案は、従事員は対象にはならないということでよいということでいいのですねということで、明快な答弁をお願いいたします。

○政府参考人(戸苅利和君) 今回の派遣法におきます一か月間に行われる業務の日数が通常の労働者の一か月の所定労働日数に比べて相当程度少ないという場合に、派遣の期間制限なしに派遣業務が行われると、こういうことになっているわけでありますが、これは元々、常用労働者と派遣労働者の調和を図ろうということで派遣法はあるわけですけれども、そういった、例えば土日ですとか、あるいは月初め、それから月末、そういった限られた日にちに行われる業務、こういったものについては派遣を導入しても常用雇用との調和というものが図れるだろうと、こういうふうに考えて今回の法改正を提案させていただいたわけであります。
 この場合の通常の労働者といいますのは、一般の事業所では正規の従業員の方がおられるということで、そういう場合は正規の従業員の方が通常の労働者に当たるわけですけれども、今御指摘のとおり、日本中央競馬会で馬券の販売等を行っている業務に当たる方、従事員の方しかおられないということでありますから、この場合には、通常の労働者はその従事員の方が通常の労働者に該当すると、こういうことになるわけであります。
 したがいまして、従事員の方の労働時間に比べて更に相当程度少ないというふうなことになるわけでありまして、そう考えますと、今御質問のとおり、従事員の業務について、この今の第四十条の二第一項第二号ロが該当するということにはならないということで、御質問のとおり、派遣期間の制限の対象外になる業務には当たらないということであります。

○井上美代君 質問にそのとおりであるということで御答弁をいただきました。
 何といっても、派遣の問題は赤字解消などということで差し替えられないようにしなければいけないというふうに思いますので、そういう点でも一層の厚生労働省の御努力をお願いしたいというふうに思います。
 それで、先の方に進みたいと思いますけれども、派遣法の問題についてはいろいろ問題がありますけれども、最初のところを、資料を配っていただいたと思いますけれども、資料を出しております。山本議員が少しこのところに触れられましたけれども、資料も出しておりますので資料を見ながらやっていきたいと思います。
 私は、今度のあの派遣法の問題というのは、一九九九年に改正があって、それに続いてこの派遣労働を広げていこうというものだというふうに考えております。
 今回新たに規制緩和を進めるに当たっては、やはり一九九九年以降の派遣労働の実態というのがどうなのかということを私たちはもう一度十分にこの総括をする必要があるんじゃないかというふうに思っているわけなんです。
 まず、派遣元の企業の法令違反の実態、そして、派遣先の企業の法令違反の実態はどうなっているかということを政府参考人に御答弁願いたいと思います。

○政府参考人(戸苅利和君) 平成十三年度におきまして、労働者派遣事業に対します指導監督の件数といたしましては、まず、派遣元に対する指導監督件数四千九十六件でございます。そのうち、今御質問のとおり派遣法違反がどの程度あったかということになりますと、これは個々の指導したところでないと実は分からないということで、我々全体は把握してございません。ただそのうちで、やはり悪質であるということで文書指導したものというものが百三十三件と、こういうことになってございます。ですから、違反自体はかなりの数あると、それに対して指導しているということだろうと思います。
 それからもう一つは、派遣先への指導監督件数九百五十三件でありますが、そのうち文書指導を行ったのは五件ということでございまして、午前中に山本委員からの御質問ございましたが、もう少し文書指導を徹底するということが必要なんだろうというふうに思っておりますけれども、現状では、今申し上げられますのは、文書指導ということで把握している違反件数は今のような状況で百三十三件及び五件と、こういうことであります。

○井上美代君 今の数字というのは二〇〇一年の数字ですね。だから、この法律が実際に施行されるなどということになりましたら、これはもう本当にいろいろと出てくるというふうに思いますので、このような数字ではないものが出てくるのではないかと思うんですね。
 私は、法令違反のやはり状況について具体的にお聞きしたいんですけれども、四千九十六件のうち、労働者の派遣法の条文ごとに何条違反は何件、そしてまた指針に違反するものは何件という形で出せるのでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、文書指導の件数というのは把握してございます百三十三件、それから五件でございますが、そのうち、今、委員御質問のそれぞれの条文違反ごとに何件あるのかということについては私ども把握をしておりませんで、ただ、申し上げられますのは、例えば第四条、これは派遣を行ってはいかぬ業務について派遣が行われているケース、それから第七条、特定企業のみに派遣している、これは先日御質問がございました専ら派遣でございますが、これに違反している事案、それからもろもろの届出が十分でない、あるいは書類の整備が十分でないといった二十三条、二十四条の違反、それから派遣契約の内容に不備があったといった二十六条の違反、それから、最初の日の通知を受けずに、期間制限の最初の日の通知を受けずにやった事案と、そういったもの、どういう条文の違反ということは分かっておるんですけれども、それぞれの条文ごとに何件あったということまで現在の指導監督の報告の方式では把握できていないと、こういう状況であります。

○井上美代君 今のような御報告、御答弁なんですけれども、私は、今後の問題として、やはり調査については研究をしなければいけないんじゃないかと思うんですね。非常にやはり悪質な人たちもいらっしゃるんですね。そのことはもう皆様方の方がよく御存じだと思いますけれども。私は、やはり今後の調査の方法をどういうふうにすればそういう違反を抑えることができるのかという、そういう結果を出すような方法でやってほしいということをお願いしたいというふうに思います。
 それで、法改正の議論をするのに、法令違反の全体状況を担当官庁が把握しようとしないということ、これは非常に重大な問題であるというふうにこのたびも考えたわけなんですけれども。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 そこで、これは別の省なんですけれども、総務省の地方管区行政評価局の派遣労働に対する調査がありますよね。二〇〇一年から二〇〇二年に掛けて行われたもので、一九九九年、改正後の派遣労働の実態を見ることができるというふうに思います。これもまた今度の法改正で更にいろいろと変化してくると思いますけれども、ここには、北海道、青森、宮城、広島等の全国九か所で行われたもののうち、インターネットで公表されている分だけをまとめたのがお配りした資料なんです。これを見ていただきますと、本当に法違反の実態というのが、もう余りにもひどいというふうに思って私は見たんですけれども、大変な内容であるというふうに思います。
 管理台帳の作成義務違反が、派遣元企業は百四十のうち六十五の企業で、四六%の違反ですね。そして派遣先企業は五十六のうち実にもう四十一の企業、七割以上が違反なんです。この派遣労働者の管理台帳は、労働者の管理を進める上でもう最も基本的な文書だというふうに思いますけれども、それがまず多くの企業で整備されていないということなんです。これもやはり今後の教訓にしていかなければいけないというふうに思いますけれども、そのような現状になっております。
 また、それ以外の法令違反を含めて、例えば北海道管区行政評価局では、派遣先二十業者を調査した結果、十七事業者、八五%で派遣法及び指針違反があったと、こういうふうになっているわけなんです。徳島の行政評価事務所では、七つの派遣先のうち六つの派遣先で、七事項、延べ十七の不適切な事例があったと、こういうふうに報告されております。
 大臣は、このひどい法違反の実態をどのように認識されるでしょうか。さらに、規制緩和を進められる状況ではとてもないというふうに思いますけれども、その点どのようにとらえておられるでしょうか。御答弁をお願いいたします。

○国務大臣(坂口力君) 今、先生からお配りをいただきましたこの表を私もずっと見せていただいているわけでございますが、これ、派遣元の事業者数というのが百四十というのは比較的少ないように思いますけれども、これはトータルの数字なんでしょうか。ちょっとそこを私も分かりかねますが、いずれにいたしましても、この管理台帳の作成義務違反でありますとかいうのが四十一件というふうにして非常に多い。また、その他にもございますけれども、一番基本的なところで義務違反をしているのが多いということは、これは大変なことだというふうに思っておりまして、これはこれからもきちんと見ていかないといけないというふうに思います。

○井上美代君 やはり私は、これは製造業まで全面的に解禁をするという今度の法律からすれば、まだ違反というのも少なかったというふうに思うんですね。それでも、こうして見てみると大変な違反になっているわけで、ここは大臣、是非改善をするというところでやっていただきたいというふうに思います。
 私は、具体的な例を挙げながら、今度の派遣法の中身について質問をしていきたいと思います。
 今見ましたように、行政評価局の調査を見ただけでも、本当に今後の規制緩和は、それを改善してからしかできないというぐらいに思っているわけなんです。違法な派遣元、そして、派遣先を取り締まるに当たって、どういう問題があるのかということなんです。派遣法では企業責任がどのように問われているのかと、そして厚生労働省の指導監督は機能しているのかというところで考えてみたいわけです。
 まず、法律上の問題ですけれども、現在の労働者派遣法の重要な欠陥というのは、派遣先の責任が不十分なことだと思うんです。派遣先というのはほとんど法的な責任を問われず、派遣元はお客である派遣先の歓心を買おうと必死になっております。ここに派遣先におごりが表れてまいります。そして、歯止めがなくなり暴走してしまうという原因があるのではないかなと思っているんです。
 派遣先の責任を考える上で本当に象徴的とも言えるような事件を取り上げて質問します。
 これは有名な企業ですが、ヨドバシカメラというのがあります。そしてもう一つ、DDIポケットというのをここで売っているわけなんですけれども、そういうことで超有名な企業ですけれども、これが、派遣労働者の現場で二十代の若い青年Aさんが暴行されたという大変衝撃的な事件が起きました。
 私もお聞きしていてとてもつらい思いになりましたけれども、Aさんはイー・パーソンズという派遣会社に登録型派遣社員として登録をしておりました。実はこのイー・パーソンズというのは、この派遣会社というのは労働者の派遣業の許可を受けていません。そして、Aさんは今年の一月からヨドバシカメラにDDIポケットの製品を売る販売員として派遣されました。ヨドバシカメラの店舗の一角でヨドバシカメラのマネジャーという人がいて、その人が、正社員の人ですけれども、指導監督をしているわけなんです。そして、三月のある日ですけれども、Aさんはヨドバシカメラの売場に立つのが十分遅刻しました。そのためにイー・パーソンズの社員にとがめられ社内で暴行され、そしてペナルティーとして便器をなめろと言われました。イー・パーソンズのその社員は実家まで追い掛けてきました。そして、母の目の前でAさんの顔面がもう血だらけになって、私も写真も見せてもらいましたけれども、暴行を加えられたということです。DDIポケットにまで連行して謝罪させたという事件なんです。
 私は、Aさんは、本当に顔面打撲、そして口腔内の挫創、そして肋骨の骨折などで入院し、全治二か月の重傷を負い、このイー・パーソンズの社員は、既に暴行罪、そして傷害罪で起訴され、罰金刑も確定しているという、そういう事件です。しかし、罰金を払ったからといってこのお母さんと息子さんの心の傷はいやすことはできないんですね。
 私は、この事件は、ただの暴行事件として済まされないと考えているんです。イー・パーソンズは無許可の企業です。そういう企業が、ヨドバシカメラという名立たる大企業が派遣労働者を受け入れているということなんです。
 そこで、まず私は確認をしたいんですけれども、お示しした資料が二枚目あります。それを見ていただきましたら、これはAさんということでお名前は消してありますけれども、Aさんに関する事項が皆ここに書いてあるんです。これで見ますとAさんとイー・パーソンズの雇用契約になっています。就業時間の欄のところ、そして休日の欄のところに派遣という言葉にあるとおり、派遣労働契約であることは明白なんです。
 そして、就業場所の欄にあるように、このヨドバシカメラの都内のある支店で働くこととなりました。Aさんたちの派遣社員はヨドバシカメラの社員から日常的に指導を受けていました。そして、商品の説明の仕方を教わり、また棚卸し、仕入れ作業の命令を受けます。そして、髪型や身なりの注意も受けており、Aさんは仕事上のミスでヨドバシ社員に暴行を受けたこともあります。こういうことで、実態上の労働関係を見ますと、派遣元は当然イー・パーソンズ、そして派遣先といいますのは、労働者を指揮指導するわけですから、指揮監督するわけですからヨドバシカメラということになると思います。
 これは、私どもはそれを分かるんですけれども、私は、こういうふうに今説明したような関係であるならば、これはヨドバシカメラというのはどういうことになるんだろうかと思いますが、参考人の方、いかがでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 今御質問のイー・パーソンズの事案ですけれども、現在、DDIとの関係、それからヨドバシカメラとの関係、関係者が三者あるものですから、その辺りの関係を調査を進めているというところでございます。
 労働者派遣は言うまでもなく、派遣元の事業主が自ら雇用している労働者を他人の指揮命令を受けてその当該他人のために労働に従事させると、こういうことでありまして、もしこれにその実態が当たっているということであれば、許可を取っていない派遣元でありますイー・パーソンズは派遣法違反でございますし、それから許可を取っていない派遣元たるイー・パーソンズから派遣を受けています派遣先のヨドバシカメラも派遣法違反になると、こういうことになると思います。
 ただ、その辺りについては現在調査を進めているということでございます。

○井上美代君 今御答弁がありましたけれども、私は、もう何としても調査をきちんとしていただきたいと思うんですね。やはり、この無許可の問題、そして三者関係というのが、労働者の方には、ましてや若い方たちにはとても分からないわけです。だから、非常に不明朗な関係になっているわけですね。これを見分けは簡単には付かないわけですね。そして、仕事をしたいその一心で青年はいるわけですから、だから、やはりそこが分からないままにこのようなところにはまり込んでしまったという、これは決して私は例外ではないというふうに思うんですね。
 恐らく業務委託を偽装したものだというふうに思うんですけれども、私は、そこはやはりもう本当に徹底して調査をしてほしいと思うんです。そして、二度とこのような青年が出ないように私はしていかなければいけないんじゃないかというふうに思いますので、徹底的に厳正な調査をやるということ、そして、このように不明朗になっている三者の関係のような、これは業務委託かどうか調べていただきたいんですけれども、そういうことのないようにしていただきたいと、このように思います。よろしくお願いいたします。
 それじゃ、次に移りますけれども、問題は、こういった、雇用者はだれなのか、使用者はだれなのかよく分かりにくい関係の中で若い青年の労働者が翻弄されて、そしてその権利が踏みにじられているということが現状にあるということですね。私は、こういうところを私たちの責任としてもしっかり見ていかなければいけないんじゃないだろうかということをこのたびのこの事件を聞きながらつくづく思いました。
 Aさんは一貫して、自分はDDIポケットとイー・パーソンズからヨドバシに派遣されているのだと思っていましたと、またそう教わって来ましたと。私は大変怒りを覚えたのは、Aさんの労働条件なんです。もうこういうやり方自身も、大きな国としての責任もあるというふうに思いますけれども、労働条件を資料の③、④で見ていただきたいというふうに思います。
 半年契約で一日八時間、週五日の勤務にもかかわらず、社会そしてまた労働保険にも一切入っていません。さらに、私、先ほど十分の遅刻と言いましたが、Aさんたちイー・パーソンズからの派遣労働者は、十時半にヨドバシカメラに出勤して、そして十時四十五分までに売場に立つように命令されていました。しかし、賃金が支給されるのは十一時からなのです。だから、そこには言ってみれば朝のただ働きがあるわけなんです。開店時間はそのずっと前だから、店は既にお客さんであふれています。ですから、売場に立つということは全くの通常の販売業務を始める、それが十一時だということなんですね。それなのに、もっと早くから来てもう店に立っていなければいけない。つまり、十時四十五分からの十五分は賃金不払の早出残業となっているのです。
 しかも、この時間に遅れたことを理由に謝罪させられ、挙げ句の果てには暴力されたのですから、本当に全くもうひどいもので、もう言語道断。もう、この母親とお子さんが精神的にも本当に大きな衝撃を受けている姿を私見まして、本当にひどいというふうに思いました。
 もう一つ問題だと思うのは登録型派遣労働者の研修の問題です。
 質問でも研修の問題など出ておりましたが、このAさんたち派遣労働者は、ヨドバシに派遣されることが決まるとヨドバシ講習というのを受けるんです。この研修を一日受けているのですけれども、これは全くの無給です。これは当然断ることができない研修ですし、業務命令の一環のような研修なんです。
 登録型派遣では、こういった派遣を前提として、無給の研修が広く行われているのではないかと、私いろいろ聞いておりますけれども、確認は取っておりませんから、思いますと、広く思われているのではないかと思いますとあえて申し上げますけれども、これはきちんとやっぱり給料を払っていくべきだというふうに思うんです。
 以上、私、社会・労働保険未加入の問題、そして不払賃金の問題、研修の無給の問題、いずれもこれは調査と厳正な対処を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。政府参考人の御答弁をお願いいたします。

○政府参考人(磯部文雄君) 社会保険の適用につきましては、法人の事業所であって常時一人以上の従業員を使用しているものについては社会保険の強制適用事業所に該当し、二か月以内の期間契約である場合等を除き、当該事業所と常用的使用関係にある従業員を社会保険の被保険者として取り扱うということになっております。この場合、政府管掌健康保険及び厚生年金保険を適用し、保険料を徴収するということになろうかと思います。
 御指摘の事例につきましては、今後、事実関係を十分把握した上で適切に対処していきたいと考えております。

○政府参考人(松崎朗君) まず、労働保険の関係でございますけれども、労働保険は、御案内のように、労災保険と雇用保険の総称でございます。これも社会保険と同じように、一人でも雇用している労働者がいれば当然適用となるわけでございます。また、特に労災保険につきましては、個人を特定することなく、その事故が起こったときに雇用されておれば当然適用になるというふうになっております。
 なお、雇用保険の関係では、やはり社会保険に近いような格好で、勤務年数でございますとかそういったもので、個人個人についての適用でございますので、そういった要件がございますので、そういった雇用契約の状況等を見て適用になるかならないかといったことは判断されることになろうかと思っております。
 それから二つ目、もう一点の労働基準法の関係だと思いますけれども、まず労働時間の考え方でございますけれども、ちょっと順序逆になるかもしれませんが、とにかく研修であろうが朝礼であろうが、例えば体操であろうが、とにかくそういったものの参加につきまして就業規則なり上司の命令というもので義務付けられておりまして、さらに、それに違反した者が言うならばペナルティーが掛けられるといったように、本当にその業務上の命令によりしなければならないというものであれば当然、これは一般論でございますけれども、労働時間になるというふうに考えております。
 また、したがいまして、そういった時間を含めて、法定労働時間をオーバーすれば三六協定、それから、並びに時間外割増し賃金というものが必要になるということでございます。
 そういったことで、一般論を申し上げましたけれども、個別の案件についてはどうこうというのは分かりませんのであれでございますけれども、やはり現場の監督署におきましては、実際に具体的な問題につきまして労働者の方等から具体的な事案につきましての相談でございますとか申告等ございます。そういった場合にはきちんと適切に対応しているというところでございます。

○井上美代君 研修の問題については、賃金の、労働時間の問題で言われたんでしょうか。もう一度ちょっと、はっきりとお願いします。

○政府参考人(松崎朗君) これは研修でございましても、その研修の参加というものが業務命令でなされておって、それが義務付けられておるということであれば労働時間に、通常労働時間に入るというふうに考えられます。

○井上美代君 これは本当に業務命令で、それを受けないと、ヨドバシカメラの中身をずっと、どう従事していくのかを研修しているわけですから、これを受けないと仕事ができないと思うんですね。だから、そういう意味でもこれは払わなければいけない賃金だというふうに思うんですけれども、私は、やはりこれも厳正に調査をしていただきたいと思うんです。よろしくお願いします。もう一度、調査をしていただけるでしょうね。

○政府参考人(松崎朗君) 繰り返しになりますけれども、具体的に一番よく知っておられる方、そういった問題を抱えられておられる方がやはり監督署に来ていただいて、相談なり申告をきちんとしていただくということからスタートさしていただきたいというふうに考えています。

○井上美代君 次に行きますけれども、この事件の一つの背景を成しているのは、やはり現行の派遣制度において派遣先の労働者に対する責任が非常に弱いという問題があるというふうに思うんですね。無許可の業者から派遣労働者を受け入れた場合、派遣元は法律違反になるのでしょうか。どういう罰則があるのでしょうか。また、社会保険に入っていない派遣労働者を受け入れた場合には、派遣先にはどのようなペナルティーが掛かるようになっているのでしょうか、教えてください。

○政府参考人(戸苅利和君) 派遣法は、そもそも派遣法制定時にいろいろ議論いたしまして、派遣先の取扱いをどうするかという議論を随分行ったわけでありますが、事業規制であるという法の基本的な性格から、なかなか、事業のユーザーたる派遣先に罰則を科すというのは非常に難しいんじゃないかというのが、実はこれは法務省ですとか関係の省庁の御見解でもあったわけであります。
 そういった中で、今どういうことにしているかといいますと、まず、無許可の派遣会社から派遣を受け入れた派遣先、これにつきましては、当然、派遣法の二十四条の二に違反するということになるわけであります。
 これに対しましては指導、それに従わなければ是正勧告、更には公表ということで、まあある種の社会的な制裁ということで公表というところまで行うということにしております。
 それからもう一つ、社会・労働保険の加入資格があるにもかかわらず未加入の派遣労働者を受け入れた派遣先でございます。これにつきましては、派遣先が講ずべき措置に関する指針の違反と、こういうことになりますので、法律違反というところまで至りませんものですから、指導の対象ということでございます。

○井上美代君 無許可業者を受け入れたことで派遣先が厚生労働省から勧告されたことがありますか。

○政府参考人(戸苅利和君) 無許可の派遣会社から派遣を受け入れました派遣先に対しましては、先ほど申し上げましたように指導し、さらに、それに従わない場合は是正のための必要な措置を取るべきことを勧告しと、こういうことになっているわけですけれども、これまでは指導をしまして、それによって是正が図られているということでありまして、勧告に至ったケースはございません。

○井上美代君 それでは、企業名の公表という制裁を受けたことがありますでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) これも、勧告を行った上でなお是正しないという悪質なケースで公表ということでございますので、勧告もゼロでございますから公表もゼロと、こういうことであります。

○井上美代君 お聞きのとおりです。たとえこういうふうにいろんな違反があっても、助言、指導、勧告、公表というふうになるんですね。
 しかしながら、やはり勧告、公表、行ってないと、ないということですので、これは本当に大変なことだというふうに思います。これをやはりきちんとしていかなければいけないわけですから、そういう中でこの派遣法をまた製造業にまで拡大していくなどということはとても許されないということだと思います。
 大臣、このような、今言われましたような中身ですけれども、いかがですか。私は、これはちょっと改善を早急にしなければいけないというふうに思いますが。

○国務大臣(坂口力君) 内部でもいろいろ話をしているところでございますが、今後、そうしたやはり企業の在り方というのは、これは問われるわけでございますから、現状のようなことでいいのか、それでも、そうしたことをやっておりましても増えてくるというようなことであれば、それは現状のままにおいておくというわけにはいかないわけでありまして、検討したいと思っております。

○井上美代君 無許可の事業者から受け入れた場合は、派遣先へのペナルティーを科すためにも、派遣労働者の雇用を守るためにも、やはり派遣先にその労働者を雇用する業務を負わせるべきだと思いますけれども、その点もどうだろうかというふうに思っております。
 また、保険未加入の労働者を受け入れた場合には、派遣先にも保険料負担をさせるべきではないだろうかというふうにも思いますけれども、その点はどうでしょうか。こういう罰則を設ければ、未加入者が入ってくるなどということは少しは防げるんではないだろうかというふうに思っておりますけれども、その点いかがでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) ここはなかなか実際に行うとなるといろいろな議論があるんだろうと思います。例えば、無許可の業者を、許可されていると思って間違ってというか、不用意に受け入れてしまったとか、いろんなケースもあるんだろうと思いますし、それから、日本の賃金の制度の実情、そういうものを考えますと、派遣労働者をそこで直接雇用を義務付けるといったときに、労働条件をどうするのかという辺りもやはり解決すべき問題もあるというふうに思います。
 それから、派遣労働者自身が派遣という形で働き続けたいといったような場合の取扱いをどうするのかということもありまして、議論としてはいろんな形でそういった御提案はあるわけでございますけれども、これについてはやはり我々としては慎重に検討をする必要があるんだろうと思います。
 ただ、先ほど来御指摘がございますように、やはり我々の第一線機関におきます指導監督、これはやはり徹底を欠いていると、徹底さを欠いているということは我々ももう否定すべくもないわけであります。
 そういった意味で、必ず文書で指導するとか、あるいは、何といってもハローワークの職員なものですから、ハローワークというのはサービス業務であるということでずっと就職以来来ているという職員も多いという中で、こういう権力的といいますか、権限的業務というか、こういったことにちょっと慣れていないということもありまして、そういった意味で、担当の職員の研修もやはりもう少しきちんとやらぬといかぬなと思って、その辺りも今後改善を図りたいというふうに思っているところであります。
 それから、未加入の派遣労働者を、社会労働保険の未加入の派遣労働者を受け入れた派遣先に保険料を負担させるということの問題であります。
 確かに、ヨーロッパの中ではそういったことをやっている国があるわけですけれども、日本の場合は、派遣法の立て方というのが、従来、労働者供給事業で請負元と発注元とが雇用関係が不明確になってどっち付かずになって問題が起きたときに雇用主責任のなすり合いをやるというふうなことがあった中で、むしろ派遣を導入することによって、派遣元に雇用者責任を明確にしようと、こういう立て方で派遣法を行っておりまして、そういった意味で、我々としては、社会・労働保険の未加入については、雇用主であります派遣元事業主に徹底して加入させるということが先決ではないか、こう思っています。

○井上美代君 いずれにしても、検討しているということをおっしゃいました。先ほどはこの派遣事業の規制、罰則を科するのはなかなか難しいともおっしゃいました。
 私は、難しいということで私ども国の政治をしている者としては逃げられないものだというふうに思うんですね。だから、やっぱり検討もし、そして罰則を科するということも、決してたじろぐことなくやっていかなければ、この業界はとても大変なことになっていくというふうに思うんですね。だから、そういう意味で私は、是非、今言われました、検討して必ずやっていくということで受け取りましたから、頑張ってほしいというふうに思います。
 次に移りますけれども、無許可の事業者から受け入れた、私は派遣元の違法とそれから不正を取り締まるためにも派遣先にということを先ほどから申し上げているんです。社会保険は派遣元に課すということを言われたんですけれども、派遣先の責任をどうやっぱり取らせていくかということが、明確な責任を持たせる仕組みにもなっていくというふうに思うんですよね。だから、そういう意味で、派遣先には何しろ大企業がたくさん名前を連ねているわけなんです。だから、そこを恐れず私は派遣先にも責任を取ってもらうということが非常に重要だと思います。
 やはり大企業は経済力あるし、そして派遣先大企業が悪質な派遣元を利用して責任を問われない状態がある限りは、これはもう派遣法の作り出している問題というのは解決できないと思うんですよね。だから、派遣元を一定取り締まっても、後から後から悪質な派遣元が生まれてくるその土壌というのがあるわけで、それは派遣先が作っていると言っても過言ではないというふうに思うわけなんです。
 このヨドバシカメラの事件などは、決して個人の問題に、解消できないものがあると私は思っております。派遣制度において労働者保護が不十分であるために、派遣業界、派遣労働の現場ではもう労働者を物扱いとしてやっているという風潮が横行しているということを参考人の話からも聞きましたけれども、昨年、某大手の派遣会社が派遣労働者の無料お試しキャンペーンを実施などと、こういうふうに宣伝しているんですね。そして、世論の批判をこれは浴びたわけなんですけれども、その際、人材派遣業界も、道義的に労働者の物扱いはなじまないと、このように言っているわけなんです。
 だから、反省の態度を明らかにしたからこのときには良かったんですけれども、やはり物扱いをしているというところがあるわけで、私は、言葉だけではなくて、やはり派遣制度そのものの抜本的改善をしなければ、拡大したら拡大するほど問題は大きく広がっていく、そして派遣労働者たちはその被害に遭うということになるわけで、だから、その際やはりかぎとなるのは、やはり派遣先の責任をどうやっぱり許さないでいける、そういう仕組みを作っていくのかということにあると思いますので、是非その点を深く検討をしていただきたいというふうに思います。
 それで、次ですけれども、次の行政の監督体制の問題です。
 厚生労働省は、今回の改正を受けて、今後派遣労働者への監督体制を強化するというふうに言っておられます。具体的には、ハローワーク単位でやるのには限界がある、先ほどもお話が答弁の中でありましたけれども、そういうふうに限界があるということで、このたび都道府県の労働局に指導監督を一元化すると、こういうふうになっております。
 そこで、まず監督体制の現状について伺いますけれども、ハローワークには派遣関係の指導をする職員はどうなっているのでしょうか。そしてまた、全国では何人おられるのでしょうか。御答弁を願います。

○政府参考人(戸苅利和君) 労働者の派遣事業についての適正な運営確保のための指導ということで、これは専門的な知識を要するということで、民間需給調整関係の指導官というポストを始めとして労働者派遣事業の指導監督に当たる職員というものを配置しております。これは現在、全国で二百四十一名おります。

○井上美代君 都道府県労働局に一元化するといったときに、労働局の個別労使紛争処理制度に組み込まれるということはないでしょうね。
 また、今までのハローワークの機能を労働局に集中すると全体の人員体制として弱体化するのではないかということを心配するんですけれども、その点は強化というふうにしなければいけないと思うんですね、法律がまた広がるわけですから。そういう点では強化しなければいけないんですけれども、一方、一元化することによって弱体化したら困ると思うんですね。だから、その点はどういうふうになっておりますでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 労働者派遣事業自身が都市型の事業であるということがございまして、東京、大阪はもとよりなんですけれども、どこの地域へ行っても、県庁所在地あるいはそれに準ずるような大きな都市で派遣が中心に行われているということもございます。
 それから、今回、製造業派遣を認めるということにもなりました。それから、派遣期間の上限を最大三年までということになったということで、やはり労働者保護の観点、それから適正な派遣事業が行われ適正な派遣就労が行われるというふうなことを確保するというふうな観点から、指導監督体制を強化充実するということが我々にとっても大きな課題になっているわけでありまして、そういった中で、先ほど申し上げました都市型であるという辺りも考慮し、専門性が必要であるということも考慮して、都道府県の労働局に集中的に配置するということにいたしているところでありまして、今御懸念のように個別労使紛争処理に組み込もうというふうな考えは全く持っておりません。
 ただ、これをやることによって、個別労使紛争処理の中でも労働者派遣に関する紛争の相談というのは少なからずあるところであります。平成十三年の十月一日から平成十四年の九月三十日までの間に六百件弱ございます。こういったものの解決についても、円滑な連携ということが図られて、スピーディーな合理的な解決によりつながるんじゃないかというふうな効果もあろうかと思います。
 ただ、もう一点、御心配の点でありますけれども、我々もそういったことになってはいかぬという思いは同じでございまして、そういった意味で、ハローワークにおける相談体制とそれから労働局における指導監督体制、この辺りのバランスを、最も適切なバランスを保つようにやっていきたいということを思っていますし、あわせて、やはり朝からいろいろな指導監督が徹底していないじゃないかという御指摘をいただいておりますが、我々の体制自身に限界があるというのも事実でありまして、そういった意味で、やはり労働者派遣のその指導監督をする職員の体制の増強というかそういったことも、厳しい行財政事情ございますが、我々としては可能な範囲でそこの努力も行ってまいりたいと考えております。

○井上美代君 今、体制も限界があるというふうに言われましたけれども、やはりそこが正直なところだろうというふうに思います。
 強化をするということでありますけれども、まだこれからそれを実施していくわけで、派遣労働を広げて規制緩和を進めるに当たっては、やはり監督体制の不十分さというのは、もう本当に指摘するとおりですので、やっぱりその見直しをして人員体制を後退させないようにするというのは、これはもう絶対必要なことだというふうに思います。もう強化だけが、強化こそがと私言いたいんですが、強化こそが求められていると、今度の派遣労働の規制で。この点で大臣の御答弁を欲しいんですけれども。
 この法律が施行されて、少しでも改善されていく、強化されていくという意味で、大臣は、いよいよこれからの実行ですけれども、どのようにお考えになっているでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) 先日も地元に帰りましたら、税務署の職員よりも怖いのは労働省の職員だということを言われまして、余りそういうふうに言われるのもいささかどうかなというふうに私思っておりますが、しかし監督をちゃんとやらなきゃならないところはやっていかなきゃならないというふうに思います。
 数をたくさんやるというのも、それは必要なことかもしれませんけれども、例えば調査をするにいたしましても、私は数をたくさんやって一つ一つがルーズであったら何にもならないと思っております。たとえ数が少なくても、やる限りはそこをきちんとやるということの方が私は大事ではないかというふうに思っておりまして、人数は若干少ないかもしれないけれども、しかしそこでやるべきことはしっかりやるということが今求められているんじゃないかというふうに思っております。

○井上美代君 違反が多いときに数を少なくしたら、もう回り切れないというふうに思いますが。
 何しろ今まだ法律は決まっていない、二〇〇一年とか二〇〇二年の数字で余りにもひどい状態ですので、私はそこを強化してくださいということを繰り返して申し上げまして、先へ進みたいというふうに思います。
 登録型の派遣の問題について質問をしたいんです。
 登録型の派遣というのは、この委員会でも何回も言われておりますように、九割近くが女性です。現場の皆さんの話を聞いていると、三か月更新だとか一か月更新だとかといった雇用契約の短期化が非常に進んでいるんですね。登録型の雇用の不安定化が進み、いつ契約が切れるか分からずに一層弱い立場に追い込まれているということなんです。
 私どもは、そもそも登録型はやめるべきだというふうに考えておりまして、登録型を認めるとしても、少なくともそういう雇用契約を望む人たちだけに限定すべきだというふうに思っているわけです。今回、臨時的・一時的な労働力の需給調整の制度の期間制限を一年から三年に延ばすわけですが、三か月更新、一か月更新の繰り返しが増えるだけとなったら、本当にこれはいよいよ問題だというふうに思うわけです。
 派遣労働者から、派遣元、派遣先が結ぶ派遣契約雇用と、派遣元と今度は労働者の間の雇用契約の期間を一致させてほしいということはいろいろ論議もされておりますけれども、一致させる努力も重要というふうに職安局長は述べられました。その一方で、やむを得ない理由で一致できない理由もあると、こういうように述べられているんです。
 派遣元にとって一致させられないやむを得ない理由というのは一体何でしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 雇用契約は派遣元事業主と派遣を希望する労働者、派遣就労を希望する労働者の間で結ばれるわけでありますから、例えば、派遣労働を希望している労働者が派遣期間を一か月ないし二か月ということでお願いしたいと、あるいは、自分が一番希望している業務について適当な派遣先が今ないというのであれば、二、三か月今ある、注文の来ている派遣業務で働くけれどもその後はいい機会があればと、こういうふうなことで、派遣労働者の方の思いから雇用契約期間を短くしてほしいと、あとは別の人に派遣に行ってほしいと、こういったケースがあるんじゃないかというふうにも思っていまして、ですから、こういったものを一律に一致させるということはかえって派遣という自由な働き方の中で現実的ではないんじゃないかということを先日申し上げたところであります。
 ただ、この点については、附帯決議、衆議院の附帯決議でもやっていますので……

○井上美代君 短くお願いします。

○政府参考人(戸苅利和君) はい。
 なるべく雇用契約期間、派遣労働者の希望等も勘案して必要な配慮をするようにということになっていますので、この辺りで適切に対応したいと思います。

○井上美代君 今の問題で、登録型、原則的には一致させるべきではないかというふうに思っておりますけれども、大臣、この点についてはいかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) これは衆議院でも議論になりまして、附帯決議のところでも触れられたところでございます。
 それで、これ、恐らく派遣元の方は、契約した派遣労働者出しても派遣先の方で早く切られるようなことがあると困るものだから、先手打ってと申しますか、少しずつ行くということを多分やっているんだろうというふうに思うんですが、しかし、二年とか三年とか、かなり長い期間、それは派遣元と派遣先とのこれは信頼関係だと思いますし、ちゃんとそれが契約が結べるということになれば、その中でいわゆる派遣労働者の人たちをそんなに短く小刻みに切る必要はなくなるわけでありますから、私は、それは改善する道はあるんではないかというふうに思っておりますが、しかし、ここも少しいろいろの方面から考えていかないといけないので、現状をよく見ながら考えていきたいというふうに思っております。

○井上美代君 質問を終わります。

○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の森ゆうこでございます。
 まず最初に、六月三日の日本人材紹介事業協会今井参考人の意見聴取の中で、私としては少し違和感を持つ発言がありましたので、この点について政府参考人に確認しておきたいと思います。
 今井参考人は、意見聴取の中で、地方公共団体等の無料職業紹介事業の運営に当たっては民間業界の活用を配慮いただきたいと陳述されましたが、この点についてどのような見解を持っていらっしゃいますでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 今回の職業安定法の改正によります地方公共団体の届出による無料職業紹介でありますけれども、これはあくまでも地方自治体が自ら行うというのが要件であるわけでありまして、六月三日の日に、今井参考人の意見陳述の発言というのは恐らく、無料職業紹介を自治体に代わってやらせてくれと、こういうことではないんだろうと思います。もしそういうことであれば、我々は、それは当然許可を取ってやっていただかぬといかぬということだろうと思っています。
 したがって、これは多分、カウンセリングですとか、あるいは求人開拓ですとかセミナーの開催ですとか、まずそういう職業紹介の周辺分野での協力ができないかとか、あるいはノウハウについてアドバイスをするというふうなことは可能ですよとか、こういった趣旨ではないかというふうに思います。
 ただ、我々としては、いずれにしても職業紹介行う主体であります地方自治体の自主性でやっていただくというのが筋で、我々から自治体に向かってとやかく言うとか、あるいは業界に向かってとやかく言うとか、こういうことではないと思います。ただ、法律に沿ってきちんとやってほしいと、こういうことであります。

○森ゆうこ君 じゃ、確認しておきますが、地方公共団体のやる無料職業紹介事業、その無料職業紹介というそのものについては、これは当然地方自治体が直接やると、これを民間委託するというのは全く趣旨が違うと思うんですが、そもそも、委託したらそれはもう各企業の有料職業紹介と、そういうものになるわけで、おかしいと思うので、これはないということでよろしいですね。

○政府参考人(戸苅利和君) 我々が届出で可能にしようと思っておりますのは、自治体が自ら職業紹介を行うものでありまして、今、先生御質問のように、委託を、都道府県というか、自治体の委託を受けて民間の事業者がやれば、それは民間の事業者の行う職業紹介ですから、当然許可が必要になると、こういうことだと思います。

○森ゆうこ君 少し、済みません、質問の順番を変えさせていただきたいと思います。
 今日は、事務総長にわざわざこの委員会にお出ましいただいております。大変申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
 少し、済みません、大臣も後ほどになりますので、申し訳ありませんが。
 まず、岩田雇用均等局長に伺いたいんですけれども、この派遣の分野で、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律で、職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮、これに関しては、派遣元、派遣先の責任は双方が同等に負うというふうに考えてよろしいでしょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員が今おっしゃいましたように、セクシュアルハラスメントに関する事業主の配慮義務は、派遣元と派遣先、双方の事業主に掛かっております。

○森ゆうこ君 今日、この法律、法案の審議の中で、午前中の局長の御答弁にもございました。日本の派遣労働の世界というのは、三対一で女性の方が多いと、しかも、二十代から四十代ぐらいまでの比較的若い女性、つまり、派遣の問題というのは若い女性の問題であると、これが日本の特徴だというふうな御答弁がございました。そして、ほかの委員からも様々な御指摘がございます。この不安定な雇用情勢の中で女性が一層弱い立場になっていると。
 そういう中で、この規制緩和ですね、この今回の法案は。雇用労働行政に関する規制緩和なんですが、たびたび申し上げておりますように、規制緩和、規制緩和には自己責任と事後チェックと罰則の実効性の強化というものがセットでなければいけないと。つまり、労働力の移動をスムーズにして経済を活性化させなければいけないということは私も同じ考えですけれども、一方で、当然、労働者を保護するということが担保されなければならないと、そのように考えております。特に派遣の場合、この女性の保護というのがいかに図られていくかということについて非常に問題になっておりますが、そういう法案を審議しているこの参議院におきまして、皆様御存じのように、先般、参議院事務局における職員のセクハラ事件が起きたということが分かりました。
 それで、まず局長に伺いたいんですけれども、この件に関してどのような御見解をお持ちでしょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 個別の事案については、私自身はマスコミの報道以外の情報は持っておりません。また、私が所管しております男女雇用機会均等法は国会職員に適用がございませんので、そういう限定を申し上げた上ででございますけれども、セクシュアルハラスメントは、言わば労働者の尊厳を傷付け、職場の就業環境を悪化させて、女性労働者がその能力を十分発揮できるような職場になっているかどうかという観点から見ますと、いかなる職場であってもそういうことは絶対にあってはいけないものであるというふうに思っております。

○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 私、昨日、複数の国会関係者からこの問題に関して、まあいろいろな話になりますね、そのときに、今いろんなお話があったんですが、その中で私ちょっと非常に驚いたことがあるんです。それは、なぜ被害者の女性は、逃げてさっさと帰ればよかったじゃないか、なぜ嫌だと言わなかったのか、早めに帰ってしまえばよかったんじゃないのと、そういう御質問を複数の方から受けたんです。私はこれを聞きまして、大変驚いたと同時に大変がっかりしました。セクシュアルハラスメントということに関する基本的な認識がまだ皆さんないんだということがこの一言で分かりました。多分、局長も同じ感想をお持ちになると思いますが。
 そこで、局長からまず、このセクシュアルハラスメントというものはどういうことなのか、定義を皆さんに分かるようにお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○政府参考人(岩田喜美枝君) セクシュアルハラスメントは、男女雇用機会均等法第二十一条に規定がございまして、それによりますと二つの類型を示しております。
 少し法律の条文ではなく分かりやすく申し上げたいと思いますが、第一の類型は対価型と言われるもので、これは男性の性的な言動に対する女性の対応によって女性が労働条件上不利益を受けるようなケースです。もっと典型的な例を言いますと、例えば男性の管理職が女性に対しまして性的な関係を要求し、女性がそれを拒否したということを理由としてというんでしょうか、きっかけとして解雇される、降格される、減給されるといったような、典型的なケースはそういうことでございます。
 もう一つのケースは、環境型セクシュアルハラスメントと言われているものですけれども、これは男性の性的な言動により女性の就業環境が害されるということでございまして、必ずしも経済的な不利益を伴うものではないということなんですけれども、典型的な例としては、例えば男性が職場で女性の胸とか腰に触って、女性がそのことで苦痛を感じているといったようなケース、これらが該当するものでございます。

○森ゆうこ君 つまり、職場における上司と部下、このような力関係が存在するこの関係にあっては、上司は絶えず女性に対して、女性の側からすると、部下の女性の側からすると、セクシュアルハラスメントを受けているというふうに思わせる可能性があるということについて、やはり配慮を怠ってはならないと、そういうことでよろしいわけですね。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 均等法で直接規定しておりますのは事業主の責務としてでございまして、三つのことを規定しております。
 一つは、職場でセクシュアルハラスメントが起きるということがあってはいけないという企業の方針を明確に示して、それを職員に周知をしているということ。そして二つ目には、セクシュアルハラスメントの相談の体制、窓口をしっかり作って、それを職員に周知をしているということ。そして三つ目には、万が一セクシュアルハラスメントが起きたときには、迅速、的確に対応すること。これが事業主に均等法に基づいて直接課されている配慮義務でございます。
 今、委員が言われましたように、職場でセクシュアルハラスメントが起きるということは、これは権限とは無関係ではございませんで、やはり権限が強い方、上司に対しては部下が、仕事をもらう方が仕事を与える方よりは弱い関係にあるわけでございまして、そういう職場の力関係の中で起きるという問題であるというふうに考えております。

○森ゆうこ君 それで、今日、事務総長においでいただいたんです。このような問題で総長をこの委員会にお呼びするということについて、他の委員からもいろいろ批判がございました。しかし、あえて呼ばせていただきました。
 といいますのは、先ほども申し上げましたように、今回のこの法案審議で、正に女性の、若い女性の労働者の保護ということについて大変いろんな問題が指摘されている。そういうその問題を審議しているこの参議院においてこの問題が起きたということについては、私は大変遺憾であると思っておりまして、この件について総長の御見解、そして、この種の事件の発生を防止するためにこれまでどのような対策を取ってこられたのか、これが十分だったとお考えなのか、また、今後どのような対策を考えていらっしゃるのか、さらに、総長としての説明責任をどう果たされるおつもりなのか。
 私は、もちろん被害者のプライバシー、これは重要な問題だと思います。しかし、説明責任ということに関しては、国民のだれもが、国会の中は皆なれ合いで、官僚は官僚同士、そして政治家は官僚とのもたれ合いで、こういう問題をなるべく出さないようにしようとしているんじゃないかと、そういうふうに言われている部分もございますので、その辺についてきちんと説明をする必要があると思いますので、総長の御見解をお願いいたします。

○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。
 御質問の件につきましては、既に報道等も行われているわけでございますが、この私どもの事務局におきましてセクシュアルハラスメント行為がございまして、これに関連した複数の職員に対しましては、国会職員法に基づく懲戒処分及び内部規定に基づく処分を行ったところでございます。
 本院事務局職員がかかる不祥事を起こし、国民全体の奉仕者たる国家公務員に対する信頼を損ないましたことにつきまして、衷心よりおわびを申し上げる次第でございます。
 これまでの事務局における取組でございますけれども、セクシュアルハラスメントにつきましては、個人の尊厳と人格を不当に侵害するほか、職員の勤務能率や職場秩序に悪影響を与える重要な問題と考えておりまして、これまで、平成十一年六月二十九日に参議院事務局職員のセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する件を定め、当該規定を周知徹底するため、新規採用職員、係長、課長補佐を対象に研修を定期的に実施してきたところでございます。
 立法府にある職員は高い倫理を保持しつつ、その職責を果たすことが何より肝要であると考えておりますので、今後、かかる不祥事が起こらないよう綱紀の粛正を図るとともに、来週にも全管理職を対象とした研修を行い、職員が職務に専念できる良好な勤務環境を確保するために果たすべき管理者の役割、責務、心構えについて再度徹底することといたしております。
 今回の件につきましては、事実関係の確認、参議院事務局国会職員考査委員会における審査等、慎重に手続を進め、処分の確定後、事務局内に周知を行うとともに、直近の議院運営委員会理事会に御報告をさせていただいております。
 今回の事件を受けまして、苦情相談体制の充実、防止マニュアルの整備等、速やかに検討・実施するように指示をしたところでございますが、今後、更に対外的な公表の在り方を含め、具体的な対応策を引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
 このような不祥事が生じましたことについて、事務局全体の指揮監督を行う者として、改めて深くおわびを申し上げる次第でございます。

○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 大臣に、このことについて一言伺いたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、昨今のこの厳しい雇用失業情勢の下、セクハラを受けても、リストラをされたくない、又はさっきもありました細切れになっている派遣労働の実態というのがありますので、その契約を打ち切られたくない、そういう思いで、セクハラを受けても泣き寝入りをしている女性もいらっしゃると、そういう話も伺っておりますので、この今回の事案につきまして、男女雇用機会均等法を所管する大臣として、また、ただいま派遣法を審議している点を踏まえまして、坂口厚生労働大臣の御見解をお願いいたします。

○国務大臣(坂口力君) 先ほど局長から答弁のあったとおりでございまして、このセクシュアルハラスメントは、どういたしましても徹底をして、そして女性の皆さん方に迷惑の掛からないといいますか、女性の皆さん方が嫌な思いをされるようなことのない職場、やはり男女平等に本当に仕事ができる、そういう職場をどう作り上げていくかということにあるというふうに思います。
 一番大事なところは、男女が本当に対等にどう職場を作り上げていくかということにあるだろうというふうに思っておりますので、そういう観点から、これは民間企業その他は言うに及ばずでございますが、私たちそのために更に努力をしなければいけないというふうに思っておりますし、また、そうしたことで非常に企業に対しましていろいろの教育も行い、そして成果を上げておみえになります企業もあるわけでございますので、そうした企業に対しまして、私たち、ただ一方的に、あれをしてはいけない、これをしていけないと言うだけではなくて、そういう企業に対しましては、やはり時にはおいでをいただきましてお礼を申し上げると、そんな機会も作らないといけないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 これはセクシュアルハラスメントだけではなくて、もう少し広い意味で、女性の働く場をどう作り上げていくかということにもう少し広げて考えて、そして女性が対等に働いていただける職場を一日も早く作り上げなければいけない、そういうふうに思っている次第でございます。

○森ゆうこ君 大臣から本当にすばらしい御発言、御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 もうセクハラ、セクシュアルハラスメントという言葉についてはもう皆さんがよく分かっていらっしゃるのかなと、このことについてはもう皆さん本当にそれぞれ同じ認識を持っていらっしゃるのかなと思っておりましたら、本当に今回の出来事をきっかけに、まず基本的なことがまだ皆さんに理解されていないということをつくづく感じたわけでございます。
 今後とも、今ほど大臣から御答弁ありましたように、更に私どもも頑張ってまいりますけれども、更に当局におかれましても御努力をお願いして、この件に関しての質問は終わりたいと思います。
 総長、どうもありがとうございました。御退席いただいて結構です。
 済みません、それでは続きまして残りの質問させていただきたいと思います。
 鴨下副大臣に伺いたいと思います。
 ちょっと飛ばしちゃったので、質問がどれか分からなくなったのかもしれませんが、少し大分飛ばしました。
 今ほどは、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律についての、派遣元、派遣先の責任は同等であるというお話でした。そのほか、厚生労働省が作ったパンフレットなんですが、労働基準法について派遣元が責任を負う事項と派遣先が責任を負う事項と幾つか分かれているわけです。多岐にわたりましてなかなかこれが、先ほども山本委員からもありましたけれども、法令遵守ということが本当に徹底されなければならないわけですが、それも、企業の方も問題意識を持っていらっしゃるということなんですが、労働基準法三十六条に基づく時間外労働協定は、派遣元事業主と派遣労働者が結ぶことになっております。協定自体は結ぶことになっておりますが、労働時間管理は派遣先が行われることになっておりますが、こういった派遣元、派遣先に責任が分かれているような状態で、ほかにもあるんですが、労働基準法が遵守されているとお考えなのかどうか、大臣、よろしくお願いいたします。

○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生からの御質問は二点あるんだろうというふうに思いますが、まず、労働者の派遣事業者に対する、言ってみれば基準法等について監督をきちんとして、言ってみれば様々な法律について遵守されているんだろうかと、こういうようなことをきちんとチェックしろと、こういうようなお話であります。
 今、特に労働者の派遣事業を行う事業主及びその派遣労働者を受け入れている派遣先に対しましては、これは定期的な計画的な指導が行われているわけでありますし、あともう一つは、例えば請負等の受注、そして発注事業者の把握とそれらに対する指導と、こういうようなことと、それから労働者からの申告等により問題が認められた事業所への指導、こういうようなことを行っておりまして、適正な労働者派遣事業の運営の推進と、こういうようなことはかねてからも進めているわけでありますが、今回、特に物の製造の業務への労働者派遣が可能になりますと、これは製造現場においても請負と派遣を明確に区別しなければいけないとか、労働者派遣、そして請負のそれぞれがともに適正に行われるように、ある意味で十全に指導していくと、こういうようなことが必要であるという点から、公共職業安定所に分掌されている指導監督業務を、これを都道府県の労働局に一元化しまして指導監督体制を図っていくと、こういうようなことでございます。
 さらに、もう一点につきましては、これは、先生がおっしゃっていたのは労働基準法の三十六条、いわゆる三六協定に伴って、時間外の労働時間管理をどういうふうに行っているか、そしてそれは労働基準法が遵守されているのかと、こういうような話でありました。
 これは、労働者派遣という就業形態におきましても、派遣労働者に関する労働基準法の適用につきましては、これは派遣労働者と派遣契約関係にある派遣元が責任を負うことが原則でありますけれども、派遣先事業主が業務遂行上の具体的な指揮命令を行うなど、派遣先事業主に責任を負わせることが適当なものにつきましては派遣先に責任を負わせていると、こういうようなことになっているわけであります。
 労働時間につきましては、特に時間外・休日労働協定を締結して届け出ることにつきましては、これは派遣労働者と労働契約関係にある派遣元の責任としておるところでありますけれども、労働時間管理につきましては、事業場において実際に派遣労働者に業務遂行上の指揮命令を行う派遣先の責任としているところでありまして、指導監督の際に労働基準法違反を確認したときにはこれは所要の改善を行ってもらうわけでありますけれども、このことにつきましては、特にこれから派遣労働者につきましては労働基準法が遵守されるようにしっかり努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 そのようになって、そのように守られなければいけないことになっているんですけれども、つまり契約自体は派遣元とやると、実際は派遣先だと、こういうふうに分かれていることによって過剰な長時間労働を強いられているような実態があったときにこういう問題を解決することが非常に難しいのではないかという指摘があるわけで、この辺のところをやはり改善すべき必要があるのではないかと思いますが、一言だけお願いします。

○副大臣(鴨下一郎君) 派遣元と派遣先の間で締結されますこれは労働者の派遣契約におきましては、派遣就業の開始・終了時間等を定めることとしているわけでありますけれども、派遣元とそれから派遣労働者の十分な協議により締結された適切な時間外、それから、休日労働協定の規定に従って派遣労働者の時間外労働は行われる、こういうようなことと考えているところでありまして、先生御懸念の部分は、これは我々も十分に配慮した上で、是非基準法にのっとってそれを遵守されるように、繰り返しになりますけれども、努めてまいりたい、このように考えます。

○森ゆうこ君 遵守されるかどうかと、その実効性についてがテーマだったと思います。この派遣法、職業安定法の改正につきましては、何度も申し上げておりますが、規制緩和、それに見合うだけの労働者保護が、その実効性がどうなのかということが私は今日まで確信が持てませんでした。
 それで、最後に大臣に伺っておきたいんですけれども、坂口厚生労働大臣、今回、派遣期間の上限が一年から三年に延長されるということなんですが、私、そもそも、この臨時的・一時的雇用ということが、三年が本当に臨時的・一時的なのかというそもそものやっぱり疑問があります。石の上にも三年と言うじゃないですか。三年て結構な時間だと思うんですよね。だから、この三年が一時的・臨時的雇用に当たるのかどうかそもそも疑問があるんですけれども、これが将来なし崩し的に四年、五年と延長されるというおそれはないでしょうか、大臣、坂口大臣に伺います。

○国務大臣(坂口力君) 一時的な雇用といいます限りは三年辺り、この辺のところが一つの区切りではないかというふうに私は思いますが、将来どうなるかということまで私申し上げる資格はありませんので、将来は将来でまた皆さん方お決めをいただくわけでございますから、そこまで私申し上げることはでき得ませんけれども、私の感じとしましては、臨時・一時的という限りはこの辺のところではないかというふうに思います。
 また、日本が見習ったといいますドイツなんかは、期限を付けずにずっと派遣というのを考えるというようなことも導入されているようでございますが、しかしそれは、全体の派遣というものに対する、全体の考え方をどうするかということを抜きにして、期限だけ取り出して、向こうが長くしたからこちらも長くするというようなことではいけないわけでありまして、それはやはり全体の様々な定めの中で派遣業というものをどうするかということを外国も決めているんだというふうに思いますから、現在の状況の中で言えば一つの限界ではないかというふうに私は思っております。
 ただ、先ほど申しましたように、将来のことは私に申し上げる資格がございませんので、また将来は将来でお考えをいただくと思います。

○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 私の質問はこれで終わりですけれども、規制緩和に伴うきちんとした新しいルール、これからの雇用情勢、労働市場に見合った新しいルール、それを作って労働者の保護をきちんと図るべきだということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────

○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として山根隆治君が選任されました。
    ─────────────

○大脇雅子君 職安法、労働者派遣法の改正法案に関連してお尋ねいたします。
 まず、職業安定法の改正について、第三十三条の四項で兼業の禁止規定が削除されました。衆議院厚生労働委員会の附帯決議第七項は、特に貸金業者の職業紹介事業について、許可基準において必要な対応を図ることとなっておりますが、その内容はどうなるのでしょうか。
 さらに、ローン等の返済に迫られて、債務者が強制的に返済能力を高めるために風俗営業とか飲食店等への気に染まない転職を迫られるようなことがあってはなりません。事態が発生したのでは遅過ぎます。少なくとも業種別で職業紹介の規制が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 今回、兼業禁止規定を削除ということを行ったわけであります。これは、ILOの勧告が撤回されたということ、それから、かねてから、例えばリサイクルをやっている業者、これが職業紹介もやりたいと。例えばNPOとか公益法人とか、そういったところからの要望もございまして、その辺りを総合的に勘案して今回撤回をいたしたわけであります。
 かといって、今、先生おっしゃるように、求職者の保護に明らかに欠けるということが事前に予測される場合に、それを阻止するというか防止するということは当然必要だというふうに思っていまして、そういった意味で、一つは、衆議院の附帯決議にございますが、貸金業者については、許可基準におきまして、一つは、貸金業については所管の大臣あるいは都道府県知事の登録を受けねばいかぬと、こういうことになっていますので、登録を受けていない業者については確実に排除するような基準にしたいというふうに思っていますし、それから、職安法上、許可に当たって許可条件を付すということが可能でございますので、その際、その貸金業者の債務者を求職者としないことといったことを許可条件として付したいというふうに考えております。
 それからもう一点、風俗営業の話がございました。これも大変我々も懸念しているところであります。
 これにつきましては、現在、職業安定法の三十一条第一項第四号で、当該事業を申請者が適正に遂行することができる能力を有しているかどうかという法文の規定がございます。これを援用することが適当ではないかと現在考えております。
 これについては、現在でも、不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること、それから公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること、この辺りの要件が通達上確保してございますが、風俗営業につきましては、施行までに何らかの許可基準の中で、今申し上げました職安法三十一条の第一項第四号を援用した形での適切な対応ということを図りたいと思っています。

○大脇雅子君 その点は危惧される点でございますので、きちっとした規制をお願いしたいと思います。
 さて、派遣労働者の保護に関する点でございますが、衆議院の厚生労働委員会の附帯決議の第二項について、この第二項の内容は、リストラ対象労働者の代替として派遣労働者を受け入れるに対しては、例えば受入れ期間の設定など適切な措置をすべきだという歯止めの規定が盛り込まれておりまして、実はこのことは大変重要であろうかと思います。実効ある積極的な規制措置を講ずるべきだと考えますが、この点いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) この問題は正しく、この後でまたいろいろと御議論をいただかなければならない、解雇権濫用法理上認められる解雇かどうかということに懸かってくるというふうにも思います。たとえそういう解雇でなかったとしましても、やはりどれぐらいの期間を置いたらいいのかといったようなことも現実問題として起こるだろうというふうに思います。
 コスト削減を目的としてリストラを行うということであれば、これは解雇は無効となる可能性というのは非常に強いわけでありますから、そこに問題があるというふうに思いますが、例えば五年とか七年とかというふうな経過した後において、一時的に非常に経済的な変化で多くの労働者が必要だというようなときに、一体そこまで拘束するのかどうかといったような問題もあるというふうに思っております。
 しかし、衆議院でも述べられておりますように、リストラを行って、そして直ちにその後派遣の労働者を入れるというようなことは、それは当然、これはやめなければならないということを言っていただいているというふうに思っております。

○大脇雅子君 現状においてすら代替労働者として派遣が非常に拡大してきている現状を、更に歯止めなき代替を進化するということのないように、きちっとこの規制措置が必要であろうかと思います。
 さて、厚生労働大臣は、指導、助言、勧告、企業名公表等、悪質業者あるいは法違反に対しての積極的な発動が許されておりますが、勧告はほとんどないとか助言も期待できないとか、現場では様々な不満が渦を巻いております。
 例えば、これは株式会社シーケンスという、ケースの一つではございますが、その事業所の所在地に登記がない派遣元企業が派遣労働者に賃金の不払を行ったり、あるいは事業主がスタッフである労働組合の役員に暴行や傷害等を働くなどして被害届が出されるなど、こういう事例が起きた場合には、やはり私としては、事実関係の調査をきちっとされて、改善命令を出し、あるいはそうした事実があれば派遣事業の許可の取消しまで行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 今御質問のように、いろいろな問題を起こしている事業所が所在地について登記がないという場合でありましても、個別の事案ごとにその必要に応じて事実関係の確認を行うというのが我々の基本方針でありますので、今のような事案で具体的に私どもの方に申出をしていただければ調査を行うということにいたしたいというふうに思っています。
 なお、派遣元事業主が、例えば賃金の支払、基準法二十四条でありますけれども、これに違反したような場合には派遣法四十九条に基づきまして改善命令を出す、これに従わなかった場合には許可の取消しあるいは事業廃止命令、こういったことの対象になるというふうに思いますし、二十四条違反ということそのものでは基準法百二十条により三十万円以下の罰金、さらに暴行、傷害ということでありますと刑法二百四条あるいは二百八条ということで刑に処せられるということがあるわけですけれども、こういった場合が起きた場合、これは許可の欠格事由、派遣法六条違反ということになりますので、これも許可の取消しなり事業の廃止命令なりということで、厳正に対処をしていきたいと思います。

○大脇雅子君 特定日派遣についてお尋ねをいたします。
 特定日派遣については、常用労働の代替としての活用が進むということが懸念されております。業務の繁忙など、人員整理後の対策としての活用を除外するなど、一定の歯止めが必要だと考えますが、いかがでしょうか。また、所定労働日数が相当程度少ない日数というのは具体的にはどのような規模として考えればよろしいのでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 特定日派遣でございますが、これは例えば土日にのみ必要となる住宅展示場のコンパニオンの業務ですとか、あるいは月初めにだけ必要になります書店の棚卸し業務とか、そういったものを想定しております。
 そういうことで、そういった業務については、派遣期間制限の措置を取らなくても常用雇用との代替は起きないという考え方で、今回御提案申し上げております改正法案の四十条の二第一項第二号ロを規定しているわけであります。
 したがって、御質問のように、例えば業務の繁忙対策として、あるいは人員整理後の対策として、日々行われているような業務を切り分けてそれについてやるというふうなことは、当然、今回の改正法案の条文には該当しないというふうに考えております。
 それからもう一点、厚生労働大臣の定める日数でありますけれども、これにつきましては、今後、改正法を成立させていただきましたら労働政策審議会で審議をいただいて正式には決めるということでありますけれども、我々としては十日以下程度というふうに現在は考えております。

○大脇雅子君 臨時的・一時的派遣の活用が一年を超える場合の取扱いについてお尋ねをいたします。
 一年を超える場合には臨時的・一時的派遣の活用と言えるかどうかという重大な疑問が幾つかの委員からも提起されてきております。当該事業場で臨時的・一時的活用と認められる場合とは具体的にどのような場合を考えておられるのでしょうか。また、そのときに行われる実効ある意見の聴取をするためのルールが必要不可欠であると考えますが、その具体的な内容はどのようなものと考えておられるでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) まず、これは先ほど森先生からも御指摘があったところでありますけれども、国際競争が非常に激しくなっている、それからもう一つは、産業構造あるいは企業の業態の変化、こういったものが非常に頻繁に行われるようになっているということでありまして、今まで行っていなかったような製品の納入あるいはサービスの提供、そういったものの発注が、というか受注が急にあった、ただその仕事については、例えば二年ぐらいの受注契約というふうなことになった、その先は全く見通しが立たないと、こういったケースがあるんだろうと思います。
 こういった場合に、常用労働者を雇ってしまったときには、その仕事がなくなりますと常用労働者の方に働いていただく仕事がなくなってしまうと、こういうことになるわけで、じゃ受注するのをやめるかというと、競争相手に仕事を取られてしまう、かえって今雇っている労働者の雇用の安定、経営の安定ということからも問題があると、こういうケースは今後頻繁に起こると思いますし、今でも時々ある。現にそういったことで、今一年の期間制限があるためにそういったものを受けずにいる、あるいは、パートタイマーあるいは期間労働者で雇うけれどもうまくいかない、こういったような御意見はあるわけで、その辺りを受けて今回の改正に至ったということであります。
 ただ、これを安易に、実は二年なんですが、これを三年の派遣契約期間にしてしまうということは適切でないというふうに思っていまして、その辺りについては現場の労働者の過半数代表の意見を聴きつつ適切に対応いただこうということでございます。
 したがって、労働者の、過半数労働者の意見聴取、これを確実に行われるようにするということが重要でありまして、これは衆議院の附帯決議でもその旨が盛り込まれているところであります。我々としては、やはりその辺りを派遣先の指針にきちんと書き込んで、こういったものが行われていない場合はその指導をできるという根拠を明確にしたいというふうに思っています。

○大脇雅子君 雇用の申込義務についてお尋ねをいたします。
 前は一年を超えたら派遣先に雇用をする努力義務というものが課せられていたわけですが、今回の場合、三年を超えた場合には、期間を超えた場合は申込義務というものが発生するということになっておりますが、前の努力義務と今回の申込義務というのは法的にどのように性質が違うと考えられますか。そして、雇用申込義務は当然発生すると考えられますが、では、この申込義務はいつ発生すると考えたらよろしいのでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 現行の規定でありますけれども、これにつきましては、同一の業務について継続して一年間労働者派遣の役務の提供を受けました場合に、その一年が経過した日以後労働者を雇い入れようというふうな場合は、同一の業務に一年間同じ労働者が一年間就いていたというふうな場合に、雇用されることを希望する旨を派遣先に労働者が申し出れば、そういった人について遅滞なく雇い入れるように努めにゃいかぬと、こういう規定であります。
 今回の規定は、労働者が同じ労働者でなくても、ちょうど派遣期間の制限に至ったというときにたまたま派遣を受けていた労働者、これが一つ違います。そのときに、その後も、派遣期間の制限があった後もその労働者を使いたいといった場合には、その労働者が希望すれば雇用契約の申込みをせぬといかぬということで、前回というか今までやっておりますのは、一年間丸々同じ労働者の場合にその雇用の実現を図っていこうと。今回の場合は、雇用の実現を図るのと同時に派遣期間の制限をそこで阻止しようと、こういう色彩がかなり強くなっているということだと思います。

○大脇雅子君 そうしますと、「当該抵触することとなる最初の日の前日までに、」とありますが、その抵触することとなる最初の日の前日までに申込みをしなかったときはどうなるんでしょうか。そしてまた、「当該派遣労働者であつて当該派遣先に雇用されることを希望するものに対し、」とありますが、雇用されることを希望する意思表示というのは必要なのでしょうか。その場合の申込義務は発生するのでしょうか。終了までの間に希望表明をしなきゃいけないというとちょっとハードルが高過ぎるような感じがいたしますが、これらはどう解釈をしたらよろしいんでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 一つは、派遣先が雇用の申込みをしなかったときにどうなるかということでありますけれども、派遣先が申込みをせずに派遣労働者を使用し続けているということになるわけであります。その場合に、一つは、派遣元が当該労働者を雇用したままで派遣しているということになりますと、これは当然派遣元が派遣法違反になるわけでありますから、その場で派遣を打ち切らせるということになると思います。
 それから、派遣元はもう十分そこは理解というか、法律を守って、派遣元と派遣労働者の間の雇用関係が切れている、その上で派遣先が、もう派遣労働者じゃないんですけれども、その労働者を雇い続けていると、こういうケースがもう一つありまして、恐らく先生の質問はそういったケースだろうというふうに思います。
 この場合は、一般論として申し上げると、派遣労働者と派遣先の関係は、一つは請負関係、それからもう一つは雇用関係と、どっちかになるんだろうと思いますけれども、ただ一般的な、専門的な業務でないということになりますと、一般的には雇用関係の成立という可能性が非常に高いんじゃないかというふうに思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 そういった意味で、ただこれも、雇用関係というのは、ある意味では、そこで派遣労働者の方なりあるいは行政の方が派遣期間の制限を超えて雇っているじゃないかと、雇っているというか、使用しているじゃないかという、そこで問題を提起したところまで、派遣期間の制限を超えてから問題が発生したところまでの間の雇用関係というものが多分成立しているというふうに見る重要な判断材料にはなるだろうというふうに思っています。
 それからもう一つの件でありますけれども、労働者、派遣先に対して労働者が雇用されることを希望する意思表示をせぬといかぬのかということでありますけれども、これは当然、派遣先に掛かっている義務でありますから労働者が申し出るということは必要ありませんで、当然、派遣先が確認するということだと思います。

○大脇雅子君 そうしますと、派遣先が雇用申込義務を履行しないでずっと雇い続けていた場合には、労働者に対する実効性のある救済というのはどのようにして図るのでしょうか。行政指導、勧告、制裁措置というのはどう行われるのでしょうか。
 例えば、一年の場合の、旧規定の場合で私のところへいろいろなケースとして報告されておりますのは、例えば三菱電機ライフサービス株式会社が三菱電機株式会社鎌倉製作所に例えば五年にわたって雇用を継続して、そしてあるいはまた株式会社クリスタルスタッフが昭和産業鶴見工場に五年六か月にわたって仕事をしている女性がいる、あるいはテックソフト&サービス株式会社が財団法人石油産業活性化センターに何年間か、五年間か継続して雇用をしてください、正規社員として雇用をしてください、そして雇用勧告をしてくださいという申立てなどをしても、なかなかそこまではいかないということになると、今度、改正後、こうした労働者の実効ある救済はどのようにして図られると考えたらよろしいのでしょうか。

○政府参考人(戸苅利和君) 一つは、派遣停止の通知を受けました派遣先が、雇用契約の申込みをしないで派遣労働者を使用した場合には、派遣先に対しまして厚生労働大臣による指導、助言、是正勧告、勧告に従わなかった場合の公表ということは当然やるわけでありますけれども、派遣元事業主が期間制限違反ということで処罰される場合、しかも刑法の規定により共犯に該当するといった場合は派遣先も処罰の対象にはなり得るだろう、こういうふうに思っています。
 それからもう一つは、先ほどの議論でありますが、実態としてというか、派遣元がもう派遣は、当該派遣労働者は雇わずに、派遣先が当該派遣労働者を使用し続けているといった場合には、これは基本的には裁判に訴えるか、あるいは監督署に来て賃金不払があるとか、そういうふうなことで、あとはそのケース、ケースで、雇用関係それまであったということであれば基準法等に基づく保護をきちんと図られるように監督署なりあるいは裁判で措置される、こういうことになると思います。

○大脇雅子君 私が今述べました三件については、各職安の方に申告をしているようでございますので、御調査いただきたいと思います。
 さて、最後に大臣にお尋ねをしたいのですが、派遣労働というのは女性の低賃金で不安定雇用の最前線とも言われております。今回の改正に対して、正規雇用との代替が更に進むのではないかと。現に今、派遣労働者の賃金は低下し続け、驚くことに専門職であるべき派遣労働者の場合の男女の賃金格差は、通常労働者の賃金格差が六五に対して五三ポイントということもあり、あるいは年齢差別もあるし、三年になったからといっても、現実は雇用は細切れ、短期化が進んでいるという中で、このデフレ不況の中で未曾有の雇用不安に直面して労働条件が低下するというのはこの派遣労働者ではないかと思います。
 こうした派遣労働者の権利保護について、大臣の御決意を伺いたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) この派遣労働そのものにつきましては、プラス面、マイナス面、双方やはりあるだろうというふうに思っておりますが、やはり今日いろいろ御議論をいただきましたように、一つは、労働条件につきましては派遣元がしっかりとこれはやらなければいけないわけで、そこをよく監視をしないといけない。それから、派遣先におきましては、安全対策でありますとか健康対策といったものをしっかりこれはやらなければいけない。どちらも大事でございますが、何と申しましても一番中心になっておりますのは派遣元でございますから、ここのところの労働条件の問題が狂っておりますとすべてが狂ってしまいますので、今御指摘になりましたように、男女間の格差の問題、そして常用とそして派遣業あるいはまたパートといった格差といったものをどう拡大させないようにしていくかといったことは今後の最大の課題でございますので、こうしたことをひとつ真っ正面から取り組んでいきたいというふうに思っている次第でございます。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕

○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは、まず労働者派遣法についてお伺いをしたいと思います。
 まず、基本的なお考えからお伺いをいたします。
 そもそもこの労働者派遣の位置付けをどう考えるか、この点についてですが、審議会の建議では、この点につきましては、臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策としての位置付け及びこれに基づく派遣期間の一定の限定は、いわゆる長期雇用慣行の我が国における位置付けを踏んまえると、今回の見直しにおきましては引き続き維持することが適当と。
 この建議に示された考えにつきまして、まず政府参考人からお伺いをいたします。

○政府参考人(戸苅利和君) 労働政策審議会の建議の趣旨でございますけれども、これは就業形態が多様化している、働き方が多様化しているという一方で、やはり我が国では基幹的な部門の方を中心に長期雇用慣行ということは今後も基本的な雇用形態として維持すべきものである、これは労働者の方もやはり常用雇用を望んでおられる方が圧倒的に多いということから、こういった常用雇用によります長期雇用慣行と働き方の多様化の一つの手段であります労働者派遣事業との調和を図るという形で我が国の労働者派遣事業を進めていこう、こういう考え方だろうと思います。
 欧米では、先ほど大臣からお話ありましたが、派遣期間の制限等を設けていない国が大半でございます。日本の場合は、今御質問のとおり、長期雇用慣行との調和ということで、派遣については臨時的・一時的な位置付けというものを今回も維持した上で法改正をするというふうに受け止めて今回の法案を提出させていただいております。

○西川きよし君 ありがとうございました。
 今後、将来にわたりましてこうした従来型のいわゆる日本的な長期雇用慣行をどのように考えていくかということでございますけれども、例えば平成十一年の経済戦略会議の答申では、雇用の流動化を促進するためには、個別企業、こういう業種に雇用を抱えさせることを奨励する従来型雇用政策から脱却しといった表現があるわけですけれども、一昨日の参考人の方にお越しいただいたときに、経団連の紀陸参考人さんからは、終身雇用が全部なくなっていくということではなくて、長期安定雇用、この雇用が柱となっておりまして、そこにその他の雇用形態が組み合わさっている、そういう社会になるのではないかなというふうな発言がございました。
 今後、将来に向けてそうした従来型の雇用慣行とその他の雇用形態の組合せ、こうした点についてはどういった姿が一番望ましいか、坂口厚生大臣は現時点でどういうふうに考えておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 今お話ございましたように、これは経営者の側も、それから働く皆さん方も長期安定雇用というのをやはり一番多く望んでおみえになるのではないかというふうに私も思います。また、しかし、そういう生き方を望んでおります反面において、日本の経済が環境変化というものをもろに受ける、非常に急激な経済の変化というものの中で生きていかなければならないというような事態になってきた、それに対してどう対応をしていくかということがそこにプラスされてきているというふうに思います。最も今日的な課題ではないかというふうに思います。
 そうした急激な環境の変化で企業そのものがどういうふうになるかも分からないというような状況が生まれてまいりましたときに、働き方としてそこに、多様な働き方というものがそこにプラスされてくるということは、私はやむを得ざることだというふうに思っているわけでございます。しかし、先ほども述べましたように、多くの方が安定した雇用の在り方というものがやはり基本であるというふうに考えておみえになることは事実だというふうに思いますし、私も望ましいことだというふうに考えている次第でございます。したがいまして、多様な働き方も考えながら、そして現在までの日本が今日まで続けてまいりましたその雇用の在り方というものも大切にしていくということではないかというふうに思っております。

○西川きよし君 それでは、具体的な項目についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず製造の業務の労働安全衛生の確保についてでございますが、今回の改正案で新たに規定されました第三十六条の第五号と四十一条の第四号についてですけれども、まず政府参考人から内容をお願いいたします。

○政府参考人(戸苅利和君) まず、三十六条第五号でございますけれども、これは、派遣元責任者は、派遣労働者の安全衛生に関しまして、派遣元事業所において労働者の安全衛生に関する業務を統括管理する者との連絡調整、それから派遣先との連絡調整を行うということにいたしました。
 それから、四十一条第四号におきましては、派遣先責任者は、派遣労働者の安全衛生に関しまして、派遣先事業所において労働者の安全衛生に関する業務を統括管理する者との連絡調整、それから派遣元事業主との連絡調整を行うこととするということにいたしました。
 これは、今、委員お話しのとおり、物の製造の業務に労働者派遣を適用するということになりますので、両者間の連絡調整を確実に行えるようにして安全衛生の確保の徹底を図ろうというねらいでございます。

○西川きよし君 ありがとうございました。
 一昨日、この点につきまして連合の中村参考人さんからもお伺いしたわけですけれども、派遣元そして派遣先の安全衛生の責任者が密接に連絡を取ってやるということがどうしたらうまくいくのかな、うまく実行して本当の保護ができるのかということでございましたんですが、十分に検討がこういった意味では必要ではないかという御指摘がございました。
 今回の追加される連絡調整でございますけれども、具体的にはどういったことが想定をされているのか、政府参考人に引き続きお伺いします。

○政府参考人(戸苅利和君) まず、派遣元責任者でございますけれども、派遣元責任者につきましては、労働者派遣契約で定めました安全衛生に関します事項の実施状況ですとか、あるいは事故が発生した場合にその対応状況ですとか、そういったことについて派遣先との連絡調整にきちんと当たってもらう、それから、事故防止のための安全衛生教育の実施等々につきましても、これは派遣元の事業所で安全衛生に関する業務を統括管理する者にその旨連絡して、具体的な措置の内容あるいは方法等について調整するといったようなことをやっていただくということを考えております。
 派遣先責任者につきましては、これも労働者派遣契約で定めました安全衛生に関します事項の実施状況、それから事故が発生した場合の対応状況、それから派遣先の法令の遵守状況等について派遣元事業主との連絡調整をする、それから、派遣元から法令違反についての指摘を受けた場合など、改善を図る必要があるといったようなことについて、派遣先の事業所で安全衛生の業務を統括しております者にその旨連絡して、具体的な措置の内容、方法等について調整するといったようなことを行っていただこうと思っています。

○西川きよし君 ありがとうございました。
 なかなかこれは難しい問題だと。今、御答弁をお伺いしておりましても、形はでき上がったものの本当に、お言葉だけお伺いしてどういうふうになるのかなという不安もございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、同じく中村参考人の御指摘もございました危険有害業務についてでございますけれども、これをお伺いしたとき、これは、派遣される人に危険有害業務であることが事前に通知をされて、それを了解した上で、それに対する保護策がなされて、そして派遣をされるということが必要ではないでしょうかというお話でございましたけれども、この危険有害業務につきましてはそもそも適用除外とするという意見もございましたわけですけれども、こういった対応についてのお考えを引き続き政府参考人にお伺いします。

○政府参考人(戸苅利和君) おっしゃるとおり、危険有害業務について派遣労働者の方が実際にその派遣を受けるかどうかというのは非常に重要な問題でありますので、これにつきましては、派遣法の三十四条で労働者派遣の対象になります派遣労働者に対しまして、どういった業務に従事するんだという従事する業務の内容ですとか、それから安全衛生に関する事項ですとか、そういった就業条件、これを書面で派遣労働者にあらかじめ明示するということになっています。
 ですから、それを見て、派遣労働者がそんな危険な業務じゃ嫌だということであれば、そこで派遣に行かないと。御本人が非常にそういった業務について、安全衛生面、それから業務の遂行で自信があるということであれば派遣を受けるというのがまず第一歩としてあると思います。
 それからもう一つは、やはりその安全衛生面での保護ということが重要でありまして、そういった意味で、これは安全衛生法の特例を労働者派遣法で設けまして、派遣先に安全確保のための必要な措置を取るように義務化をしておりますし、それから、先ほど申し上げましたように、安全衛生の統括責任者とそれから派遣元、派遣先の責任者、それぞれの連絡をきちんとするようにというふうなこと、それからもう一つは、派遣契約を結ぶ場合にその安全衛生に関する事項というのを定めることになっていますけれども、これをなるべく具体的に書けというふうなことで、その派遣契約に書いた業務以外の業務はやらない、その範囲内できちんとやるということにすべきだと思っていまして、どういうふうなその派遣契約での業務の書き方が適当なのかということについて、パンフレットを作るなどして徹底したいと思っています。

○西川きよし君 どうぞより良い御指導をよろしくお願いしたいと思いますが。
 それから、今回のこの法改正には直接ちょっと関係はございませんが、審議会の建議の中で、募集・採用において、事業主が不合理な理由による年齢制限、年齢制限を行うことのないよう指導の徹底を図ることが適当であると、このような指摘もございます。
 この点につきましては、一昨年から有識者会議が開催されて、今年一月に報告書がまとまったということでございますが、まずその概要からお伺いします。

○政府参考人(戸苅利和君) 御指摘のとおり、年齢にかかわりなく働ける社会に関する有識者会議というのがございまして、そこからの提言、報告書が、今年の一月にその報告書をいただいたところであります。
 一つは、その問題点として、求人に当たって年齢制限を設定している企業が多いということがやはり中高年齢者の就職を厳しくしている大きな要因になっているということ。それから、企業について、年齢で一律に判断するんではなくて、やはり一人一人の労働者の方の能力なり適性なり、一人一人見てくれ、年齢で一律にやらないでくれというふうな募集・採用が重要であると。
 こういう問題意識から、年齢制限の是正に向けまして、一つは、雇用対策法に基づきまして募集・採用時の年齢制限緩和のための指針というのを定めておりますけれども、その実効性の確保に向けて確実な運用を図っていくべしと。
 それからさらに、その上で、日本の雇用慣行はやはり定年までは労働者を解雇しないと、解雇権濫用法理の中での議論でありますけれども。そういうことになりますと、なかなか、そういった日本の雇用慣行の中で、賃金の問題、処遇の問題、いろいろあるということなんで、その辺りもよく分析し、実態もよく把握した上で指針の内容を必要に応じて見直していくべしと、こういった内容になってございます。
 この辺り受けまして、今年の一月に、年齢不問求人、現在一〇%強なんでありますけれども、これを平成十七年度末までに三〇%、倍以上に引き上げようというふうな目標を掲げさせていただいて現在取り組んでおります。

○西川きよし君 その辺りは最後の方では大臣にもお伺いしたいと思うんですけれども、その報告書でございますが、報告書にも、多様な形態の雇用・就業機会の確保と、そして労働力需給調整機能の強化として、派遣期間の延長あるいは業務の見直し、さらには高齢者の派遣を専門に行う会社の、いわゆる専門に行う子会社ですね、高齢者の派遣を専門に行う子会社の設立。特に、私などはよくお伺いしていただくわけですけれども、お年寄りの福祉をやっております以上、こういうことをよく質問されるんですけれども、こういった支援についても指摘がされておるわけですけれども、この報告書にもですね。
 こうした高齢者の雇用拡大と労働者派遣の持つ可能性について、特にこの六十歳代、六十五歳代、七十歳まででしょうか、皆さん方が大変不安に思っていらっしゃいます。こういった可能性について、是非副大臣に御答弁をいただきたいと思いますが。

○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生が、特に高齢者の方の雇用拡大にこの派遣法の改正がつながったらいいじゃないかと、こういうような御指摘でありますけれども、今回の改正そのものは、これは公共及び民間の労働力の、先ほど先生がおっしゃっていたように、労働力の需給調整機関がそれぞれの特性を生かして労働力需給のミスマッチ解消に向けより積極的な役割を果たしていく、こういうことが可能になるように労働者派遣事業等についても必要な見直しを行う、これが基本でございますけれども、実際には、現在、二十代、三十代の女性が派遣労働者の約六割ぐらいということで、極めてその辺りの方々が中心になっているわけでありますけれども、今回の改正によりまして、特に物の製造の業務への労働者派遣が可能になるというようなことによりまして、男性も含めて、特に従来型の派遣労働者としては一般的でなかった年齢層の方、特に高齢者含めてですね、様々な経験だとか、それから技術を持っている方がいらっしゃるわけでありますので、そういう方々の就業機会が拡大すると、こういうようなことが見込まれるんじゃないかというふうに考えております。
 また、これ、派遣期間が三年まで延長可能というようなことでありますから、派遣先で処理する業務の範囲がより広くなる、こういうことが見込まれまして、派遣労働者に求められる専門性の内容から程度も異なってくると考えられることから、様々な能力、特にそういう技術等持っていらっしゃる方々が派遣労働者として就業機会が提供されることになるんだろうというふうに思っておりまして、先生御指摘の、言ってみれば高齢者の派遣、こういうようなことの、それを専らとするような高齢者派遣会社の設立等の民間の創意工夫を、高齢者に対して、言ってみればその方々の希望や能力に応じて、できるだけ雇用機会が提供されるようになっていくんではなかろうかというふうに今考えているところであります。

○西川きよし君 今、副大臣の答弁にもございましたように、皆さんお元気ですし、技術も持っておられますし、もうお休みになったら、ぼつぼつと思いましても、皆さん働きたいという、仕事したいと。きよしさん、何かそういうところでいろんな質問をしてもらいたいというようなお話もよく聞くわけですけれども、今、皆さん方、本当にお元気ですし、是非より良い方向へお願いしたいと思います。
 それから、紹介予定派遣については、企業にとっては労働者の能力を的確に判断できる、また個人にとっても自分に合った会社で雇用していただいて働くことが可能になります。つまり、ミスマッチの解消につながると、こういった点も肯定的にとらえられているわけですけれども、この紹介予定派遣と高齢者雇用という点について、その可能性、これはどのようにお考えでしょうか、引き続き副大臣にお伺いします。

○副大臣(鴨下一郎君) 今回の改正の中で紹介予定派遣があるわけでございますけれども、これは、例えばアメリカにおきましても、派遣先による直接雇用を推進する、こういうようなことで極めて有効に機能しているというふうに評価されているわけでありますけれども、昨年六月に実施した実態調査においても、一つは、紹介予定派遣を希望する派遣労働者の多くが、紹介予定派遣について、就職先の仕事が自分に合うかどうかを見極めることができる、こういうようなこととしているわけでありますし、派遣先においても、労働者の適性、能力を見極めてから雇用することができる、こういうようなことで両者ともに積極的な評価をいただいているところであります。
 こうしたことから、今回の見直しにおきましては、紹介予定派遣を、派遣労働者の直接雇用を促進し、あとは円滑な労働力需給の結合を図ると、こういうような手段として一層有効に機能させる、こういうような目的で紹介予定派遣に関するルールを法律において新たに規定し、さらに、紹介予定派遣に係る派遣労働者の就業条件の整備を図ったという、こういう上で派遣労働者の派遣就業開始前の面接や採用内定等を可能としたところであります。
 それで、高齢者につきましては、高齢者ということで、ある意味で使用者の中には雇用をためらうようなこともあるわけでありますけれども、高齢者について紹介予定派遣を導入するというようなことによりまして、直ちに雇用とすることをためらう使用者が、派遣を通じて高齢者の適性、能力を的確に把握し、ある意味で、働いてもらったら非常に経験も豊富で、そして人柄も良くて、さらに技術も持っていると、こういうようなことが分かるわけでありますし、もう一つは、そもそも就職環境がなかなか厳しい高齢者に対しまして、できるだけそういう意味で、労働力の需給というような意味でそれを促進していくと、こういうようなことで派遣労働者、特に高齢者の御希望にも沿えるんではなかろうかと、こういうふうに考えております。

○西川きよし君 御丁寧にありがとうございました。
 その際の課題についてもですけれども、指摘がございます。一つには、予定されていた紹介や雇入れが行われない場合にはその理由を明らかにすること、それから、派遣労働や有期雇用の終了後に試用期間を設けないこと、また、常用雇用計画において予定されている求人条件をあらかじめ希望者に対して書面を提示する、こうしたことが言われておるわけですが、このような指摘に対する対応について是非本日はお伺いしたいと思います。引き続き副大臣、お願いします。

○副大臣(鴨下一郎君) 具体的な指摘につきましてどういうふうにするんだと、こういうような話でありますけれども、まず、紹介予定派遣の具体的な運用につきましては、この本法案が成立した後に労働政策審議会において御検討いただいて、その結果を踏まえて必要な措置を講ずると、こういうようなことでありますけれども、先生今御指摘いただきました紹介予定派遣を受けた労働者を結果として採用しない場合、その理由を派遣先が派遣元事業主や当該派遣労働者に明示する、こういうようなことを指針で示せと、こういうようなことでございますが、これも重要な検討材料の一つになるんだろうというふうに思っております。
 それからもう一つの、紹介予定派遣により派遣先が派遣労働者を直接雇用することとなる場合の労働条件については、これは試用期間の有無、それから雇用契約の期間を含めて、雇用契約の当事者たる派遣先と派遣労働者との間の合意により基本的には決められるものであるわけでありますけれども、ただ、紹介予定派遣に係る派遣労働者であれば、派遣先は派遣就職期間中にある意味で当該派遣労働者の適性だとか能力だとか、そういうことを見極めることが可能である、こういうようなことを前提として、さらに紹介予定派遣によって派遣先に直接雇用される派遣労働者の雇用の安定が不当に害されないと、こういうようなことから、現在、紹介予定派遣によって雇い入れた労働者については試用期間を設けないように指導を行っているところであるわけでありますけれども、今後とも引き続き同様の指導を行っていくと、こういうようなことでございます。
 紹介予定派遣の場合にも、この職業紹介の際に行われる求人条件の明示につきましては、これは賃金の額に関する事項等、一定の事項につきましてはこれは書面の交付によるというようなことになっているわけでありますので、そのことも申し添えさせていただきます。

○西川きよし君 書面で提示をしろというなにですので、口頭では駄目だということなわけですけれども、時間がなくなりました。最後の質問にさせていただきます。
 大臣にお伺いをいたします。
 この報告書を受けまして、安定所で受理をした求人のうち、先ほども出ておりますけれども、先ほど来、年齢不問求人の割合を局長さんの方からも先ほど出ましたが、平成十七年に三〇%目標設定されたと聞いております。今後、こうした年齢差別をどうするのかというのが大変私も心配です。雇用政策上の課題に対してどのような姿勢で対応していくお考えであるのか。平成十七年度の三〇%ということでございまして、先ほど来大臣は、将来のことはなかなか難しい、私が今言える立場でというようなお話もございましたが、すぐそこの話ですので、是非御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国務大臣(坂口力君) 年齢不問というのは、これは努力義務に御承知のとおりなっておりまして、本当は目標、十七年の目標を本当はもう少し高くしたらどうだという意見も省内にあったわけでございます。しかし、現実問題として一体どれだけかといったら、先ほどもありましたように、一三%なんですね。目標を高くするのはいいけれども、できない目標を高くしてみても始まらないではないかと、まず第一ベースキャンプをしっかり達成をして、その次に第二ベースキャンプに進んだらどうかと、こういう話になりまして、一応、十七年三〇%というふうに決まったわけであります。
 三〇%に決まったから三〇%でとどめなきゃならないという理由は全然ありませんので、もっと高くていいわけでございますから、あらゆる機会を通じて各企業にお願いをするといいますか、指導もし、お願いもしということをやっていかないといけないというふうに思っておりまして、あらゆる機会にこのことは今言っているつもりでおります。
 少なくとも十七年三〇%、できる限りそれより高く五〇%に早く近付けたいというふうに思っている次第でございます。

○西川きよし君 お願いします。
    ─────────────

○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、鴻池祥肇君、伊達忠一君、藤井基之君及び宮崎秀樹君が委員を辞任され、その補欠として段本幸男君、小斉平敏文君、後藤博子君及び斉藤滋宣君が選任をされました。
    ─────────────

○委員長(金田勝年君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正案に対する反対の討論を行います。
 そもそも労働者派遣は、雇用主と使用者が異なるという性格から、雇用の不安定をもたらす制度です。そのため、政府自身が常用労働者の代替にならないためとして対象業務の制限や派遣期間制限を設けてきました。
 ところが、今回の改定は、労働者保護の措置を取り払い、財界の望む規制緩和を法制的に確立しようとするものであります。
 反対理由の第一は、一般派遣労働者の派遣期間の上限を最長三年までに延長し、三年に制限してきた業務については無期限にすることです。これは、派遣労働は臨時的・一時的労働力という現行派遣法の基本的な考え方を変質させるものであり、常用労働者を減らし、雇用も収入も不安定な派遣労働への置き換えを加速することは明らかです。
 審議の中では、本来禁止されているはずの専ら派遣が金融機関などで横行していることも明らかになりました。こうした違法派遣の徹底した取締りこそが緊急の課題なのであり、規制緩和など断じて認められません。
 第二に、物の製造への派遣労働の解禁です。
 この理由について、担当副大臣は当委員会で、経済産業構造の転換や国際化、日々変動する業務量に応じ、労働力需給に迅速、的確に対応する、こういうニーズは製造業においてもより一層高まっているからだと、産業界のニーズにこたえる解禁であることを率直に答弁されました。
 しかし、審議を通じて、偽装請負などの違法派遣が放置され、過労自殺まで生んでいる深刻な実態が明らかになりました。こういう中で、派遣、請負を徹底的に指導監督し、法を遵守させることこそ求められているのです。それをせずに偽装請負を合法化する規制緩和を認めれば、劣悪な労働条件の派遣労働者を歯止めなく拡大することになります。また、まともな教育訓練が行われず、日本のものづくりの技能の継承、発展を困難にすることも看過できません。
 第三に、派遣先企業は派遣労働者を選別できないという現行派遣法の原則を崩し、事前面接、履歴書送付が可能な紹介予定派遣を認めることです。これにより、労働者の選別、採用差別が公然とできるようになり、派遣期間が長期の試用期間とされる危険が増大します。
 そのほか、派遣期間を超えた場合の雇用契約の申込みの義務化についても、派遣先の雇う意思が前提となり、違反した場合の是正も現行規定と変わらず、実効性は期待できません。
 また、職業安定法の旅館、貸金業等の職業紹介事業の兼業禁止規定の削除は、サラ金などの無法な取立てと一体の強制労働に道を開くことになります。その危険性は政府答弁でも懸念が表明されているほどであり、懸念があるなら引き続き兼業禁止を法に明記すべきであります。
 以上述べた理由で、本法案には反対であることを重ねて表明して、討論とします。

○大脇雅子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場を明確にして討論いたします。
 今回の両改正法案は、正規雇用を減少させつつ多様な就業形態を推し進め、正に日本の雇用の崩壊を加速させるものであり、労働者、とりわけ若年世代の働き方と生活、とりわけ労働者の権利の不安定化をもたらすものであります。
 以下、労働者派遣法改正法案を中心に反対する理由を述べます。
 第一に、ネガティブリスト化など九九年改正に続く今回の改正は、期限を一年から三年、更なる規制緩和をするものであり、物の製造と対象業務の拡大は、これまで違法状態であった現実を追認するものにほかなりません。
 労基法第六条の中間搾取の禁止、職安法四十四条の労働者供給事業の禁止原則は、労働者保護の観点から当然の基本原則であります。現在のように、派遣先の通常労働者の同種同等、同等の労働者との賃金その他、労働条件の情報公開、そして派遣労働者に対する均等待遇原則が確立されない下で弱肉強食の市場原理にさらされる労働者の結果は目に余るものがあると考えられます。
 第二に、臨時的・一時的業務であれば短期間しか労働者を受け入れる必要はないはずであります。それを期間延長することは、派遣労働を活用して正規雇用労働者の置き換え、すなわち代替化をますます助長することになります。
 第三に、紹介予定派遣が現下の厳しい雇用情勢でとりわけ若年世代の雇用を改善する方策として雇用のミスマッチ解消に役立つものと言われていますが、その効果には大きな疑問があります。ごく一部、少数の労働者がミスマッチを解消できても、この仕組みを使った労働者の差別と選別がもたらす悪影響を見逃すことはできません。人材育成を放棄する企業の社会的責任が厳しく問われるべきであります。
 第四に、期間超過の場合に派遣先の雇用契約の申込みを義務化したことが実際にどれほど新たな正規労働者の雇い入れが実現するのか、雇用契約の申込みに際しての労働条件の内容、水準、長期に安定した働き方につながるのか、解決すべき課題は余りにも多いと言えます。
 最後に、安上がり、いつでも自由に雇用調整ができる状態の下でしか働けない社会には未来は開けないと思います。雇用機会に関する均等待遇の原則を確立し、手数料の徴収は行わず、ハローワークの公共職業紹介機能の責任の原点に立ち戻り、額に汗して働く人々の権利を真に公正、公平に保障する雇用の労働政策が実現すべきことを強調して、私の反対討論を終わります。

○委員長(金田勝年君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(金田勝年君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。

○山本孝史君 私は、ただいま可決されました職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員西川きよし君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一、一年を超え三年以内の期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合には、派遣先において労働者の過半数で組織する労働組合等からの意見聴取が確実に行われ、意見が尊重されるよう派遣先に対する指導に努めること。
 二、いわゆる「リストラ」等の雇用調整を実施中及び実施直後に、当該雇用調整で解雇した労働者が就いていたポストに労働者派遣を受け入れる場合には、派遣先は受入れ期間の設定など適切な措置を講じ、労働者の理解を得られるよう努めなければならない旨指針で明記し、その周知に努めること。
 三、派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、その雇用期間に関し、当該労働者の希望及び当該労働者に係る労働者派遣契約の労働者派遣の期間を勘案して、当該労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をするよう努めなければならない旨指針で明記し、その周知に努めること。
 四、派遣先は、三年までの間で派遣可能期間を定めることが可能となったことを勘案し、労働者派遣契約の労働者派遣の期間に関し、派遣元事業主と協力しつつ、派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をするよう努めなければならない旨指針で明記し、その周知に努めること。
 五、物の製造の業務等への労働者派遣事業の拡大に当たっては、請負等を偽装した労働者派遣事業に対し、その解消に向け労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準等の周知徹底、厳正な指導監督等により、適切に対処するとともに、派遣労働者に対する安全衛生対策に万全を期すること。また、請負に係る労働者の保護のため、請負により行われる事業に対し、労働基準法等労働諸法令が遵守される取組を強力に進めること。
 六、派遣労働者を含む短期雇用労働者が、労働条件や待遇において、不合理な差別を受けることがないよう、必要な措置を講ずること。
 七、派遣労働者の保護の実効性については、使用者責任の遵守の観点から、都道府県労働局において、職業安定行政と労働基準行政との連携を基に、指導・監督体制の強化に努めること。
 八、紹介予定派遣について事前面接等労働者を特定することを目的とする行為に係る規定を適用しないこととするに当たっては、濫用防止を図るための措置を指針で定め、適正な運用の確保に努めること。
 九、労働者派遣事業適正運営協力員制度については、制度の趣旨がいかされるよう、国民への周知と必要な体制整備を図ること。
 十、地域における雇用の確保を図り、国、地方公共団体、民間職業紹介事業者、学校及び商工会議所等が連携して職業紹介できるよう、その体制整備の在り方について、早急に検討を行うこと。
 十一、職業紹介事業の兼業禁止規定を撤廃するに当たっては、事実上の強制労働や中間搾取等が発生することがないよう、許可基準において厳正な対応を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○委員長(金田勝年君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(金田勝年君) 多数と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。

○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございました。

○委員長(金田勝年君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会


倭国大乱を記録するブログの数々♪ブログリストとイメージソングその1その2その3。人生の扉 春よ、来い 宙船(そらふね)です。支持率急落、不支持率急増でビビリまくり、逃げまくり、アホー太郎は解散もしない。政治空白続ければ自民党がつぶれる前に国民生活がボロボロだ。ヘタレ自民は消えろ!自End!
自民党は自Endバナー 自民党は自Endバナー の猫ちゃんつながりです。
(↑クリックするとさらに大きなバナーが出ます(汗))

 

内閣三代続けて衆院選なし自民党は退場しろ!

解散できないアッホー太郎は卑怯なヘタレのチキン野郎だ!キャンペーン中!自End!「自民党は退場しろ!」の組込型全ミニバナー一覧はこちら

自End!!TBP「自民党政治」のライブリンクをサイドエリアへはりたければ⇒いいニャ~自Endバナーをクリック。

特にココログの場合で、即行で自End!!TBP「自民党政治」のライブリンクをサイドエリアへはりたければ⇒いいニャ~自Endバナーをクリック。

 

良質なブログ・情報への入口、中継点を目指します。毎日ワンクリックで自公糾弾
人気blogランキングバナー ニュース・一般/政治」ブログランキング参加中。

陰謀リテラシーかく乱にトンデモを混ぜるのはあるかもネ(政治に陰謀・謀略はつきもの。最近の闇雲否定論者は工作員かな?)
雑談日記作。(^^;(笑)

 

 代表的な検索エンジン8個で「自民党政治」と検索すると、自End!TBP「自民党政治」はすべて1位か3位、つまりトップ頁です

以下のトラックバック・ピープルに参加してます。

いいニャ~自Endバナー 民主党にも「喝~~~ッ」と気合いだバナー
自民党政治と      民主党政治

いいニャ~、郵政民営化凍結 野党共闘はいいニャ~バナー
郵政民営化凍結と    野党共闘(各バナーとも、クリックでスタート記事に飛びます)、政治全般にもトラックバックす。

TBP「社民党や共産党」バナー TBP社民党や共産党にも時々TBす。

※爪ヤスリなら日本の職人さんのいいのをお勧めします。(関連投稿
↓下の広告は単にブランド好きの方向けです。

|

« 2003年平成15年06月03日、例外扱いで禁止だった製造業への派遣を解禁し派遣法を改悪した時の参議院厚生労働委員会、国会会議録。 | トップページ | おおっ、これは素晴らしい、豆長者さんのところの栢木國廣警視庁公安部公安第二課長フラッシュ映像、このしつこさがいい。(笑) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91038/43668828

この記事へのトラックバック一覧です: 2003年平成15年06月05日、例外扱いで禁止だった製造業への派遣を解禁し派遣法を改悪した時の参議院厚生労働委員会、国会会議録。 :

« 2003年平成15年06月03日、例外扱いで禁止だった製造業への派遣を解禁し派遣法を改悪した時の参議院厚生労働委員会、国会会議録。 | トップページ | おおっ、これは素晴らしい、豆長者さんのところの栢木國廣警視庁公安部公安第二課長フラッシュ映像、このしつこさがいい。(笑) »