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2010年9月14日 (火)

朝日社説で代表選&民主党関連、代表選告示日の1日〜投開票日14日まで採録。

 以下、民主党代表選選挙告示日の9月1日から投票日の今日9月14日までの朝日の社説です。なお、あの恥ずべきジャーナリストとはとても言えない感情的な8月27日の——小沢氏出馬へ—あいた口がふさがらない【朝日、社説】——はこちらで他の同じく恥ずべき横並びマスゴミの社説とともに採録しています。

 

下の方でも採録していますが、9月11日付け社説——村木氏無罪—特捜検察による冤罪だ【朝日、社説】——と偉そうに書いている朝日ですが、その日もまた今日14日に至るまで、朝日新聞社の2010年版会社案内では、自分達がスクープで(この冤罪事件、村木さんの事件を)すっぱ抜いたのだと自慢げに書いています。あいた口がふさがらないとはこの事です。

朝日新聞社の2010年版会社案内はまだリンクが生きていますが、消す可能性があるので、証拠画像を採録しておきます。

2010←1、その見開きページ。左側です。(スクロールして見るなら)


2010_2←2、左側頁の上半分。(スクロールして見るなら)


2010_3←3、左側頁の下半分。(スクロールして見るなら)


追記(2012/05/06):上下半分ずつだと読み辛いので、以下のようにキャプチャを貼り合わせました。この当時は全頁キャプチャの方法を知らず半分ずつキャプチャし、保存していたのでやむを得ません。

2010←4、カラムが上下に分かれていると読み辛いのでキャプチャ画像を貼り合わせました。(スクロールして見るなら


2010_2←5、9月23日にエントリーアップ翌日の9月24日に見つけた左側頁の上半分です。(スクロールして見るなら←鮮明です)

クリックで拡大するのは元に戻していますが、2と比べて下さい。な、なんと、真ん中にあった村木さんの写真入りの記事を入れ替えてます。

追記(2012/05/06):このエントリーアップ当時は、「画像入れ替え」に気を取られていて気がつかなかったのですが、以下の部分をチャッカリ挿入しています(右下のところ)「大阪地裁で2010年9月、無罪判決が出されました。朝日新聞は、逮捕の前後から局長の主張を丹念に紙面化すると同時に、特捜部の捜査の問題点を明ら(かにして来ました。←と続くのかな?)」。この部分は、画像入れ替え前の「1」「4」の元頁にはありませんでした。検察リークを垂れ流していただけなのに反省もせず、謝罪もせず、画像を入れ替えたり、文章を入れ替えて頰被りですか。これが責任あるジャーナリストなんですか。朝日新聞の姿なんですか。

 

再び民主議員へ—新しい政治を突きつめて【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100914.html#Edit1

 民主党代表選の投開票日を迎えた。

 私たちはこの選挙について、繰り返し疑問を投げかけてきた。

 まず、政権交代時代の党首選びとしてふさわしいありようなのかどうか。

 20年来の政治改革がめざしたのは、有権者が総選挙を通じ直接、政権党と首相を選ぶ仕組みである。政権党が、民意と無関係に首相の座をたらい回しにする政治との決別を意味する。

 今回、小沢一郎前幹事長が勝てば、1年で3人目の首相になる。自民党のたらい回しを批判してきた民主党としては、およそ筋が通らない。

 第二に代表選を実施するにしても、小沢氏の立候補は理解しにくい。

 わずか3カ月前に政治とカネの問題で、鳩山由紀夫前首相とダブル辞任したばかりだ。強制起訴となるか否か、検察審査会の判断を待つ身でもある。

 最高指導者たろうとするにしては、けじめがなさすぎるのではないか。

 きょう投票する民主党国会議員は、今回の代表選が置かれた以上のような文脈をよくよくわきまえて最終判断してもらいたい。

 そのうえで、菅直人首相と小沢氏との論戦をどう評価するのか、である。

 1年前、有権者は政権交代に何を託したのか。厳しさを増す暮らし、将来への不安や閉塞(へいそく)感。経済のグローバル化や少子高齢化の波に適切に手を打てなかった古い政治と決別し、新しい政治を築くことを求めたに違いない。

 この点、菅氏の問題意識は明確だ。

 公共事業で景気浮揚と地方への再分配を図る「第一の道」でも、市場原理重視の「第二の道」でもなく、「第三の道」をめざす。介護などにてこ入れすれば雇用が生まれ、経済が成長し、財政も好転する。そんな発想だ。

 そううまくいくのか、断行する力量があるか、心もとなさはぬぐえない。消費税論議に踏み込みが足りず、どう実現するのか具体性も欠いている。

 小沢氏は、マニフェストこそ処方箋(せん)だということなのだろう。「コンクリートから人へ」も、子ども重視の姿勢も、問題を解く手がかりではある。

 だが財源の説得力ある説明は聞かれず、無利子国債を財源に高速道路を造るというに至っては、古い政治の体現者ではないのかという疑問がわく。

 どちらが、よりましか。確かなのは、腕力のありそうな指導者に任せればそれで済むほど、事態はたやすくないということだ。

 少子化でもデフレでも日本は世界の「最先端」をいき、倣う前例がない。無駄の削減であっても、受益者の痛みは避けられない。与野党の議員、官僚、有権者に知恵を求め、試行錯誤を重ねる。丁寧に説明し、ともに考える。そんな姿勢が欠かせない。

 新しい政治とは何か。それを突き詰めて考え、投票すべきである。

 

名護市議選—重い民意が加わった【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100914.html#Edit2

 またひとつ、重い民意が示された。

 米海兵隊普天間飛行場の移設先として日米が合意した沖縄県名護市。12日投開票された市議選で、受け入れに反対する稲嶺進市長を支持する勢力が大幅に議席を伸ばし、過半数を得た。

 最も身近な地域の代表を決める選挙である。移設への賛否だけで、有権者が判断したわけではあるまい。

 しかし、明確に移設反対を主張し続ける市長が、議会で安定した基盤を確保した。菅直人首相は選挙結果を重く受け止めるべきだ。

 昨年夏の総選挙の際、沖縄県の4小選挙区すべてで、名護市辺野古への移設に反対する候補者が当選した。

 今年1月の名護市長選では、移設容認の現職を破り、初めて反対派の稲嶺市長が誕生した。

 基地受け入れの見返りとしての公共事業や地域振興策より、普天間の国外・県外移設を求める——。政権交代を機に火がついた沖縄の民意は、もはや後戻りすることはなさそうだ。

 辺野古での滑走路建設には、県知事の公有水面埋め立て免許が必要だ。地元の市長と市議会が反対で足並みをそろえた以上、11月の知事選で誰が当選しようと、免許を出すのは簡単ではない。客観的に見て、日米合意の実現はさらに厳しくなった。

 普天間の危険除去のためにも、日本の抑止力維持のためにも、どうしても辺野古移設が必要だというなら、菅政権はそのことを正面から沖縄に問いかけ、少しでも理解を広げる努力をしなければいけない。

 現状では、そうした汗をかいているようには見えない。ただ知事選の結果待ちというのでは、無責任にすぎる。

 民主党代表選では、小沢一郎前幹事長が、沖縄県、米国政府との再協議を提起した。日米合意の実現が難しいという現状認識はその通りだが、具体的なアイデアは示されていない。代表選の行方にかかわらず、政府与党あげて知恵を絞り、取り組む必要がある。

 政府と沖縄県の公式の対話の場である沖縄政策協議会が先週ようやく再開された。政府にとっては沖縄との信頼関係を築き直す重要な舞台だ。

 ただ、沖縄振興を決して普天間移設と結びつけてはいけない。沖縄振興の基本は、太平洋戦争で本土の盾として地上戦を戦ったうえ、戦後も長く米軍に支配されたことで、今も残る本土との格差を埋めることだろう。

 2011年度末に期限が切れる沖縄振興特別措置法に代わる新法も協議の対象となる。基地の負担軽減はもちろんだが、基地に依存しない自立した経済をどうつくるか、沖縄の将来ビジョンをともに描いてほしい。

 信頼回復は言葉だけではできない。ひとつひとつ共同作業を積み重ねるしかない。

 

2010年09月13日(月曜日)は以下の表示、
前日が新聞休刊日でしたので、この日の「社説」はありません。ご了承ください。

 

追加経済対策—新成長戦略の第一歩に【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100912.html#Edit1

 急激に進んだ円高に促されるように、菅政権が追加経済対策を決めた。家電、住宅のエコポイント制度の延長などを盛り込み、今年度の予備費約9200億円を投じる。

 自民党や公明党などの野党は、規模が小さいと批判し、4兆〜5兆円を投入するよう求めている。

 たしかに規模は大きくない。しかし日本の潜在供給力に対する需要不足は25兆円にものぼるから、財政出動で埋めようとしても無理だ。先行き不透明とはいえ、景気が緩やかに回復していることも考えれば、いま大規模な措置が必要とは考えにくい。

 目先の浮揚効果より、新成長戦略に盛り込まれた中長期的な課題にひとつでも多く着手することを重視すべきだ。今回の経済対策は、菅直人首相が掲げる「強い経済・強い財政・強い社会保障」を実現する布石として意味があるのではないだろうか。

 その意味では、対策に工夫が見られる。環境分野の工場立地を促す補助金、既卒3年以内の若者の採用への奨励金の創設、訪問看護ステーションの開業要件の緩和などだ。働く場を増やし、より多くの雇用を生み出せるようにする政策を大胆に、かつ根気強く打ち出していってほしい。

 いまのような、世界規模で複雑な要因によって起きた不況を追い払う妙案は、どこの国にも見当たらない。欧州各国はギリシャ危機の反省を踏まえて緊縮財政に走っている。米国は逆に景気刺激をつづけることを重視し、オバマ大統領が今後10年間で総額15兆円規模の追加経済対策を発表した。

 日本は景気刺激を続ける財政余力はないが、長期化するデフレが経済や社会の機能を次第に弱めていくことが心配されている。そこで菅氏が提唱したのが、増税で生み出した財源を雇用創出に重点的に投じて需要を増やす「第3の道」だ。経済対策はその一歩として意味がある。

 成長戦略を進めるため、首相や主要閣僚、民間有識者が参加する「新成長戦略実現会議」が発足したことも評価したい。政策の方向性がぶれないよう監視し、省庁に確実に実行させ、政策の事後チェックをして軌道修正する。小泉政権の経済財政諮問会議のような役割を担ってほしい。

 それにしても、なぜ景気対策が必要になったのか。菅政権は参院選の敗北で政策の推進力を低下させ、民主党代表選への対応に追われている。円高は、そういう政治の弱みが市場からつけこまれたという側面もある。

 首相が次々と代わる日本の政治は、海外から奇異に見られている。そのことを考えれば、代表選が終わりしだい、すみやかに政策の方向性を定めて実行する姿を内外に見せることこそ最大の景気対策だといえる。

 

司法試験—改革の原点踏まえ論議を【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100912.html#Edit2

 法科大学院修了者を対象とする新司法試験の合格発表があった。8年前の閣議決定で「合格者数を3千人程度とすることを目指す」とされた年だったが、実際は2千人余にとどまった。

 合格率も25%となり、制度発足以来下がり続けている。大学院間の実績格差の固定化や進学志望者の減少、それに若手弁護士の就職事情の悪化も加わり、法曹養成問題は大きな曲がり角にさしかかっている。

 法科大学院のありようをはじめ、軌道修正は避けられない。そこで忘れてならないのは「司法を身近で頼りがいのある存在にする」という、司法制度改革の原点にある考えである。

 目標はどこまで達成されただろうか。法曹人口を急増させたのは誤りだったとする意見が弁護士会などで勢いを増しているが、本当にそうか。

 この間、容疑者段階から国費で弁護士がつく仕組みや裁判員制度が始まり、市民の紛争解決を応援する法テラスが開設された。弁護士過疎の解消も進む。どれも従来の法曹人口では対応できなかったものばかりだ。

 「3千人」を墨守する必要はない。だが、弁護士の飽和状態を憂う声が上がる一方で、「弁護士が見えない」と嘆く市民は少なくない。このギャップの原因を解き明かす必要がある。

 期待される法律家の姿を考えるうえで、法テラスで働く弁護士の経験談は示唆に富む。地域の貧困者、高齢者、障害者らに寄り添い、生活保護や破産申請など の手助けもし、悪徳業者と渡り合う。行政の垣根にとらわれず「法律を武器とするコーディネーター」として活動する様子に、役所や福祉関係者も大きな信頼を 寄せる。

 その一人が語った「私たちは、そこそこ小金を持ち、知恵がある人を市民と言ってきただけで、本当に法的ニーズがある人々を見ていなかったのではないか」という言葉は重く響く。

 これは一例に過ぎない。活動領域を法律事務所や法廷の外に広げ、市民や企業・団体の中に飛び込んでこそ見えてくる需要がまだあるはずだ。

 もちろん弁護士の熱意と善意に期待するだけでは行き詰まる。問題意識を共有し、国や自治体で必要な予算をつけるなどして、実効ある「法の支配」を行き渡らせなければならない。

 気になるのは、経済界や労働界、消費者団体など司法制度改革を唱えてきた人々の声が最近あまり聞こえてこないことだ。この先、法曹人口はもちろん、法科 大学院の再編や司法試験・修習の見直しの要否など、多くの利害や思惑が絡む問題を検討していかなければならない。内向きの議論にならぬよう外からの監視と 支援が不可欠だ。

 法律家は「社会生活上の医師」と位置づけられる。多くの国民が関心を寄せてこそ、明日の姿が見えてくる。

 

村木氏無罪—特捜検察による冤罪だ【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100911.html#Edit1

 あらかじめ描いた事件の構図に沿って自白を迫る。否認しても聞く耳をもたず、客観的な証拠を踏まえずに立件する。郵便不正事件での検察の捜査はそんな強引なものだった。

 大阪地裁は昨日、厚生労働省の局長だった村木厚子被告に無罪を言い渡した。村木被告は、郵便割引制度の適用団体と認める偽の証明書をつくり、不正に発行したとして起訴されていた。

 村木被告は大阪地検特捜部に逮捕された当初から容疑を否認し、一貫して無実を訴えていた。判決は証拠とかけ離れた検察の主張をことごとく退け、「村木被告が偽証明書を作成した事実は認められない」と指摘した。

 検察は、ずさんな捜査を深く反省すべきだし、村木被告の復職をさまたげるような控訴はすべきでない。

 偽証明書は、村木被告が障害保健福祉部の企画課長の時、障害者団体として実態がない「凛(りん)の会」に発行された。企画課長の公印が押されており、村木被告の容疑は、部下だった係長に偽造を指示したというものだった。

 係長は捜査段階で容疑を認めたが、公判では村木被告の指示を否定した。取り調べで係長は、偽造は自分の判断だと訴えたが、検事は取り合わなかった。参考人だった厚労省職員らも公判で強引な取り調べの実態を証言した。

 大阪地裁は係長らの調書を信用せず、証拠として採用しなかった。検察側の立証の柱はもはや失われていた。

 特捜部が描いた構図は、「凛の会」会長が民主党の国会議員に口添えを依頼し、厚労省では「議員案件」として扱われていた、というものだ。

 だが、議員会館で口添えを頼んだという当日、その議員はゴルフ場にいたことが公判で明らかになった。特捜部はそんな裏付けすら怠っていた。

 検察の捜査をめぐっては、東京地検特捜部が1993年に摘発したゼネコン汚職で、検事が参考人に暴行を加えて起訴されるという不祥事が起きた。その後も、特捜部に摘発された被告らが「意に反した調書をとられた」と公判で訴えるケースは少なくない。

 特捜検察に対する国民の信頼が揺らいでいるということを、検察当局者は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 特捜検察はかつてロッキード事件やリクルート事件などで、自民党長期政権の暗部を摘発した。政権交代が可能になったいまでも、権力の腐敗に目を凝らす役割に変わりはない。

 冤罪史は「自白」の強要と偏重の歴史である。今回の事件もその列に加わりかねなかった。

 検察は、これを危機ととらえねばならない。弁護士や学識経験者も加えた第三者委員会をつくって検証し、取り調べの可視化などの対策を打つべきだ。それとともに報道する側も、より客観的で冷静なあり方を考えたい。

※(始めに戻る

 

自民再生—野にあるうちに力蓄えて【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100910.html#Edit1

 政権交代のある政治を根づかせるためには、野党第1党である自民党にしっかりしてもらわなければならない。

 その自民党で、谷垣禎一総裁を支える新しい執行部が発足した。幹事長に石原伸晃氏、総務会長に小池百合子氏が起用され、石破茂政調会長は留任した。3氏とも50歳代。女性の三役は初めてだ。世代交代を、それなりに印象づける布陣である。

 ただ、顔ぶれを変えただけで安心してもらっては困る。この党を政権交代時代にふさわしい強い政党に鍛え直し、次の総選挙に向け確かな力を蓄えることこそが大切だ。

 自民党は先の参院選で、民主党を上回る51議席を獲得し、与党を過半数割れに追い込んだ。しかし、この勝利は、政治とカネの問題をはじめ、民主党の「敵失」によるものだ。

 比例区でも、全選挙区の合計でも、自民党の得票は民主党を大きく下回った。参院選直後の朝日新聞の世論調査では、64%が、いまの自民党を「政権を任せてもよい政党だとは思わない」と答えている。

 ねじれ国会で出番が増えたと勢いづくのはいいが、自己改革の努力を怠れば、世論の支持は回復するまい。

 新時代の政党像を探る一助として、総選挙で「首相候補」に押し立てる総裁選びのあり方を見直してはどうか。

 総裁選は10日間前後で行われるが、米国の民主、共和両党の大統領候補選びとまではいかなくても、思い切って数カ月に延ばす。長期間にわたる厳しい吟味にさらされることで、候補者は政治的に鍛えられるに違いない。

 総選挙と無関係に、党の事情で首相がたらい回しされることのないよう、首相になった総裁は在任中は代えないというルールも検討すべきである。

 日常的な党運営にも、改革の余地がたくさんある。

 首相候補の下、十分な力量を備えた「影の内閣」をつくり、官僚に頼らない政策立案の術を磨くことが大事だ。

 「脱派閥」をさらに進め、しっかりした執行部が万般にわたって党運営を主導する体制の構築も求められる。

 派閥の連合体とも言われた自民党はかつて、新人の発掘、選挙での支援、当選後の教育、人事や政策の調整など、党運営の隅々まで派閥システムに依存していた。もはや派閥に昔日の勢いはないが、それに代わる内部統制の仕組みが確立しているとは言い難い。

 政権党は日々の政権運営に忙しく、中長期的な視点に立った思い切った党改革に取り組む余裕は乏しい。

 逆境の時こそ、エネルギーをため、将来を期するチャンスである。自民党は、久々の野党経験という好機を逃してはならない。それができなければ、将来政権に復帰しても今の民主党政権の迷走をなぞることになりかねない。

 

円高ドル安—もう「恐怖症」を超えよう【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100909.html#Edit2

 先進5カ国の代表らがニューヨークで円相場の大幅上昇を決めたプラザ合意から、四半世紀がたった。私たちはこの間、「円高恐怖症」に陥ってきたが、そろそろ卒業すべき時を迎えたのではないだろうか。

 15年ぶりの円高水準のもと、民主党代表選でも円高・景気対策が争点になっている。政府は日本銀行とともに対応に追われ、急激な相場の動きには介入も辞さない構えを示す。

 為替変動で打撃を被る人々への配慮は大切だ。だが、円高に歯止めをかけようとしたり、影響を和らげたりするだけでいいとは思えない。

 振り返れば、デフレの遠因となったバブルも、プラザ合意以降の円高による不況圧力を緩和しようと、金融をゆるめすぎた結果だった。

 現在の円の急騰は、米国が低金利・ドル安による輸出主導の景気回復路線を進めていることの反映だ。欧州もユーロ安を容認しているので、増幅されて15年ぶりの円高水準になった。

 しかし、世界全体に対する円相場の変化を示す実質実効為替レートでみれば、過去25年の平均あたりだというデータもある。景気回復のためには円安の方が都合がいいことは確かだが、市場介入や日銀の金融緩和で相場をコントロールできる余地は小さい。

 とすれば、今や円高に適応し、現状を新たな成長の土台とするような構想力と政策が、企業にも政府にも問われているのではあるまいか。

 とくに多極化の時代には新たな発想が必要だ。アジアの新興諸国では今後5年で中間層が15億人に、富裕層も1億人に増えると見込まれる。この勢いを日本の産業の活性化につなげるために、円高も活用したい。

 実際、そうした動きはすでに始まっている。1〜8月の海外企業に対するM&A(合併・買収)は312件と、過去10年で最多のペースにある。

 アジアでの事業拡大や新分野への進出など、海外戦略の強化のために円高を利用して企業買収に動いたところも少なくないに違いない。

 これが現地生産に伴う国内産業の空洞化につながらないようにすべきだ。それには輸入コストの低下を武器に新たな事業を起こし、為替相場に左右されない内需型産業を育てたい。

 たとえば医療や介護、教育といった分野で、政府の新成長戦略に沿った規制緩和などをテコに産業の育成が真剣に追求されるべきだ。

 新規参入で経営の質を高め、職業教育で働き手の能力を引き上げる。そのために競争しやすい市場や制度を考えることも必要になる。

 円高にたくましく順応していく新しい産業構造をデザインする「政府の企業家精神」が、今ほど求められている時はないといえよう。

 

民主党議員へ—派閥の論理と縁を切ろう【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100908.html#Edit1

 民主党の国会議員に望みたい。

 今回の党代表選は事実上、日本の首相選びである。国民に代わって選択する極めて重い責務を委ねられている。その自覚を持って、自分自身で悩み、投票先を決めてもらいたい。

 残念なことに、責務への自覚が足りないのではないかと疑われる発言が、いかにも無造作に飛び出している。

 「私は小沢一郎さんに、総理にまで導いていただいた。ご恩返しをすべきだ」という鳩山由紀夫前首相の発言が典型である。

 一個人としてなら恩返しは美徳だろう。しかし、一国の最高指導者を義理や私情で選ばれたのでは国民はかなわない。自分だけならまだしも、グループの仲間にも同調を呼びかけている。

 鳩山氏に限らず、選挙で世話になったから、などと聞かされると、あまりに内向きの発想に驚かざるをえない。

 理想論だけでは政治はできない。そんな一面があることは否定しない。

 首相になるには数が必要だ。そのために自民党の派閥領袖(りょうしゅう)は資金集めに奔走し、選挙やポストで便宜をはかり、兵を養ってきたではないか、と。

 しかし、日本の政治はその改革の歩みの中で、「数の論理」「派閥の論理」を乗り越えようと試みてきた。

 中選挙区制では一選挙区に同じ党の候補が複数立ち、派閥対抗で争った。小選挙区制に改めれば党と党の戦いになる。サービス合戦は政策競争に変わり、公認やカネ配りの権限も執行部に移り、派閥の存在理由は薄れていく。

 かつて政治改革はそんな絵を描き、現実もそう変わりつつある。

 にもかかわらず、党内に巨大な議員集団を作り上げたのが小沢氏である。

 民主党と合流したころの自由党は30人ほどだったが、いま小沢グループは約150人。代表や幹事長として選挙や資金の実権を握り、党の力を背景に手勢を拡大していく姿は、改革の狙いからは明らかに外れている。

 幸いどのグループにも、上の方針をうのみにせず自分で考えようとしている人々がいる。態度を公表していない議員らが両候補の公開討論会を近く開くのも、それぞれ判断材料を得るためだろう。当然のことだが評価したい。

 支持者に意見を求めながら、共に悩んでいる議員もいる。それも歓迎だ。恩返しというなら、世話になった党の幹部よりも、一票を投じてくれた選挙民を大切にする方が筋が通る。

 いっそこの際、各グループこぞって自主投票を決めてはどうか。民主党への評価が高まるに違いない。

 本来なら、総選挙を通じ有権者が直接、政権党と首相を選ぶ時代である。派閥の論理とはきっぱり縁を切ろう。

 あくまで有権者に基盤を置きつつ、自らの頭で考え投票する。それでこそ議員は「国民代表」の名に値する。

 

介護で雇用—創出へ規制緩和の工夫を【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100907.html#Edit1

 菅直人首相が民主党代表選で、しきりに雇用創出を説いている。介護などの分野で、新たに雇用をつくり出す展望をどう描くのか。代表選の行方とともに注目したい。

 代表選で首相は経済政策の柱に雇用を据え、「介護や医療、保育といった分野の雇用は社会保障の充実にもつながる」と強調している。小沢一郎前幹事長も「社会福祉関係は、大きな成長産業」としている。

 首相はもともと新成長戦略で「医療・介護」に重点を置き、参院選でも「介護は人手不足。ある程度の給料を払えるようお金を投じたら、失業者も職につき、経済も成長する」と、介護分野での雇用創出を唱えていた。

 深刻化している若者の雇用悪化への対策としても期待が集まる政策だ。それだけに、どうやって実現できるかが問われるところだ。

 介護を産業としてみると、現在7兆9千億円の市場規模が2025年には約20兆円になると厚生労働省は見込んでいる。介護従事者は現在140万人を数え、年6万3千人のペースで増えている。

 それでも今は約42万人が特別養護老人ホームの入居待ちをしているように、供給が需要に追いついていない。ホームの運営は社会福祉法人と地方自治体に限られている。こうした規制を見直し、安全を確保しながら参入を拡大していくべきだろう。

 市場の拡大を促すことで雇用の場が増え、介護機器の開発といった投資も刺激される。経済の好循環をつくり出す知恵が必要だ。

 介護職場の現状を改善することも重要な課題だ。平均賃金は月21万円程度で全産業平均より10万円以上低く、短期間でやめる人も多い。

 自公政権下では08、09年度の補正予算で介護施設などの職員の処遇改善に計5千億円超を投じたが、この措置は11年度末で切れる。財源不足で介護職員の賃金が引き下げられる事態を防ぐためにも、今後は税や保険料、自費負担を組み合わせて介護保険制度を充実させていく必要がある。

 介護保険の見直しを議論する厚労省の審議会が今月から、職員の処遇と保険料・税負担を話し合う。良質な介護サービスの提供に必要な賃金はどの水準か。そのためにいくら負担する必要があるのかを掘り下げ、改革の方向を打ち出してほしい。

 焦点のひとつが、65歳以上の年金世代が払う保険料だ。現在は月4160円だが、12年春の改定で5千円突破が確実視される。市町村から「もう限界」と悲鳴も聞こえるが、職員の給与改善などとの総合判断が求められる。

 いずれは消費税の引き上げを含む税制改革も避けては通れないことも念頭に、議論を進めてもらいたい。

 

2010年9月7日(火)付【朝日、天声人語】
http://www.asahi.com/paper/column20100907.html

 選挙のことを「デモクラシーの祭り」と言ったのは英国のH・G・ウェルズだという。SF作家として知られるが、すぐれた文明批評家でもあった。その「祭り」が残暑の日本で佳境に入ってきた。しかし一般の国民は踊りの輪には入れない▼この「首相選び」は政治史に残るだろう。だが、祭りばやしが高鳴るほど隔靴掻痒(かっかそうよう)の思いは募る。〈いつの日か直に決めたい国の顔〉と先の川柳欄にあった。「直に決めた」といえる去年の祭りを、むなしく遠く思い出す方もおられよう▼さて、どちらが首相にふさわしいか。小紙の世論調査では65%が菅首相をあげ、小沢前幹事長は17%だった。他紙も似た傾向のようだ。民意という川は、菅さんを浮かべ、小沢さんを沈めたがっていると見ていいだろう▼民主的なコントロールとは、素人である大衆の方が、結局は、しがらみに巻かれた玄人より賢い結論を出す、という考え方で成り立っている。バッジ組は、新人議員とて利害損得の渦中にあろう。民意が遠吠(とおぼ)えにすぎないとなれば、むなしさはいや増す▼もとより政治は対立を前提とする。そして政治家とは対立の中で勝者をめざす人たちだ。だが小沢さんの出馬には、どこか「私闘」の影がさしていないか。権力ゲームでジリ貧になる焦りから勝負に出たような——。このあたりの陰影に人は鈍くはない▼去年の祭りでの熱を帯びた参加は、たった1年で村祭りの傍観に変わってしまった。頼りなげな清廉にせよ不人気の剛腕にせよ、選ばれるのは村の顔役ではなく、国の顔である。

 

地域主権論争—「粗雑」VS.「乱暴」を超えて【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100906.html#Edit1

 いよいよ、分権改革がすすむのか。

 なにしろ、首相の座を争う2人が、この国の閉塞(へいそく)感をうちやぶる方策として、そろって分権、地域主権改革を唱えているのだ。

 民主党代表選で、菅直人首相は「中央集権国家の霞が関縦割りのマイナスが、いまの日本の停滞につながっている」と指摘し、国のかたちを根本から地域主権に変えると宣言している。

 小沢一郎前幹事長も「霞が関から権限と財源を地方に移す以外に方法はない」「官僚の既得権に大なたを」と訴えている。両氏の主張はその通りだ。速やかな具体化を期待する。

 前途の険しさは、言わずとしれたことだ。民主党は政権交代を機に、分権を地域主権と言い換えたものの成果は乏しい。「政権の1丁目1番地」のはずが、関連法案はひとつも成立していない。権限や財源を守りたい霞が関の各省の消極姿勢が最大のブレーキだが、これからはねじれ国会という壁も立ちはだかる。

 こんな現実を踏まえて、両氏の見解をつぶさに見れば、またも「掛け声倒れ」に終わりかねない危うさも目についてしまう。

 たとえば、菅首相の場合は改革への本気度が問われかねない。公約に、改革の司令塔の地域主権戦略会議を「新設する地域主権推進会議」と誤って書いてある。この粗雑さはひどい。

 昨年来その戦略会議で、首相はほとんど発言せず、目立った指示もしたことがない。それだけに、単純ミスの誤植が図らずも首相の改革への関心の薄さを象徴したようにも見えてしまう。

 小沢氏の場合は主張が乱暴すぎる。「ひも付き補助金を廃止して一括交付金化する」という政府方針を、新たな財源をつくる手立てとして語り、「首長たちは自由に使えるお金をもらえるなら、現在の補助金の7割でいま以上の仕事を十分やれると言っている」と繰り返している。

 われわれも一括交付金化をすすめ、その使い方を自治体の判断に委ねる大胆な改革を、各省を説き伏せてぜひ実現すべきだと考える。

 だが、そこから数兆円規模の財源を生みだすのは難しいだろう。

 なぜなら、約21兆円ある補助金のうち約17兆円は、医療、介護、生活保護や義務教育などにあてられている。この部分で自治体が合理化し、他の用途に回す余地はわずかだ。残る約4兆円の公共事業では、小沢氏のいう3割程度の削減は可能だろうが、財源をひねりだす打ち出の小づちにはならない。

 そもそも一括交付金化は自治体の裁量枠を広げる一案で、財源を工面する策の柱にすえる発想に無理がある。

 両氏には、首相として各省にどんな指示をするのか、具体的な地域主権改革策を競い合ってほしい。

 

沖縄と代表選—外交の全体像を語れ【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100905.html#Edit1

 沖縄県の米海兵隊普天間飛行場の移設問題が、民主党代表選の大きな争点に浮かび上がってきた。

 名護市辺野古への「県内移設」を確認した日米合意を踏襲する菅直人首相に対し、小沢一郎前幹事長が、沖縄県、米国政府と改めて話し合う方針を公約に掲げたからだ。

 在日米軍基地が集中する沖縄県の過重な負担の軽減は、日米安保体制の恩恵を等しく受ける日本国民全体の課題である。この機会を、改めて国民的議論を起こすきっかけにしたい。

 とはいえ、打開策を見いだすのは容易ではない。

 日米両政府は先に、代替施設の具体案について専門家による検討結果を発表した。米国が推す滑走路2本の「V字案」と、日本が提案した滑走路1本の「I字案」が併記された。後者は埋め立て面積がより少なくて済む。

 沖縄の理解なしに無理に案を一本化すれば、かえって事態がこじれる。両論併記は現実的な判断だが、先送りでしかないこともまた事実である。

 名護市長はいかなる形であれ、受け入れに反対だ。仲井真弘多県知事も辺野古移設は困難という。11月の県知事選で示される民意次第では、計画は完全に暗礁に乗り上げかねない。

 日米合意があっても実現の見通しがないなら、何らかの打開策を探るべきだという小沢氏の主張それ自体には、もっともな面もある。ただ、小沢氏は沖縄も米国も納得できる案を必ず見いだせるというだけで、具体的なアイデアや解決への道筋を示していない。

 そんな妙案があれば、鳩山政権9カ月の迷走はなかったはずだ。外交において自己主張を重視する小沢氏としては、正面から米国政府に国外移設を提起する腹づもりなのかもしれない。

 しかし、日米の信頼関係を損なわずに共同作業に持ち込めるのか。大きな構想力と、何より覚悟が求められる。

 小沢氏は「第7艦隊だけで米国の軍事的プレゼンスは十分」「自衛隊が役割を果たせば、在日米軍の役割は軽減する」といった発言を繰り返している。日本の安全をどう守り、その中で日米同盟をどう位置づけるのか、小沢氏には全体像を示す責任がある。

 どんな打開策を探るにしても、沖縄との信頼関係が土台になる。沖縄の負担軽減に先行して取り組むという菅首相の姿勢は正しいが、具体策がなければ説得力を持たない。

 民主党は、とりわけ外交・安保政策について党内に亀裂が入ることを恐れ、議論を避けてきた。代表選は政策路線を固め直す好機でもある。

 普天間の移設先をどうするかだけではなく、日本外交の針路、日本の安全保障と日米同盟のあり方について、首相選びにふさわしい骨太の議論を深めてほしい。

 

小沢氏とカネ—仮に訴追を受けたなら【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100904.html#Edit1

 民主党の小沢一郎前幹事長が、自らの資金管理団体の土地取引事件で、検察審査会の議決により「強制起訴」となれば、訴追に応じると明言した。

 それ自体は、きわめて当然な判断である。

 憲法の規定で国務大臣の訴追には首相の同意が必要だ。小沢氏はきのうのテレビ出演で、首相になっても自らの訴追に同意し、裁判を「堂々と受け、潔白を主張したい」と語った。

 小沢氏の党代表選立候補には、「訴追逃れ」との見方がつきまとってきた。選挙戦序盤のうちに、そうした批判を払拭(ふっしょく)しておきたかったのだろう。

 しかしながら、大きな問題はむしろそこから先に横たわっている。

 仮定の話になるが、「小沢首相」が起訴されたとき、私たちは何とも異様な光景を目にすることになる。

 刑事事件の被告は、一審の公判には必ず出席しなければならない。

 判決の確定までは「推定無罪」の原則が働くとはいえ、私たち日本国民は裁判が終わるまで「被告席に立つ首相」をいただき続けることになる。

 そのような首相が諸外国とどうやって首脳外交を展開するのか。公判中に危機管理や安全保障に絡む緊急事態が発生した場合、どう対応するのか。

 裁判闘争をしながら、最高指導者の重責も果たす。そんなことが現実に可能だろうか。

 小沢氏はこの間、検察の不起訴で「不正がなかった」ことが証明されたと繰り返してきた。しかし正確には、刑事事件として立件するに足る証拠が認められなかったということだ。

 小沢氏のこれまでの説明には、腑(ふ)に落ちない点がたくさん残っている。

 小沢氏は訴追を受ければ国会での説明に応じる考えも示したが、その前に、この代表選の中できちんと疑問に答えてもらわなければならない。

 4億円の土地購入の原資をめぐる小沢氏の説明は二転三転した。手元資金があるのに、利息を払ってまで銀行融資を受けるといった不自然な資金の流れについても、納得のいく説明はない。小沢氏の了解なしに秘書が独断で処理したというのも、額面通りには受け取りにくい。

 そもそも、この問題に対する小沢氏の認識は甘いと言わざるを得ない。

 収支報告書の虚偽記載を、相変わらず「手続きミス」だと言っているが、収支報告書の記載が信用できなければ、政治資金公開制度の根幹が揺らぐ。単なる形式犯ではない。

 今回の代表選では、カネと数の原理が幅をきかす「古い政治文化」の是非も重要な論点となる。説明責任を軽んじる政治もまた、古い政治である。

 小沢氏がまずここで疑問に答えなければ、せっかくの政策論争の機会も十分に生かせない。

 

民主公開討論—政治観の違いが見えた【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100903.html#Edit1

 「古い政治文化」か、「新しい政治文化」か。これが民主党代表選の重要な論点に浮かび上がってきた。

 政権交代後も迷走の続く日本政治にとって避けて通れないテーマである。

 菅直人首相と小沢一郎前幹事長にはより深く掘り下げて論じてほしい。

 きのうの日本記者クラブの公開討論会では、菅氏が議論を仕掛けた。

 「『古い政治』は二つある。ひとつはカネの問題。もうひとつは数の力。小沢さんの政治のあり方は、カネと数の原理が色濃くある」

 そして、ほかの政党とも、国民との間でも政策を巡る議論を重ね、合意を形成する「熟議の民主主義」を確立し、新しい政治文化をつくっていきたいと語った。

 小沢氏を単純に「古い政治文化」の体現者と決めつけるわけにはいかない。政治改革を主導してきた急進的な改革者の顔も併せ持つ。

 ただ、自民党田中派以来の「数は力」の体質は否定できない。国政選挙での公認権や党の資金も背景にして、巨大なグループを築く。政策調査会を廃止し、自身が率いる幹事長室に権限を集中させる。そんな手法は、熟議の民主主義とは対極にある。

 公開討論会で小沢氏は、矢継ぎ早に問いただされた。

 小沢氏が首相になったら、連立を組み替えるのか。検察審査会で再び起訴すべきだと議決されれば、首相として自身の起訴に同意するのか——。

 どの質問にも「勝つかどうかわからない」などとして、はっきりと答えない。説明を嫌い、白紙委任を求める体質の表れと言われても仕方がない。

 官僚主導の政治から、政治主導の政治へ。「政」と「官」との関係のあり方については、両氏の基本的な考え方に大きな違いはあるまい。

 両氏を分かつのは、「政」の中での権力観だろう。

 クリーンでオープンな民主党を、と唱える菅氏は「全員参加」型の意思決定を唱える。

 これに対し小沢氏は、明らかに権力集中型、トップダウン型である。

 かねて、みずからのよって立つ「政治集団を強化、拡大」すること、「権力の集中」や「権力の行使」をためらわないことの必要性を繰り返し説いてきた(「日本改造計画」)。

 小沢氏の政治遍歴を貫いてきた行動原理とでもいうべきものだ。

 政治はプロセスよりも結果である。そんな考えもあるに違いない。

 しかし、国民に「痛み」を求めざるをえない時代、丁寧な説明や合意形成を軽んじて本当に政治が進むのか。

 この20年あまりの日本政治に大きな位置を占めてきた「小沢氏的なるもの」の是非が、代表選を通じ最終的に問われることになる。

 

民主 論戦始まる—対立軸ははっきりした【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100902.html#Edit1

 2人の違いがかなり鮮明になったことを歓迎したい。これからの2週間、首相選びにふさわしい、堂々たる政策論争を深めてもらいたい。

 民主党代表選が告示され、菅直人首相と小沢一郎前幹事長がそれぞれ公約を発表し、共同記者会見をした。

 小沢氏は昨年の衆院選マニフェストの実行を最優先する方針を表明した。消費税論議は、徹底した無駄の削減が済むまでしないと明言した。

 米軍普天間飛行場移設問題でも、沖縄県、米国政府双方の理解が得られる解決策が必ず見いだせると強調した。

 どちらの懸案も、小沢氏が幹事長として支えた鳩山政権がやろうとしてできなかったことだ。小沢政権で真の「政治主導」を確立し、解決できるというなら、そのための手段と道筋を、もっと具体的に語ってほしい。

 菅首相は、実現が困難なマニフェストの修正と、消費税論議に取り組む姿勢を明確にした。

 「クリーンで開かれた政治」を掲げて小沢氏との違いを明らかにし、「どちらが次の首相にふさわしいか、国民に判断していただく」と言い切った。

 民主党内には矛盾する政策路線が同居する。それが迷走の原因にもなる。今回の代表選は、論争を通じて進むべき道を選び、政権再出発の足場を固め直す好機である。

 その意味で、互いの違いをはっきりさせようという両氏の姿勢はいい。

 ただ、政治資金問題に対する小沢氏の説明は不十分なままだ。

 小沢氏は検察の不起訴で問題は決着済みという認識だが、市民の代表からなる検察審査会の判断次第では強制起訴の可能性が残る。首相を目指す資格があるかという問いから逃れるには、もっと言葉を尽くすしかない。

 代表選後の行動も問われている。

 「壊し屋」と評される小沢氏だが、会見では「党の分裂はありえない。結果がどうあれ、力を合わせて頑張る」「ねじれ国会を政界再編で乗り切る考えは持っていない」と明言した。

 菅氏も同じ考えを示した。

 政権交代時代に入り、各政党は民意と無関係な離合集散や合従連衡に血道をあげる悪癖から卒業すべきである。選挙後、手のひらを返すような動きを起こすことはないか。きのうの2人の言葉をよく覚えておこう。

 代表選の投票権を持つのは、民主党の国会議員、地方議員、党員・サポーターだけだが、事実上は日本の首相選びである。両氏には、広く国民全体に支持を呼びかける姿勢が求められる。

 組織票固めや水面下の多数派工作ばかりでは、有権者の心は離れる。

 歴史的な政権交代から1年。すでに民主党政権は、がけっぷちに近づいている。その危機感を、両陣営と全党員が共有しなければならない。

 

民主 論戦始まる—小沢氏では財政が心配だ【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100902.html#Edit2

 マニフェストの実施について記者会見で違いを際立たせた菅首相と小沢前幹事長。2人の路線は、その背景にある財源の確保や財政健全化についても、真っ向から対立することがはっきりしてきた。

 民主党代表選の一騎打ちは財政運営をめぐる路線闘争でもあり、どちらの路線になるかで国民生活を左右する大きな課題だといえよう。

 小沢氏は、官僚主導のシステムを改革すれば巨額の財源を確保できるといい、無駄減らしの徹底が増税論議より優先すると主張する。菅氏は、消費税を含む税制改革に社会保障改革とセットで取り組むと説いている。

 どちらの言い分にも、それなりに理はある。だが、理念だけで財政は運営できない。財源がどれほど必要で、どう工面するか。持続可能か。そうした裏付けがなければ、政策がいかに魅力的でも、成り立たない。

 子ども手当や高速道路の無料化など民主党のマニフェスト政策を満額実施するには、巨額の財源が必要となる。菅、小沢両氏の主張はどちらが説得力があるだろうか。

 それを判断するリトマス試験紙が来年度予算編成だろう。各省庁の概算要求が出そろった今こそ、両氏の考えを比べる格好の場面だ。

 一般会計の要求総額は97兆円に迫り、要求額としては過去最大に膨らんだ。国債の償還や利払いにあてる国債費を除き、一般歳出の要求額は73兆円近くとなったが、菅政権はこれを今年度予算並みの「71兆円以下」に抑える方針だ。新規国債発行を今年度と同じ44兆円とする目標も掲げている。

 菅政権が引き続き編成を進めるなら、この要求額から1兆〜2兆円削れば目標枠は達成できそうだ。

 税収を上回る44兆円もの借金は異常なことだが、日本経済の体力や世界経済の先行きの不確実性を考えれば、一気に緊縮へ舵(かじ)は切りにくい。まずはこれを守ることが最低ラインだ。

 だが「小沢首相」が誕生したら、無駄の削減が看板倒れとなって、大盤振る舞いにならないか。小沢氏は子ども手当を来年度は月額2万円に引き上げる方針を掲げた。そのうえにほかのマニフェストをすべて実施すれば予算は計4兆〜5兆円膨らむ。

 それでも「71兆円枠」や「44兆円枠」は守れるのだろうか。あるいは小沢氏は、これらの枠を守らなくていいという考えなのか。そこをまず明らかにしてもらわなくてはならない。

 「守る」という姿勢なら、財源を具体的に説明する必要があることは言うまでもない。

 先進国で最悪の日本の借金財政は、国債相場の急落の引き金となる危険が増している。小沢氏の路線では、それに拍車をかける不安もぬぐえない。

 

民主党代表選—密室の談合よりはいい【朝日、社説】
http://www.asahi.com/paper/editorial20100901.html#Edit1

 民主党代表選がきょう告示される。

 菅直人首相と小沢一郎前幹事長が激突し、代表、そして首相の座を争う。

 直接対決を避けようという動きが土壇場まで続いたが、うまくいかなかった。「密室の談合」といった厳しい批判を招くのは必至だっただけに、民主党にとっては幸いというほかない。

 小沢氏は記者会見で、菅氏について「挙党一致態勢をとるべきではないという考えだったようだ」と指摘した。

 菅氏は、仲介者から人事面での配慮を求められたが、「国民から見えないところで決めるのはおかしい」と考え、応じなかったと説明した。

 菅氏の対応は当然である。

 挙党一致と、ポストをめぐる水面下の取引は別物であり、そんなことで首相を決められては国民はたまらない。

 それにしても、鳩山由紀夫前首相の一連の行動は理解に苦しむ。

 菅、小沢、鳩山の3氏によるかつての「トロイカ体制」に立ち戻って、「挙党態勢」を構築するよう訴えた。菅、小沢両氏の会談を「責任を持って仲介の労を取る」とまで述べた。

 いまさら「トロイカ」を持ち出す思考に驚く。政治とカネの問題で引責し小沢氏とダブル辞任したばかりなのに、どういう脈絡からこうした発言が出てくるのかわからない。

 鳩山氏は身を慎むべきである。

 今回の代表選は、菅政権が発足してわずか3カ月で実施される。党としての決まりごとだからやむをえないが、あまりにも短命な首相を生みかねない仕組みは本来、好ましくはない。

 しかし、小沢氏が出るというなら、話し合いで正面衝突を回避するより、正々堂々と戦ってもらう方がいいだろう。この党の抱え込んできた矛盾が、あまりにも大きいからである。

 結党以来、民主党は様々な政治的潮流を併せのんできた。小沢氏が率いていた自由党との合併が典型だ。

 理念や政策路線、政治体質が違っても、政権交代という大目標は共有できたから、まとまってこられた。

 しかし、目標を達成してしまうと、党内がばらけ、迷走感が深まった。いったい何をめざす政党か、足場を定める作業を怠ってきたからである。

 この機会に徹底して議論を戦わせ、決着をつけないと、民主党のみならず政党政治そのものが漂流してしまう。

 この代表選を、単なる権力闘争ではなく、新しい政治をひらくきっかけにしなければならない。

 民主党の議員らには、首相選びに加われない国民に代わって、どちらがふさわしいか見極める重い責任がある。ポストがほしいから、報復が恐ろしいからと判断を曲げては、有権者から手痛いしっぺ返しを受けるだろう。

 これは実質日本の首相選びである。そのことを心してもらいたい。

 

※参考:以下はニューヨーク・タイムズ。「a scandal-tainted power broker」って随分酷い言い方ですね。

In Japan, Party Ex-Leader Will Challenge Premier
By HIROKO TABUCHI
Published: August 26, 2010
http://www.nytimes.com/2010/08/27/world/asia/27japan.html?_r=1&ref=hiroko_tabuchi

TOKYO — After just three months in office, Prime Minister Naoto Kan of Japan  faces a challenge from a scandal-tainted power broker within his own party in a leadership race that could hamper the government’s response to a debilitating economic slowdown.

Kyodo/Reuters
Ichiro Ozawa , the former secretary general of Japan’s ruling Democratic Party, spoke in Tokyo on Thursday.



The power broker, Ichiro Ozawa, 68, said Thursday that he planned to run against Mr. Kan for the presidency of the Democratic Party on Sept. 14, a position that would ensure his appointment as prime minister. Mr. Ozawa, who is credited with the Democrats’ rise to power last year, has been increasingly critical of Mr. Kan since the party lost ground in elections last month.

Mr. Ozawa’s challenge could bring upheaval to the Democrats just as Japan’s recovery from a painful recession shows signs of sputtering. Growth slowed to just 0.1 percent in the most recent quarter, and the strength of the yen has threatened to erode earnings at Japan’s exporters because it makes their products more expensive abroad and therefore less competitive.

“Although I am unworthy, I have decided to run in the leadership election,” Mr. Ozawa said.

In a thinly veiled censure of Mr. Ozawa’s old-school politics, Mr. Kan said Thursday, “We must first break down Japan’s political structure, then construct a new one together.”

A divisive figure, Mr. Ozawa could also bring more political uncertainty to a country that has had five prime ministers in three years.

The Democrats ousted the Liberal Democratic Party last August after a string of unpopular prime ministers finally compelled voters to reject the L.D.P., a party that had governed Japan for most of the past half-century. Yukio Hatoyama of the Democrats took office as prime minister in September, only to resign nine months later over a broken campaign promise to move a United States Marine base from Okinawa.

His successor, Mr. Kan, first appeared to be winning back popular support for the party, but he has seen his ratings nosedive after suggesting that Japan may raise its consumption tax to tackle its mounting public debt.

Mr. Ozawa, the leader of the Democrats from 2006 to 2009, was forced to step down over a political financing scandal just months before his party’s rise to power. The scandal still clouds his future. He remains under criminal investigation, and a citizens’ judicial panel is expected to rule on whether he will be indicted after the Sept. 14 vote.
A version of this article appeared in print on August 27, 2010, on page A4 of the New York edition.

 

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 できれば全てにご協力お願いします(重複OKです)。
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 *インターネット署名(英語版)
 http://www.thepetitionsite.com/1/no-to-military-baseyes-to-dugong-protection-area
 *署名用紙のPDFはこちら
  http://www.sdcc.jp/iucn/2009-2010-sign.pdf
 *署名の詳細はこちら
  http://www.sdcc.jp/iucn/2009-2010-petision.html
  
もしよろしければ、この署名の拡散もお願いします!

投稿: konishi | 2010年9月14日 (火) 16時59分

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