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2014年7月13日 (日)

指宿信氏:刑事司法改革のはずが未曾有の捜査権限拡大に化けてしまった 周防正行氏:小さな一歩でも警察にとっては絶望的な恐怖

指宿信氏:刑事司法改革のはずが未曾有の捜査権限拡大に化けてしまった
videonewscom
http://youtu.be/Pf1IDUpCJYc

2014/07/12 に公開

概要:
http://www.videonews.com/
ニュース・コメンタリー (2014年07月12日)
刑事司法改革のはずが未曾有の捜査権限拡大に化けてしまった
ゲスト:指宿信氏(成城大学法学部教授)
 刑事司法の改革を議論してきた法制審議会の特別部会が、7月9日に提出した最終答申案の中で、取り調べの可視化の導入と並行して盗聴権限の拡大や司法取引の導入を提言していることについて、成城大学法学部の指宿信教授はこの答申が日本の刑事司法あり方を根底から変える一大転換点になる危険性があるとの見方を示し、警鐘を鳴らした。
 相次ぐ検察不祥事や冤罪事件を受けて、日本の刑事司法制度を冤罪を出さないようなものに改革するため議論をするはずだった法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」は、26人の委員のうち19人を法曹関係者が占め、議事進行も法務官僚が握っていたため、「アジェンダセッティング(議題設定)に失敗した」と指宿氏は指摘。「警察・検察は取り調べを可視化したら被疑者から自白が取れなくなるのではないかという恐怖心から反対をしているように見えるが、それは口実で、実際は捜査権限の拡大が狙いだった」と、会議自体が当初から捜査権限の拡大を意図したものだったとの見方を示した。
 その上で、指宿氏は盗聴の対象となる事件を大幅に拡げることや、司法取引の導入を提言した最終答申は、「刑事司法の一大転換点になるかもしれない。裁判員裁判以上の大転換になるのではないか」と、録音・録画の対象となる事件が刑事事件全体の2%に限られたことと同時に、今回の答申が提案している捜査権限の拡大が、日本の刑事司法のあり方を根底から変えていく可能性を危惧していると語った。
 冤罪を出さないための刑事司法改革を議論してきたはずの法制審議会特別部会は一体何を提言したのか。その内容はどのようなもので、それは今後の刑事司法にどのような影響を及ぼすのか。刑事司法に詳しい指宿氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。

 

周防正行氏:小さな一歩でも警察にとっては絶望的な恐怖だと思う
videonewscom
http://youtu.be/-evlD7u9Buc

2014/07/11 に公開

概要:
インタビューズ (2014年07月11日)
小さな一歩でも警察にとっては絶望的な恐怖だと思う
インタビュー:周防正行氏(映画監督)
 相次ぐ検察の不祥事や冤罪事件を受け、刑事司法制度の改革を議論してきた法制審議会の特別部会の委員で映画監督の周防正行氏が、7月11日、ビデオニュース・ドットコムのインタビューに応じ、9日に合意された最終答申案で取り調べの可視化が全刑事事件の2%にしか適用されないことが決まったことに大きな不満を覚える一方で、僅かでも取り調べの全過程の可視化の方向に向かったことについては今後につながるものとして評価したいとの思いを語った。
 3年間の特別部会での議論を振り返り周防氏は、「自分たちの言葉がなかなか届かなかった」と、可視化を進めるべきだとする周防氏ら「非法律家」の意見が、警察・検察や裁判所などの法曹関係者が多数を占める会議では十分に尊重されなかったことに、悔しさをにじませた。
 映画「それでもボクはやってない」で監督として痴漢冤罪事件を描いた周防氏は、元々この特別部会を、大阪地検特捜部による証拠改ざん事件や相次ぐ冤罪事件などを受けて、冤罪を出さないための制度改革を議論するために設置されたものと考えて、委員に就任したという。ところが、会議の名称が、「新時代の刑事司法制度特別部会」とされ、可視化については警察・検察の利害を代弁する委員たちから激しい抵抗を受ける一方で、盗聴権限の拡大や司法取引の導入など、警察・検察の権限の拡大が議題に含まれていることを知り、「前提が共有されていないことに途中から気づいた。実際には最初から捜査当局の権限拡大を図るための会議だったのだと思う」として、会議そのものの性格が、当初周防氏らが想定していたものとは違っていたことを指摘した。
 そして、何よりも大前提が共有されていなかった点は、「警察・検察関係者たちは自分たちがこれまでやってきたことが間違っていたとは考えていなかった」ことだった周防氏は言う。「彼らの自分たちこそがこれまで日本の治安を守ってきたとの思いはものすごく強いものがあった。」
 しかし、その上で、最終的に取り調べが録音・録画の対象となる事件が全刑事事件の2%に過ぎない裁判員裁判対象事件に限られたことについて周防氏は、「僅か2%といっても、これまで密室の取り調べでいかに自白を引き出すかしか考えてこなかった警察関係者にとって、これは絶望的に恐怖なことなんだと思う」として、この2%をきっかけにして警察の捜査のあり方が今後大きく変わってくる可能性に期待をにじませた。
 とは言え、会議を通じてより根本的な問題が見えてきたことも周防氏は指摘する。3年間の議論を経て周防氏は、警察・検察の間で近代司法の要諦である「推定無罪の原則」は必ずしも重視されてないとの印象を持ったと語る。「彼らは現在の日本の治安を守っていけるのであれば、1人や2人の冤罪くらいはやむを得ないと考えているのだと思う。そして、一般の国民の中にもそう考えている人は多いのではないか。」周防氏はこのように述べ、なぜ推定無罪が重要なのかを教育や報道を通じて社会に訴えていくことの重要性を強調した。

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