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2017年1月16日 (月)

日本ニュース 戦争証言アーカイブス 戦後編 第61号(1947年3月)〜第80号(1947年7月)

 特に戦前の日本ニュースは、大本営発表で検閲済み国策映像。ただし、それはそれで当時の空気を想像・実感するのに役立つ貴重な資料映像です。すべてリンクと再生テキストを資料保存しておきました。なおリンク先ではすべて映像を見ることができます

 

日本ニュース 戦争証言アーカイブス
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/list.cgi

日本ニュース一覧
「日本ニュース」は、太平洋戦争を間近に控えた1940年(昭和15年)から終戦をはさみ、1951年(昭和26年)まで制作されたニュース映画です。制作したのは、「日本映画社」(※)で、1940年にそれまで4つに分かれていた新聞社や通信社のニュース映画部門を国策により統合したものです。
戦時中の「日本ニュース」は、日本軍や内務省の検閲を受けた後、毎週映画館で封切られ、国民の戦意高揚に用いられました。テレビがない時代、国民は「日本ニュース」が伝える真珠湾攻撃や特攻隊出撃、学徒出陣の様子を映画館で目にしたのです。
「日本ニュース」は、戦争完遂を目的にした国策映画ですが、太平洋戦争中の映像記録として大変貴重なものです。「戦争証言アーカイブス」では、1940年(昭和15年)の第1号から、戦後も含め、1948年末までのものを公開しています。

※(1941年5月までの会社名は「日本ニュース映画社」)
※日本ニュース戦後編の再生テキストは、国立歴史民俗博物館の協力で作成しています。

 

日本ニュース 戦後編 第61号(1947年3月)6分45秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310061_00000&seg_number=003

選挙戦近づく            01:14
雨ざらしの芸術           00:37
カメラ訪問 高松宮と語る      01:01
春は馬から 八王子<時の話題>   00:36
勲章帯留となる 京都<時の話題>  00:15
小平公判はじまる 東京<時の話題> 00:24
今週の東京裁判           00:34
事故の原因は? 危険な国鉄の現状  02:00

選挙戦近づく            01:14
いよいよ4月には、村長から衆議院議員に至るまでのいろいろな選挙が行なわれることになり、各派各政界は選挙の対策に血相を変えています。そのためか議会の出席率ははなはだ不良。満員の傍聴席を尻目に一部の議員さんたちは早くもおのおの選挙区に帰って立候補準備を始めたものとみえます。
それにひきかえ2月27日、銀座の街頭議会はなかなか盛会。放送局の街頭録音に進出した金森国務相は公職追放について一般大衆と猛烈な質問戦。

《発言者・男性》
「金森さんはいろいろもっともらしいことを言いますけれども、どうせ民主主義者を追放にかけようなどという魂胆がはっきり出ているじゃありませんか」

《金森国務相》
「それはまったく心外なるご質問だと私は思います。私はこの追放令というのは最も的確に最も正確にですね、やっておるのであります。したがって、この追放の決定をするのはだれがするかといえばですね、その基本たる考えを占めまするのは資格審査の委員会でありまして・・・」

雨ざらしの芸術           00:37
東京上野の美術学校には、ギリシャ、ペルシャの彫刻、壁画をはじめミケランジェロ、ロダンなど世界的な作品の複製がありますが、戦時中、十分な手当てがされませんでした。そのため大切なミケランジェロの作品にも穴があいたり雨漏りのしみができたりしています。これらは世界各国の博物館から贈られた日本に一つしかないものだけに大変惜しまれています。

カメラ訪問 高松宮と語る      01:01
財産税問題、臣籍降下などで各宮家ともいろいろとご多忙の様子です。御殿を同胞援護の洋裁所に開放された高松宮様は同胞援護会会長をしておられます。財産税だけでも1002万円といわれる高松宮様に3月3日本社記者はお目にかかりました。

《記者》
「同胞の援護について何か一つお話し願いたいのですが」

《高松宮》
「公の手で生活の最低限を保障するという見方は、大変けっこうなことだと思います」

《記者》
「それから殿下の財産税は」

《高松宮》
「あれじゃないか」

《記者》
「一部ではですね、今のような反動性の強い政府でなくてもっと民主的な政府を作らなければならんというようなことを言っておりますけれども、その点、殿下はどうお考えですか」

《高松宮》
「それはそうだよね」

春は馬から 八王子<時の話題>   00:36
初の東京都競馬が3月1日八王子でふたを開けました。インフレ景気の面々が続々繰り込んでいます。第10レース、鞍ナンバー6のマコト号1着、騎手小林君は2万円獲得しました。

勲章帯留となる 京都<時の話題>  00:15
京都のある娘さんの思いつき。勲三等瑞宝章が帯留となりおなかの真ん中でさん然と輝いています。

小平公判はじまる 東京<時の話題> 00:24
3月3日の東京刑事地方裁判所、殺人魔小平義雄の第一回公判。写真は一切ご免と、小平は編笠の中に顔を隠して最後まで各社カメラマンに撮影させませんでした。

今週の東京裁判           00:34
東京裁判は弁護団側の立証段階に入るとともに、外国カメラマンや外人記者の活躍が目立ってきました。いよいよ世界の注目を集めつつあります。3月4日、弁護側2番目の証人に岡田忠彦元衆議院議長が立ち、議会と政府などの関係について述べ、暗に東条被告の独裁制を認めた点が注目されています。

事故の原因は? 危険な国鉄の現状  02:00
去る2月25日の八高線列車転覆の現場では、28日供養が行なわれました。一方、実地検証は浦和検事局の手で当の乗務員を同行して連日行なわれましたが、直接の原因は運転手の過失と3月4日認定されました。

《浦和検事局 小幡検事》
「現場の検証や機関士の取り調べをいたしました結果、レールや連結器にはなんらの異常が認められず、結局、機関士の運転上の過失に起因することが判明いたしました」

しかし、事故の起こる危険はまだまだほかにあります。機関車の多くは古くて痛んでおり、速度計のないものや壊れているものが多く、乗務員は勘で運転しているといわれています。ブレーキも車輪をぴったりと押さえず隙間ができているので効かないものがあります。資材不足がその原因です。レールを測るとそのすり減ったさまはひどいもので、表面が減っているばかりでなく、このように原型をとどめないくらいのものがあります。枕木が腐っています。そこにも脱線の危険があります。東京鉄道局では昼夜兼行で直していますが、事故をなくするには、なによりも資材が闇に流れないように、インフレが資材の生産を妨げないようにすることが第一だと現場の人たちは言っています。

 

日本ニュース 戦後編 第62号(1947年3月)6分23秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310062_00000&seg_number=004

いよいよ選挙前哨戦       01:15
富士山になだれ         00:36
天皇林野局へ 東京<時の話題> 00:26
わたしたちもラグビー! 大阪<時の話題> 00:24
西の国境 五島列島 長崎<時の話題> 00:18
公開された世界的名画 東京<時の話題> 00:25
今週の東京裁判         00:38
逓信省もめる          02:17

いよいよ選挙前哨戦       01:15
選挙をひかえて大部分の立候補者の資格審査が3月11日締め切られました。さて落第か及第か。東京都庁締め切り時間の緊張した風景。
3月8日、国民党と協同党が合同、選挙に備えました。

《発言者氏名不明》
「憂国の至情を結集して政界の革新を図るためここに合同、新たに国民協同党を樹立することになった」

3月9日、宮城前の国際婦人デー。ここでも働く婦人として選挙にどう臨むべきかが論ぜられました。

《発言者氏名不明》
「4月に行なわれる四つの選挙に対し、現政府を構成しているような政党に絶対に入れることのないように、私たち労働者を基盤にした政党を議会に送り出したいと思うのであります」

かくて選挙を前に各方面の動きはやや活発となってきました。

富士山になだれ         00:36
3月3日夜、富士山の2合目付近になだれが起こり、雷害測定所は木っ端みじんとなり、頂上への送電線が切れ、八丈島との超短波通信ができなくなりました。今、復旧作業を急いでいますが、材料はすべてかついで運び、ひっきりなしに濃霧が襲うので工事は困難をきわめています。

天皇林野局へ 東京<時の話題> 00:26
3月7日、天皇皇后両陛下は帝室林野局へおいでになりました。皇室の御料林130万町歩が財産税として納められることになったので、両陛下はいろいろお名残を惜しまれました。

わたしたちもラグビー! 大阪<時の話題> 00:24
私たちだってラグビーぐらいはと、最近、大阪の大手前高女にラグビーのチームができました。今に男子の一流チームも負かしてやるんだとなかなかの猛練習。

西の国境 五島列島 長崎<時の話題> 00:18
今ではわが国の西の国境となった長崎県五島列島。ごらんのとおり今さかんにぶりが取れています。こんなにたくさん取れても、はたしてどれだけみなさんのお口へ入るやら。

公開された世界的名画 東京<時の話題> 00:25
今まで少数の篤志家の手にあった全ヨーロッパの世界的名画200余点が、3月10日から東京上野美術館で初めて広く一般に公開されました。

今週の東京裁判         00:38
弁護団側の反証に入ってすでに10日、いよいよ内外の注目を集めている東京裁判の証人台に、3月6日、外交評論家田村幸策、神道研究家井上孚麿、10日、元フィリピン大使村田省藏の諸氏が続々現れました。11日には記者席に中国記者団の顔も見え、元翼賛会副総裁安藤紀三郎が特に巣鴨から出廷、証人台に立ち、注目を集めました。

逓信省もめる          02:17
3月8日、衆議院では果然、逓信省内の不正事件が取り上げられ、社会党・井上良次氏より緊急質問。

《井上議員》
「犯罪を犯したところの役人たちを処罰して、大臣としての責任が逃れると考えておるかもしれませんけれども、これで責任は逃れられません」

一松逓相が立って答弁。

《一松逓相》
「工務局の一官吏が局長の名前を使い、もしくは局長の印を使って、そうして出入りの許可を許したとかいう事実があります」

事件の内容は、新宿三福ビルをある役人が勝手にダンスホールに貸した問題。もう一つは回線統制本部の予算2100万円を従業員の乏しい徹夜手当てなどに流用した事件。逓信省の大部分の従業員は成り行きを静観していますが、事件の責任者、工務局の部課長たちは職場をそっちのけ、ドアに鍵をかけて連日協議。逓信大臣の事件に対する態度はわれわれの実情を無視したものだと逓相の辞職を要求。これに対し逓相も本社記者に強硬なところを見せました。

《記者》
「大臣はこの今のままで押し通していかれるおつもりなんですか」
《一松逓相》
「今のままではだね、これはきみ、向こうがだな、大いに自粛し自戒してくれば、いつでも僕は喜んで応じるよ」
《記者》
「そうでございますか」
《一松逓相》
「自粛自戒せずしてだ、自分らの強硬な態度をもって衆を頼んで僕を圧迫しようとすれば、絶対に応じない。この機会に徹底的につきつける」

こうして10日には2課長の休職を発令しました。
ところで、逓信省のお家騒動のとんだとばっちりをうけたのは三福のダンスホールのダンサーたちです。お役人が悪いことをしようとしまいと、もしホールが閉鎖と決まれば、これは私たちの生活権の問題だと、踊り子さんの話題もなかなか深刻です。

 

日本ニュース 戦後編 第63号(1947年3月)6分39秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310063_00000&seg_number=009

“総選挙について”ヘイズ中佐語る 00:54
選挙と商売            00:59
今週の東京裁判          00:27
世界労連代表者入京<時の話題>  00:23
二人の婦人知事候補 滋賀・埼玉<時の話題> 00:23
左義長まつり 滋賀<時の話題>  00:26
人工なだれ 新潟<時の話題>   00:38
春が来た!<時の話題>      00:56
ヤミ列車を警官隊急襲       01:27

“総選挙について”ヘイズ中佐語る 00:54
3月19日、連合軍総司令部民生部民間情報教育部の記者会見で、ヘイズ中佐は本社記者の問いに対して今度の選挙について次のように答えました。

《ヘイズ中佐》
「総選挙で日本人民は選挙権の行使により、民主主義が根をおろすか否か、また世界各国との平和条約および正常なる国交回復の近道を示す重大な精神的革命を経験したか否かを表明する機会をもつであろう」

選挙と商売            00:59
四つの選挙を前に虎視眈々と立候補者の懐をねらっているいろいろな商売があります。考えたのは幻灯で、これを使って宣伝しなさいというわけ。応援弁士に学生が大もてで、その謝礼を学費にしようという魂胆らしいです。儲け代表は翻訳者とタイピストだそうです。資格審査そのほかに必要な英文書類を作るだけに莫大な実入りだといううわさ。印刷屋さんももう大繁盛です。思いがけないのはちょうちん屋さんで、これもいまやてんてこまいとのことです。

今週の東京裁判          00:27
春めいてきた3月18日、東京裁判の法廷には、松竹副社長城戸四郎氏が証人として登場。この日休憩中、控室で倒れた松井石根被告は担架で病院へ運ばれました。

世界労連代表者入京<時の話題>  00:23
3月17日来朝した世界労働組合連盟アメリカ代表タウンゼント氏は、18日夜日本の労働組合代表と懇談しました。

二人の婦人知事候補 滋賀・埼玉<時の話題> 00:23
初めての県知事選挙に名乗り出た2人の婦人候補、滋賀県愛知川の藤井静子さん(37歳)、もう一人は浦和市のヒラトトシエさんで今年48歳。さて、日本にも女の知事さんができるかどうか。

左義長まつり 滋賀<時の話題>  00:26
滋賀県近江八幡の別名きちがいまつり。2日間踊り抜き、1万円かけて作った10数本のお飾りを一瞬にして燃やすという、近江町人の地元にふさわしい豪華なおまつりです。

人工なだれ 新潟<時の話題>   00:38
なだれの襲来から線路を守るため、新潟鉄道局では3月13日から雪の難所、米坂線舘山の雪庇崩しを始めました。反対側の斜面から吹き上げられた厚さ70尺もある雪のひさしをロープでちぎり落とす危険な作業です。

春が来た!<時の話題>      00:56
春が来て焼け跡の麦も伸びてきました。動物たちにも春が来ました。東京都内では子供たちが移動保育隊を囲んで「春の歌」を歌い始めました。

ヤミ列車を警官隊急襲       01:27
3月20日払暁、200名の警官隊が有名なヤミ列車を松戸駅で襲いました。常習ヤミ列車といわれる常磐線青森発202列車は松戸止まりとなり、荷物を持った人たちは片っ端から取り調べをうけました。

《警官》
「荷物見せてください。中を広げて見せて」
《乗客》
「米と握り飯とたくわんです」

本職のヤミ屋さんはそれと知るや米を置き去りにしていち早く姿を消しました。こんな姑息なことをするよりヤミ買いをしなくてもすむようにしろとくってかかる人もあり、泣き落としにかかる人もあり、ときならぬ悲喜劇が演じられました。

 

1947年4月
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/list.cgi?value=19474

日本ニュース 戦後編 第64号(1947年4月)6分46秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310064_00000&seg_number=004

解散を前にもめる議会  01:22
全国選挙だより     01:19
世界労連代表工場を視察 00:35
今週の東京裁判     00:30
春の中山競馬開く    01:02
新選挙権をどう使う?  01:55

解散を前にもめる議会  01:22
中選挙区単記制で押す与党側とこれに反対の野党側と3月24日の委員会はついに乱闘騒ぎ。

《[岩本]委員長》
「議事進行について椎熊三郎君より発言を求められておりますから、それを許します」

《委員会議員》
「議長!発言はないじゃないか」

(委員会議場紛糾)

しかし、3月27日夜の状態ではどうやら中選挙区2名連記で妥協しそうな形勢となってきました。
また、進歩党の新党運動は、3月23日芦田氏の自由党脱党から急速に発展、犬養氏は満々たる自信のほどを示しました。

《記者》
「この新党を結成された場合にですね、何名ぐらいの議員を選挙によってここへ送り込むことができるでしょうか」

《犬養健》
「時代の潮にのっているから、選挙技術がうまくいけば200名以上、それが十分でなければ180何名、そういうようなところだと思いますが、まだ詳しくわかりません」

《記者》
「そうですか。どうもありがとうございました」

《犬養健》
「いやいや」

全国選挙だより     01:19
各地とも選挙戦はいよいよ活気づいてきました。
〈新潟〉
春とはいえまだ雪の深い新潟の農村でも演説会が始まりました。
〈長野〉
長野県上田市では各政党の立ち会い演説会へ農家の人たちも続々詰めかけています。
〈神戸〉
神戸では先生の立候補に学生が演説で応援しています。
〈久留米〉
2月2日以来ストライキをやっていた久留米のアサヒ連合は3月19日争議解決。喜んだ組合員たちは一人残らず選挙に投票しようと宣伝を始めました。

世界労連代表工場を視察 00:35
来朝中の世界労働組合連盟代表サイヤン団長以下の一行は、3月25日、東京芝浦電気堀川工場を訪ねました。

(世界労連代表工場視察風景)

今週の東京裁判     00:30
3月21日、市ヶ谷の法廷には片倉元少将が証人として出廷、板垣被告のもとに関東軍参謀であった満州事変当時の事情について長々と反証を行ないました。法廷は3月26日から1週間休廷となりました。

春の中山競馬開く    01:02
3月21日から始まった春の中山競馬第2日目、第3競走2600メートル障害レース。一着はコロナ、2着シンサン、3着アキツシマとなりました。

(競馬障害レース風景)

新選挙権をどう使う?  01:55
選挙を前にまだ続々海外から引き揚げてくる人たちがあります。今度の選挙ではこの人たちにも選挙権があるのですが、帰ったばかりで関心が薄いといわれています。そこで3月11日、東京上野の引き揚げ寮へ、自由党・杉田馨子さん、共産党・柄沢とし子さんが訪れました。

《氏名不明》
「それでは、みなさんに申し上げます。きょうはお話があるはずでありますから、どうぞよろしく」

《杉田馨子》
「ご承知のように、新しい憲法が5月から実施されますので、この憲法の精神に基づきまして総選挙が行なわれることになっております」

《柄沢とし子》
「そういうね、そういう働く者たちの立場に立って、何にもない貧乏人の立場に立ってね、まじめに政治をやる人をたくさん議会へ送らなければならないんです。ね」

《寮の住人》
「それはそう」

《柄沢とし子》
「それはそうなんですよ」

また今度は、秩父、高松、三笠、そのほかの皇族方にも選挙権があることになりましたが、これについての三笠宮のご感想。

《三笠宮》
「宮内庁からまだ何にもその話がありませんね。私としては、皇族はいわゆる陛下が中立的なですね、政治的にはお立場だから、非常に身近な皇族が選挙運動の中にあまり巻き込まれないほうがですね、いいんじゃないかと思っておるんですが。それでまた、選挙権をもし法律で与えられるとなれば、今度はそれを棄権するのもまた・・・」

 

日本ニュース 戦後編 第65号(1947年4月)8分38秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310065_00000&seg_number=004

貴族院-使命をおわる      01:01
学校はじまる<四月の声>    00:32
水ぬるむ<四月の声>      00:32
郵便料金値上げ<四月の声>   00:19
宝塚娘東京へ<四月の声>    00:26
選抜中等野球はじまる 甲子園<四月の声> 00:36
世界労連代表炭鉱を視察 大牟田 00:40
今週の東京裁判         00:28
暗黒からすくわれた淡路島    01:09
選挙戦いまたけなわ       02:51

貴族院-使命をおわる      01:01
3月31日、衆議院解散とともに貴族院は停会となりました。

《貴族院議長 徳川家正氏》
「それでは、第62回帝国議会最後の議事でありますとともに、貴族院最後の議事でございました。いまや追懐感慨ことに深く、明治・大正・昭和の3代における先輩議員諸公のご功労をしのび深甚の敬意を表したいと存じます」

ここに貴族院は58年の歴史の幕を閉じ、5月から参議院として生まれ変わります。

学校はじまる<四月の声>    00:32
学校が始まりました。きょうから国民学校1年生、お母さんに連れられてうれしそうです。

水ぬるむ<四月の声>      00:32
東京羽田では春の日差しに一家総出でアサリとり。食糧難の折から昔と違って潮干狩も食糧確保に大切な一役を買っています。

(潮干狩風景)

郵便料金値上げ<四月の声>   00:19
4月1日から郵便料金が値上げになりました。切手売り場は大混雑で葉書も封書もべたべたと追加の切手で一杯です。

宝塚娘東京へ<四月の声>    00:26
戦争中鳴りを静めていた宝塚少女歌劇の一行が、3月30日久々で東京へ着いていわゆるヅカファンを喜ばせました。おなじみの天津乙女、相変わらず若々しいところを見せています。

選抜中等野球はじまる 甲子園<四月の声> 00:36
空から始球式を行なって6年ぶりの選抜中等野球が甲子園で行なわれました。3月30日入場式の後、第1試合、京都一商対松本商業の接戦。最後のスクイズで京都1点を入れ、3対2で京都一商の勝ちとなりました。

世界労連代表炭鉱を視察 大牟田 00:40
来朝中の世界労働組合連盟代表サイヤン氏らの一行は、3月29日、九州三池炭鉱を訪問、坑夫たちと一緒に坑内に入り、真っ黒になりながら熱心に日本の炭鉱状況を視察しました。

今週の東京裁判         00:28
4月2日の朝、東京地方は風速27メートルにおよぶ暴風雨でした。この日再開された法廷では、元奉天省政府および蒙古自治政府最高顧問・金井章次氏出廷。満州建国に関する証言を行ないました。

暗黒からすくわれた淡路島    01:09
明石海峡の海の底を通って本土と淡路島をつないでいた海底電線に故障ができたので、今年の初めから淡路島は暗闇になろうとしていました。この修理のため電産従業員は潮流の激しい海上で電線をたぐり上げています。しかし、なかなか故障箇所がわからず、幾度か作業は失敗。ようやく故障を発見して工事に成功。電線を再び海中に投げ込むことができました。

選挙戦いまたけなわ       02:51
総選挙を目の前に4月2日、横浜で民主主義の組織について、連合軍ウィード中尉、ドノバン女史らによる婦人指導者のための講習会が開かれ、約2000人の婦人が集まりました。
同じく4月2日、東京のある労働組合の婦人たちは選挙管理委員会を訪れ、立候補者中の戦犯人について係員に鋭い質問を浴びせました。

《氏名不明》
「この人なんかね、罰金でね、選挙法違反によって罰金100円ね。また次のとき罰金100円て、何度もひっかかっているのね。こんな人がずいぶんいるわよ」

《氏名不明》
「ちょっとお伺いいたしますがね、資格審査の調書ですね、これは一般の人はね、いつでもこうやってくれば見せていただけるということを知らないんですよね」

《係員》
「それはですね、公報をですね、告示するように書いてあるんですがね」

4月1日、東京日比谷音楽堂では各政党立会演説会が開かれ、選挙を前におのおの熱弁を振るいました。

《石橋湛山氏(自由党)》
「社会党や共産党の主張する中のものでも今日の日本に必要であり、今日の日本に有利であると思うものを採用することに、あえて、やぶさかではない。これがすなわち自由主義の立場であります」

《中村高一氏(社会党)》
「生産の増強をするのには、不当な搾取を認めるような経済制度では断じて増強はできないのだ」

《三木武夫氏(国民協同党)》
「このどん底に落ちた日本が、この裸になった国民どうしが焼け野原に立って階級闘争をして日本の解決はできるか。私は断じてできぬと思う」

《犬養健氏(民主党)》
「敗戦後の日本におきましては、政治においても、経済においても、こういった大掃除をしなければなりません」

《徳田球一氏(共産党)》
「今、欠配をうけているわれわれが生きていくためには、われわれはなんといっても改革にいかざるをえないのである。さらにこういう小さいものを・・・」

かくて投票日が近づくにつれ選挙戦はいよいよ白熱化してきました。

 

日本ニュース 戦後編 第66号(1947年4月)8分33秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310066_00000&seg_number=004

政界の大物ぞくぞく追放         01:54
中等野球決勝戦 兵庫甲子園<スポーツ> 00:28
-拳闘-笹崎対高津 東京後楽園<スポーツ> 00:52
世界労連代表歓迎大会 東京<時の話題> 00:42
“文化”区長 新居格さん 東京<時の話題> 00:17
暴力で選挙妨害 栃木<時の話題>    00:27
アメリカ陸軍記念日 東京<時の話題>  00:33
今週の東京裁判             00:37
-カメラ訪問-あなたは何故棄権したの? 02:38

政界の大物ぞくぞく追放         01:54
選挙を前に、4月4日、公職追放者の第一次発表が行なわれました。この日の民主党本部。

《民主党副幹事長 田中伊三次氏》
「公職追放のね、それが今ちょうど内閣で発令しました。主だった顔ぶれを言うとね、最高委員楢橋渡君、これは該当と決定をして発表しました。犬養最高委員、河合厚生大臣、石黒幹事長は大丈夫」

ところが、政府は中央審査委員会の決定によってさらに次々と該当者を発表。その打撃がいちばん大きい民主党では、今、大丈夫と言われたばかりの最高委員犬養健氏をはじめ、幹事長石黒武重氏、電話をかけていたご本人の田中伊三次氏も追放。極端な国家主義者と決定された楢橋渡氏追放の感想。

《楢橋渡》
「いやしくも私のごとく前国務大臣をなし内閣書記官長をなした者に対して、一回の弁明の機会も与えることなくして突如として処断したことは、あたかもヒットラーのときにおけるナチの裁判よりも暴虐なものであると私は信ずるのであります」

なお、さらに追放をうわさされる人のうちには、石橋大蔵大臣、河合厚生大臣、平塚前運輸大臣があり、社会党・中村高一氏も問題になっています。
一方この嵐をよそに、追放決定の責任者吉田首相は、今ご自身の選挙戦におおわらわという形です。

中等野球決勝戦 兵庫甲子園<スポーツ> 00:28
4月7日、全国選抜中等野球優勝戦、徳島商業・小倉中学、1対1の延長戦、第13回表、徳島一挙2点をあげ、3対1で徳島商業が優勝しました。

-拳闘-笹崎対高津 東京後楽園<スポーツ> 00:52
4月5日の東京後楽園スタジアム、メインイベント、笹崎・高津の熱戦。高津左右のフックで肉薄すれば笹崎ストレートで応酬。第5ラウンド2分25秒、笹崎の右のストレート決まって高津ついにノックダウン。

世界労連代表歓迎大会 東京<時の話題> 00:42
4月5日、運輸省でルイ・サイヤン氏ら世界労連代表と労働組合の懇談会が開かれ、代表はわが国の労働戦線の統一を強調しました。
4日には宮城前で15万の勤労者が歓迎国民大会を開き全世界の労働者との団結を誓いました。

“文化”区長 新居格さん 東京<時の話題> 00:17
この度の選挙でみごと東京杉並区長に当選した街の評論家・新居格氏、さっそく街頭に乗り出しました。

暴力で選挙妨害 栃木<時の話題>    00:27
この度の選挙でみごと東京杉並区長に当選した街の評論家・新居格氏、さっそく街頭に乗り出しました。

アメリカ陸軍記念日 東京<時の話題>  00:33
4月7日のアメリカ陸軍記念日を前にして、5日、宮城前広場でアメリカ婦人部隊の分列行進が行なわれました。記念日当日には第八軍司令官アイケルバーカー中将のもとに在京部隊の閲兵式。

今週の東京裁判             00:37
4月9日、東京裁判の法廷には巣鴨に拘禁中の元比島方面参謀長和知鷹二が出廷、満州事変前後の軍部の陰謀事件について証言を行ないました。
一方、近く尋問をうけることになっている石原莞爾元中将は山形県で病気療養中です。

-カメラ訪問-あなたは何故棄権したの? 02:38
4月選挙のトップを切って、5日わが国初めての県知事・市区町村長の選挙が全国一斉に行なわれました。ところが、この選挙には投票しなかった人が意外に多く都会では5割にもなっています。なぜ棄権したか。日本ニュースは棄権者のカメラ訪問を試みました。まず棄権防止を強調しなから自分は投票しなかった植原内務大臣。

《記者》
「植原さん、どうしてあなたは棄権したんですか」

《植原内務大臣》
「1票の投票に対する責任も非常に重いけれども、全国の選挙に対して責任を持つ僕とすればやむをえない。朝まで帰ってきてその日に投票するということは不可能だったから、やむをえずこういう結果になったことは、これは国民がよく了解してくれるよ」

《記者》
「ありがとうございました」

選挙権があるかないかでもめていた皇族方のお一人、賀陽宮様。

《記者》
「問題になってました皇族方の選挙権はどうなったんですか」

《賀陽宮恒憲王》
「宮内庁の方針としてこのことにふれるなということであります」

《記者》
「そうでございますか。ありがとうございました」

選挙権を関西に置いたまま東京に出演中の宝塚ガールたち。

《記者》
「春日野さん、きょうの選挙の投票ですけれども、なさいましたでしょうか」

《春日野八千代》
「はあ、せっかく婦人参政権を与えられながら、今度はこちらへ来てしまったもので」

《記者》
「大阪でございましたならばね」

《春日野八千代》
「はあ」

朝から晩まで1日中生活に追われている人々の多い東京上野のテント村。

《記者》
「選挙のことについてどういうふうにお考えになっていますか」
《テント村住人》
「そりゃもう、今は自分の生活がこういうような状態ですから、選挙ということよりか自分の生活のことだけしか考えてないです」

戦災者のアパート。

《記者》
「おばさん、選挙行きました?」

《戦災者アパートの婦人》
「あのね、せっかくでしたけどね、わからないから行きませんでしたわ」

《記者》
「あ、そうですか。どうも」

また買い出し客もほとんど全部棄権したものと思われ、食糧の遅配、欠配が選挙運動の各種の制限とともに棄権の原因として問題になっています。

 

日本ニュース 戦後編 第67号(1947年4月)7分25秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310067_00000&seg_number=001

今週の東京裁判 東京裁判      01:21
選挙戦いよいよ大詰めへ       01:03
東海道自転車競走 大阪-東京<時の話題> 00:30
わら工品腕くらべ 東京<時の話題> 00:28
けんか祭 新潟<時の話題>     00:24
海のヤミ 陸のヤミ 政府、急迫   01:28
逝いて三十六年 啄木祭開く     02:07

今週の東京裁判 東京裁判      01:21
血なまぐさい侵略戦争を裁く東京裁判の法廷にも春がきました。鉄格子の中を被告たちが行きます。
4月14日、被告席から初めて南被告が証人台に立ちました。溥儀元満州国皇帝から南被告に送ったという親書について、本人がこれを信用したかどうか、検察官が鋭い質問を浴びせました。

《証人 南被告》
「しかし、それは本物の場合に記念としておもしろいのであって、偽であったらなんにもならねえ」

この親書は、昨年、溥儀元皇帝自身が偽物だと証言した問題の筆跡です。

《証人 南被告》
「・・・は本物であると言うたから、それでは記念のために手元に置いておこうとしたのであります」

こうして奇怪な事実がしだいに明らかになっていきます。

選挙戦いよいよ大詰めへ       01:03
参議院、衆議院選挙もあとわずか。吉田自由党総裁、片山社会党委員長ら大物もしきりに動き、街頭宣伝もいよいよ露骨。馬上豊かな侍型も現れてさすがの江戸っ子をあっと言わせました。また、ご自身、靴磨きで資金を稼いで立てという実戦型。舞台の上から半纏姿の兄い型、さては人気者まで動員して、各候補者入り乱れての必死の奮戦ぶりです。

東海道自転車競走 大阪-東京<時の話題> 00:30
大阪-東京間自転車競走。4月10日朝7時大阪を出発。東海道618キロを走って、3日目の12日、24時間11分12秒で東京に入り、宮田製作所本社が優勝しました。

わら工品腕くらべ 東京<時の話題> 00:28
4月15日、東京後楽園球場で38府県から250名の選手が集まって、かますやむしろ、縄ないの競争をやりました。

けんか祭 新潟<時の話題>     00:24
新潟県糸魚川のけんか祭、神輿をぶっつけあい勝ったほうが大漁に恵まれるという昔ながらのお祭です。

海のヤミ 陸のヤミ 政府、急迫   01:28
(東京湾)
4月12日、東京水上警察は東京湾のヤミ船を襲いました。東京湾を根城とするこれらの船は遠く北海道あたりからのヤミ輸送にもあたっていました。この日摘発されたものは、米、酒、魚、干物、ゴム、皮類など約3000貫におよびました。

(埼玉)
一方、陸上では、4月15日、有名なヤミ列車、金沢発602列車を250名の警官が大宮駅で急襲。白米、酒、卵などが大量に押さえられました。
さらに警官隊は新潟発708列車を襲いました。欠配続きで中には食うや食わずの気の毒な買い出し客もありましたが、悪質ブローカー26名と集団窃盗が検束されました。

逝いて三十六年 啄木祭開く     02:07
4月13日、第37回忌啄木祭が日劇小劇場で行なわれました。

(啄木祭の模様)

石川啄木は、明治18年岩手県に生まれ、北海道から東京まで、常に貧乏と孤独と病苦と闘いつつ、人間の解放についてうたい続けました。
この民衆の詩人は、多くのすぐれた詩と歌を残して、28歳の若さでこの悲惨な生涯を終わりました。

 

日本ニュース 戦後編 第68号(1947年4月)10分53秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310068_00000&seg_number=008

五月の声            01:40
各地で火事ひんぴん       01:02
今週の東京裁判         00:42
フラナガン神父来朝 東京<時の話題> 00:22
革新陣営から若手長官 北海道<時の話題> 00:17
また省線事故 東京<時の話題> 00:32
はなひらく野球シーズン     00:53
参議院選挙おわる        02:11
日本ニュース号外        03:11

五月の声            01:40
5月です。麦も青々と伸びました。
5月の大きな行事は新憲法の施行です。漫画の横山隆一さんが「新憲法ガルタ」に腕をふるっています。特配のたばこも用意され、お酒も街に着きました。
もう一つの行事、メーデー。今年も宮城前人民の広場に集まろうと労働組合では準備を始めました。

各地で火事ひんぴん       01:02
〈八ガ岳〉
4月14日、山梨県と長野県の境、八ガ岳山麓で近来にない大山火事が起こりました。原因はたき火の不始末といわれ、火は4日3晩燃え続け、6000町歩の山林が烏有に帰しました。

〈飯田市〉
4月20日、参議院選挙当日、飯田市の中央部から出火、折からの強風に火はたちまち三方に燃え広がり、4000世帯の罹災者を出しました。このため参議院の選挙は25日、再選挙が行なわれました。

今週の東京裁判         00:42
4月18日、元満州皇帝溥儀氏が自分の書いたものでないと否定した親書が問題の焦点となり、弁護団側の筆跡鑑定人、警視庁高村技師は、これは彼の真筆であるとして、問題の書と溥儀氏の筆跡を比較した27枚の証拠写真を提出しました。
かくて22日、ラザレス弁護人の冒頭陳述より日華事変の段階に入りました。

フラナガン神父来朝 東京<時の話題> 00:22
日本の子供に会うため、はるばる来朝した「少年の町」で有名なフラナガン神父は、4月23日羽田飛行場に到着しました。

革新陣営から若手長官 北海道<時の話題> 00:17
全国でいちばん若い知事さんとして、係長から一躍北海道長官に選ばれた田中敏文氏は、労働組合、農民組合の推薦だけあって大変な人気です。

また省線事故 東京<時の話題> 00:32
4月24日朝8時40分ごろ、東京田端駅付近で停車中の桜木町行き電車に鶴見行き電車が追突、車体の半分がめり込んで乗務員4名即死、重軽傷65名の犠牲者を出しました。

はなひらく野球シーズン     00:53
〈六大学リーグ〉
春季六大学リーグ戦は、4月23日、東京・後楽園スタジアムにおいて華やかに開幕されました。第1試合、早稲田対立教の一戦、早稲田の打棒大いに振るい、8対0で大勝。

〈職業野球〉
同じく後楽園で18日、職業野球の第1試合、スターとフライヤーズの熱戦、1対0とリードされたスター9回裏の攻撃、ピンチヒッター内藤の二塁打でランナー2人ホームイン、2対1で勝ちました。

参議院選挙おわる        02:11
4月20日、世界注視のうちに初めての参議院選挙が行なわれました。東京ではフランス通信のクルー氏が特に各投票所を見て回りました。豊島区役所では投票をすませた人たちをつかまえて鮮やかな日本語で質問。

《クルー氏》
「民主主義はどう思いますか?」

《男性有権者》
「大変けっこうだと思います」

《クルー氏》
「今度はどんな政党に?」

《女性有権者》
「そうですねぇ、どの政党といっても、まだよくわかりませんけど」

《クルー氏》
「今年は何度目?」

《女性有権者》
「2回目です」

《クルー氏》
「2回目ですか」

《女性有権者》
「はあ」

《クルー氏》
「今朝は投票しました? 女の人は、少ないでしょう。どうでしたか」

《男性有権者》
「天気はよいし、花見どきでもあってですね、日曜だから、かえって逆に棄権が多いんじゃないかと私は思っております」

21日から一斉に開票されましたが、古い封建的な貴族院の匂いはなくなったといわれています。当選した新しい顔ぶれ。今のところ最高点の星製薬の星一氏、小説家の山本有三氏、元小学校長の木内キヤウさん、資本家代表といわれる膳桂之助氏、労働組合代表のうちで目立つのは電産の佐々木良作氏、教員組合の岩間正男氏、国鉄労働組合の鈴木[清一]委員長。

《国鉄労組 鈴木清一氏》
「今まで一緒に働いたみなさんのどこを向いておるか。あなた方がどこを考えておるかということをよく自分はつかんでおるつもりなんです。でありまするので、このみなさんの気持ちを本当に議会に反映して努力していこうではありませんか」

《支持者》
「バンザイ、バンザイ、バンザイ」

日本ニュース号外        03:11
〈衆議院総選挙〉

4月25日の総選挙は全国一斉に行なわれましたが、大火事のために焼け野原となった長野県飯田市では、参議院選挙のやり直しとともに衆議院議員の投票も行なわれました。
翌26日、全国で開票。各新聞、通信社はわきたっています。
東京有楽町付近は速報を見る人の波で埋まりました。
民主党本部では当選者が出るたびに太鼓を叩いています。
この日、早くも衆議院当選者は新聞社のバルコニーから第一声を放ちました。

《民主党 櫻内義雄氏》
「(聞き取り困難)」

《共産党 野坂参三氏》
「この変革期において、少数ではいい、少数でもかまわねえ、嵐に抗して、あくまで衆議院に向かって進むもの、これが絶対に必要である。これはすなわち私は共産党よりほかにないと考えている」

社会党は142名の当選者を出してついに第一党となり、自由党は131名で第2位、民主党が第3位となりました。第2位に落ちた自由党では次のように語りました。

《自由党 大野伴睦氏》
「今日ね、社会党が少なくとも第一党になったという現実の事実はやね、ぼかすことはできんが、ただしだ、自分がまた第一党になりうると思うておる。わが党に入党する人も予約されたりする人もあるんだから、必ずしも今度の数だけでは社会党が第一党であると断ずることはできないと思う」

第1位の社会党。

《社会党 片山哲氏》
「苦節30有5年が報いられて、日本社会党、時局を担当することになりました。われわれは民主革命と社会主義断行のために猛進するものであることを、ここに国民大衆諸君に向かって改めて約束するものであります」

はたして社会党片山首班内閣ができるか。連立内閣となるか。総理大臣の椅子をめぐって政局は相当混乱するものと予想されています。

 

1947年5月
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/list.cgi?value=19475

日本ニュース 戦後編 第69号(1947年5月)7分47秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310069_00000&seg_number=008

“社会”か“自由”か 注目されるインフレ対策 01:29
銅像の戦犯裁判           01:11
今週の東京裁判           00:36
ウソ発見機 東京<時の話題>    00:43
フラナガン神父京都へ<時の話題>  00:20
新国会変りダネ 島根・福岡<時の話題> 00:17
B29 機動演習 埼玉<時の話題> 00:33
第18回メーデー          02:35

“社会”か“自由”か 注目されるインフレ対策 01:29
インフレはどうなるか。第一党の社会党・鈴木茂三郎氏の見解。

《社会党 鈴木茂三郎氏》
「インフレを防ぐには新円と物価と国民生活の安定を図ること、第2には勤労階級の協力を得て生産の増強を図ること、これはすでに失敗した石橋財政ではだめであって、勤労階級の信頼を得られる社会党首班の内閣でなければできないことであります」

これに対し第二党になった自由党石橋蔵相。

《石橋蔵相》
「社会党の今まで言っていることと変わってることは、例の新円の問題だけだけど、これはもう社会党であってもなくても、何党であってもこれは絶対やれることで、別段今までやったこととたいして変わりないと」

その石橋財政は5月から700円の枠をはずしましたが、こうしている間にも店先の日常品はうなぎ登り、竹の子生活者は手をつかねて傍観のていです。
しかし、シーズンともなれば府中の東京競馬は新円階級でこの混雑。さてインフレと内閣はこれから先どうなるのでしょうか。

銅像の戦犯裁判           01:11
戦争をあおった銅像を追放しようと東京で審査委員会が開かれています。

《審査委員会》
「広瀬武夫および杉野孫七銅像を問題にいたします。読んでください。
この銅像は、国民の戦意高揚を強調し、敵がい心をそそるものと考えられるから撤去する」

広瀬中佐と杉野兵曹長は戦犯銅像と決定。近く姿を消すことになりました。
上野の西郷さんは美術的価値ありとして合格しました。
軍閥の代表、山県元帥や大山元帥は芸術的だというので目下慎重に審議中とのことです。

今週の東京裁判           00:36
今週の法廷は第2次上海事変の審議を続行。5月1日、証人台に立った当時の上海総領事岡本季正氏は事件発生当時の日本軍の状況につき証言。中国検事から鋭い質問を浴び、被告たちや日本人傍聴者の注目をひきました。

ウソ発見機 東京<時の話題>    00:43
警視庁ご自慢のウソ発見機、本名・電気生理現象記録装置の実験台に映画スターが立ちました。

《警視庁係官》
「あなたは恋愛結婚についてどうお考えになりますか」

《東宝 若山せつ子》
「まじめな恋愛結婚ならいいと思います」

《警視庁係官》
「あなたは今、愛人がありますか」

《若山せつ子》
「いいえ」

《警視庁係官》
「次に難しい暗算をやってもらいましょうかな。75の3倍は?」

《若山せつ子》
「225です」

フラナガン神父京都へ<時の話題>  00:20
来朝中のフラナガン神父は4月28日、京都市の和敬学園を訪れ、国境を越えた愛情に気の毒な子供たちを喜ばせました。

新国会変りダネ 島根・福岡<時の話題> 00:17
新代議士の変わりダネ、島根の共産党・木村栄氏は荷馬車引きが本業。福岡の社会党・福田昌子さんも開票当日からもう仕事です。

B29 機動演習 埼玉<時の話題> 00:33
アメリカ空軍のB29、9機が機動演習を行うため日本に到着。5月1日、埼玉県[原音のまま]の横田飛行場にその巨大な姿を現しました。

第18回メーデー          02:35
働く者のお祭りメーデー。5月1日、東京宮城前の人民広場は約50万の労働者や農民、勤労市民に埋められました。この日、メーデー始まって以来、初めて設けられた舞台の上に勤労者の喜びと団結の力を明るく繰り広げました。

《労働者代表》
「第18回メーデーにあたって、われわれ全日本の労働階級は高らかに宣言す。労働階級が鉄鎖を打ち砕いて、自らを解放し、果てしなき自由の国を打ち立てる日まで、ゆるぎなき団結と鉄の意思を持って闘争し続けるであろうことを。1947年5月1日、第18回東京地方メーデー」

《参加者》
「バンザイ、バンザイ」

 

日本ニュース 戦後編 第70号(1947年5月)8分26秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310070_00000&seg_number=003

新憲法施行-多彩な催し-      02:26
今週の東京裁判           00:57
値下げ運動ひろがる 東京・大阪<時の話題> 00:37
人さわがせの青酸カリ 埼玉<時の話題> 00:28
久しぶりの大タコ 浜松<時の話題> 00:24
-キャメラ報告-お台場の子供たち 東京 01:53
新内閣はどうなる?         01:38

新憲法施行-多彩な催し-      02:26
昭和22年5月3日、明治欽定憲法はついに58年間の歴史を閉じました。そして民主主義に基づく新しい憲法がその第一歩を踏み出しました。
この日を記念して宮城前広場では折からの雨の中に式典が行なわれました。国民の象徴となられた天皇が式場にお見えになりました。
記念の数々の催しのうち、東京ナイルキニック競技場では体育大会が開かれました。上野美術館では現代美術展。

(“鎌を研ぐ” 吉井忠)
(“巷” 藤沼朝保)
(“新生” 長沼孝三)

帝国劇場では祝賀会が開かれ、吉田首相の顔も見え、踊りや合唱のほか諏訪根自子さんのすぐれた演奏が行なわれました。

(パガニーニ作曲「無窮動」演奏 諏訪根自子さん)

今週の東京裁判           00:57
きょうも被告を乗せたバスが焼け跡を巣鴨から市ヶ谷へ通ってゆきます。東京裁判も5月3日でちょうど1年、文明の裁判はなお峻烈に続けられてゆきます。5月1日、2日、証人石原莞爾元中将を調べるため法廷は山形県酒田に出張、商工会議所を臨時法廷として尋問を行ないました。

値下げ運動ひろがる 東京・大阪<時の話題> 00:37
尼崎から始まった値下げ運動は、日本一のヤミ値に悩む大阪から東京に移り銀座でも1割から5分の値下げ。

《東京・銀座 金城商会》
「物価値下げ運動は私ども大賛成です。しかし、実際問題として私ども小売商はマル公の引き上げ運動をしなければ、とてもこれ以上やっていけない状態です」

人さわがせの青酸カリ 埼玉<時の話題> 00:28
ちょっとなめてもころりと死ぬという青酸カリが、ドラム缶1本分盗まれ、関東地方は大騒ぎしましたが、5月4日、近くの麦畑で発見されました。だが犯人は不明。お巡りさんが工場で「この中に犯人がいるなら自首せよ」と勧告しています。

久しぶりの大タコ 浜松<時の話題> 00:24
5月5日、静岡県浜松名物大タコ揚げ。若い衆たちが勢い込んで繰り出しています。しかし残念がら風が弱くて呼び物のタコ切りのスリルは今年は見られませんでした。

-キャメラ報告-お台場の子供たち 東京 01:53
徳川幕府が黒船来襲におびえて品川沖に作ったお台場は、今、浮浪児の収容所になっています。児童福祉週間を迎えて、われわれがこの収容所を訪れると、子供たちは雨の中を飛び出してきました。外へ出られない雨の日はこのような遊びで時を過ごしています。

《記者》
「何しているの。おなかすかない?」

《少年》
「すかないです」

《記者》
「そう?今、坊やたちがいちばんほしいものはなあに?」

《少年》
「靴です」

《記者》
「こちらの坊やは?」

《少年》
「時計です」

《記者》
「時計って、どういう時計?」

《少年》
「柱時計です」

《記者》
「柱時計。柱時計は何するの?」

《少年》
「居間にいたら時間がわからないから」

人懐かしいらしく、食料を積んだ小舟がきてもみんなで駆け出してゆきます。離れ小島での教育が効を奏するかどうか、浮浪児対策の問題はなお今後にあるようです。

新内閣はどうなる?         01:38
吉田内閣は5月6日、総辞職を延期しました。

《林官房長官》
「内閣の総辞職の決定をいつ出すかということについてはまだ決まりません。諸般の事情を斟酌したうえで適当なときに出す」

次期政権はどこへゆくか。この日、自由党本部は案外静かで成り行きを静観の感じです。5月5日、民主党では議員総会を開き、総裁問題をめぐって紛糾しました。社会党は5月7日、中央委員会を開催。

《氏名不明》
「具体的に言って、総辞職は延びておるということは、社会党の態度を今後どうするか。この間において骨抜きにされるようなことはないか。この間において社会党はどういう方針を持っているか」

《記者》
「今後第一党である社会党としてはですね、どういうふうに政局に対処していかれますか」

《社会党 片山委員長》
「祖国の危機を救うと、こういう意味で社会党は全精力を集中して乗り出すというわけでありまして、きょうの中央委員会でもその空気が非常に強く現れております」

翌5月8日午後、片山氏は吉田首相と会見して4党首会談を行う旨決定。新憲法のもと、いよいよ政局の動きは本格的になってきました。

 

日本ニュース 戦後編 第71号(1947年5月)8分31秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310071_00000&seg_number=007

ひろがる波紋-値下げ運動-    01:21
銑鉄八千トン輸入         00:58
今週の東京裁判          00:36
スターのたまご 東京<時の話題> 00:23
商震上将軍入京 東京       00:15
五年ぶりに鵜飼 岐阜<時の話題> 00:30
夜の街に非常線 東京<時の話題> 00:23
“子供たちよすこやかに!”    01:02
新国会迫る どうなる四党会談?  02:59

ひろがる波紋-値下げ運動-    01:21
5月9日、ヤミの世の中に憤慨して夫婦が自殺しました。大阪西区山王町の今井林蔵さん夫婦がそれで、インフレの世相はまことに深刻です。
このインフレを少しでも退治するために、経済警察では連日警察官を動員、値下げ運動に名を借るお菓子のヤミ取り締まりにまで乗り出しました。
東京目黒では5月13日、消費者と業者が高いものを買わない座談会を開きました。

《消費者》
「なにしろ今、物価も高こうございまして、こうした値下げ運動が起こされているんでざあますけれども、この値下げと同時に非常に目方に不正があるような気がいたします」

「ことに4月からまたこの3倍も運賃が値上げされる。そしてたばことか、すべて、郵便にいたしましても、ずいぶんだんだん高くなっていって、これではインフレを政府が自らそれを肯定しているとしか考えられません」

銑鉄八千トン輸入         00:58
連合軍の許可を得て、銑鉄8000トンが輸入されることになり、5月10日その一部1900トンが東京芝浦に到着しました。この銑鉄は戦争の名残のくず鉄と一緒に溶かされ鋼鉄材になる予定で、ようやく希望が見えてきました。
日本鋼管工場ではすでに鋼鉄の生産が始まっています。しかし、現在の生産高は1か月約5000トン、戦争前のわずか3分の1です。石炭不足などのため、高炉、平炉のうちで三つしか動いていない状態で、前途はまだまだ楽観を許さないといわれています。

今週の東京裁判          00:36
5月7日、証人として河辺正三元大将が出廷、「漢口には虐殺事件なし」と述べ、次いで8日には長谷川元海軍大将が事変当時の海軍の立場について証言を行ないました。13日の傍聴席には珍しくマッカーサー元帥夫人が姿を見せました。

スターのたまご 東京<時の話題> 00:23
5月9日、東宝ニューフェース採用試験。審査員は監督や俳優のお歴々です。

(ニューフェース採用試験の模様)

スターになるのもなかなか骨がおれます。

商震上将軍入京 東京       00:15
駐日中国代表団長に任命された商震上将は、5月10日上海から飛行機で東京羽田に到着しました。

五年ぶりに鵜飼 岐阜<時の話題> 00:30
岐阜県長良川の鵜飼が5月11日、五年ぶりで復活しました。名人といわれる山下鵜匠が相変わらず鮮やかな腕前を見せています。

夜の街に非常線 東京<時の話題> 00:23
5月14日の真夜中、廣岡警視総監の陣頭指揮で、警視庁は突如非常警戒を行ないました。大物は捕まりませんでしたが、肉のヤミそのほかが摘発されました。

“子供たちよすこやかに!”    01:02
(福岡)
フラナガン神父は5月5日、九州博多を視察しましたが、その来朝を記念して東京では児童福祉週間の催しが続いています。その一つ児童保育班が野外保育を行なっています。
5月15日には東京荒川で赤ちゃんの審査会。丸々と太ったご自慢の赤ちゃんばかりですが、それでも戦争前と比べると一般に体格は落ちているそうです。

新国会迫る どうなる四党会談?  02:59
だれが政局を引き受けるか。社会、自由、民主、国協、四党代表者会談が5月10日衆議院内で開かれました。会談が終わって西尾社会党書記長は次のように語りました。

《西尾社会党書記長》
「今度の、この四党会談において、時局の重大性にかんがみ、四党連立内閣を組織し、もって難局打開に協力することに意見の一致をみた」

12日、自由党では社会党に対する方針を協議。

《自由党代議士会》
「社会党に対する国民の感情を申しますならば、マムシとまではいかないがなんとなく気味が悪い、ヘビのごとき感じを持っておる、ということを私は感じておるものであります」

自由党では片山首班反対の声が強いようです。

《氏名不明》
「首班は、従って現在においては社会党の片山君を認めてもしかたがない」

同じ日、開かれた第一次4党幹事長会談では、社会党から政策協定の案が出されました。さらに14日、第二次会談が行なわれましたが、首班をだれにするか、そのほかの問題が未解決のまま残されています。
一方、国会では20日の招集を前に各党の議席の割り当て、今度は社会党が真ん中を占めています。
新しい主人公を待つ国会をどう考えるか。議事堂に働く交換手さんと一問一答。

《記者》
「どうです、だいぶ変わりましたか?」

《交換手》
「そうですね、昔とだいぶ変わりましたね」

《記者》
「どういうふうに変わりました?」

《交換手》
「昔の議員さんはずいぶん無理を言われましてね、私たちも困りましたけれど、今度の議員さんはそんな無理を言わなくなりまして、仕事が楽になりました」

大正2年、山本内閣のとき以来、地下のボイラー室で35年暮らしたおじいさん。

《ボイラーマン》
「山本内閣の当時のことを思いますよ」

《記者》
「今度新しく国会ができて、いろいろ変わってくると思いますが、ここはどうですか。変わりましたか」

《ボイラーマン》
「いいえ、まだなんでございますが、そう変わったという様子も見えませんけども、変わりましたと思うのは、われわれの生活程度ぐらいのものだと思います」

議事堂も戦時中のあかを洗い落とし、新しい国民の国会として出発の日を待っています。

 

日本ニュース 戦後編 第72号(1947年5月)8分25秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310072_00000&seg_number=005

幾春別炭鉱全焼す 北海道     00:58
二百町歩埋没 地すべり続く 新潟 01:12
今週の東京裁判          00:43
アユ釣りはじまる 静岡<時の話題> 00:37
国宝焼く 京都<時の話題>    00:25
市長さんカメに乗る 門司<時の話題> 00:25
小グマとカンガルー 東京<時の話題> 00:23
労働歌で進水式          01:02
第一回国会早くも難航       02:35

幾春別炭鉱全焼す 北海道     00:58
5月16日午前、北海道空知郡幾春別の市街地に火災が起こり、折からの強風に火の手はたちまち炭鉱地帯に延び、坑員住宅、炭鉱施設などを焼き払い、さらに隣の本別炭鉱に燃え移り、巻き上げ機、コンプレッサー、変電所など、鉱山施設の大部分を失いました。日1万3000トンも出るといわれる本別炭鉱はそのため向こう約1か年、仕事ができなくなりました。

二百町歩埋没 地すべり続く 新潟 01:12
5月19日朝、新潟県西頚城郡権現岳の麓に突如、地すべりが起こり、時速二メートルの速度で家や立ち木を押し倒し、200町歩を埋没。すでに能生谷村柵口部落は全滅しました。原因は地震で地割れしたところへ雪解けの水が流れ込んだためといわれています。
危険に瀕するたびにほら貝で知らせ、村民たちは続々高いところへ避難しています。今のところ行方不明1名のほか死傷者は出ておりませんが、地すべりは3日目の22日にいたってもなお続いています。

今週の東京裁判          00:43
5月16日、東京裁判の法廷では、ソ連関係の防共協定、張鼓峰、ノモンハン事件などについて、ラザラス弁護人が冒陳述を行い注目を集めました。ソ連関係者は緊張の面持ちです。

アユ釣りはじまる 静岡<時の話題> 00:37
初夏の味覚アユが静岡県狩野川で5月16日解禁になりました。このアユはその日のうちに東京のお魚屋さんに100匁150円で姿を見せました。

国宝焼く 京都<時の話題>    00:25
5月17日朝、京都東山の名刹、智積院の火災。国宝の襖絵は宿泊中の学生などの手で運び出されましたが、[狩野]山楽の「びわの図」など16面は惜しくも焼けてしまいました。

市長さんカメに乗る 門司<時の話題> 00:25
5月13日から3日間行なわれた門司の港まつり。中野新市長は浦島太郎に仮装して市内を練り歩きました。

小グマとカンガルー 東京<時の話題> 00:23
クマとカンガルーの赤ちゃんが生まれました。子供たちの人気を集めて東京上野動物園は大にぎわいです。

労働歌で進水式          01:02
賃金値上げの要求から争議に入っていた日本鋼管鶴見造船所では、5月16日交渉決裂。ちょうどこのころ4700トンの貨物船大月丸ができあがりましたが、争議中でもわれわれの手で作った船はわれわれの手で進水させようと、決裂の翌17日、日本で初めて組合の労働歌による進水式が行なわれました。

第一回国会早くも難航       02:35
5月20日、第1回国会召集。この日、吉田内閣総理大臣は新憲法の規定に従い宮城に参内して辞表を提出。ここに吉田内閣は総辞職しました。
議事堂では新しい国会議員たちが当選確認証を持って続々登院してきます。
吉田首相の社会党左派排撃から、予定の4党連立がひっくり返ったため、本議会が開けず、ここへ議長問題がからんで各党対立。議場の裏側では各党幹部とそれを追う新聞記者の往来が盛んです。
参議院ではこの夜9時になってようやく松平恒雄氏が初代議長に当選しました。衆議院では翌21日夜10時、議場混乱のうちに投票によってやっと議長が決まりました。

《事務総長》
「274点、松岡駒吉君」

このまま大部分の人たちが夜を明かし、翌22日、首班問題の駆け引きに忙しい幹部のほかはしごくのんびりした様子です。
待ちくたびれた傍聴席。わざわざ大阪から来たという人の感想。

《傍聴人》
「私はね、3時間、4時間待ってもかまいませんがね、今日の時局としましては、社会の情勢から考えたら、1日でも早いこと、早く内閣を組織してもらって、国民を安心のうちにしてもらいたいということが私は希望です」

政局はどこへ落ち着くのか。問題の片山さんをめぐって、22日夜にはまだ予測を許さない状態です。

 

1947年6月
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/list.cgi?value=19476

日本ニュース 戦後編 第73号(1947年6月)8分29秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310073_00000

六月の声               01:22
慶応義塾九十年祭           00:56
今週の東京裁判            00:40
関西学生ボクシング 西宮<スポーツ> 00:41
六大学野球 慶明二回戦 東京<スポーツ> 00:39
いわし大漁<時の話題>        00:31
名人にいどむ塚田八段 東京<時の話題> 00:35
千年前のらくがき発見 奈良・法隆寺<時の話題> 00:36
政変大詰に近づく           02:25

六月の声               01:22
(上高地)
梓川の雪解けの水もぬるみ、アルプス登山が始まりました。

(北海道)
北海道にも初夏が訪れました。

(千葉)
水郷で名高い千葉県の佐原ではもう田植えが始まっています。

(東京)
東京の焼け跡には麦が実り、婦人警官の夏帽子が目立ちます。
今月から主食は持ち込み配給になりましたが、ただ残念ながら遅配が続いています。

慶応義塾九十年祭           00:56
福沢諭吉翁が安政5年慶応義塾を開いてから今年で90年。「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ」に始まる有名な『学問のススメ』などの著書によって明治初年すでに民主主義思想を主張。明治8年には日本で初めての公衆のための演説館を建てました。この創立90周年を記念して、慶応義塾大学では5月20日、記念式典を挙行、天皇陛下がお見えになりましたが、私立大学へは今度が初めてです。

今週の東京裁判            00:40
5月22日、東京第一病院で影佐元中将に対する出張尋問が行なわれ、汪兆銘かつぎ出しのいきさつが明らかにされました。
市ヶ谷の法廷では5月27日、証人荻洲[立兵]元中将に対し、ソ連側スミルノフ検事はノモンハン事件について地図を片手に鋭く追及しました。

関西学生ボクシング 西宮<スポーツ> 00:41
5月27日、西宮で行なわれた第1回関西学生ボクシングトーナメント、ものすごい肉弾戦の末、関西学院大学と関西大学が勝ち残りました。

六大学野球 慶明二回戦 東京<スポーツ> 00:39
5月28日、東京後楽園スタジアム、慶明第2回戦。第1回、明治2点、さらに2回、2点を追加。慶応、第5回、山村のレフトフライで高橋ホームイン、1点を返します。しかし、ついに及ばず4対1で明治の雪辱がなりました。

いわし大漁<時の話題>        00:31
もと要塞地帯であった三崎港から夜中の2時に出ていった漁船は1日のいわしの漁獲高1万貫。ただし、これは人間の口へは入らず、まぐろやかつお漁のえさとして冷凍倉庫へしまい込まれます。

名人にいどむ塚田八段 東京<時の話題> 00:35
5月27日、棋界注視のうちに、10年間不敗を誇る木村[義雄]名人対塚田[正夫]8段の名人決定第7回戦が東京中野で行なわれました。盤上殺気をはらむ熱戦の末、ついに千日手となり、さし直しとなりました。

千年前のらくがき発見 奈良・法隆寺<時の話題> 00:36
戦争中、爆撃を恐れて解体されていた奈良・法隆寺の国宝、聖霊院などが再建されることになり、5月24日上棟式が行なわれました。天井板を調べた結果、およそ1000年前の落書きが発見されて注目を集めています。

政変大詰に近づく           02:25
5月23日夜になって国会は総理大臣に社会党・片山哲氏を指名しました。

《議長》
「片山哲君を内閣総理大臣に指名することにご異議ありませぬか」
 (「異議なし」という声)
「ご異議なしと認めます」

《片山新首相》
「私は国民大衆諸君のご支持によりまして、本日内閣総理大臣となりました。日本の再建のために、民族的危機を突破するために、渾身の勇を払って闘いたいと思うのであります」

翌日、社会党・西尾、水谷両氏がうれしそうな顔で首相官邸へやってきます。各新聞写真班の苦心惨憺ぶりを尻目に、中では組閣参謀が熟議の最中。折から食肉組合の牛を連れてのデモが組閣本部の前を通りかかりました。その牛の歩みにも似てきわめてのろい組閣工作は依然難航。26日には吉田、芦田、片山の4党連立に関する3党首会談。自由、民主両保守政党の複雑な内部事情と、社会党左派問題をめぐって、組閣は暗礁に乗り上げたままです。組閣の駆け引きや意見の交換で、自由、民主両党間の往来が盛んです。自由党は相変わらず強硬に野党にまわる決意を固めています。

《西尾末広》
「連立内閣の中に自由党を包含することはほとんど絶望的である」

一方、秘密会を重ねている民主党の態度は、29日にいたってもまだ決まりません。さらにこの日、芦田、幣原、斎藤氏らと片山首相会談。どうやら3党連立になりそうな気配のまま夜に入りました。

 

日本ニュース 戦後編 第74号(1947年6月)8分34秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310074_00000&seg_number=006

十四年ぶりに阿蘇山爆発 熊本   01:19
海底電線工事成る 青森-北海道  01:04
天皇陛下関西へ 京都<時の話題> 00:46
オートバイ競走 広島<時の話題> 00:31
佐渡の鯛漁 新潟<時の話題>   00:42
ヤミ反対のさかなやさん 名古屋<時の話題> 00:22
六大学野球早明戦 後楽園     01:09
片山内閣に何をのぞむか 大阪・東京 02:38

十四年ぶりに阿蘇山爆発 熊本   01:19
5月26日午後0時30分、阿蘇山が14年ぶりで爆発。焼け石とともに高さ2000メートルにも達する煙を噴き上げました。
阿蘇山観測所員は危険を冒して観測を続けています。
立野、尾ヶ石方面では農作物が相当な被害をうけました。爆発は今なお続いています。

海底電線工事成る 青森-北海道  01:04
青森県石崎から北海道当別まで70.5キロの海底電信電話線敷設工事が5月31日から行なわれました。石崎ではまず海底線がたくさんの浮きをつけて陸上の線につながれます。船が動き出すにつれて線はどんどん海の中へ繰り込まれます。途中、船の中から通じるかどうか試験をしながら仕事が進められ、6月1日完成。こうして本土-北海道間の通信力は2倍になりました。

天皇陛下関西へ 京都<時の話題> 00:46
天皇陛下は関西地方をご視察のため、4日夕刻、京都駅にお着きになりました。駅前は歓迎の市民で埋まりました。

オートバイ競走 広島<時の話題> 00:31
全国オートバイレースが6月1日、広島市で行なわれました。6000メートル1着は広島の島村選手、白いオートバイ、4分14秒。

佐渡の鯛漁 新潟<時の話題>   00:42
佐渡相川は鯛の本場。最近は1網で3000貫もの鯛が1日2回水揚げされます。この鯛はすぐ消費地へ送られますが、地元相川の町では1枚30円が相場です。

ヤミ反対のさかなやさん 名古屋<時の話題> 00:22
佐渡では大漁、さて名古屋ではお魚屋さんがヤミのお魚を撲滅せよのプラカードを立てて5月28日市内を練り歩きました。

六大学野球早明戦 後楽園     01:09
東京後楽園スタジアム、早明野球第1回戦、4対4の引分けのあと、4日第2回戦。2対1と1点リードの早稲田、8回裏の攻撃、ランナー一塁、二塁、バッター蔭山、ボールカウント、ツーストライクスリーボール。ピッチャー小川、投げました、打ちました、ライト、センター間痛烈な当たり、三塁のランナーホームイン、二塁の山下、三塁を越えてホーム殺到、セーフ。早稲田ついに4点。9回の裏、明治最後の攻撃、無死満塁、絶好のチャンスを迎えてバッター土屋、ピッチャー岡本、投げました、打ちました、ショートゴロ、一塁のランナー、フォースアウト、ランナーは1人ホームイン。1点を返しました。続くバッター宝山、打ちました、ライトフライ、ランナー、スタート、本塁をねらいます。タッチアウト、ゲームセット。ついに4対2で早稲田に凱歌があがりました。

片山内閣に何をのぞむか 大阪・東京 02:38
5月31日夜、片山内閣入閣者の発表。

《西尾官房長官》
「組閣本部の最終的決定を発表いたします。首相・片山哲、外務・芦田均、大蔵・矢野庄太郎、文部・森戸辰男、商工・水谷長三郎」

さしも難航を続けた片山内閣の組閣工作は、5月31日の夜に入って完了。翌1日、認証式を終え、ここに社会、民主、国協3党連立内閣が誕生しました。
さて、この片山内閣に国民は何を望むか。まず大阪駅前の本社街頭録音。

(大阪駅前)
《男性》
「政策を協定しあっている関係上、すこぶるそこに勇猛果敢な断行力というものに欠けると、そういうふうに思うんです。だからあまり大なる期待はかけてはおりません」
《男性》
「中央におけるボス官僚と、それから地方のボス官僚をですね、これを一掃しなければだめなんです」

(大阪阿倍野)
《女性》
「やはりなんですね、この台所のお野菜なんかは丸公で、まず公定価格で、今までのようなこの厳しいことなしに、何でも安うにですね、台所まわりがまずいけるようにしていただきたいと思いますわね」

次に東京では何を望むか。

(東京駅前)
《男性》
「結局、ヤミとかですね、インフレとか、そういった問題でわれわれは困り抜いておりますから、そのために今度社会党がですね、第一党になったということも、またそういうところに原因があるだろうと思います」

(東京芝浦)
《男性》
「われわれはですね、保守内閣のもとにおいては絶対に生産復興はありえないということを身をもって体験しました。片山内閣けっこう」
《男性》
「強力に社会主義政策を断行してもらいたいと思っております」

(埼玉県大和)
《男性》
「そうですね、今度初めての社会党の内閣さんで、トウム(聞き取り困難)が期待はしておりますわね」
《男性》
「肥料だね、大豆は。自分のうちに配給してもらえるような方法をしてもらいたもんだね」

 

日本ニュース 戦後編 第75号(1947年6月)8分40秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310075_00000&seg_number=001

危機打開へ緊急対策発表       00:52
今週の東京裁判           00:35
六大学野球早慶第一回戦       01:10
天皇工場御視察 大阪<時の話題>  00:43
婦人民主化大会 山形<時の話題>  00:27
満員の劇場倒壊 岸和田<時の話題> 00:33
名物ぺーロン競走 長崎<時の話題> 00:38
思い出の城に“荒城の月” 会津若松 00:56
どう突破する食糧の不足       02:43

危機打開へ緊急対策発表       00:52
片山内閣は、6月11日、民間代表を首相官邸に招いて、経済危機に対処する緊急対策を発表しました。

《和田安本長官》
「分配の公正化と、不当な利得者の排除に一段の努力を払い、まじめに働く者同士が一層切実につながり合う体制を生み出すことによって、窮乏の生活をそれだけ耐えやすいものとすることができる」

次いで片山首相の挨拶。

《片山首相》
「われわれのねらいましたる向きを十分に理解願って、一致したご支援を望みたいのであります」

今週の東京裁判           00:35
ソ連段階の大詰めに入った6月9日の法廷には、証人元満蒙軍の矢野光二氏が出廷。

《矢野光二氏》
「・・・やのがわ(聞き取り困難)に達し、某川に沿うて西し・・・」

次いで張鼓峰事件の解決につき、証人台に立った宇垣元大将は重光被告に有利な証言を行ないました。

六大学野球早慶第一回戦       01:10
六大学今シーズンの覇権をかけた6月10日の早慶第1回戦。切符問題でもめた早稲田も応援団を繰り出して熱戦の火ぶたを切りました。第1回、慶応の攻撃、ワンダウン、ランナー二塁、バッターは久保木、打ちました。ヒット、レフト前ヒット、二塁のランナー三塁をまわってホームイン。慶応の打棒大いに振るい、1回2点、3回さらに2点。7回慶応の攻撃。バッター久保、荒川投手第5球投げました、打ちました、大きな当たり、ライト、センター間、ランナー一塁から二塁、球は転々外野の柵に跳ね返っています。ランナーは二塁から三塁、さらに三塁からホーム殺到。早稲田懸命のバックホーム、一瞬早くランナーホームイン、ホームラン。第8回、早稲田の攻撃。この回1点を返し、なおワンダウン、ランナー二塁、バッター岡本、打ちました、二塁左を抜くヒット、二塁のランナー、ホームイン。早稲田2点獲得。しかし、ついに及ばず5A[アルファ]対2、慶応に凱歌があがりました。

天皇工場御視察 大阪<時の話題>  00:43
関西ご視察中の天皇陛下は、6月5日、大阪住友電気工業に御成りになりました。

《氏名不明》
「当社の30年以上勤続者でございまして、41名いるんでございます」

《天皇陛下》
「ああ、長いね、30年。戦災にもあったんだろう?」

《氏名不明》
「いえ、戦災にはあいません」

《天皇陛下》
「あ、そう。ずいぶん長い。どうかひとつ、新日本建設にお互いに努力していきたいね」

婦人民主化大会 山形<時の話題>  00:27
6月9日、10日の両日、山形市ブレイザー劇場で婦人民主化大会が開かれ、総司令部よりウィード中尉、ホルムズ博士、女弁護士・渡辺道子氏らが来場、婦人問題や民法改正などについて講演をしました。

満員の劇場倒壊 岸和田<時の話題> 00:33
6月8日午後2時半、大阪岸和田劇場で素人演芸を開催中、突然劇場の屋根が崩れ落ち、97名の死傷者を出しました。この劇場は相当古いので前から危険視されていたものです。

名物ぺーロン競走 長崎<時の話題> 00:38
港長崎の名物ペーロン競争が6月8日行なわれました。1舟25人の海の男が力を合わせ3里のコースを抜きつ抜かれつの大接戦。優勝した舟の主将には栄養満点の首飾りが贈られました。

思い出の城に“荒城の月” 会津若松 00:56
6月5日、有名な「荒城の月」の作詩者、土井晩翆翁夫妻を迎え、ゆかりの会津若松鶴ヶ城址で記念碑除幕式が行なわれました。

どう突破する食糧の不足       02:43
〈五千町歩にひょう害〉
食糧事情がますます苦しくなってきたとき、たまたま6月8日午後4時ごろ、埼玉、栃木、群馬の各県にわたり、そら豆大のひょうが降り、刈り入れ前の麦や馬鈴薯をはじめ桑や蚕なども大きな損害をうけました。

〈農村の実状は?〉
東京都立第八高女の生徒たちは10日、社会科の勉強に神奈川県下の農村へ出かけました。

《生徒》
「今年は涼しかったり雨が降ったりして気候が不順ですけれども、小麦のできはどうでしょうか」

《農民》
「どうもハデガケのときに雨が降ったりなんかしているから麦がとれない。それに霜がついちゃってよけいにだめだったね」

《生徒》
「それで、麦の病気ってどんなのがあるんでしょう」

《農民》
「そうだな、アカシブってのは、お前たち見たことあるけえ。これだ。こうなるからな、とれねえっていうわけだ」

《生徒》
「供出をしたあと、おじさんたちの食べ量はどのくらい残しておくのですか」

《農民》
「そうだな、政府の決められた量だけ残すんだが、それじゃあ、やっぱり足りねえな」

翌11日には平野農林大臣を訪問しました。

《生徒》
「きのう見てきたんですけれども、平野さんはお百姓さんのご経験はあるんでしょうか」

《平野農相》
「あります」

《生徒》
「じゃあ、お百姓さんのお心はよくおわかりになりますか?」

《平野農相》
「ああ、お百姓さんの心はね、私がいちばんよく知っているつもりです」

《生徒》
「供出物はだれとご相談のうえでお決めになりますか」

《平野農相》
「供出はですね、現在のところは、農林省のほうで数字を決めて、それを決めるのは県知事さん、あるいは地方の食糧委員というような人たちと順次相談をして決定する。そういうことなんです」

《生徒》
「農家の方々のご意見も入るんですか」

《平野農相》
「むろん入ります。むろん最後的にはですね、農家の人の言うことを聞いて、それで決めます」

新麦、馬鈴薯の供出について、政府は10日、首相官邸に地方長官を招集、割り当て会議を開きました。全国民の期待は、この食糧危機をどう乗り切るか、片山内閣のこの食糧対策に集中されています。

 

日本ニュース 戦後編 第76号(1947年6月)8分49秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310076_00000&seg_number=002

今週の東京裁判          01:10
-キャメラ報告-海底の炭鉱 長崎、高島炭鉱 01:34
-六大学野球-慶応優勝す     01:22
世界航空路東京へ- 羽田<時の話題> 00:40
天皇文楽を御覧 大阪<時の話題> 00:38
小平判決 東京<時の話題>    00:26
財閥株一般売出し 東京<時の話題> 00:23
フラナガン神父帰る 横須賀<時の話題> 00:29
-再開近し-貿易の現状は?    02:03

今週の東京裁判          01:10
いよいよ日独伊三国関係の反証に入った法廷には、6月17日スターマー元ドイツ大使が証人として出廷。三国同盟締結はリッペントロップ外相の命令どおりにしたにすぎないと証言しました。
すぐる昭和15年9月、三国同盟成立祝賀会では当のスターマー特派大使が条約締結の立役者として一般から注目されました。

《スターマー大使》
「閣下ですか。如何です?」

《大島》
「今度はお国へ大きなお土産を持って帰れますね」

《スターマー大使》
「条約締結というお土産があるので嬉しく思っています」

この軍事同盟がはたして太平洋戦争を目的にしたかどうか。それが審理の焦点になっています。

《スターマー元大使》
「それについて、聞いたことはありません」

-キャメラ報告-海底の炭鉱 長崎、高島炭鉱 01:34
長崎港の沖にある高島炭鉱は、かつては囚人を酷使し、明治初年以来、数回にわたって血なまぐさい暴動まで起こったところです。しかし、その一つ端島は今では島中が大ビルディングで坑夫長屋も9階建てのアパートになっています。最近は設備もここがいちばんよいと伝えられていますが、坑道は数千尺の地下から海のほうまで延びており、石炭は海の底から掘り出されているありさまです。
石炭増産のため、国家管理が問題になっているおりから、働く人たちの増産の見通しは。

《記者》
「政府で3000万トン出したいと言っているわけですね。この炭鉱では3万トンまでいきませんか、ここでは」

《坑員》
「3万トンまでは、実は私どもも心配しているのでありますが、目標は、2万3000トンだけはなんとかして確保したい。そういうときは全部十分に責任を果たすつもりでおります」

-六大学野球-慶応優勝す     01:22
六大学春の王座を決する早慶第2回戦、6月17日の後楽園スタジアム。第1回、慶応の攻撃、ワンダンフルベース。バッターは大島、ピッチャー岡本、投げました。打ちました。ライト線上のヒット。三塁のランナー増山、二塁の久保木、くつわを並べてホームイン。その裏、早稲田の攻撃、バッター山下、大島投げました。打ちました。ヒット。ライト前ヒット。三塁の岡本勇躍ホームイン。早稲田1点を返しました。第3回、早稲田の攻撃、バッター片山、打ちました。ライト右のヒット。一塁のランナー頴川ホーム殺到。球はホームに返りました。ランナーはさまれました。アウト、アウト。4対2慶応リードのまま第7回、慶応の攻撃、バッター大島、打ちました。大きな当たり、レフト左を抜きました。二塁の久保木、三塁を回って、さらに本塁へ。ホームイン。続いて一塁の加藤ホームイン。かくて6対2、慶応は6大学リーグ春の覇権を獲得しました。

世界航空路東京へ- 羽田<時の話題> 00:40
アメリカのノースウエスト航空会社の太平洋横断商業航空路が7月15日から開設されることになりました。使用機はダグラス46人乗りで、シアトルから東京までわずか22時間。キング東洋総支配人は、この航路によってアメリカと日本の間がもっとしっかり結ばれることを望む、と語りました。

天皇文楽を御覧 大阪<時の話題> 00:38
関西ご視察の日程を終えた天皇陛下は、6月14日、文楽座に御成り、大阪が誇る古典芸能、人形浄瑠璃を初めてご覧になりました。
片山首相、一松厚相の姿も見えます。

小平判決 東京<時の話題>    00:26
殺人鬼小平義雄は6月18日、東京地方裁判所において岸裁判長より死刑の判決を言い渡されました。これに対し小平の弁護人・三宅正太郎氏は控訴をするといわれます。

財閥株一般売出し 東京<時の話題> 00:23
勧業銀行の金庫にしまい込まれていた200億円にのぼる財閥の株券が一般に売り出されることになり、6月18日、東京市政会館で証券処理調整協議会が開かれました。

フラナガン神父帰る 横須賀<時の話題> 00:29
来朝以来、浮浪児の問題を調査していたフラナガン神父は、6月17日帰米の途につきました。

《フラナガン神父》
日本を去るにあたって、私は皆さまに神の祝福があるようお祈りします。サヨナラ。

-再開近し-貿易の現状は?    02:03
貿易再開を前に、6月19日、東京で全国貿易業者大会が開かれました。

《和田安本長官》
「押し詰めていけば、やはり商品の世界においても、経済の世界においても、どこの世界においても、最後の勝利を得るものは、私はこれは信用だろうと思います。」

すでに貿易館には竹や藁細工品、陶器、漆器など、全国各地からいろいろな輸出品の見本がわれこそはとばかり集まってきています。これらの商品は厳密な検査をうけます。しかし、中には象嵌がはげたり亀裂ができたりする粗悪品も見えます。かつて輸出品の王座を占めた生糸はすでにアメリカではナイロンに押され、横浜の倉庫には売れないままに積まれているものも相当あります。輸出品の中でいちばん有望と見られる綿糸の工場では、資金、資材の不足や技術の未熟から生産は戦前の10分の1であるといわれています

《工場の人》
「貿易が再開になりましても、綿の問題だとか、電力の問題だとか、熟練工の不足だとか、という問題がありまして、なかなかそう簡単に華々しいスタートはできないと思います」

待望の世界貿易への参加をひかえながら、前途には幾多の困難があり、これが必要な食糧や原料の輸入に影響するだけに注目されています。

 

1947年7月
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/list.cgi?value=19477

日本ニュース 戦後編 第77号(1947年7月)
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310077_00000&seg_number=008

7月の声               01:22
第一回国会開会式           00:40
カメラ報告 終戦以来最高の生産 八幡製鉄所 01:23
首相を迎えて“街”の国会 東京・銀座<時の話題> 00:43
四大学水上競技 宝塚<時の話題>   00:40
幾春別たち上がる 北海道<時の話題> 00:34
世界一周クリッパー機着く 羽田<時の話題> 00:50
洪水の危機迫る-           02:19

7月の声               01:22
七月になってもまだ梅雨が続いています。

《中央気象台久米技官》
「今年はこういう本格的な梅雨が久しぶりでやってきて、そのうえ少し早めにきました。ところによっては相当な大雨があって、一部では農作物にも影響があったようです」

長引く梅雨で待っていた新ジャガには病害が出てしまいました。茨城県桜井村付近ではベト病のため例年の半分という収穫です。
わずかな晴れ間、町の壕舎生活にはありがたいひと時です。
子供たちは真夏のくるのが待ちきれないようにもう泳ぎ始めました。

第一回国会開会式           00:40
6月23日、天皇陛下を迎えて新憲法下初の国会開会式が行なわれました。一般国民も初めて参列、まず松岡衆議院議長が国会の重要性を強調、次いで天皇陛下が勅語をお読みになりました。

《天皇陛下》
「第一回国会の開会式に臨み、全国民を代表する諸君と一堂に会することは、わたくしの深く喜びとするところである」

カメラ報告 終戦以来最高の生産 八幡製鉄所 01:23
終戦後、立ち直りに困難をきわめていた九州の八幡製鉄所は、最近しだいに生産を回復、6月16日には三つの溶鉱炉から銑鉄806トンという新記録を出しました。しかし、ここでも欠配の影響は深刻です。

《記者》
「加配米は今どうなっていますか」

《工員》
「加配米は、2月ごろですよ、100グラムずつよけいにいただきました」

《記者》
「それから?」

《工員》
「それから今までありません」

《記者》
「加配米はないんですか」

《工員》
「ありません。一つもありません」

《記者》
「八幡の支払いは何日ですか、今は」

《工員》
「そうですね、今、5月初めから約24、5日ぐらいじゃないかと思いますがね」

現場の労働者たちはビタミン剤などでやっと栄養を補給しています。今度こそは必ず配給されるという加配米に期待をかけながら、90度を超える暑さの中で頑張っているのです。

首相を迎えて“街”の国会 東京・銀座<時の話題> 00:43
6月23日の銀座街頭。

《市民》
「これがもしできなければ、ヘンデンショ【聞き取り困難】をしてあげてください。この議、片山総理大臣先生にお願いいたします。終わり」

《片山首相》
「これは非常に重要な問題でありまして、政府におきましても直ちに税制の改革という問題を取り上げまして、目下慎重研究中であります」

《藤倉アナウンサー》
「群衆の中に和田さんももみくちゃになっていますが、ちょっとあけてください。おあけ願います」

四大学水上競技 宝塚<時の話題>   00:40
第4回明治・立教・日大・関大の対抗水上大会は6月22日宝塚プールで挙行。400メーター自由形では日大の古橋選手、4分51秒2の大会新記録を樹立しました。

幾春別たち上がる 北海道<時の話題> 00:34
去る5月16日、鉱山施設のほとんど全部を消失した幾春別炭鉱では、このほど町民大会を開き、自分の家より炭鉱の復興を先にしようと決議しました。

世界一周クリッパー機着く 羽田<時の話題> 00:50
旅客機による初めての世界一周機クリッパーアメリカ号は、アメリカ言論界の名士ロイ・ハワード氏ら20名を乗せて、6月26日午後、上海から東京羽田に到着しました。パンアメリカ航空会社社長ジョン・トリップ氏、ヒューストンポスト副社長ホビー夫人ら、登場の人々は盛んな歓迎をうけました。

洪水の危機迫る-           02:19
降り続く雨で九州をはじめ各地に洪水が起こり、同じような危険が全国に広がっています。山形県庄内の最上川は、昭和19年、21年、今年の4月と、最近3回にわたって各所の堤防が崩れ、両岸の耕地6500町歩が水浸しになりましたが、それを防ぐ対策はいまだに十分とはいえない実情です。
上流の山は乱伐から丸坊主になったところがいたるところにあり、そのため雨が降ると一時に水を増し土砂が崩れて洪水の一つの原因となっています。
下流、庄内平野余目付近では堤防が崩れたり割れ目を生じ、また1キロにわたって堤が流れ去ったままになっています。ひと度水が増せばたちまち押し流されるこの田畑。しかし、その一坪の土地も惜しんで農民たちははかない努力を続けています。
内務省の修理工事は資材不足や予算の不十分から思うように進まず、ただ付近の農民たちが農繁期の手不足をおして協力しているばかりです。この堤防を直さなければ、また今年も洪水がくる。

《農家の女性》
「あの堤防をこのままにしておけば・・・【聞き取り不能】」

農家のおかみさんの言葉どおり、今、庄内平野には大きな水の恐怖が刻一刻と迫っています。

 

日本ニュース 戦後編 第78号(1947年7月)7分42秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310078_00000&seg_number=008

片山首相国会第一声        01:26
水禍、ついに各地を襲う      01:22
水谷さんはだかで視察 常磐炭田  00:56
神保元中佐帰る 東京<時の話題> 00:38
食いだおれ追放 大阪<時の話題> 00:41
“俺たちにエサを与えよ” 東京<時の話題> 00:30
行き悩む“国鉄”再建 運賃値上げ是か非か? 東京 00:58
又も列車事故 山陽線       01:07

片山首相国会第一声        01:26
《議長》
「内閣総理大臣片山哲君」

7月1日、衆議院本会議で片山首相は施政方針演説を行い、危機突破に対処する政府の方針を述べました。

《片山首相》
「問題は、民主主義を政治上のみにとどめることなく、これを産業、経済の部面にも広く透徹させたいと考えておるのであります。産業経済の発展は、実にその機構の民主化に負うところ多大であるのであります」

3日には野党側から吉田自由党総裁が質問に立ちました。

《吉田自由党総裁》
「勤労大衆に理解を有せられる首相におかれて、よく現下の経済実相を国民大衆に理解せしめられ、産業の合理化、過剰人員の整理等につきましては、失業対策とともに適宜適当な措置をとられるようにと希望いたすわけであります」

水禍、ついに各地を襲う      01:22
すでに本社ニュースで警告したとおり、ついに水害は裏日本の各地を襲いました。

〈長野〉
27日夜からの豪雨で長野県大糸線の鉄橋は押し流されました。

〈山形〉
山形県米沢地方では山間の小川までどっと出水、200余町歩の水田が荒らされました。

〈石川〉
石川県河北潟付近では昨年と同じ数百町歩の田畑が水びたしとなり1万2000石の米もとれないといわれています。

〈新潟〉
新潟県下でも各河川の堤防が決壊、水田3万余町歩に冠水しました。特に岩室村では排水路の不備から水の引く見込みはなく、農民たちは少しでも作物を助けようと必死の努力を続けています。

水谷さんはだかで視察 常磐炭田  00:56
炭鉱国家管理の問題などを実際に見るため、水谷商工大臣は6月29、30の両日、茨城県高萩、福島県常磐の両炭鉱を視察しました。地下2000尺の坑内に初めて入った水谷さん、摂氏43度という猛烈な蒸し暑さの中でしみじみと労働者の苦しさを味わいました。

《水谷商工大臣》
「常磐炭鉱が世界一の暑い山であるということは聞いておりましたが、さて自分が入ってみると聞きしにまさるひどいところであって、この悪条件のもとで8時間労働をやるところの炭鉱労務者の苦労というものは一通りでないと思います」

神保元中佐帰る 東京<時の話題> 00:38
話題の人、神保元中佐が6月28日、品川駅に到着。同氏は戦争中、日本軍に殺されようとしたロハス現フィリピン大統領を救い出した人です。

《神保元中佐》
「ロハス大統領は、全比島民衆の衆望をになっておりましたので、大統領ご自身のご人格が自分の危険な運命を開いたものと思っております」

食いだおれ追放 大阪<時の話題> 00:41
食いだおれで有名な大阪市内の各料理屋も7月5日からは閉鎖と決まりました。

《店の女性》
「もう第一ね、いちばん困るなと思いましたです。子供は抱えていますしね、どうしてやっていこうかしらんて、焼けてしまうたし、何にもあらしまへんしね」

しかし閉鎖を目前に各料理屋さんとも新円階級で大にぎわいの様子です。

“俺たちにエサを与えよ” 東京<時の話題> 00:30
えさに悩む豚、牛、鶏などが、7月2日、上野の山下で人間によびかけました。

「あーあ。おなかがぺこぺこにすいちゃったわ。毎日毎日こんなすき腹じゃ、ろくな卵もうめやしないわ。ねぇ、みなさんわたしたちに餌をください。」

行き悩む“国鉄”再建 運賃値上げ是か非か? 東京 00:58
6月30日、東京日比谷公会堂で国鉄の運賃値上げ問題について放送討論会が開かれ、結局、反対の意見が多数を占めました。

《討論会参加者・男性》
「国鉄はある程度の値上げをしなければならないということは認めます。しかし、その率はいくらか、その根拠はどこにあるか」

《討論会参加者・男性》
「7月5日よりの値上げの達しがきております。運賃、まだ一般に知らせていないのは当局の怠慢であります」

《討論会参加者・男性》
「国鉄の運賃が値上がればインフレが増進してついには日本が滅びてしまうのではないかと思いますが」

《伊能鉄道総局長官》
「生活必需物資の運賃値上げにつきましては、(聞き取り困難)生活水準を著しく窮迫せしめることのないような基準のもとに値上げ率を考慮いたしております」

又も列車事故 山陽線       01:07
値上げをしようとしている矢先、またも列車事故が起こりました。7月1日午後1時過ぎ、山陽線光・下松間で東京発801列車が脱線。機関車もろとも客車4両が転覆して死傷者74名を出しました。このへんはたびたび事故を起こし、前から危険だといわれていたところです。度重なるこういう惨事は国鉄再建の前途に暗い影を投じています。

 

日本ニュース 戦後編 第79号(1947年7月)7分38秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310079_00000&seg_number=002

アメリカ独立記念日         01:11
片山内閣激励大会 東京<時の話題> 00:33
黒船まつり 下田<みなさんの声 東京・石垣肇> 00:32
“戦争と平和”大臣見学 東京    00:38
英語ご上達 皇太子さま 東京    00:38
新公定価発表さる          01:51
璽光さま“行状記”御殿場の巻    02:10

アメリカ独立記念日         01:11
7月4日、アメリカ独立記念日、東京宮城前広場では、マッカーサー元帥、アイケルバーガー中将臨席のもとに閲兵式が行われました。
今から171年前、アメリカは当時のイギリスの植民政策に対抗して独立戦争を起こし、1776年7月4日、歴史的な独立宣言を公表。自由なアメリカ民主主義の基礎を築き、ワシントンが初代大統領に選ばれました。
この日、閲兵式のあとアメリカ軍は東京の市内行進を行いました。

片山内閣激励大会 東京<時の話題> 00:33
7月6日、宮城前広場で産別、総同盟、日農など各団体約2万人が、社会党激励国民大会を開き、公約の即時実行を要求しました。続いて激励デモを行ないました。

黒船まつり 下田<みなさんの声 東京・石垣肇> 00:32
ペルリ提督の黒船来航を記念する黒船まつりが、7月6、7の両日、伊豆の下田に復活。アメリカ最初の領事館玉泉寺へアチソン大使の代理やウッドラフ少将らの一行が訪れ、ハリス初代領事の記念碑に花束を捧げました。

“戦争と平和”大臣見学 東京    00:38
7月7日、『戦争と平和』の試写会に森戸、和田両大臣が顔を見せ、賀陽宮ご一家もご見物。終わって座談会を開き、森戸文相は政治家もよい映画をもっと見るべきだとさばけたところを見せました。

英語ご上達 皇太子さま 東京    00:38
皇太子様は、7月9日、東京小金井の学習院でヴァイニング夫人から1学期最後の英語の授業をうけられました。各社のカメラや記者団に囲まれて皇太子様ははにかんでおられます。

新公定価発表さる          01:51
7月5日、片山内閣は物価安定のため鉄道運賃や主食などの値上げを発表。

《和田安本長官》
「わが国経済の現状にかんがみ、主要食糧の消費者価格、石炭の生産者価格および消費者価格、鉄道運賃、海上運賃等について7月6日からこれら改定を実施することとした」

鉄道運賃は一躍3倍半に飛び上がりました。主食は約3倍の値上がりとなりました。

〈北海道〉
遅配のいちばんひどい北海道では、値上げをしたら今度こそは正確に配給してくれと、7月8日、札幌で市民大会を開いて深刻な叫びをあげました。

〈高知〉
高知では米がなくなり主食のかわりにカボチャを配給するにいたっています。

〈東京〉
東京の都民たちは、汽車賃の上がらないうちにと、6日どっと買い出しに出かけました。背負ってくるのはキャベツ、馬鈴薯が多いようです。値が上がっても配給に問題があり、買い出しの苦労はなお続いています。

璽光さま“行状記”御殿場の巻    02:10
璽光尊が秩父宮邸に座り込んだというので本社のカメラはすわこそと駆けつけましたが、時すでに遅く大宮旅館に閉じこもったあと、2階の奥深く引きこもったきりで、便所にも行きません。部屋の前には屈強の護衛兵。台膳部員が買い出しから帰ってきます。新聞記者やカメラマンは悪戦苦闘。なんとかして拝謁の光栄に浴したいと2階に忍び寄ります。だが、内閣総理大臣に追い払われました。今度は屋根にまでよじ登りましたが、カーテンがそよぐばかり。やっと呉清源氏と記者会見。宿屋のおかみさんと本社員の一問一答。

《記者》
「璽光様というのは、自分の思い通りにならないとですね、魂を抜いてしまうということをいいますけどね、おばさんそのほうは大丈夫?」
《おかみ》
「大丈夫。そのほうはもうしっかりしたものですよ」
《記者》
「しっかりしたものですか」
《おかみ》
「ええ。全然もう。なんだか、見たとこは本当の普通の人間なんですけどね、精神そのものは私らには全然想像がつきませんですね」

ついに7月9日夕刻、ご神技あらたかならず、璽光様の一行はうなり声をたてて逃げ出しました。

 

日本ニュース 戦後編 第80号(1947年7月)7分59秒
http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001310080_00000&seg_number=004

別子銅山争議解決       01:37
千年前の古墳を発掘 鎌倉   00:52
灯ろう流し 東京<時の話題> 00:32
刀なしの野馬追い 福島・飯畑幸男<みなさんの声> 00:22
璽光さま避暑へ- 山中湖   00:31
産別大会開く 東京      00:28
水のなやみ          01:16
イントク物資めぐって“世耕”事件拡大 02:17

別子銅山争議解決       01:37
四国愛媛県新居浜の北220キロの四阪島には有名な別子銅山の精錬所があります。ここは今でも封建的な名残の強いところといわれています。船で水を運んでこなければならない不便なところです。この貴重な水を事務の職員はいつでも自由に使い風呂もどんどんわかしています。これにひきかえ現場で働く労働者のほうは時間給水です。わずかな時間に行列をつくって水をもらわなければなりません。

《記者》
「水の配給は1日どれくらいあるんですか」

《主婦》
「大人で2斗で子供に1斗です」

《記者》
「職員さんのほうはどうですか」

《主婦》
「あっちのほうはもう1日中いつでも汲めます」

このような封建的な身分制度をやめようということから別子銅山の争議は始まったのですが、1か月のストライキの後、7月18日ようやく解決。労働組合と職員組合が一つになって身分制度はなくなることになりました。

千年前の古墳を発掘 鎌倉   00:52
鎌倉稲村ヶ崎の西北方、姥ケ谷にある約千年前の30余りの古墳の群れが、東大ミカミ講師らの手で5月17日から発掘されています。これによって当時の生活の一端がうかがわれます。これは奈良朝の末から平安朝の初めころの豪族のお墓で、珍しく完全な形で残っています。幾種類ものノミを使った跡があり、奥には作りつけの石の棺がありました。頭蓋骨は崩れても歯だけは千年前のものがそのまま完全に残っていました。

灯ろう流し 東京<時の話題> 00:32
東京のお盆。戦争の痛手も忘れて久しぶりに築地本願寺では盆踊りが行われました。隅田川では船を繰り出しての灯籠流し。

刀なしの野馬追い 福島・飯畑幸男<みなさんの声> 00:22
福島県相馬の野馬追いは7月12日雲雀ヶ原で行われました。今年は刀なしの武者600騎が旗の奪い合いを演じました。

璽光さま避暑へ- 山中湖   00:31
世間の話題をにぎわした璽光さまは、7月13日、突然富士山麓山中湖畔のさる別荘に現れました。昼寝中の神様は布団の中に隠れました。

産別大会開く 東京      00:28
産別会議の全国大会は、7月10日から4日間、東京の明治大学講堂で開催。聴濤議長の後任に菅道氏が選ばれました。

《菅道議長》
「従来の一切のゆきがかりは捨てまして、総同盟、中立との戦線の統一を行いまして、市民、農民と一緒になりまして民族危機を突破せねばならんと痛感しているしだいでございます」

水のなやみ          01:16
7月の農村は水が多すぎても足りなくても悩みの種です。

〈新潟〉
先日の洪水で無残にやられた新潟県下では半ば腐った苗をなんとかして生かそうと泥を落として力をつけてやっています。

〈奈良〉
洪水に悩む新潟にひきかえ奈良県磯城郡ではかんかん照りで地割れがしています。苗代の苗は枯れかかってしまいました。しかし今田植えをしなければ今年はお米が取れなくなるので、この人たちは一粒でも収穫したいものと昔のままの方法で大変な苦労を重ねています。

イントク物資めぐって“世耕”事件拡大 02:17
問題の世耕事件。7月16日、経済安定本部では次のように語りました。

《國塩安本監査局長》
「世間では世耕情報とかいって、500とかあるなしいろいろ騒いでおるようです。その根拠になっている資料というものが必ずしも確実でないので、われわれのほうにもですね、その真相というのはよくわかっておりません。

安定本部では世耕情報そのほかの情報に基づいて調査をしていますが、某毛織工場の防空壕では伝えられた軍服1万着は形もないという結果でした。東京都内某銀行の倉庫ももぬけの殻とのことでした。
これに対し、いわゆる世耕指令書で問題の自由党・世耕弘一氏は7月15日こう言っています。

《記者》
「500億の隠匿物資がですね、実際にころがっているということ、これは事実ですか」

《世耕弘一》
「私も各方面から集まった情報を基礎にして、結論は結局500億以上の[ものが]実在するという結論が出るわけです」

《記者》
「この閣僚の中にですね、この問題に関係した方がいらっしゃるということはいえますか」

《世耕弘一》
「私のうけた報告書によりますと、ないとは言われない」

《記者》
「あるわけですね」

《世耕弘一》
「あるというほうがむしろ近いと思う」

こうして、しだいに政治問題に発展してきた隠退蔵物資は、産業復興公団にこのようにして保管されている3000万円だけなのか、それとも世耕氏の言うとおり500億円あるのかどうか、世耕事件はようやく拡大のきざしを見せてきました。

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