貴乃花引退会見後に出た記事、ほか関連記事。相撲協会の悪評は広がるばかり。
次に貴乃花の弟子・床山・世話人、計10人の移籍先の記事なども(相撲好きな人が行きやすいように、移籍先 千賀ノ浦部屋の地図と玄関前の写真等もアップ)
古賀茂明「貴乃花引退で記者クラブは潰した方がいいと思う理由」
古賀茂明 2018.10.1 07:00 dot. #古賀茂明
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古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催
引退を表明した貴乃花親方(c)朝日新聞社
9月25日、突然の引退会見を開いた貴乃花親方。一般人はもちろん、報道関係者にとっても、それは驚きだったようだ。
当日は火曜日。いつものように朝日放送テレビ(ABC)の情報番組「キャスト」に出演するために大阪にいた私も、番組前にテレビ局スタッフからその話を聞いて驚いた。番組中に17時からモニターに映し出された貴乃花親方の会見を冒頭から15分程度リアルタイムで視聴した。その後1時間半近く続いた会見の模様は後でネットで確認したが、この問題が、「日本相撲協会」による貴乃花親方への「パワハラ」事案であることを理解するのには、会見の冒頭15分で十分だった。そして、会見全体を見た後には、これは、協会による周到な貴乃花親方追放の謀略なのではという強い疑念も湧いてきた。
本件には三つの大きな問題がある。
中でも最大の問題は、全ての親方は「一門」に属さなければならないと協会が決めたことだ。「一門」とは、一言で言えば相撲の世界でのいわば「派閥」のようなもので、古い伝統はあるものの、公益法人である相撲協会が、全ての親方が、「一門」に属することを強制することを正当化する理屈を見つけるのはかなり困難であろう。
協会側は、一門には国の補助金の一部が支給されているので、使途の透明化を図り協会全体のガバナンスを向上するために全親方が五つの一門に所属して取り組むという趣旨だと言い訳しているが、この「一門制度」で、自由な意見が言えなくなり、透明な協会運営ができなくなったり、八百長の温床になるという指摘がなされていて、そちらの方がはるかに説得的だ。補助金の使途の透明化なら、部屋ごとに監査法人による監査を義務付けたらどうだろうか。貴ノ岩傷害事件について、第三者検証委員会も設けず、反論の機会を与えないまま中間報告を公表したような協会が、こういう時だけ、とってつけたように「ガバナンス」を口実にすることにも強い違和感を覚える。そもそも、透明化とかガバナンスというなら、まず、一門ルールを決定したのに隠し続けてきたことをどう説明するのか、その一事をもってしても協会の言い分の説得力は全く失われてしまうのではないだろうか。
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二つ目の問題は、貴乃花親方による内閣府の公益認定等委員会への告発状について、8月に「事実無根な理由に基づいてなされたもの」と結論付けられた文書を協会が正式に貴乃花親方に対して手交し、8月末までにこの見解に対する考えを回答しろと要請したということだ。本件は、覚えておられる方も多いと思うが、横綱(当時)日馬富士による貴乃花部屋の力士貴ノ岩に対する傷害事件に関し、貴乃花親方が、内閣府公益認定等委員会に告発状を提出したものだ。傷害事件の真相は不明な点が多いが、その後、貴乃花部屋の力士貴公俊による暴行事件があったことから、貴乃花親方は3月28日付で告発状を取り下げていた。もちろん、二つの事件は全く無関係だが、貴乃花親方が、自分の部屋から不祥事を出したので、他人のことをとやかくは言えないという理由で自主的に取り下げたものだ。事実無根だったということを認めて取り下げたものではない。
しかし、協会は、外部弁護士の見解を踏まえたとしつつ、貴乃花親方の告発が「事実無根」だったと結論付けたのだ。もちろん、貴乃花親方はこれを認めることなど到底できない。これに対する反論書を提出したところ、9月27日に開かれる年寄総会への呼び出し状とともに、「貴殿自身は一切回答するつもりがないように思われ、協会と直接に対話しようとしない貴殿の姿勢は非常に遺憾です」という内容の回答が協会側からなされた。その後、貴乃花親方によれば、「認めないと親方を廃業せざるを得ないという有形無形の要請を受け続け」たと証言した。
つまり、協会側は、事実無根説に固執し、貴乃花親方の主張に耳を貸すつもりなど全くなかったに違いない。27日の年寄総会に貴乃花親方が出席すれば、つるし上げ集会のような状況になるのは誰でも予想できた。貴乃花親方の心境を察すれば、これを欠席したのは、やむを得なかったと考えられる。
第一の問題と第二の問題を同時に突き付けられた場合、貴乃花親方の立場がどうなるのかは、誰にも容易に想像できる。協会の「一門所属義務」を満たすためには、どこかの一門に「入れてください」と頭を下げる必要がある。その際、各一門は、協会の正式見解である「告発状事実無根説」を認めろというだろう。中には、貴乃花親方を救いたいという部屋もあるかもしれないが、事実無根を認めないまま貴乃花親方を受け入れようとすれば、多数派の反貴乃花の親方たちからの強力な締め付けに合うことは確実だ。現にAERAdot.報道でもそうした証言が掲載されている。
次のページ 貴乃花親方へのパワハラ?
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こうして貴乃花親方は追い詰められ、最後は、自分が路頭に迷うのは仕方ないにしても、弟子たちの居場所がなくなることは避けたいという一心で、弟子たちの所属変更を求める願いを出して、自らは引退する道を選んだ。
こうした貴乃花親方の動きに対して、協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、会見を開いて、「告発状が事実無根だと認めるよう有形無形の圧力を受けた」という貴乃花親方の主張に対し「そのような事実は一切ない」「一門に所属して一緒にやろうと何度も説得した。告発状が事実無根だと認めなければ一門に入れないと圧力をかけた事実はない」と反論した(朝日新聞デジタル)。
この協会側の対応が、本件に関する第三の問題だ。こうした一連の経緯を見れば、明らかなとおり、この事件は、協会と貴乃花親方の間の行き違いなどと言うものではなく、典型的な「パワハラ事件」だ。
職場における「パワハラ」の定義としては、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」のものがよく引用される。これによれば、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」とされている。
今回の件を当てはめれば、協会は貴乃花親方に対して優位性がある。また、他の親方も、一門に所属させるかどうかについて影響力を行使できる立場にあるから、明らかに貴乃花親方に対して優位な立場にあると認定できる。
また、これまで一門に所属しなくても特に問題など起こしていないにもかかわらず、一門に属するように命じるのは協会の正式決定であったとしても、業務の適正な範囲を超えていると考えられるし、告発状が事実無根だと認めろというのは明らかに業務の範囲を超えている。
そして、信念に反して一門に入ることはもちろん、事実無根説を認めるのは貴乃花親方にとっては、人格を否定されるに等しいことだから、精神的な苦痛を与えるものであることも明白だ。こうしてみると、本件は典型的なパワハラ事案だということになる。
次のページ 問題を報じる大手メディアの問題点
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もちろん、貴乃花親方の発言がすべて作り話だとすれば、パワハラではない可能性もないとは言えない。
パワハラ被害者がそれを会見で訴えていて、本人の言うことが事実ならパワハラだと考えられる場合に、協会が真っ先に取るべき行動は何か。
当然のことだが、その主張が真実かどうかを客観的に検証するとともに、訴えた本人を保護することだ。ところが、協会が行ったのは、何の検証もしないまま、会見を開いて貴乃花親方の訴えを完全否定したのである。この一事だけでも、協会の対応には根本的な問題があったと言わなければならない。
ところが、当初の報道を見る限り、「本件はパワハラだ」という論じ方をしているところは、少なくとも、大手紙や大手テレビ局にはなかった。これほど典型的な事案であるにもかかわらずだ。日本レスリング協会の案件などでは、あれだけ派手にパワハラ問題を報じていたのに比べると対照的ではないか。
大手マスコミの第一報は、貴乃花親方の主張は一応伝えるものの、協会の主張もそのまま無批判に伝えている。協会が何の調査もしないで貴乃花親方の主張を完全否定したことに対して、批判する質問をした形跡さえない。
「行き違いがあった」とか、「貴乃花親方の行為には批判も多いが、これだけの実績を残した大横綱がこんな形で角界を去るのは惜しい」「もう少し話し合いはできなかったのか」などというトーンで報じるものがほとんどだった。コメンテーターの中には、相撲協会を真正面から批判する人たちもいるが、社として局として、正面から協会を批判するところはない。NHKなどの放送でも、人気があるのであまり酷い貴乃花批判はしないものの、しっかりと協会をフォローする解説を流していた。
そこで、大きな疑問となるのが、協会が一門所属義務を決定したのが7月なのに、それが公表されず、9月場所半ば過ぎまで貴乃花親方に言い渡されていなかったのはなぜかということだ。公表しないこと自体、うしろめたかったことを如実に表している。これはどう考えてもおかしなことだし、批判されてしかるべきことだ。
次のページ 注目すべき貴乃花親方の発言
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これに関して、私が注目したのは、一門所属ルール決定に関する貴乃花親方の次の発言だ。
――今場所(9月場所)の後半に直接役員の親方から聞いたのが初めてでありました。それ以前は相撲担当の記者さんに聞かされたといったレベルでしたので、正式な通達があるのかなと思って審判に従事していたわけで、現在に至るという状態です――
この言葉は大変な驚きだった。なぜなら、協会が決定したことは公表されておらず、貴乃花親方も知らない段階で、「相撲担当の記者さん」はこの情報を知っていたということになるからだ。しかも、決定から2カ月近く、その情報は記事になっていない。
もちろん、記者は知ったことすべてをすぐに記事にするわけではない。その時点で記事にする価値があるかどうかを判断するのは当然だろう。しかし、当時の状況を考えてみると、やはり、記事にならないのは非常におかしなことだ。貴乃花親方がどの一門にも所属していないことは、相撲担当記者なら誰でも知っている。協会が、一門所属義務化を決めたと聞いたら、これは協会が貴乃花親方を追い出すか屈服させるための手段だということは容易に想像できる。そんな「いじめ」の事実を知ったら、協会を問い詰めたうえで記事にするのが当然だろう。
ところが、どこの社も記事にしなかった。これは、協会から口止めされていたのか、記者同士が協会の意図を忖度して記事にしないという暗黙の談合をしたとしか考えられない。
ではどうして、そんなことが起きるのかといえば、相撲記者クラブの存在がある。記者クラブといえば、欧米からは、直ちに廃止しろと言われて久しい日本固有の記者による談合組織である。クラブに所属すれば、何もしなくても、自動的に取材先の官庁や団体からニュースが与えられる。それを右から左にコピペすれば、何もしなくても記事になる。取材先の建物にオフィスを置けるうえに、わからないことなどがあれば、ほぼフリーパスで誰にでも会える。一方、記者クラブに入っていないネットの記者やフリーの記者、外国プレスの記者などは、そもそもニュースが報道されて初めて何が起きているかを知り、そこから電話でアポイントを取って取材をする。なかなか会ってもらえないことも珍しくない。
次のページ 特権を与えられている記者たち
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特権を与えられた記者クラブの記者たちは、自然と取材先に依存するようになる。取材先は、その優越的な立場を利用して、自分に都合の悪い記者には、情報を与えずいわゆる特オチ(特ダネを報道できないこと)にさせたり、取材を拒否したりして脅し、言いなりになる記者には特別に情報を与えたりして、思い通りの記事を書かせるようになる。クラブの記者たちは、そういう非常に歪んだ空間に自分たちがいることが当たり前となり、気づいたときには、取材先の意向ばかり気にする「忖度記者」になっていくのだ。
今回の件も、相撲協会の記者クラブ(東京相撲記者クラブ)の記者たちが、協会の意向を忖度して、貴乃花親方追放が成就するまでの間、理事会決定事項を知っているにもかかわらず、記事にしなかったようだ。なぜなら、あまり早くこの問題が明るみに出ると、ネットなどで協会批判が噴出し、せっかくの策略を撤回しなければならなくなるという協会側の懸念を記者たちが慮って報道自粛をしたのだろう。
念のため、何社かの大手新聞社やテレビ局、雑誌社の敏腕記者たちに聞いたところ、相撲記者クラブの悪評は際立っている。他のクラブの記者から見ても「彼らは異常」「協会べったり」「相撲担当記者自身が、その異常さを自慢している」などという声を聞くことができた。
ちなみに、テレビ朝日を見ている人は気づいていると思うが、テレ朝では最近相撲の取り組みに関する映像が流れない。テレ朝関係者によれば、貴ノ岩傷害事件の際に、協会の意向を無視して、貴乃花親方単独インタビューの特番を放送したため、それ以降相撲映像使用が禁止されてしまったのだという(その代わりなのか、アベマテレビでは相撲中継を行っている)。本来は、公益法人が報道の自由に圧力をかけるようなことをしてもいいのかと内閣府に申し立てればよいと思うのだが、テレ朝は、あくまでも事を荒立てず、来年くらいからは映像使用許可を出してくれないかと待っているようにも見える。こうした事情から、明確な「パワハラ」批判は局としてはできないのだろう(ちなみに、同じ系列局の中でも、大阪の朝日放送テレビでは、貴乃花親方の会見当日の番組で、非常に強い調子で協会の「いじめ」を批判していた)。
次のページ 協会寄りの報道ばかりの貴乃花問題
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このように考えると、実は、これまでの貴乃花関連の報道は、ずっと協会寄りの報道になっていた可能性が高い。つまり、私たち市民が抱いている貴乃花親方のイメージは協会に有利なように歪んだ形で形成されてきたのではないかという疑いがかかってくるのだ。
改革に熱心だった貴乃花親方が、新しい挑戦をしては協会に阻まれるたびに、大手メディアは、協会の問題を指摘しつつも、常に、貴乃花親方のやり方が、「性急過ぎる」「もっと丁寧に話し合いをすべきだ」「協会内の支持が集まらない」などと批判的に報じていたが、これは、協会の声を反映したものであったのだろう。
改革に挑戦するとき、改革者は既得権側の巨大な組織と戦わなければならない。その際、最も頼りになるのは、というよりも、唯一頼れるものといえば、実は、世論、そして、それを形成していく力を持つマスコミである。私自身、官僚時代に改革を進めようとするとき、既得権を守ろうとする省庁や族議員と戦うには、マスコミの援護に頼るしかなかった。逆に言えば、マスコミを味方に付ければ、困難な改革も可能になる。
貴乃花親方は相撲協会と戦うだけでなく、協会べったりの相撲担当記者たちの忖度報道とも戦わなければならなかった。これでは、到底勝利することはできない。いつも寡黙だったのは、丁寧な説明をなどと言われても、協会寄りのマスコミに話すのは時間の無駄どころか、自分に不利益になると考えたのかもしれない。
貴乃花親方は、今回「敗北」を認めた。戦いは終わったかに見える。
しかし、世の中そんなに甘くはない。今回の周到な貴乃花追放作戦を見れば、協会関係者の貴乃花親方に対する遺恨の強さがわかる。
貴乃花親方は会見で、今後の弟子たちとの関係について、「迷った時は私のところに来て、土俵の上で体の使い方、足腰の使い方を伝えていければなと思います」と語っているが、協会がこうしたことを許さない可能性がある。また、小学生の指導を行うという報道もあるが、こうした活動についても表立ってではないが、様々な嫌がらせや横やりが入るのではないだろうか。
次のページ 問題の核心は協会の腐敗構造
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そして、実際にそういうことが起きた時にも、相撲記者クラブの記者たちは、協会側についた報道をするかもしれない。それ以外の記者も取材するかもしれないが、やはり、クラブの記者たちの圧力で思ったような記事を書けない可能性も高い。
戦いをやめた貴乃花親方だが、戦いは本人の意に反して続くのではないか。
そう考えると、記者クラブ、とりわけ、相撲記者クラブの罪深さに憤りを感じてしまう。
もちろん、問題の核心は、相撲協会の腐敗構造である。これまでも、八百長問題で国民の信頼を完全に失い、弟子の暴力死事件や横綱による傷害事件などの殺傷沙汰が続いたが、これらは単なる不祥事ではない、立派な犯罪行為だ。こうした問題を次々と起こしてきた角界を仕切ってきた日本相撲協会の責任は大きい。
内閣府は、相撲協会の公益法人としての資格をはく奪すべきではないのか。外部の有識者を協会トップに据えて、根本から改革し、しかるべき成果を上げたところで再度公益法人認定を申請させる。あわせて、相撲記者クラブは解体し、フリーの記者たちにも取材を開放する。それくらいの荒療治をしないと、協会は永遠に問題を起こし続けるだろう。
2018.10.2
貴乃花親方をあっさり引退させていいのか、惜しまれる「後進育成力」
相沢光一:スポーツライタ
https://diamond.jp/articles/-/180997
写真:日刊スポーツ/アフロ
貴乃花親方ついに引退 「圧力」有無の解明は今後に
先週、誰もが驚いたのが、貴乃花親方(46)の突然の引退会見だ。
昨年10月、弟子の貴ノ岩が日馬富士に暴行を受けたことを告発し大騒動になって以来、貴乃花親方は日本相撲協会幹部から反乱分子と見なされるようになった。その後、弟子の暴行事件があって貴乃花親方も一旦は矛を収めたが、会見での証言によれば、協会の方針に従わせるさまざまな圧力があったという。5つある一門のどこかに所属しなければ部屋は存続できないという規則ができ、一門に入る条件として、告発状は事実無根だと認めろとの要請があったそうだ。
弟子の暴行事件で告発状を取り下げた後、協会での役職は理事から5階級降格して年寄になった。親方自身も「一兵卒としてやり直す」と語っていたが、告発の内容にまで踏み込まれることは許せず、部屋の存続を断念。引退して大相撲と縁を切ることを決断したようだ。貴乃花部屋に所属する力士は千賀ノ浦部屋に移籍させる考えを示した。
次のページ 大相撲改革者としての横顔も
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これを受けた日本相撲協会は10月1日に臨時理事会を開き、貴乃花親方の退職と所属力士の移籍を承認した。だが、貴乃花親方が引退の決断をするきっかけになった圧力については否定している。
一時代を築いた功労者 大相撲改革者としての横顔も
今後はこの「圧力」があったかどうかや角界の体質とともに検証されていくだろうが、貴乃花親方をそんなにあっさり辞めさせていいのだろうか。今は反乱分子かもしれないが、現役時代は一時代を築いた名横綱だ。2001年の5月場所で右ヒザ半月板を損傷する大ケガを負いながら横綱武蔵丸との優勝決定戦に勝った一番など数々の記憶に残る名勝負を見せ、人々を感動させた。また、功績顕著ということで一代年寄になった横綱は大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花の4人しかいない(千代の富士は辞退)。そんな功労者に対して、この対応は納得できない。
親方としても大相撲には必要な存在だ。審判として姿を見せると、場内には力士以上の歓声が上がる。今でもオーラがあり、人気抜群なのだ。そして現役時代の相撲を見て、あるいは相撲を真摯に追究する姿勢に憧れて、力士を志す少年もいる。そんなスター性や求心力を持つ人物が大相撲からいなくなるのは、あまりにも惜しい。
また、貴乃花親方は大相撲の将来を考えた改革者でもあった。タニマチという古い形の後援者に支えられるのではなく、Jリーグに見られるようなサポーター制、ファンクラブ制を模索。キッズクラブという少年を相撲に親しませる組織も作った。弟子の小結貴景勝はこのキッズクラブ出身だ。大相撲の伝統を重んじる親方衆には、こうした貴乃花親方の新たな取り組みや改革志向が癇に障るのだろうが、大相撲人気を継続させるためにも、貴乃花親方のような人材は欠かせないはずだ。
力士として一人前の「関取」 47すべての部屋にいるわけではない
そして貴乃花親方は弟子の育成でも手腕を発揮しているといえる。
大相撲には約650人の力士がいる。その最上位が幕内で定員が42人、この下が十両で定員28人。この十両以上の70人が関取で、以下幕下、三段目、序二段、序ノ口、前相撲に約580人がいる。
力士として一人前といわれるのが関取になることだ。月給が支給されるようになるし、場所ごとの報奨金や引退時の退職金も増額される。本場所では大銀杏を結い、化粧廻しをして土俵入りも行う。四股名の下に「〇〇関」と関をつけて呼ばれるようになり、付け人がついて身のまわりの世話をしてもらえる。報酬面でも待遇面でも、十両以上の関取はまったく違うのだ。
力士たちは誰もが、この関取になることを目指して厳しい稽古を積むし、親方も関取をつくろうと指導に熱をいれる。この力士たちはすべて現在47ある部屋に所属している。
関取が70人で47部屋なら、各部屋に1人ずつくらいは関取がいそうに思えるが、実はそうではない。9月場所の番付で見ると、関取がいる部屋は30。17の部屋は関取がゼロなのだ。
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惜しまれる指導力 貴乃花部屋には3人の関取
◆大相撲・部屋別関取所属数ランキング(九月場所)
別表は9月場所の部屋別関取数の上位をランキングにしたものだ。1位は追手風部屋で7人の関取がいる。幕内には遠藤、大翔丸、大栄翔の3人がいて、十両が4人だ。追手風親方は元前頭大翔山だが、育成力はなかなかのものなのだ。
2位は九重部屋と木瀬部屋が6人で並んでいる。ただし、九重部屋は幕内力士が4人(千代大龍、千代の国、千代丸、千代翔馬)いるのに対し、木瀬部屋は6人全員が十両。九重親方は元大関千代大海、木瀬親方は元前頭肥後ノ海だが、育成実績では九重親方に軍配が上がる。この上位3部屋に次ぐ同数4位が3人の関取がいる9部屋。ここには横綱白鵬が所属する宮城野部屋、大関豪栄道がいる境川部屋、大関栃ノ心がいる春日野部屋など名門が名を連ねているが、このなかに貴乃花部屋も入っているのだ。
部屋を率いる親方にとって弟子を関取にするのは指導力がある証しだし、関取が生れれば協会から養成奨励金などが支給され、部屋の運営も安定する。だから、有望な少年力士がいれば熱心にスカウトするし、稽古でも自分の持つ技術や知識を総動員して指導する。だが、それでもなかなか関取まで育たないのが実情。部屋を受け継いでから10年以上、関取が生れないところもあるのだ。
貴乃花親方は2004年、父の二子山親方(元大関貴ノ花)が運営していた部屋を継承し、貴乃花部屋としたが、それから十数年で3人の関取がいる部屋にしたのは優秀といえる。
そうした力士育成力の点からみても、貴乃花親方が角界を去るのは惜しいのだ。一本気で組織の輪を乱す貴乃花親方を嫌う親方もいるようだが、そんな思惑によって失ってはならない存在。本人が去ると言っても、協会は全力で引き留めるのが筋ではないだろうか。
(スポーツライター 相沢光一)
貴乃花親方の"自爆テロ”の勝算と相撲協会の誤算
岸本貞司2018.9.30 16:00週刊朝日
https://dot.asahi.com/wa/2018093000014.html?page=1
角界を去る決意を固めた貴乃花親方(c)朝日新聞社
「あれはイジメだよ。相撲界は惜しい人材をなくした。取り返しがつかない」
「いやいや、大人げない行為を繰り返して周囲の反感を買って孤立し、辞めさせられる、と思い詰めた結果だから。説得しようとした親方もいたのに電話に出なかったそうだし、どうしようもない」
空前絶後の若貴ブームを巻き起こした平成の大横綱・貴乃花親方が日本相撲協会に引退届を提出したことで、角界関係者からは様々な声が漏れ聞こえてくる。
協会は7月、すべての親方は五つある一門のいずれかに所属するように決めていた。その締め切りは9月27日。消滅した旧貴乃花一門の親方と無所属の親方たちは所属先が決まったが、9月場所が終わっても貴乃花親方だけ所属先が決まっていなかった。
「かつて所属していた二所ノ関一門に千賀ノ浦親方(元・隆三杉)が働きかけ、『2年後には(理事長選に)立ちません』と誓約書を書くと言っても認められなかった。強硬に反対したのは高田川親方(元・安芸乃島)で貴の兄弟子ですが、2人は仲が悪いんです。全親方の一門所属を義務付けたのは公益法人としてのガバナンス強化と協会側は説明していますが、本音は“貴の乱”を再び起こさせないために囲い込もうとしたわけです。9人の親方の合流を認めた二所としては、ひさしを貸して母屋を取られることを恐れたんでしょう」(ベテラン記者A)
意外だが、騒動の発端で、引退した日馬富士が所属していた伊勢ケ浜一門も貴乃花親方の合流を検討していたという。
「相撲ファンなら、なぜ伊勢ケ浜親方(元・旭富士)が?と思いますよね。次の理事選に向けて1票上乗せしたかったという判断だったようです(笑)。朝日山親方(元・琴錦)が『ウチに来なさい』と声をかけ、本人も同意したそうですが、横綱白鵬を抱える宮城野親方らが強硬に反対し、結論が出なかった。八角理事長(元・北勝海)預かりで高砂一門で面倒を見たら、という話もあったんですが」(ベテラン記者B)
角界OBはこう語る。
次のページ 貴乃花は正論を口にするが…
https://dot.asahi.com/wa/2018093000014.html?page=2
「亡くなった北の湖理事長から何度も『俺の次はアイツだ』と聞かされました。あんなに早くこの世を去ると思っていなかったでしょうし、長期政権を考え、次を託すのは貴乃花だとね。それぐらい評価してたんです。たとえば相撲協会の健康保険がありますが、そこに呼び出しを入れないことを貴乃花は問題視し、裏方から慕われていましたよ」
北の湖親方が2度目の理事長になる直前の大相撲は野球賭博と八百長問題の影響で約50億円の赤字を抱えていたという。そこから、貴乃花という希代の人気者をアイコンにして人気復活を図ったのが当時の北の湖理事長だった。
「貴乃花は正論を口にするくせに、やることが子供っぽい。だけど、あれだけの大スターですから、その知名度を生かさない手はない。彼を、うまく使いこなせる人間が今の協会幹部にはいないということですよ」(前出記者B)
(岸本貞司)
※週刊朝日2018年10月12日号
2018.9.27
「貴乃花親方の言い分が正しい」と感じさせる、相撲協会“過去の行状”
窪田順生:ノンフィクションライター
https://diamond.jp/articles/-/180641
電撃引退を表明した貴乃花親方vs日本相撲協会のバトルが新たな展開を迎えた。相撲協会が圧力をかけたか否か、真相はまだ明らかになっていないが、相撲協会の過去の行状を振り返ると、硬直的な組織にありがちな「ネガティブ報道や告発はすべて事実無根で押し通す」という悪しきカルチャーを持っているのは事実だ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
もはや日本の風物詩「パワハラ論争」がまたも勃発
3月に内閣府に提出した告発状について、「事実無根」と認めるように日本相撲協会から迫られたと明かした貴乃花親方。相撲協会側は否定しているが、過去の行状を振り返れば、いかにもやりそうな組織ではある 写真:日刊現代/アフロ
またしても、「圧力を感じた」「いや、そんなつもりはありませんでした」の無限ラリーが繰り広げられるのだろうか。
25日に電撃引退(退職)を発表した貴乃花親方。引退の理由は、3月に内閣府に提出した告発状について、日本相撲協会から「事実無根」と認めるように執拗に迫られたからだと会見で明かしたところ、相撲協会側が「圧力をかけた事実はない」と否定。今や日本の風物詩ともなった、やったやらないの「パワハラ論争」が、再び勃発しそうなムードなのだ。
事実についてはこれから明らかになるのかもしれないが、個人的には貴乃花親方の言い分が正しかったとしても、特に驚くような話ではないと思っている。むしろ、相撲協会という組織の性格を考えれば、「ない」という方が不自然である。
レスリングの伊調馨選手とコーチが内閣府に告発状を提出した時、日本レスリング協会幹部らが事実確認をせず、脊髄反射で「事実無根」と顔を真っ赤にして主張したことからもわかるように、公益財団法人にとって告発状というのは、読むだけで100日寿命が縮まる「恐怖新聞」のような存在なのだ。
相撲協会もそれは同様で、貴乃花親方の告発状のせいで、幹部の方たちは3月から枕を高くして寝られない状況が続いている。
貴乃花親方が告発状を取り下げたのは、あくまで弟子の暴力問題があったからであって、告発した内容が間違いだったと認めたからではない。つまり、告発状はいつ爆発するかわからない「不発弾」のような存在となっていたからだ。
「あいつは大量破壊兵器を持っているかも」という恐怖が、大国を戦争へ突っ走らせるように、恐怖は人間を攻撃的にする。貴乃花親方が世間に触れまわる「恐怖新聞」、もとい告発状の悪夢に悩まされ続けてきた相撲協会幹部が、恐怖から解放されるため、なりふり構わず、貴乃花親方に「告発状はデタラメでしたと言え」などと迫るというのは、実は極めて人間らしいアクションなのだ。
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組織によって異なる論破の際の「パワーワード」
なんてことを言うと、「立派な元力士ばかりの相撲協会が嘘をつくわけないし、相撲取材歴ウン十年の相撲ジャーナリストの皆さんも誤解だと言っている。すべて貴乃花親方の被害妄想だ」という怒りの声が山ほど寄せられそうなのだが、相撲協会が動いていたのではないかと思わせるような材料は他にもある。
それは、会見で貴乃花親方が幾度となく発したこの表現である。
「告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めるようにとの要請を受け続けておりました」
これを耳にした時、いかにも相撲協会らしいと確信をした。「事実無根」というのは、彼らのパワーワードだからだ。
「はい、論破」ではないが、皆さんの職場にも、いつも同じようなフレーズで相手を説き伏せようとするおじさんがいるのではないだろうか。人間というのは誰しも、「反論」をする際の“決めゼリフ”を持っているものだ。
実はこれが「法人」にも当てはまるということを、筆者は広報アドバイスの仕事をしているうちに気づいた。マスコミの報道に対して反論をする、抗議文を送るなんて時の表現や言葉のチョイスには、その組織のカルチャーがモロに反映されるのだ。
例えば、一般消費者に近く、日常的にクレームの嵐に晒されているような組織は、「正確な報道ではなくて残念です」「どうも誤解されているようなので、正しい情報を伝えさせていただきます」なんてニュアンスで、やんわりと怒りや不快感を伝える。
それに対して、利権を独占して競合もおらず、常日頃からマスコミにチヤホヤされているような組織の場合、「悪質な虚偽報道で大変遺憾である」なんて感じで、かなり頭が高くなることが多い。この後者の典型が、相撲協会である。
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https://diamond.jp/articles/-/180641?page=3
相撲協会が連発してきたマスコミ宛抗議文に見るパターン
こういう人たちの考える「広報」は、「外部とのコミュニケーション」ではなく、「自分たちの正しさを世間に知らしめる手段」なので、勢いどうしても言葉が強くなる。そのため、まるで法廷闘争のように、“100%ノー”という打ち消しになりがちなのだ。
例えば、昨年の元横綱日馬富士の暴行を巡って、相撲協会と貴乃花親方がバトルを繰り広げていた際にもさまざまな報道がなされたが、その度に相撲協会は、マスコミ各社に抗議文を送付している。
その中で使われていた表現をざっと以下に抜き出そう。
「明確な誤り」「完全に事実と異なる」「極めて悪質で、背信的」「全くの事実無根の内容」「報道の名に値しないもの」
とにかくやたらと相手の非を強調し、自分たちこそ正義だという主張をする「クセ」が強いのである。
相撲は国技であり、日本人の誇りなんだから、デタラメな放送や報道をされてヘラヘラ笑っていられるかという、相撲ファンのお叱りが飛んできそうだが、筆者は誤報であってもスルーせよなどと言いたいわけではない。
ただ、日馬富士暴行報道に関しては、相撲協会側の対応にも大きな問題があった。貴乃花親方という希代のスターと情報戦を繰り広げている中で、確たる証拠を出すこともなく、ここまで断定的かつ独善的に物事を言い切ってしまうというのは、あまりにも杜撰である。そこにはやはり、相撲協会という組織カルチャーが大きく関係しているということを申し上げたいのである。
実際、この傾向は昨日今日始まったものではない。例えば、2007年に「週刊現代」が八百長疑惑を報じた時にも、「事実無根」の一言をゴリゴリ押して提訴。10年に発行元の講談社から賠償金を勝ち取った際には大ハシャギで、これまた「事実無根」を世にふれまわったものの、翌年にはガチンコの八百長問題が発覚して巡業停止にまで追い込まれ、今でいうところの大ブーメラン状態にもなっている。
いずれにせよ、ロクに事実関係を調査しないまま、「事実無根だと認めよ」とゴリゴリ迫る姿は、これまでの相撲協会という法人のプロファイリングにピタッとマッチするのは事実だ。
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https://diamond.jp/articles/-/180641?page=4
企業のクーデターでもありがちな「非公式の説得」だった可能性も
仮に「協会」として動いた痕跡がなくとも、裏で非公式に一部役員がプレッシャーをかけていた可能性も十分にありえる。
企業のクーデターや派閥争いでも、敗れた側の社員たちに、新体制への忠誠心があるのかを「査定」する”お目付役”がつくことは決して珍しい話ではない。彼らは時にファイティングポーズを崩さない者に対して、「意地を張らず、こっちのグループにつけ」と説得工作を行う。
一般の日本企業でもいまだに見られる、しょうもないパワーゲームが、企業よりも硬直して流動性のない相撲協会で起きないとする理由が見当たらない。それが、厳密に貴乃花親方が言うような「圧力」だったかどうかはさておき、「相撲協会の平和と安定」のため、「告発状を貴乃花親方に嘘でしたと認めさせる」という特命を帯びて動いた人々がいても、なんら不思議ではないのだ。
そう考えると、今回の貴乃花親方の電撃引退というのは、そんな「特命係」による「あの告発状はデタラメでしたって一言言ってくれれば、弟子のためにもなるし、一門みんな丸く収まるんだから、な、な」という説得工作の失敗かもしれないのだ。
もちろん、一部の方が指摘するように、これが全て貴乃花親方の脳内で繰り広げられている妄想であるという可能性も、現段階では否めない。
果たして、角界を揺るがす大一番の行方はどうなるのか。今後、どんな情報戦が繰り広げられ、事実が暴露されるのか、注目したい。
八角理事長、会見で「~するつもりだった」連呼 貴乃花退職決まってからの発言に疑問の声
2018年10月1日 19時56分 J-CASTニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/15384871/
9月25日に会見した貴乃花親方
日本相撲協会が2018年10月1日に会見を開き、この日の臨時理事会で決定した貴乃花親方の退職について説明した。
会見で八角理事長は、貴乃花親方への対応に関して「~するつもりだった」と考えていたことを連呼。これにインターネット上では、「つもりってことは心の中で思っていただけ」などと疑問の声が漏れた。
「決まるまで待つつもりでいました」
退職の一因となったのは5つある一門いずれかへの所属義務。貴乃花親方は9月25日の会見で、「所属一門を決めなければ部屋を持つことができない旨の決定が7月の理事会でなされた」としていたが、八角理事長は「理事会で決めることだからと(無所属の親方を)締め出すようなことは当然できません」として否定。また、
「私たち協会本部は、貴乃花親方と直接面会して話をしたいと思いました。一門所属の件も直接会って説明したいと思いました」
「(期限の)9月27日の理事会までに所属一門が決まらなくても、決まるまで待つつもりでいましたし、決まらなければ、貴乃花親方を高砂一門(編注:八角理事長が所属)で引き受けることを一門のみんなで話すつもりでした。すべての一門が引き受けることを協議しようと考えていたと思います」
と、自身にも考えがあったことを明かした。
同席した尾車事業部長も「9月27日までに決まらなくても師匠を辞めなくてはいけないなんてことは、まったくありません。理事長が言ったように待つつもりでした。私の一門でも要請があれば受け入れていました」と八角理事長の言葉を繰り返している。
八角理事長は、高砂一門で受け入れる用意があることを、協会の顧問弁護士を通じて貴乃花親方の代理人弁護士に伝えていたという。だがその後、親方本人からは結局連絡がないまま今日を迎えた。八角理事長は「色々ありましたが、いつか協会を一緒に引っ張っていくと思っていただけに残念でなりません」と心境を明かした。
「相手に伝わっていなければ意味がない」
しかし、退職決定後に「つもりだった」「したいと思った」と繰り返した八角理事長。「後出し」で腹案を明かした形となり、協会トップでありながら自己弁護のような態度をとったことに、ツイッター上では、
「つもりってことは心の中で思っていただけ。何とでも言えるよね」
「つもりだった! はじめから言えばいいのに便利な言葉だね」
「八角親方の会見。『つもり』『つもり』ばかりの発言! そう思ってたって事でしょう? 言い訳ばかりの内容でした」
「八角理事長の『つもりでした』は小学生の言い訳にしか聞こえない」
「『つもりだった』内容はこの話が各親方に伝わったつもりだった時、貴乃花親方に伝わっていたのでしょうか。きちんと相手に伝わっていなければ意味がないです」
と疑問の声が相次いでいた。
今回の問題では、貴乃花親方と協会側との認識の食い違いがいくつも浮き彫りになった。八角理事長は引退届の提出を発表した貴乃花親方の会見を見た時、「なんで辞めるんだろうと最初に思いました」という。
貴乃花親方追い込んだ相撲協会の裏指令「まるで追い出し部屋」
記事投稿日:2018/10/02 00:00 最終更新日:2018/10/02 00:00
https://jisin.jp/sport/1669180/
日本相撲協会に引退届を提出したと発表した貴乃花親方(46)。9月25日に会見を開き、「真実を曲げて『告発は事実無根である』と認めることは、私にはできません」と告白。平成の大横綱とまで呼ばれた親方は、無念を押し殺すかのように何度も「真実」という言葉を繰り返していた。
「発端は、昨年10月に起きた元横綱・日馬富士関(34)の暴行事件でした。弟子の貴ノ岩関(28)を傷つけられた親方は、不祥事に対する日本相撲協会の対応を問題視。今年3月、内閣府に告発状を提出しました。いわば協会に反旗を翻したかたちです。このことがきっかけとなり、彼を角界から排除しようと考える派閥が生まれました。理事たちは『お前のせいで公益団体じゃなくなったらどうするんだ!俺たちが飯を食えなくなるだろ!』と貴乃花親方を罵っていたそうです」(相撲関係者)
日馬富士の暴行騒動で理事を解任させられた貴乃花親方は、弟子の貴公俊(21)による殴打事件が発覚したことで告発状を取り下げることに。そして、平年寄まで降格させられることとなった。この時点で、貴乃花親方は“白旗”を上げたも同然。だが、協会はそれでも手を緩めなかった。7月、相撲協会は『どの部屋も5つある一門に所属しなければいけない』という新ルールを決定。8月には貴乃花親方へ『告発状の主張は事実無根の理由に基づいてなされた』とする書面を届けた。
「貴乃花親方は『一門に入るための条件として、告発内容は事実無根であったと認めるようにとの要請を受け続けてきました』と主張。これに対して相撲協会は『要請する表現は一切ない』と反論しています。しかしこれはまるで“追い出し部屋”と同じ。やめろと直接的な表現こそしていませんが、間接的には辞めざるを得ないようになっていたのです。相撲協会は彼が認めることのできない要求をあえて送ったのでしょう。なぜなら、5つの一門は相撲協会の意に反する行動がとれないから。貴乃花親方が協会からの要求をのまない場合、5つの一門も彼を受け入れられないというわけです。つまり文書には5つの一門へ『貴乃花親方は協会に逆らった』と伝える“裏指令”も込められていたのです」(後援会関係者)
元大相撲関脇の貴闘力忠茂氏(50)は26日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)に出演。そこでこんな爆弾発言をしていた。
「クビになるとき、理事全員いる前で『協会に不利益になること言ったら子供が相撲取りになるんだから。お前ちゃんと静かにしとけよ』と言われて……。それで今までずっと我慢していたんです」
実際、貴乃花親方も会見で「苦渋の決断ではありますが、何より弟子たちの将来を見据えて断腸の思いです」と語っている。前出の後援会関係者はこう続ける。
「残される弟子たちの未来は、相撲協会次第。いわば人質です。貴乃花親方もそう考えていたようで、悩み続けていました。弟子たちがどの一門に入るのかは、9月27日までに決めなければなりませんでした。もし決められなければ、彼らはバラバラに配置させられる可能性があったのです。貴乃花親方は、それだけは避けたかった。だから引退することで、弟子全員を千賀ノ浦部屋に受け入れてもらおうとしたのです」
すべてを失った貴乃花親方。現在は妻・景子さん(53)とともに失意のうちにあるという。
「景子さんは貴乃花親方の決断に無言で頷いたそうですが、やはり断腸の思いだったでしょう。会見後、彼女はすっかり憔悴しきっていました。そして貴乃花親方も『もう静かに暮らしたい』と……。あまりにも無念です。それでも親方は部屋の土俵を残すと言っていました。それに『ちびっこ相撲は続けていきたい』とも言っていました。相撲協会から離れ、純粋な気持ちで相撲と向き合っていきたいのではないでしょうか」(前出・相撲関係者)
阿武松審判部長 貴乃花親方の退職に「本心で言えば無念です」 かつて貴乃花一門に所属
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/10/01/kiji/20181001s00005000400000c.html
阿武松審判部長 Photo By スポニチ
かつて貴乃花一門に属した元関脇・益荒雄の阿武松審判部長は1日、両国国技館で取材に応じ、「本心で言えば無念です」と貴乃花親方の退職に視線を落とした。
この日、日本相撲協会が配布した臨時理事会の概要によると、「一門への所属」という新規則を決めた7月26日の理事会で、阿武松親方を無所属の親方衆への伝達役に決めたという。阿武松親方は8月上旬になって貴乃花親方に説明。これに対して貴乃花親方は、一門に所属しなければ廃業になると認識。協会による「圧力」と捉えたもようだ。
協会が設定した期限は7月の理事会から約2カ月後。阿武松親方は9月の秋場所後半になり東京都江東区の貴乃花部屋を訪れたことを明かし、「私はもう精いっぱいの説得をした。私の力不足です。残ってほしかった、本当に」と肩を落とした。
協会が報道陣に配った資料には「無所属の親方たちの所属先は、だんだん決まっていって、最後に、貴乃花親方が残りました。しかし、9月の理事会までに決まらなくても、それで師匠をやめなくてはいけないなどということは、まったくありませんでした。決まるまで待つつもりでした」とある。
貴乃花親方が会見した25日の後、八角理事長は貴乃花親方の顧問弁護士らに各一門が門戸を開いていると伝えたという。ただ、ある親方は「(貴乃花親方を受け入れることになった場合は)俺が出る」と断固拒否。アレルギーのある親方もおり、実際は全ての一門が受け入れられる状態ではなかった。
最も大事なのは大相撲を支えるファンの思い。審判として館内に姿を見せると、人気のある関取と同じぐらいの大きな歓声が送られていた。阿武松親方が説得した時の言葉に「9月の理事会までに決まらなくても、それで師匠をやめなくてはいけないなどない。決まるまで待つ」とあれば、現役を引退しても絶大な人気を誇る大スターが角界から去るような異常事態にはならなかったように思う。
[ 2018年10月1日 21:18 ]
貴乃花親方の手元には相撲協会の暗部をえぐる爆弾がある
2018年10月2日 7時0分 NEWSポストセブン
http://news.livedoor.com/article/detail/15386387/
弟子の貴ノ岩は何を思う(共同通信社)
9月25日に引退会見をおこなった貴乃花親方と、元々は“シンパ”とされてきた親方衆の間には、距離ができてしまっていた。若手親方の一人はこういう。
「阿武松グループと協会執行部側の接近を取り持ったキーマンは、今年2月の理事選を前に時津風一門を離脱し、“貴シンパ”として知られた錣山(しころやま)親方(元関脇・寺尾)だったようだ。阿武松親方(元関脇・益荒男)と錣山親方、そして八角理事長(元横綱・北勝海)は1979年初土俵の同期。相撲教習所でも一緒だった。日馬富士の事件以来の混乱を収束させようと、『同期3人で手打ちがあったのではないか』──貴乃花親方はそう不信感を抱いていたようだ」
協会執行部との対立の末、春場所中に弟子の貴公俊が暴力問題を起こし、貴乃花親方はヒラ年寄まで降格される屈辱を味わった。
3月に3期目の八角理事長体制がスタートして以降は、「場所中も審判部の控室で壁の方を向いたまま、誰とも話そうとしない」(講演会関係者)という状態が続いていた。盟友といわれた玉ノ井親方(元大関・栃東)や浅香山親方(元大関・魁皇)、湊親方(元前頭・湊富士)らとも必要最小限の会話しかしていなかったという。
「周りには一切、相談をしないからか、部屋の中も混乱してギクシャクしていた。8月の夏巡業中には、四股の指導をされていた弟子の一人が反抗的な態度をとったことで、かなり険悪な雰囲気になったこともあったという。引退会見にしても、妻・景子さんに何の相談もなく一人で決めたことだった」(ベテラン記者)
協会内で孤立が進んだことが、電撃引退会見の背景にあるのは間違いない。ただ、この急展開に焦ったのは貴乃花親方だけではなく、協会執行部サイドも同じだった。
7月の理事会での「一門への所属」を求める決定は、6月に一門を解消したばかりの貴乃花親方と阿武松グループを分断する強烈な“張り手”に見えるが、「引退は協会にとって計算違いだった」(元親方)とみられている。
「執行部としては、貴乃花親方の首に鈴を付けて、一門の枠組みに押し込めたいという意図だったと思う。しかし、追い出すつもりまではなかった。9月27日の理事会では、新たに一門に所属する親方衆の申し出を承認したうえで、無所属のままの親方の行き先を調整するつもりだったはず。“即引退”という玉砕に打って出るとは思っていなかった」(同前)
協会側が“貴乃花追放”まで考えていなかったのは、単に世論の反発を恐れたからではない。貴乃花親方の手元には、協会の暗部をえぐる“爆弾”があるとみられているからだ。
◆陰のスポンサー
「貴乃花部屋は、協会スキャンダルの“ネタ元”になる元職員を複数、囲っている。体制が変わったときに確執が生じて協会から放逐された金庫番といわれた元幹部職員や“女帝”と恐れられた女性職員などを雇い入れてきた。それにより、協会の機密文書の内容やカネの動きなどの裏事情をほとんど把握している。
国技館の改修工事業者の決定をはじめ、メインバンク選び、自動販売機の設置から売店の納入業者の選定まで、細かなものも含めて協会周辺には“利権”になり得るものが数多ある。新たな告発のネタには事欠かないはずだ」(同前)
さらに貴乃花親方は、故・北の湖理事長の懐刀で、現執行部と激しく対立する元協会危機管理顧問とも関係が深いとされる。そのことにも、協会側は疑心暗鬼を深めている。
貴乃花親方の引退会見が、「六本木の弁護士事務所」で行なわれると聞いた執行部サイドでは“泥沼の法廷闘争に持ち込むつもりでは”という観測も流れた。
引退会見で貴乃花親方は、「協会と争うつもりはない」と強調したが、「その言葉を額面通りには受け取る関係者はいない」(前出の若手親方)というのだ。
協会が書類上の不備を理由に貴乃花親方の引退届を受理しないことについても、「無断欠勤扱いにして、ペナルティとして退職金をカットするつもりでは」(スポーツ紙デスク)という見方がある一方、貴乃花親方を野に放つことを危惧して、混乱があるようにも見える。
※週刊ポスト2018年10月12・19日号
相撲協会の「パワハラ」に耐え抜く貴乃花親方の男気
小林信也(作家、スポーツライター)
https://ironna.jp/article/9305
元日馬富士による傷害事件以降、日本相撲協会との対立が続いていた貴乃花親方の「独り相撲」が終わった。弟子の十両、貴公俊が付け人を暴行した問題が発覚したことで、これまでの姿勢を一変させ、日本相撲協会の処分後には「弟子の育成と大相撲の発展のためにゼロからスタートしてまいります」という談話まで発表した。
その真摯(しんし)な反省ぶりは当然とも言えるが、なかなかできることではない。とはいえ、貴乃花親方にとって愛弟子の暴行問題はまさに青天の霹靂(へきれき)であり、最もあってはならない出来事だった。この件については言い訳をせず、逃げ道も探さなかった。報道陣に向かって真っすぐ謝り、責任をすべて自分に向けた姿勢を世間はどう受け止めただろうか。
貴公俊の暴行が発覚するまで、貴乃花親方と相撲協会の確執は一層深まり、春場所中には無断欠勤や奇行ぶりなど勤務態度がたびたび問題視され、協会だけでなくメディアからも厳しく非難された。頑(かたく)なに対決姿勢を貫いていたことを思えば、貴乃花親方の「軟化」は驚くべき変化である。
貴公俊に最悪の処分が下ることを案じた親方なりの精一杯の思いとも理解できるが、これまで日本相撲協会に「角界改革」を突きつけて戦ってきただけに、心中を察するには余りある。
ところが、これまでの報道をみる限り、メディアは貴乃花親方へのバッシングをどんどん強め、まるで「鬼の首を取った」かのような論調を展開した。貴乃花親方の謝罪で図に乗る親方衆、相撲評論家らの傍若無人(ぼうじゃくぶじん)ぶりは見るに堪えない。3月28日付スポーツ報知は、次のように報じている。
日本相撲協会の役員以外の親方で構成される年寄会が28日に臨時年寄総会を開き、その後、貴乃花親方(45)=元横綱=へ「降格」以上の厳罰を求める意見書を執行部に提出する動きがあることが27日、分かった。年寄会は、春場所中に無断欠勤を重ね、8日目(18日)に弟子の十両・貴公俊(たかよしとし、20)の暴行が発覚するなどした同親方を問題視。臨時総会では降格のほか、「解雇」に相当する「契約解除」など厳しい処分を求める声が上がる見込み。
一読して、疑問符ばかりが浮かぶ。あれだけ頑なだった態度を一変させ、誠心誠意謝罪に努める貴乃花親方に対して、ここまで言うのか。メディアも、どんな意図と根拠を持って、このような報道で煽(あお)るのか。
2018年3月、京都市内のホテルで行われた貴乃花部屋の千秋楽パーティーに出席し、報道陣の質問に耳を傾ける貴乃花親方
このように人の心の機微が理解できない、人間関係の思いやりを持たない「イジメっ子」たちが、今の角界には溢(あふ)れている。このことが相撲界を揺るがす深刻な問題の温床だと、いみじくも露呈している。
次のページ 貴乃花親方への「パワハラ」?
https://ironna.jp/article/9305?p=2
貴公俊の暴行問題が起こる直前、日本相撲協会と貴乃花の関係は冷え切った状態だった。例えば、3月14日付スポーツ報知は次のように伝えている。
春場所の欠勤を初日から続けている大相撲の貴乃花親方(45)=元横綱=に、出勤要請を出したことを14日、日本相撲協会の春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)が明かした。
協会によると、2日目の12日に貴乃花親方から連絡が入り、元横綱・日馬富士関の暴行事件で被害者となった弟子の貴ノ岩に関して、医師と連絡を取る必要があり、役員待遇委員として役員室に常時滞在することは極めて難しい旨が伝えられたという。だがその主張を「出勤しない理由にはならない」と協会側は同親方に連絡。3日目の13日夜に再度、協会への返答があったが「体育館(エディオンアリーナ大阪)で柔軟に対応する」という趣旨で、役員室へ常駐する意思は示されていなかったという。
これを受けて協会側は欠勤を認められないと判断。「今後出勤するように理事長名で指示します」(春日野部長)とした。また貴乃花親方とは12日の段階から電話がつながらず、FAXでの文書のやり取りで連絡をとっているという。同親方は1月に初の理事解任処分となった際に、協会からの電話に出ることも求められていた。
貴乃花親方が春場所直前、内閣府に「告発状」を提出したことも、協会が態度を硬化させた背景にある。3月18日付デイリースポーツによれば、
職務放棄が問題となっている貴乃花親方(45)=元横綱=が17日、役員室に3日連続で入り、最短25秒で退室し、会場を後にした。15日は数分、16日は1分未満の役員室滞在だったが“記録”を更新。3日連続の“超速早退”に協会側はついに最後通告となる文書を突き付けた。
女子レスリングのパワハラ騒動に関して、筆者は「両者を公平に扱ってはいけない」と指摘した。「パワハラを受けた」と感じている側の言い分をまず存分に聞くべきであって、パワハラをしていると告発された側は一方的に否定したり、被害者の気持ちを踏みにじる言動、行動があってはならない。ところが、貴乃花親方の場合、親方の訴えは全く受け入れられることなく、全否定され、むしろ断罪され続けていたのである。
2018年3月、日本相撲協会の危機管理委による事情聴取を終え、会場のホテルを出る貴公俊関(左)。右は貴乃花親方
貴乃花親方をめぐる一連の騒動を「日本相撲協会」対「貴乃花」の正義をかけた戦い、次の理事長選も見据えた「勢力争い」のように見る向きが多かった。それだけ貴乃花親方は孤高の存在感であり、横綱としての実績も大きかった。世間もメディアも、いや筆者自身も勘違いしていたが、実は一連の騒動が「日本相撲協会による貴乃花へのパワハラだったのではないか?」と今は思っている。
「貴乃花親方は立場ある人間だからパワハラとは言えない」「協会の人間として大相撲の発展に努めるのは当然」という声も聞こえてきそうだが、貴公俊の暴行問題が起きるまでの貴乃花親方の表情や心理状態を察すると、まさに孤立無権であり、組織の権力によってどんどん追い込まれ、自らの主張を一切封じられた状況ではなかったか。そして、ついには理事という立場まで奪われたのである。まさに日本相撲協会による「パワハラの構図」だったと言えないだろうか。
次のページ 正論を権力に踏みつぶされる現実
https://ironna.jp/article/9305?p=3
日本相撲協会という強大な組織を相手に、貴乃花親方と言えども、たった一人で戦えるはずがない。権力側が自らの権力を行使すれば、一人の情熱や正論など蹴散らされ、踏みつぶされる現実をこの数カ月で私たちは見せつけられてきた。
2018年3月、大相撲春場所を直前に控え、朝稽古に励む十両貴ノ岩
何より貴乃花親方は、大切な弟子を酒席とはいえ現役の横綱に凶器を持って殴打され、重傷を負わされた被害者である。その被害者がいつしか「極悪人」のように扱われ、理事を解任された。それだけを切り取っても単純におかしい。貴乃花親方は事件を知ってすぐ警察に届けたが、協会に対しては協力しなかった。その初動対応を協会側は根に持ち、貴乃花親方への反発を強め、相撲評論家たちまでも一丸となって「親方のやり方はまずかった」と口をそろえたのである。しかし、現に相撲協会は、日馬富士の暴行を知りながら公表せず、日馬富士を土俵に上げて九州場所を開催した。その責任はなぜかうやむやになり、協会批判を繰り返した貴乃花親方だけが重い処分を科せられたのである。
本来は第三者的な組織で、理事会側と貴乃花親方の双方から話を聞いて判断すべきだったが、裁定したのは理事会の上位組織である評議員会だった。協会の意向に沿って処分を承認したことは想像に難くない。これもおかしな話である。「パワハラ」という認識があろうとなかろうと、評議員会は本来、理事会側の言い分だけを鵜呑(うの)みにするのではなく、貴乃花親方の訴えや気持ちを存分に聞くべき立場である。それもしていない。貴乃花親方は、苦しみを訴えれば訴えるほど、否定され、非難されたのである。
パワハラの観点から見れば、相撲協会と貴乃花は「パワハラをする側とされる側の関係」が成り立っている。規則を盾にすれば権力側はいくらでも要求し、支配し、冷遇し、心身ともに追い込むことができる。前述した新聞記事を改めて読み直せば分かると思うが、パワハラにもがき苦しむ貴乃花親方の哀切を思いやる気持ちなど、そこには一切うかがえない。メディアの多くも、日本相撲協会の片棒を担ぎ、パワハラに加担したのである。
自業自得とばかりに、相撲協会は上から目線の通告を繰り返した。パワハラの空気が充満する役員室に足を踏み入れることが、貴乃花親方にとっては苦痛そのものだったに違いない。それなのに、そうした心情や、権力者側によって作られたハラスメントの状態が容認される。こうした認識の鈍さ、配慮のなさが、日本社会に根強くはびこるパワハラの温床だと、私たちは気づき、学ぶべきではないのだろうか。
むろん、貴乃花親方自身は「パワハラ」という言葉を一切使っていない。それは自分の尊厳でもあり、相撲協会への思いの表れかもしれない。だが、貴乃花親方が終始訴えていたのは、権力側の不当な「パワハラ」に通じる。
次のページ 問題は終わっていない
https://ironna.jp/article/9305?p=4
貴乃花親方は貴公俊の暴力問題が発覚して、素直に謝罪し、これまでの姿勢を改めた。ある相撲リポーターは「やっとツキモノが取れた」と表現した。相撲界の改革を求め、確信を持って問いかけ続けてきた貴乃花親方に対して、あまりに失礼な言葉である。貴乃花親方の訴え方に一考の余地はあっても、一貫して主張した内容は理に適っている。むしろ、日本相撲協会が猛省し、改めるべきことが山ほどある。だが、協会は数の力でこれを退け、自分たちこそ正論、正道との態度を変えていない。そんな愚かな現実が放置され、何か発展はあるのだろうか。
「一兵卒としてやり直す」とまで語り、先の記者会見でも「頑(かたく)なな姿勢を取ってしまった」と貴乃花親方は反省の言葉を繰り返した。貴乃花が態度を改めたことで、一連の騒動は結末を迎えた格好だが、相撲協会は「完全勝利」をアピールする一方、貴乃花の「独り相撲だった」というシナリオで幕を閉じるつもりだろう。
だが、この問題は決して終わってなどいない。貴乃花親方一人の問題ではなく、間違いなく協会全体の問題である。貴乃花という「仮想敵」がいなくなった今こそ、相撲協会の根本的な体質が問われるべき段階に入ったと言える。
2018年3月26日、日本相撲協会の理事長に3選され、記者会見する八角理事長
幸い、3月28日の年寄会では、「貴乃花親方の契約解除を求める決議」までは出なかった。安堵(あんど)するというより、そんな理に合わない怒りをあらわにする次元が悲しすぎる。「大相撲を発展させたい」「角界を変えたい」と声を上げた人間を、たとえ「意見が合わない」「その改革が実施されると自分の権益が失われる」といった不利益があったにせよ、寄ってたかって攻撃する構図は、旧態依然とした相撲協会の「縄張り意識」が根底にあったと言えよう。
一連の騒動を振り返って、貴乃花親方の信念が封殺される状況を歓迎してはならない、とつくづく思う。貴乃花自身の「完敗宣言」に乗じて、まるで「自分たちが正しかった」と図に乗るような輩がのさばる世の中に未来などない。
2017.12.28
貴乃花親方バッシングに見る相撲協会とマスコミの「狂気」
窪田順生:ノンフィクションライター
https://diamond.jp/articles/-/154602
マスコミが連日垂れ流す貴乃花親方バッシング。まるで集団リンチのような暴行事件そのものよりも、貴乃花親方の言動の方がはるかに問題だ、とでもいうような風潮が出来上がってしまっている。ここには、日本社会が蝕まれている重大な「病」が潜んでいる。(ノンフィクションライター 窪田順生)
何も語らぬ貴乃花親方に向けた バッシングが止まらない
冷静に考えてみれば、横綱も同席した場で起きた、まるで「集団リンチ」のような事件よりも、貴乃花親方の言動ばかりが問題視される風潮は、狂っているとさえ言える。この狂気は、日本社会が長らく蝕まれてきた「病」で、非常に厄介なものだ 写真:日刊スポーツ/アフロ
日本型組織の「制度疲労」から来る不正や不祥事が連発した2017年もようやく終わりを迎えようかという年末、最後の最後に日本型組織のクレイジーさを象徴するような「騒動」が起きてしまった。
今日、日本相撲協会から重い処分が言い渡される貴乃花親方に対し、連日のように行われている「バッシング」である。
貴乃花親方が何も語らぬのをいいことに、「協会関係者」なる人物たちが好き勝手に貴乃花親方をディスり、それをマスコミがノンフィルターで右から左へ垂れ流すという、見ていてあまり気持ちよくない「印象操作」が続いているのだ。
わかりやすいのは、貴乃花親方の聴取が行われた翌日、マスコミが報じた「協会関係者」なる人物の主張だろう。「警察から協会に事情を伝えた方が正確だ」という趣旨のことを親方が主張していることに対して、こんな調子で一蹴した。
《「そんな話は世の中に通じないだろう」と述べ、巡業部長としての責任を果たしていないとの認識を示した。》(日テレNEWS24 12月26日)
翌日になると、この聴取で貴乃花親方が、「自分は間違っていない」とダダッ子のように主張したという情報が相撲協会からリークされ、再び「協会関係者」が登場。誰も頼んでいないのに、ワイドショーのコメンテーターばりに「論点整理」を行っている。
「協会の執行部が事態を把握したあと理事会にすぐに報告しなかった方が問題だ」(日テレNEWS24 12月27日)
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https://diamond.jp/articles/-/154602?page=2
貴ノ岩の主張が正しいならば事件は「集団リンチ」である
こういう報道ばかりが世に溢れると、素直でピュアな日本人は、なにやらこの騒動の元凶は、非常識で、組織人失格の貴乃花親方にあるような気がしてしまう。事実、ワイドショーに出ている相撲記者歴ウン十年みたいなロマンスグレーのおじさま方や、評論家のおじさんたちは、「こんなワガママは組織人として許されませんよ!」とか声を張り上げている。
だが、筆者に言わせると、これは完全に相撲協会側の「印象操作」がもたらしたミスリードだ。
今回の騒動で本当に「問題」なのは、貴乃花親方による報告がなかった云々ではない。
白鵬という、この世界の絶対的権力者が、日馬富士が貴ノ岩をボコボコに殴っていた間も、ずっとそれを見ていたということ。さらに、現場にいた力士たちと、被害者である貴ノ岩の主張が完全に食い違っているということだ。
もし貴ノ岩の主張が正しければ、これは日馬富士による単なる暴行事件ではなく、大横綱・白鵬の「この生意気な奴に体で分からせてやれ」という思いを「忖度」した、横綱や力士たちによる「密室の集団リンチ」である。
このような組織内の絶対権力者が関与した犯罪を、組織内で断罪することが困難を極めるというのは、さまざまな事例が証明している。たとえば、シリコンバレー発の最先端企業Uberでも、「ハイパフォーマー」と呼ばれる超エリート社員にセクハラされた女性が人事部に訴えたところ、「キミのことを切ろうと思えばいつでも簡単に切れる」と逆に脅され、この女性はクビに追いやられた。
もし貴ノ岩と貴乃花親方が暴行発覚後に協会にすべてを打ち明けても、彼らの主張はネグられ、日馬富士と白鵬という「ハイパフォーマー」を擁護するような対応が行われた可能性が高いのだ。
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https://diamond.jp/articles/-/154602?page=3
マスコミはなぜ相撲協会の思惑に乗るのか?
なぜ「殴られる理由がない」と主張する貴ノ岩がボコボコにされる間、白鵬はカラオケのリモコンという凶器が登場するまで止めなかったのか。「問題」の根っこはここにあるのではないか。
今年1月、貴ノ岩は白鵬から初金星を挙げた。そのおかげで、白鵬は優勝を逃している。そのようにメキメキと頭角をあらわしてきた後輩を、説教の末、密室で「かわいがり」を行えば、かねてから囁かれる「モンゴル勢の星の回し合い」が疑われても仕方がない。
このあたりを追及するために、マスコミが白鵬を連日追いかけ回すのなら分かるが、現実には、マスコミは貴ノ花親方を追いかけ回して、やれ「非常識だ」「態度が悪い」「ここまでくると異常だ」と大騒ぎをしている。
要するに、大横綱がからむ「集団リンチ」の真相究明ではなく、「組織への報告がない」ことの方が「問題」だというのだ。
完全に狂っている。では、なぜ狂ってしまうのか。
相撲協会は興行のドル箱である白鵬や鶴竜という横綱にこれ以上、ネガティブイメージを付けたくないという思惑があるが、マスコミまでが、なぜかその思惑に丸乗りし、貴ノ花親方バッシングに加担をしている。
バカなのか。いや、バカではない。実は相撲協会とマスコミはある一点で非常によく似ている。それは「極度に閉鎖的なムラ社会」だということだ。「ムラ社会」というのは基本的に、貴ノ花親方のようなタイプの人間は大っ嫌いである。「ムラ」の秩序を乱す者は、組織の総力を挙げて潰さなくてはいけない。
その逆に、少しくらいの不正、少しくらいの暴行などを行っても、それが「組織のため」という大義名分があれば、「ムラの功労者」として表彰される。後輩をボコボコに殴った日馬富士が「礼儀を教えるため」だと述べたことに対して、「男らしくて立派だ!」「引退なんてしなくていい!」ということをおっしゃる方がいるのが、その証左だ。
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https://diamond.jp/articles/-/154602?page=4
ムラの論理という「病」に蝕まれている日本人
この「ムラの正義」は日本の伝統みたいなもので、たとえば、古くはロッキード事件の時の大企業が分かりやすい。事件が摘発され、某大手商社の総務課長と、秘書課長が逮捕された。2人は事件への関与が疑われた同社の会長や専務の自動車行動表などを破り捨て、「証拠隠滅」を図ったという容疑だった。2週間近く拘置されて釈放された2人は、会社のあちこちから「ごくろうさま」と声をかけられ、「英雄」として祝福された。若い社員が当時、「朝日新聞」の取材にこう述べている。
「企業防衛のために、トップの指示に従った社員が逮捕されるなんて……。僕がその立場だったら、同じことをしていた」(朝日新聞1981年1月5日)
「ムラ社会」では、「ムラ」を守る人は常に清く正しい。その逆に「ムラ」を裏切る人間は、私利私欲にまみれて汚れているとされる。業界の不正や悪習を「内部告発」した人間が総じて激しいバッシングに遭うのは、この「ムラの論理」があるためである。
こういう考えは閉鎖的な業界であればあるほど強い。相撲協会はその典型だが、実はマスコミも負けていない。記者クラブ制度に代表されるように、この世界では、「ムラ」に入らないと情報にアクセスすらできない。
つまり、貴ノ花親方へのバッシングというのは、相撲協会とマスコミという2つの「ムラ社会」が、「ムラの秩序を乱す者への憎悪」をこじらせた結果なのだ。
なんてことを言うと、マスコミや相撲協会を特殊な社会だと言っているように思うかもしれないが、そんなことはない。「ムラの論理」というのは、何もこれらの業界だけではなく、日本社会全体が長い歴史の中で侵されてしまっている「病」のようなものだからだ。
1921年、「タイムマシン」「宇宙戦争」などで知られる作家H.G.ウェルズが、「増子」と「野口」という2人の日本人と会って、教育について議論をした。その際にこの2人の日本人は自国の教育について、このように述べたという。
「日本人が子供を育てる方法は欧米の夫れと全く正反対である。日本人はその子供を本来の性質とまったく異なった方向に向けて了ふ。日本人の中心思想は従順と奉公である。我々のあらゆる感情や詩歌、数世紀に亙る伝統は忠誠――盲目的な没批判な忠誠、妻は夫に、下僕は主人に、そしてすべての臣民は君主に対して忠誠でなければならぬと教えるのである。此の忠誠は全く宗教的である」(朝日新聞1921年11月30日)
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https://diamond.jp/articles/-/154602?page=5
大正時代から今に至るまで日本人の根本は変化していない
マスコミや相撲協会が、目の前で放置されている白鵬が関わる「問題」よりも、貴ノ花親方の立ち居振る舞いを「問題」だと大騒ぎするのは、すべてはこの100年以上前から続く「宗教」のせいなのだ。
働き方改革を謳っても過労死やパワハラがなくならいのも、多様性が大事だと謳ってもセクハラや差別がなくならないのも、「組織に対する盲目的な忠誠」というものが、宗教のように我々の心に刷り込まれているからではないか。
「従順と奉公」が正義とされる社会では、「上」に逆らうものにはどんな手を使ってでもこの正義を分からせなくてはいけない。では、どう分からせるかというと、罵詈雑言を浴びせたり、白鵬のような説教をしたりして精神的に追いつめて従わせるか、力づくで従わせるしかない。これが日本社会に蔓延するパワハラや「いじめ」の正体だ。
そんなのはお前の妄想だという声が聞こえてきそうだが、先ほどご紹介した、H.G.ウェルズと議論した2人の日本人も、「従順と奉公」が我々日本人にとって、自分の力だけではなかなか克服できない「病」のようなものだと認めている。彼らは欧米では、自由思想を養い、おかしなことは目上の者であっても批判するという文化があるとして、以下のように述べている。
「恐らく此の方法は結局に於て優れたものであり、力強いものであらう。然し乍ら日本人にはそれが正常なものではない危険なものだと言う風に思われるのである」(同上)
おかしなことを「おかしい」と指摘して行動を起こした者は「異常」であり、「危険」な存在とされる。大正時代の人々が気づいた日本人の「病」を、平成の世に生きる我々は、まだ克服できていない。
2017.11.27 # 週刊現代 # 不正・事件・犯罪
貴乃花はモンゴルグループのなにがそんなに許せなかったのか 覚悟を決めた可能性も
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53604
世の中でパワハラが社会問題になっても、角界は変わらない。外国人力士は増えたが、国際化するどころか、ますます閉ざされた世界になっている。貴乃花親方はそこに一石を投じようとしているのか。
■誰も止められなかった
また繰り返された角界の暴行事件。渦中にいるのは加害者の横綱・日馬富士、被害者の平幕・貴ノ岩、そして貴ノ岩の師匠・貴乃花親方である。
「事件が発生してスポーツ紙が報じるまでの間、11月2日に元横綱の親方と現役横綱が一堂に会する親睦会『横綱会』が福岡市内で開催されました。
八角理事長(元横綱・北勝海)も参加したこの会に、貴乃花親方だけが欠席したんです。このときすでに相撲協会と事を構えるつもりだったんでしょうね」(貴乃花部屋関係者)
貴乃花親方と懇意といわれるスポーツニッポンが暴行事件をスクープしたことも偶然ではない、というのも相撲協会関係者の一致した見方だ。
事の起こりは、10月25日深夜、巡業が行われた鳥取市内での宴会。繁華街のラウンジには、日馬富士、貴ノ岩のほか、横綱・白鵬、横綱・鶴竜、関脇・照ノ富士らモンゴル人力士や付け人ら十数人が杯を重ねていた。
ここで貴ノ岩が酒の勢いもあって「これからは自分たちの時代ですかね」と軽口を叩いた。これに日馬富士が激怒して説教する。
さらに、その際中に貴ノ岩のスマホが鳴り、操作を始めた。日馬富士の怒りのタガは外れ、ビール瓶を手にとり、貴ノ岩の頭部を殴打。倒れたところを素手で20発以上殴った。
一部報道によれば灰皿、カラオケ機器、アイスピックまで振り上げたという。一歩間違えば、貴ノ岩の生命が危険にさらされていた。
「力士の喧嘩はお互いが頑丈なので、つい道具を手にしてしまうんですが、明らかにやりすぎですよね。日馬富士は、ふだんは温和で紳士的なのですが、酒グセが悪い。
かつて朝青龍が健在だったころは、日馬富士は弟分でいじられ放題だった。だから酒を飲んでも、朝青龍がいたから、暴力をふるうことはなかった。
Photo by GettyImages
ところがいま、モンゴルの同胞グループ内には彼を止められる人がいないんです。先輩横綱である白鵬より日馬富士のほうが年上。若い時分は二人でよく飲んでいましたが、いまは横綱同士でお互いに気を遣って、酒席が一緒になることは珍しい。
白鵬は日本人女性と結婚したこともあり、モンゴル人グループ内でも孤高の存在で、日馬富士ともやや距離があります。後輩の鶴竜は日馬富士に逆らうことはできない」(相撲協会関係者)
モンゴル人力士の飲み会は元小結の旭鷲山が関取になった'95年ごろから開催されるようになった。最初は3人ほどの集まりだったが、徐々に人数が増えていく。いまモンゴル出身の力士は関取だけでも12人。大所帯の「派閥」になった。
徹底抗戦の姿勢を取った
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53604?page=2
■同胞とはつるむな
「異郷で暮らす寂しさからか、モンゴル出身の力士は地方巡業のときだけでなく、都内のモンゴル料理屋などで年に何度も懇親会をします。メンバーはみな酒が強く、酔うと荒っぽくなる。
しかし、日馬富士は結婚し3人の子宝に恵まれて、横綱にもなったので、だいぶおとなしくなったとも聞いていました。ただ、後輩の挨拶や礼儀には厳しいですよ」(スポーツ紙相撲担当記者)
貴ノ岩はそういうモンゴル派閥とは距離を置いており、今回珍しく宴席に出席したのは、母校である鳥取城北高校の恩師が参加していたからだろう。ふだんはモンゴル人の飲み会にも参加しなければ、つるむこともない。
たとえば他の相撲部屋所属でも先輩力士が同じ店で食事をしているとわかれば、後輩が挨拶に出向くのが、角界のルールである。ところが、貴ノ岩はそうしたことを一切しないのだという。
「これは力士同士の馴れ合いを嫌う貴乃花部屋の方針によるところが大きい。
部屋を作ったときに、『外国人力士は入れない』と公言していた貴乃花が、貴ノ岩の才能に惚れこんで弟子にした。貴ノ岩も父親のように貴乃花親方に心酔して、師匠の方針に従っているんです。
日馬富士にしてみれば、モンゴル出身の先輩に対して挨拶ぐらいちゃんとしろよ、と以前から貴ノ岩に不満を持っていた。それがヒートアップして暴力をふるってしまった。
最終的には二人はその場で和解して、酒席は解散したそうです。周囲も大したケガはしていないと思っていたのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
貴ノ岩も当初は貴乃花親方に「転んだ」と報告し、翌日の巡業にも参加している。
だが、暴行から4日後の10月29日、貴乃花親方は巡業先の広島県福山市から鳥取県に舞い戻り、鳥取県警に被害届を出した。
後日体調不良を訴えた貴ノ岩から、すべてを聞いてそうした行動に出たのだろう。貴ノ岩は「脳震とう、左前頭部裂傷、右中頭蓋底骨折」など全治2週間だった。
11月3日、警察からの問い合わせでトラブルを知った相撲協会担当者から事情を聞かれた貴乃花親方は、「わからない」と回答をした。その真意もまた誰にもわからない。
だが、巡業部長という立場でありながら、事前に協会に相談することなく、被害届を出した。これは覚悟を持ってのことだろう。協会に明かせば、話し合いで示談となり、事件は公にならないと考えたに違いない。
先輩横綱にあたる伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が、日馬富士とともに謝罪のために部屋を訪れた際、貴乃花親方はちょうど車で出かけてしまい、すれ違いとなった。
だが、車内から二人の姿は見えていたはずなのに、車を止めずに走り去った。横綱が袴を着てくることだけでも、よほどのこと。それを無視したのである。宣戦布告ともとれる。
「かわいがり」を一掃できるのか
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53604?page=3
■貴乃花の強すぎる使命感
「モンゴル人力士の集まりについては、あまり良く思っていない親方や女将さんはいるんですよ。その一人が貴乃花親方なんです。
所属する部屋や年齢、番付が異なる力士が集まってグループを作れば、内部でトラブルが起こることもありえる。彼らはモンゴル語でよく携帯でも話していますから、そのことで、八百長が疑われるようなことにもつながりかねません。
次々とモンゴル出身の横綱が誕生し、メンバーの態度が大きくなっていったという面もありますね」(前出・相撲協会関係者)
日馬富士は今年の秋場所において、最低ラインとも言える11勝4敗で優勝を果たした。その日馬富士から愛弟子が一方的に暴行を受けたのだ。
優勝すれば後輩に暴力をふるってもいいのか。正義感あふれるガチンコ力士として横綱に上りつめ、いまは相撲協会の改革を訴える貴乃花親方が、激しい憤りを覚えるのは当然かもしれない。
Photo by GettyImages
「貴乃花親方は相撲界を自分が導くという強すぎる使命感を持っています。来年1月には2年に1度の協会の理事・理事長選挙が開催されます。
前回の理事長選で貴乃花親方は八角理事長に完敗して、『もう出ない』と言っていました。ですが、今回の事件により、結果的に八角理事長の責任問題は避けられません。
しかも次は伊勢ヶ濱親方と見る向きもありましたが、その目も無くなってしまいました。そうなれば、次の理事長選では消去法で貴乃花親方となってもおかしくありません」(前出・スポーツ紙記者)
貴乃花親方は理事長となり、今回の事件を契機に、角界から「かわいがり」を一掃する覚悟を固めたのか。
'07年6月、時津風部屋の力士・時太山(斉藤俊さん・享年17)は兄弟子からビール瓶やバットで殴られるなど集団リンチを受けて亡くなった。父親の斉藤正人氏が言う。
「角界は変わっていない。いや、もっと悪い。加害者が横綱で、他の部屋の力士を殴っているんだから。隠蔽体質も変わってない。
あれから相撲協会も、時津風部屋も、兄弟子たちも、『墓前にお参りしたい』と言っていたのに、一切連絡がないですよ。今回の件も昔なら『酒の席のことだから』で済んだかもしれないですが、いまはそういう時代ではないでしょう」
鳥取県警は傷害罪で日馬富士に対する捜査を開始した。起訴される可能性も高い。貴乃花親方が理事長として、協会の襟を正す日はくるのか。
「週刊現代」2017年12月2日号より
その他の記事。相撲好きな人が行きやすいように、Twitterの下で移籍先 千賀ノ浦部屋の地図もアップ。
https://twitter.com/kazumi118/status/1045928532059119616
女将さん主催のお別れ会 - 貴乃花応援会 https://t.co/ETBvOr59O7
— かずみ (@kazumi118) 2018年9月29日
↓貴乃花の弟子たち移転先、千賀ノ浦部屋(東京都台東区橋場1丁目16−5)
右側に正面玄関(スクロールして見るなら)
地図上の位置(スクロールして見るなら)
航空写真で千賀ノ浦部屋(スクロールして見るなら)
貴景勝「心の中では貴乃花親方の考え方を忘れず」
[2018年9月30日15時40分]
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/201809300000528.html
貴景勝(17年12月撮影)
部屋が消滅する貴乃花部屋の部屋頭で小結の貴景勝(22)が30日、初めて公の場で師匠の退職問題について語った。元横綱日馬富士関の引退断髪披露大相撲がこの日、東京・両国国技館で行われ、幕内取組に臨む貴景勝も、両国国技館を訪れた。
師匠の決断には「自分は22年しか生きていない。その知識の中で口出しするのは軽はずみだと思う」と控えめに話したが、今後への切り替えは「いろいろ考えましたけど、自分らには相撲を頑張ることしか出来ない」と何とか踏ん切りはつけた様子。新しい師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は、部屋継承前は貴乃花部屋付きの親方であったこともあり「昔、指導していただいたので不安とか怖さもない。向こうの部屋の方針にも柔軟に対応したい」と話した。
とはいえ「貴乃花部屋」の消滅には、小学生の頃から師匠と親交があっただけに、惜別の念は隠せない。「小さい頃から子供ながらに親方に付いて行こうと思ってこの世界に入った。それは自分の心で思っておけばいい。心の中では貴乃花親方の根本的な考え方を忘れず、しっかり自分の幹にたたき込んで行こうと思う」と言葉を選ぶように話していた。
貴乃花部屋 涙の引っ越し 貴公俊が号泣…師匠と“わが家”に別れ 千賀ノ浦部屋へ
10/3(水) 6:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00000030-dal-fight
車に乗り込み号泣する貴公俊(撮影・出月俊成)
1日に部屋が消滅した大相撲の旧貴乃花部屋の力士らが2日、東京都江東区の同部屋から台東区にある移籍先の千賀ノ浦部屋に引っ越した。1日付で元貴乃花親方(元横綱)が日本相撲協会を退職。貴乃花部屋の力士8人、世話人、床山の各1人の計10人は千賀ノ浦部屋への移籍が決まった。移動する前には幕下貴公俊が号泣するなど涙の別れ。旧貴乃花部屋力士が加わった“新生・千賀ノ浦部屋”は3日から稽古を行い始動する。
【写真】景子夫人も思わず口を押えて…貴乃花親方が退職で弟子引っ越し
さまざまな感情が湧き上がったのだろう、貴公俊の涙は止まらなかった。3月の春場所で付け人への暴行問題を起こし、師匠だった元貴乃花親方は平年寄に降格。それから半年、自身の行為が原因ではないものの、部屋が消滅した。入門6年、師匠と“わが家”に別れを告げることになった。
約50人の報道陣が大挙して詰めかけた中、力士らは静かに引っ越し作業を行った。午前11時半過ぎ、ワンボックスカーに布団や衣類ケースなどが5分程度で運び込まれた。荷出しを終えると、若い衆5人と世話人の嵐望が車で出発した。
新天地の千賀ノ浦部屋には12時13分に到着した。引っ越す前は泣き腫らした目をした貴公俊も、新たな仲間らと笑顔であいさつ。近隣住民からは「頑張れー」「負けるな」とエールも飛んだ。新たに師匠となった千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)からは「これから一緒に頑張ってやっていこう」と歓迎された。
再出発のこの日、協会の公式サイトも変更。旧貴乃花部屋の力士8人ら計10人が千賀ノ浦部屋所属に移され、貴乃花部屋が削除された。旧貴乃花部屋のホームページは2日までに“閉鎖”された。
秋巡業が東京で始まる3日から、『新生・千賀ノ浦』も部屋での稽古を開始する。千賀ノ浦親方は「部屋の方針でやってもらう。和気あいあいとやっていく」と、約倍増となる17人の弟子を抱える師匠として“所信表明”した。
最終更新:10/3(水) 7:29
親方への思い変わらず…貴公俊 しこ名はそのまま「貴乃花の貴は外さない」
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/10/03/kiji/20181003s00005000262000c.html
<千賀ノ浦部屋朝稽古>四股を踏む貴公俊(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ
「貴」はそのままに――。大相撲の元貴乃花親方が1日付で日本相撲協会を退職したことに伴い、2日に移籍先の千賀ノ浦部屋に引っ越した旧貴乃花部屋の力士が3日、新たな拠点での稽古を開始。貴乃花部屋が消滅した中、幕下・貴公俊(21)が稽古後に取材に応じ、自身のしこ名について「貴乃花の貴は外さない。自分自身、変えたくない。(千賀ノ浦)親方も分かってくれていると思う。変えたとしても貴はつけて、その下は何かにする」と力強く語った。
この日の稽古でも元貴乃花親方の教えを守り、テーピングを使うことはない。「もし使っても補強程度。稽古する姿勢も、(貴乃花)親方の言葉を思い出しながらやっていきたい。親方の教えを土俵の上で出せればいいなと思います」。例え離れても、育ての親への気持ちはこの先も変わることはない。
稽古が終了してしばらくすると、2日の引っ越し時は姿のなかった十両・貴源治も千賀ノ浦部屋に到着。「やるしかないです」と覚悟の言葉を残し、部屋に上がった。
[ 2018年10月3日 16:55 ]
貴親方の“引退”悔しい…貴公俊、貴源治は変わらぬ師弟愛吐露
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/09/29/kiji/20180929s00005000074000c.html
レポーターらに囲まれながら外出する貴乃花親方(撮影・三島 英忠)
Photo By スポニチ
大相撲の貴乃花親方(元横綱)が28日、東京都江東区の貴乃花部屋前で取材に応じ、再提出が必要となった書類を既に用意していると明かした。同親方は会見を開いた25日、日本相撲協会に「引退届」を提出。ところが「退職届」と明記する必要があり受理されなかった。27日に再提出した「所属先変更願」も受け入れ先に決まった千賀ノ浦部屋の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)がコピーに署名、押印していたため、再提出を求められている。
貴ノ花親方は不備のあった書類を訂正して出し直すのかを聞かれ「はい、そうです」と即答。提出日の問いには「もう準備しています」といつでも提出可能な状態であると明かした。相撲協会は10月1日の臨時理事会で貴乃花部屋の力士ら10人の移籍について審議する。協会関係者によると移籍が確定すれば貴乃花部屋は消滅し、所属先を失う貴乃花親方の退職が正式に決まる情勢となっている。
この日は幕下・貴公俊が「寂しい」「悔しい」と無念さをにじませ、十両・貴源治も「部屋が替わっても師匠は師匠」と話すなど、弟子たちが変わらぬ“師弟愛”を口にした。また、小結・貴景勝、幕内・貴ノ岩も部屋に集結し、部屋関係者で夕食をともにした。
貴乃花光司のスーツセンスに「相撲協会から抜けて正解」 ドン小西が太鼓判
2018.10.3 11:30 週刊朝日
https://dot.asahi.com/wa/2018100200047.html
貴乃花光司(元横綱)/1972年、東京都生まれ。90年新入幕。兄の若乃花とともに活躍し、相撲界に若貴ブームが沸き起こった。94年に横綱昇進、2003年の引退後は一代年寄貴乃花となり、貴乃花部屋の師匠に=9月25日、元横綱日馬富士の傷害事件で今春提出した告発状を巡り、日本相撲協会に退職届を提出した後、会見 (c)朝日新聞社
9月25日、元横綱日馬富士の傷害事件で今春提出した告発状を巡り、日本相撲協会に退職届を提出した後、会見した元横綱の貴乃花光司。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。
* * *
このスーツ姿を見て、わかったこと。この人は相撲協会から抜けるのが正解ってことだよ。八角理事長も芝田山親方もそうだけど、元お相撲さんのスーツって、前のボタンが留まればそれでよしっていうレベルだろ。肩幅がやたら広くて、袖もズボンもダボダボ。とても見られたもんじゃないよね。
【写真】貴乃花といえば、このスリーピースの着こなしも印象的だが…
↑↓リンク先画像
貴乃花一門「無言の圧で解任決めた八角理事長は姑息」と反撃 訴訟なら泥沼化 1/2
貴乃花親方 (c)朝日新聞社
ところがこの人はぜんぜん違う。首に吸い付くようなワイシャツの首回り、上着の袖口からチラッとのぞかせた白いカフス、そして大きな体にフィットしたシルエットと、すみずみまで気配りが利いてるもんな。まさしくスーツがわかっている人の着こなし。あのダボダボスーツのおじさんたちとは、話が合うわけないんだって。
おまけにこの日は、言い訳しない男の美学がスーツににじみ出て、いつも以上にセクシーでクール。ハードボイルド映画のシーンかと思うほど、かっこよさに磨きがかかってたよ。ま、義理人情もすっ飛ばして、いきなり告発したりする現代っ子ぶりも、この趣味ならさもありなん。どっちが正しいかは別として、永遠に平行線だよね。はい、おつかれさまでした!
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2018年10月12日号
貴乃花親方、退職金&功労金で約1000万円 芸能活動など「貴乃花」の使用は可能
10/2(火) 6:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000017-dal-fight
退職が決定した貴乃花親方
日本相撲協会は1日、貴乃花親方(46)=本名花田光司、元横綱=が退職すると発表した。この日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、貴乃花部屋の力士ら全10人の千賀ノ浦部屋移籍を承認し、貴乃花部屋は消滅。貴乃花親方の退職届も受理された。八角理事長(55)=元横綱北勝海=は会見で、所属先の決まらぬ同親方を自身の高砂一門で引き受ける意向だったことを明かし、最後まで直接会談できなかったことを残念がった。同親方はこの日午前、自身応援会のHPを更新し相撲への愛などをつづった。
協会を退職した貴乃花親方には約1000万円の退職金+功労金が支払われる。また今後、芸能活動などで「貴乃花」の名前の使用は可能。会見で八角理事長が「大丈夫と思う」と見解を示した。貴乃花親方は88年春場所で貴花田の名で初土俵。大関昇進で父と同じ貴ノ花、横綱昇進で貴乃花に改めた。引退後は特別な功績を残した力士に許される一代年寄として「貴乃花」を名乗っていた。
最終更新:10/2(火) 7:12
示談できていなかった「日馬富士」と「貴ノ岩」 親方引退「貴乃花」の次なる手は…
10/2(火) 16:59配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181002-00549611-shincho-fight
貴乃花親方の次なる手は…
9月25日に引退を表明した貴乃花親方(46)と、その5日後に断髪式を行った元横綱・日馬富士(34)。昨年10月に起きた“貴ノ岩暴行事件”の当事者がそろって節目を迎えた形だが、まだ事件は“決着”していなかった――。
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白鵬(33)から説教を受けている最中にスマートフォンを操作したことで、貴ノ岩(28)は日馬富士の怒りを買ったとされる。その前段として“ガチンコ”か否かをめぐるモンゴル力士間のトラブルがあった旨を週刊新潮では報じてきた。この事件によって、穏便に解決したい相撲協会と徹底解明を求める貴乃花親方とは、対立する構図となったのだ。
今年3月には内閣府に告発状を提出した貴乃花親方だったが、その後取り下げている。引退会見で“告発状の内容を事実無根と認めるよう、圧力を受けていた”と貴乃花親方が明かしたのは、すでに報じられたとおりである。
一方、こうした動きの裏で、“加害者”である日馬富士と“被害者”貴ノ岩サイドとの間で示談交渉が行われていたことは、全く報じられていない。
「貴ノ岩の代理人弁護士は慰謝料などの名目で3000万円の支払いを求めています」
と明かすのは、相撲協会関係者だ。貴ノ岩の代理人が所属するのは、貴乃花親方が会見を開いた「TMI総合法律事務所」。今年に入って2度、話し合いの席が設けられたが、示談成立には至らなかったと代理人弁護士本人が明かす。
「マスコミの皆さんは示談がすでに成立していると勘違いしているのかもしれませんが、実際には、貴ノ岩は慰謝料どころか入院費などの実費も見舞金ももらっておらず、一銭も賠償されていない」
今後は法廷闘争となるが、そこには貴乃花親方も出廷する見込みだ。その親方には、現在、“参院選出馬説”が囁かれている。永田町関係者は周囲で広まる噂について、
「親方は議員になったあかつきには、パワハラ問題が続発するスポーツ界全般の改革を担う、とされており、いやに具体的なのが気になるところです」
貴乃花親方による相撲協会の“大そうじ”――。10月3日発売の週刊新潮では、政治家転身説を追うと共に、不調に終わった示談交渉の詳細について報じる。
「週刊新潮」2018年10月11日号 掲載
関連エントリ:
2018年9月25日貴乃花親方が協会に「引退」を届け出 記者会見で「真実曲げられない」
白鵬はインチキ横綱。それが調べた結論。プロレス相撲はいらない、横綱の資格を剥奪すべきだ。
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